JRグループでは、交通系ICカード等の全国的な普及拡大及びインターネット予約の普及などを理由とし、「往復乗車券」及び「連続乗車券」の発売枚数が減少していることを踏まえて、JR各社での「往復乗車券」及び「連続乗車券」の発売を終了することを発表しました。
往復乗車券及び連続乗車券の発売終了について:JR西日本
概要は以下のとおりです。
詳細は、上記発表資料をご覧下さい。
JRグループでは、ここにきて、「回数券」「乗継割引」といった、国鉄時代より引き継いできた運賃・料金制度を相次いで廃止してきています。
(参考)
そして今回、「往復乗車券」「連続乗車券」という、これらもまた国鉄時代より引き継いできた乗車券の発売が終了という、大きな発表がありました。
JTB時刻表(2024年3月号)によりますと、「往復乗車券」は、「行きと帰りが同一区間、同一の経由の乗車券」、そして「連続乗車券」とは、「乗車区間が一周を超える場合、または、乗車区間の一部が重複するなどで片道乗車券・往復乗車券にならない場合、片道乗車券2枚を組み合わせて発売する乗車券」となっています。
「往復乗車券」「連続乗車券」ともに、1回の購入で2枚のきっぷが発売されるのが、片道乗車券と異なる点といえますが、メリットとしては、
が考えられます。
加えて往復乗車券のうち、片道の営業キロが601km以上の場合は、行き・帰りの運賃がそれぞれ1割引になる「往復割引乗車券」となります。
片道601km以上であれば、任意の区間で往復利用で1割引となるわけですから、愛用していた方も少なからずおられたのかも知れません。
丁度昨日購入した交通新聞社の書籍「きっぷのしくみ」(荻野貴久著)によりますと、「連続乗車券」については1958年から(それ以前にも「回遊乗車券」という類似の制度あり)、「往復乗車券」は1887年で、そして現在の形の「往復割引乗車券」は1960年からと、いずれも長い歴史を有する制度であることが分かります。
しかしこれら長年親しまれてきた制度も、交通系ICカードやネット予約の普及により、一定の役割を終えたものとして、今回発売の終了が発表された、ということになります。
また、今回の発表でもう一つ気になる点としては、「学生割引等の割引証の取扱いの変更」が挙げられます。
何をどのように変更するのかは記載されていないのですが、ここ近年少子化による人手不足から「みどりの窓口」等の駅窓口が縮小してきたことを踏まえた見直し、というのが一つ考えられそうです。
とするならば、今回の「往復乗車券」「連続乗車券」の廃止も、出札窓口の縮小を前提にした見直し、とも捉えることもできそうです。
「回数券」「乗継割引」に加え、「往復乗車券・往復割引乗車券」「連続乗車券」も発売終了となり、国鉄時代の制度が終わっていく中、次なる制度へのメスがどこに入れられるのか、気になるところです。
個人的に危惧するのは、「途中下車制度」だと感じています。
そもそも新幹線を含む列車の高速化が果たされたなか、列車運行の都合により途中で下車して翌日の列車を待つ必要が生じるケースというのは、相当レアなものになってきているかと思います。
今や途中下車制度は、列車運行の都合ではなくむしろ、複数の目的地で下車する際に、別々に購入するよりも通しで割安に購入できるおトクな制度、という認識になっているのではないか、と思います。
一方、交通系ICカードの普及で、途中で下車しても当該下車駅までの運賃が精算される仕組みが構築されていることも踏まえますと、制度設定の趣旨である課題がもはや解決されている現状、この途中下車制度をいつまでも残しておく必要が無いようにも感じます。
その「途中下車制度」廃止へのステップとしての、「往復乗車券」「連続乗車券」の廃止、というのは少々勘ぐりすぎなのかも知れません。
一方でこれまで見たように、以前は当然と思われていた運賃・料金の制度が悉く廃止されていった経緯がある以上、「途中下車制度」とて安泰とは言えない、ということだけは言えそうです。
ともあれ、「往復乗車券」「連続乗車券」が終了するのは、2026年春。
それまでの限りある期間、機会があればこれらの乗車券を活用してみようと思います。
最後に、私がこれまで購入した「連続乗車券」「往復乗車券」の一例をご紹介します。
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往復乗車券及び連続乗車券の発売終了について:JR西日本
概要は以下のとおりです。
【発売を終了する乗車券】
・往復乗車券
・連続乗車券
(JR各線と連絡会社線にまたがる連絡乗車券も含む)
【発売終了時期】
2026年3月(詳細な日にちは決定次第別途発表)
【その他】
・往復乗車券の発売終了に伴い、片道601km以上を往復する際に、往路及び復路の運賃がそれぞれ1割引となる「往復割引」についても、取扱いを終了。
・学生割引などの割引証や一部の特別企画商品(ジパング倶楽部等)について、今後取扱いが変更となる。
