南海電鉄では、2024年10月1日付けで、明光バス(本社・白浜町)の株式を近鉄バスHD及び近鉄保険サービスから取得し、子会社化することを発表しました。

明光バス株式会社の株式取得に関するお知らせ|南海電鉄

概要は以下のとおりです。

【株式譲渡実行日】
2024年10月1日

【株式の取得先等】
・株式取得先:
近鉄バスホールディングス株式会社、近鉄保険サービス株式会社

・取得後の出資比率:
現在南海電鉄では、明光バスの17.6%の株式を保有しているが、本件取引後は72.9%となる。

【株式取得の目的等】
・南海電鉄グループでは、中期経営計画「共創140計画」において「ツーリズム関連事業の強
化」を掲げており、観光関連の経営資源を有する和歌山エリアにおいて、他者と連携・共創しながら紀伊半島はじめ周辺エリアとの広域連携も視野に入れた滞在・周遊型ツーリズムの促進を目指す「和歌山エリア戦略」を策定し、新たな事業の探索を行っているところ。

・また、明光バス株式会社が事業を営む和歌山県田辺市、白浜町及び上富田町は、熊野古道や南紀
白浜温泉など、豊富な観光資源を有する県内最大級の観光地であり、同社は当該地域で路線バス事業を営む一方で、大阪・東京と白浜町を結ぶ高速バス事業なども運営しており、都市圏と当該地域をつなぐ交通基盤として重要な役割を担っている。

・これらの事業及びエリアは、同社が「ツーリズム関連事業の強化」における「和歌山エリア戦略」に掲げる、公共交通による県内の移動環境や観光・滞在拠点の再整備を通じた地域振興、インバウンドビジネスの取込みに欠かせないものであると考えている。

・また、地域の交通基盤としての重要性も十分に認識し、地域、社会の信頼を損なうことがないよう、責任感及び使命感を持って、真摯に経営を担う所存。

・以上のとおり、今般南海電鉄では明光バスの株式取得を通じて、南海電鉄グループの事業拡充、和歌山エリアを中心としたツーリズム関連事業の展開をグループの総力を挙げて一層強化、加速していく。

【その他】
これを契機として、南海電鉄グループは近鉄グループと、和歌山県、奈良県及び三重県にまたがる紀伊半島エリアにおける観光事業機会の創出・強化を念頭に、両者間のさらなる連携の実現に向けて取り組んでいく。


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



明光バスといえば、専ら白浜温泉やアドベンチャーワールドなど、白浜町内での観光アクセスが主体となっていますが、一方で、大阪方面の高速バスや、熊野古道方面への快速バス「熊野古道号」も運行するなど、白浜を軸とし、周辺の観光や都市圏からの観光客誘致などで大きな役割を果たしています。
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▲明光バスの快速バス「熊野古道号」。
白浜町内から紀伊田辺駅、本宮大社前を経由し、新宮駅前に向かう、文字通り熊野古道への観光客が利用しやすいダイヤ・路線となっています。

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▲白浜駅前で発車待ちをする明光バスの路線バス。
ここ白浜駅からとれとれ市場、白浜温泉、白良浜、千畳敷、三段壁やアドベンチャーワールド、南紀白浜空港と、白浜町内の各地へ路線網を構築しており、観光客にとって無くてはならない移動手段となっています。.


この明光バスですが、上述のとおり現在株式の多くを近鉄グループ各社が保有していますが、一方で南海電鉄でも明光バスの株式を一定数保有している状態となっています。
今回、和歌山エリアでの地域振興、インバウンドの取り込みに際し、明光バスの有する白浜エリアは是非とも手がけたいところでありますが、今般、南海電鉄と近鉄とで明光バスの株式譲渡、そして紀伊半島エリアでの更なる連携実現に向けて取り組むこととなりました。


今年10月1日に株式譲渡が実施されますが、会社名称や運営体制など、今後の方針は今のところ検討中となっています。
一方で、和歌山県の紀南エリアでは、既に南海電鉄グループの「熊野御坊南海バス」も路線網を有しており、同社との相乗効果を図ることも大いに考えられます。
もっと言えば、将来的には明光バスと熊野御坊南海バスとが合併することで、より効率的な、より効果的な経営体制の構築、ということも可能であろうと考えられます。

もっとも、「明光バス」の名称が消えるとなると、地域住民にとっても一定のインパクトもあることから、そのあたりは慎重になるのかも知れませんが、ともあれ今後明光バスにまつわる大きな変化が出てくるのかも知れないな、とも感じますので、今後の変化も引き続き追いかけていきたいな、と思います。




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