JR東海とJR西日本では、新幹線の電気設備及び軌道設備の定期的な検測について、「ドクターイエロー」と称される「新幹線電気軌道総合試験車」を使用して実施してきましたが、同車両の老朽化により、下記のスケジュールにより検測走行を終了し、引退することが発表されました。

ドクターイエロー(T4編成)の引退について|JR東海
山陽新幹線における今後の設備検測について 〜2027年以降を目途にドクターイエローによる検測を終了します〜 :JR西日本

概要は以下のとおりです。

【JR東海保有車両(T4編成)】
・検測走行終了時期:
2025年1月
・引退イベント・企画商品(予定)
車両基地での撮影会、体験乗車イベント、車体掃除イベント、記念グッズ発売

【JR西日本保有車両(T5編成)】
・検測走行終了時期:
2027年以降

【今後の検査方法】
2027年からN700Sに導入される営業車検測機能により代替予定


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



東海道・山陽新幹線では、開業当初より運行の安全を担う電気・軌道の検測について、専用の車両が使用されてきました。
このうち、営業用車両を基本とし、車内に計測機器を搭載し、外装は他の新幹線と異なる黄色に青帯の検測車両は、「ドクターイエロー」と称され、鉄道ファンだけでなく、一般にも広く知れ渡る車両となっています。

検測車両であるが故に、ダイヤは勿論非公開となっていますが、10日に一度の頻度で検測を行っていることから、新幹線を利用する際に駅で見かけた方も少なからずおられるかも知れません。

この「ドクターイエロー」、現在は700系をベースとした「923形」が2編成在籍していますが、運用開始から既に20年程度が経過し、老朽化が進んでいることから、今回引退が発表されました。

2001年に導入されたJR東海保有のT4編成が一足先に来年1月に引退し、その後2007年移以降にJR西日本保有のT5編成(2005年導入)が引退し、「ドクターイエロー」が東海道・山陽新幹線から姿を消すこととなります。


「ドクターイエロー」引退後の検測は、営業用車両に導入される検測機能を用いることで、引き続き安全な運行を担保する検査は行われますが、ともあれ人気の高い「ドクターイエロー」の引退は、多くの人々に衝撃を与えたビッグニュースだったかと思います。



かくいう私も、これまで二度、この「ドクターイエロー」を見たことがありました。
以下、その際の画像をご紹介します。

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2020年9月に京都鉄道博物館の屋上から撮影した「ドクターイエロー」。
(参考)



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▲新大阪駅で遭遇した「ドクターイエロー」(2015年9月)

いずれの写真も、狙って撮影したわけではなく、偶然撮影できたものでしたが、今となっては貴重な記録であります。
今回引退が発表されたからと言って、ネット上の検索を駆使して「ドクターイエロー」のダイヤを追いかけて撮影するようなことはしませんが、残り少ない「ドクターイエロー」の運行期間の間、再び偶然遭遇できれば、しっかり記録しておきたいな、と思います。



【関連ブログ】
Msykの業務(鉄道)日誌:ドクターイエローは引退へ



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