(詳細は決定次第、各社Webサイト等で発表)
詳細は、上記発表資料をご覧下さい。
JRグループでは、ここにきて、「回数券」「乗継割引」といった、国鉄時代より引き継いできた運賃・料金制度を相次いで廃止してきています。
(参考)
そして今回、「往復乗車券」「連続乗車券」という、これらもまた国鉄時代より引き継いできた乗車券の発売が終了という、大きな発表がありました。
JTB時刻表(2024年3月号)によりますと、「往復乗車券」は、「行きと帰りが同一区間、同一の経由の乗車券」、そして「連続乗車券」とは、「乗車区間が一周を超える場合、または、乗車区間の一部が重複するなどで片道乗車券・往復乗車券にならない場合、片道乗車券2枚を組み合わせて発売する乗車券」となっています。
「往復乗車券」「連続乗車券」ともに、1回の購入で2枚のきっぷが発売されるのが、片道乗車券と異なる点といえますが、メリットとしては、
・有効日数が2枚分合算できること
・学割証の提出が1枚分で済むこと
が考えられます。
加えて往復乗車券のうち、片道の営業キロが601km以上の場合は、行き・帰りの運賃がそれぞれ1割引になる「往復割引乗車券」となります。
片道601km以上であれば、任意の区間で往復利用で1割引となるわけですから、愛用していた方も少なからずおられたのかも知れません。
丁度昨日購入した交通新聞社の書籍「きっぷのしくみ」(荻野貴久著)によりますと、「連続乗車券」については1958年から(それ以前にも「回遊乗車券」という類似の制度あり)、「往復乗車券」は1887年で、そして現在の形の「往復割引乗車券」は1960年からと、いずれも長い歴史を有する制度であることが分かります。
しかしこれら長年親しまれてきた制度も、交通系ICカードやネット予約の普及により、一定の役割を終えたものとして、今回発売の終了が発表された、ということになります。
また、今回の発表でもう一つ気になる点としては、「学生割引等の割引証の取扱いの変更」が挙げられます。
何をどのように変更するのかは記載されていないのですが、ここ近年少子化による人手不足から「みどりの窓口」等の駅窓口が縮小してきたことを踏まえた見直し、というのが一つ考えられそうです。
とするならば、今回の「往復乗車券」「連続乗車券」の廃止も、出札窓口の縮小を前提にした見直し、とも捉えることもできそうです。
「回数券」「乗継割引」に加え、「往復乗車券・往復割引乗車券」「連続乗車券」も発売終了となり、国鉄時代の制度が終わっていく中、次なる制度へのメスがどこに入れられるのか、気になるところです。
個人的に危惧するのは、「途中下車制度」だと感じています。
そもそも新幹線を含む列車の高速化が果たされたなか、列車運行の都合により途中で下車して翌日の列車を待つ必要が生じるケースというのは、相当レアなものになってきているかと思います。
今や途中下車制度は、列車運行の都合ではなくむしろ、複数の目的地で下車する際に、別々に購入するよりも通しで割安に購入できるおトクな制度、という認識になっているのではないか、と思います。
一方、交通系ICカードの普及で、途中で下車しても当該下車駅までの運賃が精算される仕組みが構築されていることも踏まえますと、制度設定の趣旨である課題がもはや解決されている現状、この途中下車制度をいつまでも残しておく必要が無いようにも感じます。
その「途中下車制度」廃止へのステップとしての、「往復乗車券」「連続乗車券」の廃止、というのは少々勘ぐりすぎなのかも知れません。
一方でこれまで見たように、以前は当然と思われていた運賃・料金の制度が悉く廃止されていった経緯がある以上、「途中下車制度」とて安泰とは言えない、ということだけは言えそうです。
ともあれ、「往復乗車券」「連続乗車券」が終了するのは、2026年春。
それまでの限りある期間、機会があればこれらの乗車券を活用してみようと思います。
最後に、私がこれまで購入した「連続乗車券」「往復乗車券」の一例をご紹介します。
▲和泉鳥取⇒津島ノ宮、津島ノ宮⇒(讃)高松の連続乗車券。
一年のうち、2日間しか営業しないレアな駅「津島ノ宮」を訪問した際、どうせなら、ということで連続乗車券を購入して訪問しました。
(参考)
▲苫小牧⇒夕張、夕張⇒女川の連続乗車券。
今は無き、石勝線夕張支線を廃止直前に乗車した際、夕張で折り返すことから、記念にもなると考え、連続乗車券で購入しました。
▲和泉鳥取⇔山中渓の往復乗車券。
連続乗車券は、上述のとおり実使用のきっぷが手元に残っているのですが、単純な往復乗車券はあまり実使用することが無いようで、このように和泉鳥取駅「みどりの窓口」終了間際に、記念に購入したきっぷなど、実使用を伴わない購入が手元に残っています。
(参考)
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