JR九州では、9月7日(土)・8日(日)に宮崎市の「サンマリンスタジアム宮崎」で開催されるアイドルグループ「日向坂(ひなたざか)46」のコンサート「ひなたフェス2024」に合わせた臨時列車を運行することを発表しています。

「ひなたフェス2024」にあわせ臨時列車運転!!特別愛称名“日向坂46号”“おひさま号”を運転します!|JR九州

概要は以下のとおりです。
【運転日】
2024年9月7日(土)、8日(日)

【臨時列車の概要】
●臨時特急列車(南宮崎発⇒延岡行)
特急「日向坂46号」(ひゅうが16号の時刻で運転)
6両編成(1号車グリーン席、2号車指定席、3〜6号車自由席)
南宮崎22:38発⇒延岡23:52着
(停車駅:宮崎、佐土原、高鍋、都農、日向市、門川、南延岡、延岡)

●臨時特急列車(宮崎発⇒鹿児島中央行き)
・特急「おひさま1号」
宮崎21:49発⇒鹿児島中央0:05着
・特急「おひさま3号」
宮崎22:42発⇒鹿児島中央0:55着

●会場最寄り駅(木花駅)⇒南宮崎間の列車運転本数:
コンサート終演(19:30以降)から最終列車まで、12本以上を運転(20分間隔で運転)

【会場から各方面への列車運行形態】
2024073020-59-442
(上記発表資料(https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2024/07/18/20240718_In_conjunction_with_Hinata_Fes_2024_special_trains_nicknames_Hinatazaka_no_46_and_Ohisama_no.pdf)より引用)

【注意事項】
会場最寄り駅「木花駅」は交通系ICカードの利用不可。乗車券を購入して利用する必要あり。
・コンサート終了後に木花駅⇒南宮崎方面への列車は、「木花」「南宮崎」のみで乗り降り可能
・コンサート終了後は「木花駅」を中心に混雑が予想されるため、遠方の利用者は早めに乗車すること。
詳細は、上記発表資料をご覧下さい。


冒頭に記したように、宮崎市のサンマリンスタジアム宮崎で、9月7日・8日の二日間、「日向坂46」というアイドルグループのコンサートが開催されるということで、日南線を中心に臨時列車が運転されることとなっています。

このコンサートですが、何でも報道等によれば二日間で5万人(一日で2万5千人)の来場者が予想されており、これだけの人々が宮崎市内のスタジアムに集結するということで、相当の経済効果が見込まれる一方、交通や宿泊についての課題が出てくるのも、これまた事実ともいえます。

この点、「ひなたフェス2024」の公式サイトでは、「対策本部ブログ」で、追加施策を発表している一方、当日来場するファンに対しても様々な注意喚起を行っています。
(参考)
「本日から3回にわけて、交通、宿泊の追加施策について、詳細をお伝えします。まず、3つの臨時列車の運行が決定。ライブ終了後、木花駅から南宮崎駅まで、追加で約4000人の方に利用していただけます」ひなたフェス2024 | 日向坂46公式サイト

「交通における追加施策、今回は臨時追加バスについて詳細をお伝えします。宮崎駅から公園まで、宮崎空港から公園までの「往路」バスはそれぞれ朝10:00から、公園から宮崎駅までの「復路」バスは終演後2時間にわたって運行されます。また、場内・場外駐車場の詳細をお伝えします」ひなたフェス2024 | 日向坂46公式サイト

「宿泊についての追加施策をお伝えします。会場近くにある3つのキャンプサイトと提携しました。サイト、会場間は無料シャトルバスで移動していただけます。また、近隣3県(鹿児島、熊本、大分)の宿泊状況を取りまとめました」ひなたフェス2024 | 日向坂46公式サイト

上記ブログでは、交通に関しても、冒頭でご紹介した臨時列車の他、宮崎交通バス(宮崎駅〜サンマリンスタジアム宮崎間を適宜運行)や、場外駐車場(宮崎大学、宮崎消防学校で合計約1300台)と、鉄道だけでなく、様々なモードを駆使した、大量輸送を計画していることが見て取れます。

二日間のコンサート、そして遠方からの参加者も多いことから、宿泊に関しても鹿児島、熊本、大分の各県での宿泊も案内しており、当地の地理に不案内なライブ参加者に、どのように「帰りはぐれない」「泊まりはぐれない」か、可能な限りの情報提供を行っていることが分かります。



