長野電鉄(長野県)では、鉄道運転士の退職に伴う慢性的な人員不足が続く中で、現在の運行本数を維持することができなくなったとして、特急列車の一部を一時的に減便(運休)することを発表しました。

特急列車(一部)の運休について|長野電鉄

概要は以下のとおりです。

【運休対象列車】
特急列車20本のうち10本

【運用車両】
平日:スノーモンキー
土日祝日:ゆけむり


【減便期間】
2024年9月11日〜12月10日

【指定席取扱い】
スノーモンキーの個室を除き、期間中は全席自由席

【その他】
例年秋頃に運行している「ワイントレイン」は本年の運行を見合わせ


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



バスや鉄道の運転士不足は、ここ近年一気に表面化してきた印象で、各地で運転士不足による廃止や減便などが実施されており、もはや珍しいものではなくなりつつあります。

そんな中、長野県の長野電鉄では、今年9月から12月にかけて、運転士不足の影響から特急列車を半減させることとなりました。

善光寺や湯田中温泉といった長野市内にほど近い観光地を結ぶ長野電鉄でも、外国人観光客も増えており、加えて秋の行楽シーズンの時期ということもあり、儲け頭の特急列車を減便させるのは、本当に苦渋の決断としか言えませんが、それだけ運転士の不足状況が深刻となっていることの現れ、ともいえるのではないのでしょうか。

長野電鉄では、グループの長電バスでも、運転士の不足から今年1月より長野市内の路線バスで日曜日の運休を実施しています。
今年8月4日からは、一部運行再開となりましたが、それでも減便前の半数にも満たない本数(減便前は182本、一部運行再開後は76本)と、こちらも厳しい状況が続いています。
(参考)
長野市内路線バスの「日曜日運休」について(1/21〜) | ニュースリリース | 長電バス株式会社
長野市内路線バスにおける「日曜日の一部運行再開」 について | ニュースリリース | 長電バス株式会社

コロナ禍の大規模な離職から運転士が戻っていないことに加え、生産年齢人口の更なる減少により、運転士の確保がますます困難となっているのは、何も長野電鉄に限った話ではありません。

自動運転などの抜本的な対策が実現するにはまだまだ先の中、解決には妙案が出てこない状況ですが、賃上げなどの待遇改善や、それに伴う原資確保の為の値上げなどの運転士確保施策を、利用者の負担が増えることもあるが理解をしていくほかないのかな、というのが個人的意見であります。

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▲長野電鉄の1000系「ゆけむり」。
元・小田急電鉄10000形「HiSE」を譲り受けた車両で、長電にやってきてまもなく20年となります。
観光客にも人気のある特急列車ですが、運転士不足の折、9月からは半数に削減のうえ、「ゆけむり」車両は土日祝日のみの運行となりますので、注意が必要です。