このブログで適宜ご紹介している、鉄道関係の書籍・雑誌のご紹介。
今回の記事では、鉄道ジャーナル2024年10月号「特集 有料着席サービス」をご紹介したいと思います。
鉄道ジャーナル2024年10月号
このブログでも、主に関西や首都圏で増えている「有料着席サービス」のニュース記事をご紹介していますが、近年では、ここ関西圏でも、京阪電鉄「プレミアムシート」、JR西日本「Aシート」「うれしート」「らくラク」シリーズ、そして阪急電鉄「PRiVACE(プライベース)」と、一気に増えてきた感があります。
今回の鉄道ジャーナルの特集記事では、これら近年増えてきた有料着席サービスについて、関西地区からは阪急「プライベース」とJR西日本「うれしート」、首都圏からは小田急「ロマンスカー」と東急「Q SEAT」を取り上げています。
俊逸なのは伊原薫さんの「うれしート」関連記事で、流石関西地区在住の鉄道ライターとして、「うれしート」設定列車に実乗し、予約の埋まり具合や途中駅(久宝寺)からの利用、そしておおさか東線経由「うれしート」列車の利用の実態(新幹線接続)等に触れられており、サービス開始から間もなく1年になろうとしている「うれしート」の、実態を分かりやすくレポートされていました。
記事中では「他線区での展開にも期待」(P59)として、今後の展開に触れている中で、「乗車時間が比較的短く、特急列車の設定が少ない(または全くない)山陰本線の京都口や奈良線などでは、導入へのハードルが低い「うれしート」のような列車が登場するかもしれない」と記されていました。
奇しくも本号発売日の翌日に、下記のとおりJR西日本より「うれしート」が奈良線にも拡大することが発表され、伊原さんの予想が翌日に見事に当たるという偶然も起きました。
(参考)
「うれしート」の奈良線への拡大は、私自身も予想はしていたことでもあり、大方の予想どおり、そしてニーズどおりの設定となりましたが、今後更なる展開としては、やはり本稿でも触れられているように、嵯峨野線(山陰本線京都口)での設定も大いに考えられそうな気もしました。
一方で、今回の特集記事の中には、「「乗らない」着席サービスを考える」(柴田東吾氏)という、何やら考えさせられるタイトルの記事もありました。
文字通り、比較的利用が低い各社の有料着席サービスについて触れているものですが、筆者自身最後に「これまで触れてきた話は娯楽の範疇に過ぎない」(P55)とわざわざ断っていることからも分かるように、ぱっと見利用率が低いように見える各社の有料着席サービスについて、あまり現実性を考えない、誤解を恐れず言えば「妄想」の範囲内での改善策を記しているとしか受け取れない記事となっていました。
一例を挙げれば、泉北高速鉄道の「泉北ライナー」もやり玉に挙げられており(P54〜P55)、ここでは、「「泉北ライナー」を減便して「ラピート」の増発に振り向けた方が良いのでは?と思うこともある」(P54〜P55)と、夕方の「泉北ライナー」を不振な有料着席サービスとし、そのリソースを「ラピート」に振り向ける提案がされています。
このアイデアの元は、2022年11月から2023年9月まで一部の「泉北ライナー」に「ラピート」50000系が充当された事例を引き合いにしているようですが、もっともこの代走が起こった発端は、2022年5月に発生した「こうや」「りんかん」向け30000系1編成の長期間の使用不能が発端であり、日々の運用で「ラピート」と「泉北ライナー」を入れ替えるのは、設備的にも営業的にも難しいのではないか、と思われます。
(参考)
もっとも、上述で筆者自らが断っているように、「娯楽の範疇」での記事ですので、あまり真面目に突っ込むのも野暮、ということかも知れません。
しかし仮に「鉄道の将来を考える専門情報誌」(表紙)と銘打っている月刊誌でありますから、「利用が思わしくない有料着席サービス」という、視点はむしろ良い所を突いているだけに、きっちり調査・分析した記事を載せていただければよかったのになあ、と思う次第です。
ともあれ、近年の各社の導入度合いをみれば、いずれかの鉄道雑誌で遠からず特集記事が組まれるのでは?と思っていた「有料着席サービス」。
今回は「鉄道ジャーナル」での記事でしたが、他の鉄道雑誌ではどのような視点から特集記事が組まれるのか、そういった点も今後の楽しみにしたいな、と思いました。
