こちらの記事でもご紹介したように、この5月に発売された鉄道雑誌を3冊購入し、読み終わった順に当ブログでご紹介してます。
続いてご紹介するのは、鉄道ジャーナル2024年7月号 特集「都市の直通運転」です。
今回取り上げられた「直通運転」は、大阪や東京で実施されている大手・準大手事業者どうしの直通運転をターゲットに、その歴史や現状が紹介されています。
関西地区の事例としては、
また関東地区の事例としては、
個人的には、「阪神なんば線」(伊原薫氏)、「都営浅草線」(岩成正和氏)の特集記事が、その建設に至るまでの歴史を丹念に説明しているところが、大変参考になりました。
「阪神なんば線」は、かつての「伝法線」をはしりに「西大阪線」と後年改称されましたが、終点の西九条駅のターミナル機能の薄さもあり、長年阪神の支線としての認識が強いように感じていました。
しかしその位置づけを大いに変え、今や神戸と奈良を結ぶ大動脈となった「阪神なんば線」。
そのインパクトは、本稿でも「進学先の選択肢を増」やし、「人々の人生をも変えた」(いずれも本号P66より引用)と著者がまとめていることからも、私の持っている感覚と軌を一にしていると感じました。
そしてもう一つの「都営浅草線」は、著者自身が東京都職員であることもあり、東京都(市)の都市交通のはしりを、それこそ「都営地下鉄前史」(本号P68より引用)と、ページを割いて丹念に説明しているところが、大変参考になりました。
当ブログ記事を書くにあたり、改めてページ数を確認したところ、16ページ中着工までに費やしたページが7ページ半とほぼ半分を費やしているところから、「浅草線」のみならず、「東京都営地下鉄 着工までの歴史」というサブタイトルでも全く問題ないくらいに網羅網羅された内容となっていました。
関西地区で生まれ、育った私にとっては、東京に同じ地下鉄が「営団」と「都営」の両方が存在し、そして「都営」よりも「営団」の方がずっと規模が大きいことに、大いなる違和感を抱いていました。
こちら大阪では、大阪市営地下鉄が地下鉄路線を一手に掌握していたので、地下鉄=公営単独という前提から考えると、「どうして都営はこんなに少ないのか」と不思議にも思っていました。
大人になった今は、そのあたりの事情は粗方理解していた「つもり」でしたが、今回改めて岩成正和さんの記事を読むと、「どうして都営地下鉄がこんなに少ないのか」という理由が理解できたので、本当に有益に感じました。
「直通車両統一規格の実際」(柴田東吾氏)では、東京メトロ千代田線と、同線に相互直通運転を行う小田急電鉄及びJR東日本(←国鉄)の、直通車両を用意するに当たり、様々な実務面(覚書、保守、仕様etc)から、直通車両の「特別な」点を網羅している点でも、読みごたえのある内容でありました。
本稿では、千代田線を中心とした内容ではありますが、相互直通運転を実施している事業者では、多少の差はあれど、どれも相互直通運転を実施するための実務を、実際の車両設計に落とし込む点で各事業者が苦心しているのだな、とういことを改めて実感しました。
「北大阪急行 地元待望の箕面延伸開業」(鶴通孝氏)では、開業間もない北急・千里中央〜箕面萱野について、著者が実際に乗車して、延伸開業区間の街の特徴(元々市街地が形成されていた点、箕面市自体に高層建築が少ない点)や、延伸開業区間のスキーム(箕面市内が軌道法に準拠している)など、私自身も実際に乗車したとは言え、様々な点を見逃していたことを改めて痛感し、著者の洞察の深さを実感した次第でした。
以上、特集記事の概要をかいつまんでご紹介しましたが、いずれも読みごたえ、学びになる内容であると感じました。
…と、いつもの雑誌紹介ですと、これくらいの内容やタッチで終わるものなのですが、今回の「鉄道ジャーナル」では、いつもどおりのポジティブな評価がすんなりとはできない、それくらい目を覆いたくなる記事がありましたので、そちらにも触れないわけにはいきません。
こちらについては、改めてのブログ記事でご紹介したいと思いますので、ひとまず「特集」記事のご紹介は以上とし、続きは改めてブログにアップする「(下)」記事でご紹介したいと思います。
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続いてご紹介するのは、鉄道ジャーナル2024年7月号 特集「都市の直通運転」です。
今回取り上げられた「直通運転」は、大阪や東京で実施されている大手・準大手事業者どうしの直通運転をターゲットに、その歴史や現状が紹介されています。
