南海電鉄では、来る12月21日(土)に南海線でダイヤ改正を実施します。
(参考)


改正日が近づくなか、南海電鉄の公式Webサイトでは、改正後の駅時刻表が掲載されています。
駅・時刻表 50音順から探す-あ行(2024年12月21日以降運行) | 南海電鉄

こちらを見てみますと、ある気がかりなことを見つけました。
それは欄外の「ご案内」。
まず、改正後の「ご案内」を見てください。
nankai_namba_kaiseigo
(南海電鉄Webサイト(https://www.nankai.co.jp/traffic/jikoku_20241221.html)より引用)

注意深く見てみますと、ある表記が足りないことにお気づきでしょうか。

参考までに、現行時刻表の「ご案内」も表示します。
nankai_namba_kaiseimae
(南海電鉄Webサイト(https://www.nankai.co.jp/traffic/jikoku_20241221.html)より引用)

比べてみてお気づきでしょうが、改正後の「ご案内」から、「2扉車」の表記が消滅しています。
上記画像は、難波駅のものを引用していますが、他の駅でも同様に、「2扉車」の表記が消えています。

「昨今の合理化の一環では?」と考えられなくもないのですが、これまで高野線や南海線において、2扉車の案内を徹底してきた南海電鉄が、ここに来てその方針を突然放棄するとは考えにくい、と個人的に感じています。

とすればやはり、「2000系が南海本線普通列車より撤退する」のが濃厚となってきたのではないか、とも考えられます。

その予兆は既に見られなくもなく、これまで南海線で運用されてきた8000系が高野線に転属、逆に導入当初より高野線で運用されてきた8300系が南海線に転属と、12月21日のダイヤ改正を前にして、車両の動きが活発になっています。
(参考)



加えて、2025年3月中には南海本線でのワンマン運転開始を目指すことが、今年度第2四半期の決算発表会資料でも明らかになっています。
(参考)


これらを併せて考えると、今回のダイヤ改正で、ワンマン運転対応の8300系を南海本線に集中配属させ、その代替に8000系や2000系を高野線に転属させる、という流れが浮かんできます。

とすると、2007年8月より17年間、前面に「2扉車」を掲げながら、専ら普通列車として運用されてきた南海線の2000系も、いよいよ見納め、ということにもなってきた模様です。


1990年に高野線の急行列車の輸送力増強を目指して一気に増備された2000系。
しかしその後、高野線急行の運行体系が橋本駅を境に系統分離されたことを機に活躍の場が減少し、余剰となった2000系の一部が7000系置き換えも目的に、南海線に移籍してきました。

2扉車の馴染みがなかった南海線ですので、利用者の混乱を招かないよう、前面に大きく「2扉車」の大型ステッカーが貼り付けられたのが特徴的でした。
かつて高野線の急行で走っていた2000系が、南海線の普通として走る姿に、当初は違和感を抱いていたのも事実ですが、時を経るにつれ、日常の姿になって久しいわけですが、まさかこの時期にいきなり終焉を迎えることになるのでは、というのには、驚くほかありません。

本当に南海本線から2000系が撤退するのかは、改正後の運用をみないと分かりませんが、ともあれ改正後の車両の動きにも十分注意して見ておきたいな、と感じた次第です。

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▲南海本線の普通列車として運行する2000系。
乗客が間違った位置で列車を待たないよう、「2扉車」」という大きな表示が前面に掲げられているのが特徴です。