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今回の記事では、鉄道ジャーナル2024年10月号「特集 有料着席サービス」をご紹介したいと思います。
鉄道ジャーナル2024年10月号
このブログでも、主に関西や首都圏で増えている「有料着席サービス」のニュース記事をご紹介していますが、近年では、ここ関西圏でも、京阪電鉄「プレミアムシート」、JR西日本「Aシート」「うれしート」「らくラク」シリーズ、そして阪急電鉄「PRiVACE(プライベース)」と、一気に増えてきた感があります。
今回の鉄道ジャーナルの特集記事では、これら近年増えてきた有料着席サービスについて、関西地区からは阪急「プライベース」とJR西日本「うれしート」、首都圏からは小田急「ロマンスカー」と東急「Q SEAT」を取り上げています。
俊逸なのは伊原薫さんの「うれしート」関連記事で、流石関西地区在住の鉄道ライターとして、「うれしート」設定列車に実乗し、予約の埋まり具合や途中駅(久宝寺)からの利用、そしておおさか東線経由「うれしート」列車の利用の実態(新幹線接続)等に触れられており、サービス開始から間もなく1年になろうとしている「うれしート」の、実態を分かりやすくレポートされていました。
記事中では「他線区での展開にも期待」(P59)として、今後の展開に触れている中で、「乗車時間が比較的短く、特急列車の設定が少ない(または全くない)山陰本線の京都口や奈良線などでは、導入へのハードルが低い「うれしート」のような列車が登場するかもしれない」と記されていました。
奇しくも本号発売日の翌日に、下記のとおりJR西日本より「うれしート」が奈良線にも拡大することが発表され、伊原さんの予想が翌日に見事に当たるという偶然も起きました。
(参考)
「うれしート」の奈良線への拡大は、私自身も予想はしていたことでもあり、大方の予想どおり、そしてニーズどおりの設定となりましたが、今後更なる展開としては、やはり本稿でも触れられているように、嵯峨野線(山陰本線京都口)での設定も大いに考えられそうな気もしました。
一方で、今回の特集記事の中には、「「乗らない」着席サービスを考える」(柴田東吾氏)という、何やら考えさせられるタイトルの記事もありました。
文字通り、比較的利用が低い各社の有料着席サービスについて触れているものですが、筆者自身最後に「これまで触れてきた話は娯楽の範疇に過ぎない」(P55)とわざわざ断っていることからも分かるように、ぱっと見利用率が低いように見える各社の有料着席サービスについて、あまり現実性を考えない、誤解を恐れず言えば「妄想」の範囲内での改善策を記しているとしか受け取れない記事となっていました。
一例を挙げれば、泉北高速鉄道の「泉北ライナー」もやり玉に挙げられており(P54〜P55)、ここでは、「「泉北ライナー」を減便して「ラピート」の増発に振り向けた方が良いのでは?と思うこともある」(P54〜P55)と、夕方の「泉北ライナー」を不振な有料着席サービスとし、そのリソースを「ラピート」に振り向ける提案がされています。
このアイデアの元は、2022年11月から2023年9月まで一部の「泉北ライナー」に「ラピート」50000系が充当された事例を引き合いにしているようですが、もっともこの代走が起こった発端は、2022年5月に発生した「こうや」「りんかん」向け30000系1編成の長期間の使用不能が発端であり、日々の運用で「ラピート」と「泉北ライナー」を入れ替えるのは、設備的にも営業的にも難しいのではないか、と思われます。
(参考)
もっとも、上述で筆者自らが断っているように、「娯楽の範疇」での記事ですので、あまり真面目に突っ込むのも野暮、ということかも知れません。
しかし仮に「鉄道の将来を考える専門情報誌」(表紙)と銘打っている月刊誌でありますから、「利用が思わしくない有料着席サービス」という、視点はむしろ良い所を突いているだけに、きっちり調査・分析した記事を載せていただければよかったのになあ、と思う次第です。
ともあれ、近年の各社の導入度合いをみれば、いずれかの鉄道雑誌で遠からず特集記事が組まれるのでは?と思っていた「有料着席サービス」。
今回は「鉄道ジャーナル」での記事でしたが、他の鉄道雑誌ではどのような視点から特集記事が組まれるのか、そういった点も今後の楽しみにしたいな、と思いました。
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