関西地区の事例としては、
・北大阪急行 地元待望の箕面延伸開業(鶴通孝)が挙げられます。
・近鉄特急、夢洲へ Osaka Metroへの乗り入れ構想(鶴通孝)
・15周年を迎えた阪神なんば線(伊原薫)
(カッコ内は著者名、敬称略。いずれも本号目次より引用)
また関東地区の事例としては、
・東急を中核とする首都圏の直通ネットワークの発展(土屋武之)となっています。
・相互直通運転 直通車両統一規格の実際(柴田東吾)
・執念の開業から空港アクセスの隆盛まで 浅草線の建設と運転(岩成正和)
(カッコ内は著者名、敬称略。いずれも本号目次より引用)
個人的には、「阪神なんば線」(伊原薫氏)、「都営浅草線」(岩成正和氏)の特集記事が、その建設に至るまでの歴史を丹念に説明しているところが、大変参考になりました。
「阪神なんば線」は、かつての「伝法線」をはしりに「西大阪線」と後年改称されましたが、終点の西九条駅のターミナル機能の薄さもあり、長年阪神の支線としての認識が強いように感じていました。
しかしその位置づけを大いに変え、今や神戸と奈良を結ぶ大動脈となった「阪神なんば線」。
そのインパクトは、本稿でも「進学先の選択肢を増」やし、「人々の人生をも変えた」(いずれも本号P66より引用)と著者がまとめていることからも、私の持っている感覚と軌を一にしていると感じました。
そしてもう一つの「都営浅草線」は、著者自身が東京都職員であることもあり、東京都(市)の都市交通のはしりを、それこそ「都営地下鉄前史」(本号P68より引用)と、ページを割いて丹念に説明しているところが、大変参考になりました。
当ブログ記事を書くにあたり、改めてページ数を確認したところ、16ページ中着工までに費やしたページが7ページ半とほぼ半分を費やしているところから、「浅草線」のみならず、「東京都営地下鉄 着工までの歴史」というサブタイトルでも全く問題ないくらいに網羅網羅された内容となっていました。
関西地区で生まれ、育った私にとっては、東京に同じ地下鉄が「営団」と「都営」の両方が存在し、そして「都営」よりも「営団」の方がずっと規模が大きいことに、大いなる違和感を抱いていました。
こちら大阪では、大阪市営地下鉄が地下鉄路線を一手に掌握していたので、地下鉄=公営単独という前提から考えると、「どうして都営はこんなに少ないのか」と不思議にも思っていました。
大人になった今は、そのあたりの事情は粗方理解していた「つもり」でしたが、今回改めて岩成正和さんの記事を読むと、「どうして都営地下鉄がこんなに少ないのか」という理由が理解できたので、本当に有益に感じました。
「直通車両統一規格の実際」(柴田東吾氏)では、東京メトロ千代田線と、同線に相互直通運転を行う小田急電鉄及びJR東日本(←国鉄)の、直通車両を用意するに当たり、様々な実務面(覚書、保守、仕様etc)から、直通車両の「特別な」点を網羅している点でも、読みごたえのある内容でありました。
本稿では、千代田線を中心とした内容ではありますが、相互直通運転を実施している事業者では、多少の差はあれど、どれも相互直通運転を実施するための実務を、実際の車両設計に落とし込む点で各事業者が苦心しているのだな、とういことを改めて実感しました。
「北大阪急行 地元待望の箕面延伸開業」(鶴通孝氏)では、開業間もない北急・千里中央〜箕面萱野について、著者が実際に乗車して、延伸開業区間の街の特徴(元々市街地が形成されていた点、箕面市自体に高層建築が少ない点)や、延伸開業区間のスキーム(箕面市内が軌道法に準拠している)など、私自身も実際に乗車したとは言え、様々な点を見逃していたことを改めて痛感し、著者の洞察の深さを実感した次第でした。
以上、特集記事の概要をかいつまんでご紹介しましたが、いずれも読みごたえ、学びになる内容であると感じました。
…と、いつもの雑誌紹介ですと、これくらいの内容やタッチで終わるものなのですが、今回の「鉄道ジャーナル」では、いつもどおりのポジティブな評価がすんなりとはできない、それくらい目を覆いたくなる記事がありましたので、そちらにも触れないわけにはいきません。
こちらについては、改めてのブログ記事でご紹介したいと思いますので、ひとまず「特集」記事のご紹介は以上とし、続きは改めてブログにアップする「(下)」記事でご紹介したいと思います。
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