茨城県ひたちなか市で運行しているひたちなか海浜鉄道では、老朽車両の更新及び観光列車の新規導入に向けて、JR東日本よりキハ100形気動車を譲受することを発表しました。

営業車両の購入について【プレスリリース】 | ひたちなか海浜鉄道株式会社

概要は以下のとおりです。

【購入車両】
キハ100-39(ミキ300-103代替)
キハ100-41(キハ205代替)
キハ100-40(観光列車導入)

【運用開始】
譲受後に所定の整備を行い同社運行に合わせて、運用開始



詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



JR東日本のキハ100系及びキハ110系は、民営化間もない頃、老朽化した国鉄型気動車の置き換えとして、東北地方をや北信越など、JR東日本エリアの非電化路線の随所に投入されました。

ローカル輸送は勿論ですが、一部車両は急行「陸中」(現在の快速「はまゆり」)用としてリクライニングシートが設置された車両もあります。
過去を遡れば、秋田新幹線の工事のため運休となった田沢湖線の代替として、1996年〜1997年に運行された北上線経由の特急「秋田リレー」にも充当されたこともあり、現在に至るまでJR東日本における唯一の気動車特急列車としても活躍した車両であります。

JR東日本エリアの非電化路線の近代化に大きな役割を果たしてきたキハ100系・キハ110系ですが、初期車両の導入から30年以上が経過し、そろそろ老朽化による置き換えも進められるのでは、と思っていたところ、今回ひたちなか海浜鉄道への譲渡が発表されました。

ひたちなか海浜鉄道の走る茨城県内では、かつてJR水郡線にキハ110系が走っていましたが、現在は置き換えられており、県内では久々のキハ100・キハ110系の運行となります。


加えて今回譲渡されるキハ100形のうち1両は、観光列車として導入されることが発表されています。

路線長が15km程度と比較的短い距離である同鉄道では、これまで地域輸送の充実を中心に様々な取組を行ってきているように感じています。
一方、同鉄道では、現在の終点である阿字ヶ浦駅から国営ひたち海浜公園方面へ延伸する計画を発表しています。
当初の予定よりも工事着手が遅れているようでありますが、延伸計画を断念したという話はなく、計画を見直した上で、予定区間を2期に分けて開業していくことも、既に報じられています。
(参考)
ひたちなか海浜鉄道 国営ひたち海浜公園付近に延伸 新駅整備へ | NHK | 鉄道

延伸により、沿線住民の利用は勿論のことですが、観光客の利用も更に増えることが想定されることから、今回観光列車の導入に至ったのではないか、とも思われます。


そしてこのひたちなか海浜鉄道ですが、既にJR東海よりキハ11形を導入しており、今回のキハ100形を加えると、JRグループの複数社から車両を譲受するという、珍しい車両ラインナップになることとなります。
(参考)


何はともあれ、新天地で引き続きの活躍となるキハ100形。
どのようなデザインとなって湊線で運行されるのか、そして「観光列車」の内容はどのようなものなのか、引き続き注目したいニュースでありました。


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▲JR東日本キハ100形(大湊線・大湊駅)
キハ100系は車両の長さが比較的短いタイプ(約16m)、キハ110系は車両の長さが長いタイプ(約20m)という区分があるようです。
この時は大湊線で往復キハ100に乗車しましたが、この同系列が今回ひたちなか海浜鉄道へ譲渡されることとなりました。