JR東日本では、今年7月25日の大雨に伴い運転を見合わせている、奥羽本線の新庄〜院内間の復旧工事の状況及び運転の見通しについて発表しました。

奥羽本線 新庄〜院内駅間 復旧状況と運転の見通しについて|JR東日本

【復旧状況】
同区間ではは土砂流入や盛土のり面崩壊など26箇所で運転に支障のある被害が発生し、現在も復旧工事を施工中。

【運転の見通し】
2025年ゴールデンウィーク前の運転再開を予定。
・運転再開時には、災害を受けてもより早期復旧が可能となる鉄道として、電気式気動車(GV-E400系)を導入し、電車線(架線)設備を順次撤去
・一部区間では、電気式気動車に加え、従来の気動車(キハ110系)による列車の運行も検討。

詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



去る7月25日の大雨で、現在も奥羽本線の新庄〜院内間、陸羽東線が運転見合わせとなり、道路トンネル工事のため代行バス輸送を行っている陸羽西線も含めると、東西南北4方向に路線が延びている新庄駅から、現在は南向きの1方向(山形方面への奥羽本線・山形新幹線)のみの運転となっています。

そんな中、これらの線区のうち、奥羽本線・新庄〜院内間の復旧見通しが発表されました。
これを見ますと、復旧時期は2025年ゴールデンウィークとなっていますが、むしろ注目はその復旧方法で、「架線設備を撤去」し、「電気式気動車を導入」するという衝撃的にも思える内容が記載されています。

ただこの復旧方法はいきなり実現したわけではなく、去る2021年3月期の同社の決算説明会の資料の中で、「設備のスリム化」の例として、一部線区の電化設備撤去による「非電化化」、複線区間の「単線化」について、既に提案されていたものでありました。
(参考)


上記記事中では、今回復旧の見通しが発表された奥羽本線・新庄〜院内間は「単線化」候補として挙げていましたが、実際のところは、もう一つのスリム化である「非電化化」が行われることとなりました。

「非電化化」による設備のスリム化が、災害からの復旧に際して、より早期復旧が可能となる手法として活用できるのか、といったところまで、想定されていたのかどうかは知る由もありませんが、ともあれ、今回の復旧で「非電化化」の実績となれば、他線区でも被災の際に同様の復旧方法が採られるのかも知れないな、とも感じたニュースでありました。

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▲及位(のぞき)駅で発車を待つ701系交流型電車による、新庄行き普通列車(上)、秋田行き普通列車(下)。

同線区を乗車した際、列車の待ち合わせ時間の合間に撮影したものでした。
この区間(及位〜院内)について、単線化される予想はありましたが、まさか「非電化化」されるとは思ってもみませんでした。
701系が停車したり、架線柱が並ぶこの駅のシーンも、過去のものとなりそうです。




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