8月8日(木)夕方に宮崎県沖で発生した地震に伴い、気象庁より「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発表されました。
(参考)
南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)について | 気象庁

これに伴い、南海トラフ地震の被害想定区域を走行するJR西日本の特急「くろしお」、JR東海の特急「南紀」及びJR東海の山間部を走る特急「伊那路」「ふじかわ」について、当面の間の運休が発表されています。

くろしお、はるか 運行情報:JR西日本列車運行情報
特急「くろしお」については、和歌山〜新宮間で運転取り止め
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(上記Webサイト(https://trafficinfo.westjr.co.jp/express.html?id=15)より引用)


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▲特急「くろしお」287系
和歌山〜新宮間で運休となります。


(更新)8/10 7:00 南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)発表による在来線の運行について|お知らせ|JR東海
特急「南紀」「伊那路」「ふじかわ」は全区間運休
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(上記Webサイト(https://traininfo.jr-central.co.jp/zairaisen/notice.html?notice=612&lang=ja)より引用)


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▲特急「南紀」HC85系。
名古屋〜新宮・紀伊勝浦間の全区間で運休となります。


【注意】
上記Webサイトの引用は、本記事執筆時の内容となっています。
今後、状況の変化に伴い上記情報の更新が考えられますので、常に最新の情報を各社Webサイトより確認いただきますようお願いします。



また、普通列車関連でも、JRきのくに線では、御坊〜新宮間で徐行運転を行っているため、一部列車に遅れが発生しているとのことです。
近畿エリア 運行情報:JR西日本列車運行情報
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(上記Webサイト(https://trafficinfo.westjr.co.jp/kinki.html)より引用)


気象庁の発表によれば、地震発生後1週間は、日頃からの地震への備えの再確認等を呼びかけており、JR東海の発表でもこの期間(地震発生から1週間程度)はこれらの列車の運休を見込んでおり、特急「くろしお」についても、同様の期間で一部区間の運休も見込まれるものと思われます。


連休やお盆の時期であり、元々これらの地域への旅行等を予定されている方にとっては不便になりますが、臨時情報の内容をしっかり理解し、改めて地震への備えを再確認しておきたいところです。



なお、特急「くろしお」「南紀」の運休により、紀伊半島南部への公共交通機関での移動が難しいとも思われますので、簡単に代替ルートをまとめておきます。



【普通列車での移動】
○和歌山方面からですと、御坊、紀伊田辺等で乗り換えて、紀伊半島南部へ向かうことができます
一例を挙げておきます。
和歌山9:54発⇒(普通列車御坊行き)⇒御坊11:01着/11:28発⇒(普通列車紀伊田辺行き)⇒紀伊田辺12:12着/13:42発⇒(普通列車新宮行き)⇒串本15:06着⇒紀伊勝浦15:49着⇒新宮16:12着


なお、御坊〜紀伊田辺〜新宮間の列車は、その多くが2両編成となっていること、また紀伊田辺〜新宮間は普通列車の本数が少ないこと、そして御坊〜新宮間で徐行運転を行っており列車の遅れが見込まれること、などに注意いただきたいと思います。

○名古屋方面からですと、快速「みえ」で多気から新宮方面の普通列車に乗り換え、紀伊半島南部へ向かうことができます
一例を挙げておきます。
名古屋11:37発⇒(快速みえ7号)⇒多気12:54着/13:22発⇒(普通列車新宮行き)⇒尾鷲15:28着⇒熊野市16:33着⇒新宮17:04着


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▲新宮駅に停車中の紀勢線普通列車。
左は松阪・多気方面からのJR東海・キハ25形。
右は紀伊田辺方面からのJR西日本・227系。
いずれも2両・ロングシートの車両が基本となっていますので、特に長距離の移動となる場合はご注意下さい




【高速バスでの移動】
○大阪方面からですと、西日本JRバス及び明光バスが運行している「大阪〜白浜線」が、大阪駅とみなべ、田辺、白浜を結んでいます。
(参考)
大阪 | 高速バス | 明光バス株式会社

○名古屋方面からですと、三重交通が運行している「名古屋〜新宮線」が、名古屋(名鉄バスセンター)と尾鷲、熊野市、新宮を結んでいます。
南紀〜VISON〜名古屋 – 三重交通
いずれの路線も予約制で、既に満席となっている便も発生していますので、利用の際は上記サイトよりご確認ください。




【路線バスを乗り継いで移動】
行先や時間帯によっては、一般路線バスを乗り継いで行く方法もありますので、下記サイトを参考にしてみてください。

<紀伊田辺駅〜本宮大社前〜新宮駅前>
紀伊田辺〜本宮大社前を「龍神バス」、本宮大社前〜新宮駅前を「熊野御坊南海バス」が運行しており、本宮大社前で乗り換えることで、紀伊田辺〜新宮間の移動が可能です。
加えて、白浜町内〜紀伊田辺駅〜本宮大社前〜新宮駅前間を「明光バス」の快速バス「熊野古道号」が運行しています。

熊野本宮線 世界遺産 熊野古道へのアクセスは龍神バス|和歌山の貸切バス・路線バス
熊野エリア | 熊野御坊南海バス
熊野古道 | 明光バス株式会社

上記「明光バス」のWebサイト内に、各社の便を組み合わせた時刻表が掲載されていますので、ご参考ください。

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▲明光バスの快速バス「熊野古道号」。
紀伊田辺駅前〜新宮駅前間を乗り換えなしで移動可能です。
この系統は1日2往復ですが、それ以外にも龍神バス及び熊野御坊南海バスで一般路線バスが運行されていますので、これらを乗り継いで移動することも可能です。


<八木駅前〜新宮駅前>
近鉄大和八木駅前〜五条駅前〜十津川温泉〜本宮大社前〜新宮駅前で、奈良交通が「八木新宮線」を運行しています
全区間乗車で6時間半、そして1日3往復と、おいそれと使えるわけではないのですが、大和八木〜新宮駅を乗り換えなしで移動することができます
下記「奈良交通」公式サイトや、当ブログの乗車記事などを参考にしていただき、迂回ルート候補の一つとして考えてみてもいいかも知れません。
八木新宮特急バス | 奈良交通公式ホームページ


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▲奈良交通の「八木新宮線」。
上述の当ブログ過去記事でもご紹介したように、片道6時間半、1日3往復という日本最長の一般路線バスですが、乗り換え無しで大和八木駅と新宮駅を結ぶ、という隠れた利点も存在しています。


<松阪〜尾鷲・熊野・南紀>
上記の区間を三重交通の「松阪熊野線」が1日3往復で運行しています。
松阪熊野線(熊野古道ライン) – 三重交通
こちらも、松阪〜三交南紀間で4時間半程度の所要時間、1日3往復と、条件が合えば利用可能ですので、上述の紀勢線普通列車のダイヤとも比較して、迂回ルートの一つとして考えてみてもいいかも知れません。




以上、少しばかり地域の交通事情も把握しているので、それを元に代替ルートの提案もしてみました。
いずれのルートも、混雑が予想されますので、時間や体力、食料に余裕をもって移動に臨んでいただければと思います。

また、今後の気象庁の発表により、状況の変化も十分考えられるので、様々な公式情報を確認しておきましょう。



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