そんなコンサート参加者の大量輸送の一翼をになうJR九州では、会場最寄りの日南線での大増発だけでなく、日豊本線の特急に、「日向坂46」号(延岡行き)、「おひさま」号(鹿児島中央行き)を運転し、延岡や鹿児島県内での宿泊者に対応することとしています。

これらの臨時特急列車を見て、「なぜ延岡方面は増発なしで鹿児島中央方面は2本増発か」「なぜ延岡方面だけ「日向坂46」という列車名なのか」という疑問を個人的に持ちましたが、恐らく以下の事情から、このようなことになっているものと推測しました。

●コンサート終了後(概ね20時以降)、延岡方面は定期特急列車が2本(ひゅうが14号・ひゅうが16号)あるのに対し、鹿児島中央方面は無いため、同等の輸送力を確保するため、鹿児島中央方面に2本設定した。
●「ひゅうが16号」の停車駅に「日向市」があるため、「日向坂46」とのコラボの一環として列車名を変更した。

一つ目はともかく、二つ目の理由は勝手な推測では?という向きもあるかも知れませんが、本日発表された下記プレスリリースを見ても、「『日向市』に止まるから『日向坂46号』にしてみた」と考えても十分説明が付きそうな感じであります。
(参考)
日向坂46JR九州宮崎支社 賑わいプロジェクトの実施について|JR九州

ちなみにこの「日向坂46号」、グリーン席と指定席が一応用意はされていますが、熱烈なファンは、「日向市」まで(から)の「日向坂46号」のきっぷを発売日に購入しよう、と考えているかも知れません。
勿論、コレクションアイテムとしての価値が高いことは認めるのですが、上述のコンサート参加者の大量輸送確保の観点から、是非実際に乗車して欲しいところであります。
(実際に乗車しなかったら空席が発生し、本来乗車できたコンサート参加者が乗車できなくなるため)



地方都市での著名なアイドルのコンサートは、地方経済の活性化は勿論、無事に成功すればその実績から繰り返しの開催も期待できることから、様々な自治体などが地域活性化の観点から誘致に力を入れ、誘致が実現した後も、無事に終了できるよう、本番当日まで余念の無い準備を進めています。

一方で、大都市ほど交通インフラ、特に公共交通が充実していない地方では、帰宅者が集中するコンサート終了後に、観客を運びきれない事態も発生しているケースもあり、交通事業者や道路管理者などを交えた、事前の準備がいかに大事か、というのは、そんな大規模コンサートに参加したことが無い私でも十分理解ができるところです。


今回の「ひなたフェス2024」では、上述のとおり対策本部で予め注意喚起を行っているほか、可能な限りの対策を施している、という印象はあります。
とはいえ初めての大規模開催でありますので、予想以上の混乱もあり得なくは無いのでしょうが、折角の様々な縁により、ここ宮崎で実現したコンサートですから、二日間の日程が無事終了し、観客が無事帰宅・宿泊して帰路につけるように願いたいな、と感じましたし、当ブログがコンサート参加者の移動手段の参考にでも少しでもなれば幸いに感じています。



個人的には「日向坂46」というアイドルを推しているわけでも何でもないのですが、これだけ力を入れて記したのは、丁度昨日この日豊本線で特急「ひゅうが」「きりしま」に乗車してきたところ、というのもあります。
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▲特急「きりしま」787系(宮崎駅)

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▲同・方向幕など

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▲特急「きりしま」と「ひゅうが」が並ぶ宮崎駅

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▲宮崎駅の駅名標と787系

当日、この787系が「日向坂46」号、「おひさま」号として運行されることとなります。

ちなみに、「おひさま」号というのは、かつて宮崎交通が京都・大阪・三宮〜宮崎間で運行していた夜行高速バスでも使用されていた名称でありました。
(参考)
阪和線の沿線から : 【近鉄バス】夜行高速バス大阪・三宮〜鹿児島「トロピカル号」・京都・大阪・三宮〜宮崎「おひさま号」の運行休止を発表(H28.10.1〜)

かつて高速バスに使用されていたのと全く同じ名称が、二日間限定ですが今度はJRの特急で使われるのも、なかなか面白い縁なのかな、とも感じました。




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