鳥取県と京阪神を結ぶ「スーパーはくと」などを運行する第三セクター鉄道の「智頭急行」では、本日開催した株主総会で、特急「スーパーはくと」の車両について、5年程度での新型車両導入を目指していることを、同社の社長が報告したことが、山陰地方を拠点に置く各メディアで報じられています。

智頭急行(鳥取県智頭町智頭)の西尾浩一社長が3日、看板列車の特急スーパーはくと(京都ー倉吉間)の車両更新構想を明らかにした。開業から30年を迎えて老朽化しており、新型車両でより快適な旅を提供する。共同運行するJR西日本と協議に入っており、5年程度先の導入を目指す。

 同日、鳥取市内で開いた定時株主総会で報告した。

 鳥取県などが出資する第三セクターの同社は1994年12月に開業した。スーパーはくとは大阪ー鳥取間を2時間半で結ぶ速さが売り。2023年度は53万2573人が利用した。

 車両は34両あり、5両編成を基本に運用している。乗車率が平均40%程度であるのを踏まえ、編成を見直すなどして新型車両の数は絞る。どんな車両にするか、JRと協議を進めており、JRにも車両使用料として導入費を一部負担してもらう。

スーパーはくと車両更新へ 開業から30年、5年程度先の導入目指す 智頭急行 | 山陰中央新報デジタルより引用


運行開始から30年を迎える特急スーパーはくとの車両について4〜5年後の新型車両導入を目指してJRと協議を進めているということです。現在、特急スーパーはくとの車両を34両を所有する智頭急行では、新型車両の導入に1台当たり4〜5億円かかるため、利用実態に合わせて車両数を減らす方針でハイブリッド車両を候補に検討をすすめています。

特急スーパーはくと 4〜5年後の新車両導入へ JRと協議中と発表 ハイブリッド車両を候補に検討 鳥取県・智頭急行|日本海テレビNEWS NNNより引用


上記の報道内容を総括しますと、「スーパーはくと」新型車両の概要は以下のとおりと考えられます。
・新型車両は、今後5年程度(2029年頃?)での導入を目指す
・乗車率が平均40%程度であるのを踏まえ、編成を見直す等新型車両の投入数を絞る(現在の車両数は34両)
ハイブリッド車両を候補に検討を進めている


現在「スーパーはくと」で運用されている智頭急行「HOT7000系」は、1994年の智頭急行開業当時より運用され、今年で丁度30年を迎えます。
これまでリニューアル工事は実施されてきたとはいえ、流石に30年も使用し続けていると老朽化も進んできているのは否めません。

智頭急行では、今年3月16日購入分より同社内の特急料金を値上げしていますが、ここでも、「特急車両の更新を進めていく必要がある時期」を踏まえて値上げを実施することを理由の一つとして挙げています。
(参考)


このように、「スーパーはくと」車両の更新の時期は、遠からずやってくるものと考えられていましたが、本日の株主総会では、その新型車両の構想が少しは明らかになったものといえます。

その中でも特徴は、「ハイブリッド車両の導入」で、既に様々な列車で採用実績のあるハイブリッド車両をこの「スーパーはくと」でも導入することを視野に入れているようです。

「ハイブリッドの特急車両」といえば、2022年度より特急「ひだ」「南紀」に導入されたJR東海・HC85系が挙げられます。
一方、現行のHOT7000系では、カーブを高速で通過する振り子機能を有していますが、新型車両にもこの振り子機能が搭載されるのか、あるいはJR四国2600系のような「空気ばね式車体傾斜機構」を備えたりするのか、色々と気になるところであります。
(参考)
車両情報<2600系特急気動車>:JR四国

ともあれ、本日社長より明言のあった「スーパーはくと」新型車両導入。
今後、どのような車両が登場していくのか、続報も逐次ご紹介していきたいと思います。

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▲現在「スーパーはくと」に充当されているHOT7000系。
今後5年程度での置き換えが発表されました。

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▲特急「南紀」に充当されているJR東海HC85系。
「スーパーはくと」の置き換え車両として、ハイブリッド車両も検討されているようです。
特急形のハイブリッド車両としては、このHC85系のような事例がありますが、車体傾斜機構や振り子機構の導入なども気になるところです。




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