神戸電鉄(神鉄)では、去る10月22日に旅客運賃上限変更(運賃改定)の認可申請を行ったことを発表しました。

旅客運賃上限変更認可申請について|神戸電鉄

概要は以下のとおりです。

【運賃改定予定日】
2025年1月19日(日)

【運賃改定額等】
・初乗り運賃
(現行)180円+バリアフリー料金10円=190円
(改定)210円

・改定額
区数に応じ、現行運賃+バリアフリー料金の金額から20円〜90円の値上げ

・平均改定率
運賃改定率:合計12.536%
運賃+バリアフリー料金からの改定率:9.841%

【鉄道駅バリアフリー料金制度について】
2023年4月より活用している「鉄道駅バリアフリー料金制度」については、本申請が認可されれば、「鉄道駅バリアフリー料金」は廃止
但しこの場合でも、既に公表している2031年3月までのバリアフリー整備計画は、前倒しで推進するとともに、更なる内容の充実を目指す

【今後の主要な投資内容】
・新型車両の導入及び車両のリニューアル:
1000系車両に比べ約60%の省エネ効果のある6500系車両などへの更新を進めるとともに、既存車両のリニューアルも実施
・運転保安システムの更新:
運転保安システム(PTP・CTC)やATSを全面的に更新
・枕木のPC化、変電所の更新:
枕木のPC化を継続的に進めるとともに、老朽化の進む各変電所の更新を進める


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



神鉄では、2023年4月より、「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用して、エレベーター・エスカレーターの新設・更新等を実施することとしています。
(参考)


一方で、沿線の利用者の減少や、モータリゼーションの進行、特に沿線ニュータウンと都心部を直結するバス路線などへの利用者の流出もあり、構造的に厳しい状況が続いています。

特に粟生線の末端部については、利用者の減少が深刻となっており、存続に向けた利用促進活動が続けられている状況となっています。
(参考)
神戸電鉄粟生線活性化協議会

また、車両についても逐次置き換えが進んでいるものの、今なお50年以上経年した車両も現役で運用されているなど、持続的な運行のための設備投資も避けられず、「鉄道駅バリアフリー料金制度」の対象外となるこれらの設備投資の原資も求められる状況もあり、今回運賃本体部分の改定を申請することとしました。


今回の申請で特徴的なのは、「鉄道駅バリアフリー料金の廃止」といえるでしょう。
2021年12月に創設された「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用し、2023年から利用者から料金を徴収する事業者が、大手民鉄やJRグループに広がり、ここ神鉄でも、大手民鉄・JRグループ以外で初めて「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用しています。

今回の値上げが実施されれば、神鉄では現在実施している「鉄道駅バリアフリー料金」を廃止することとしており、値上げ後の運賃は現在の「鉄道駅バリアフリー料金」を含んだもの、と理解すればよいでしょう。

ともあれ、ほんの2年ほど前から実施されるようになった「鉄道駅バリアフリー料金」、運賃改定の共連れとはいえ、およそ2年で廃止となる事例が出てくることに少し驚いたニュースでありました。

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▲神戸電鉄1100系。
当該車両も登場して半世紀が経っており、今後置き換えが進められるものと考えられます。




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