京阪電鉄では、2025年3月22日(土)に京阪線のダイヤ改正を実施することを発表しました。

2025年3月22日(土)初発から京阪線のダイヤを変更します|京阪電鉄

概要は以下のとおりです。

【概要】
・昼間時間帯の運転パターンを15分間隔⇒約12分間隔に変更
・淀屋橋・中之島〜萱島間の「普通」や朝夕ラッシュ時の「区間急行」を4両編成で運転
・京都方面での大学生の通学時間帯における混雑緩和を目的に、出町柳発着の列車を増発
大阪・関西万博期間中に中之島駅発着の「特急」「快速急行」を設定

【変更日】
土休日ダイヤ:2025年3月22日(土)初発から
平日ダイヤ:2025年3月24日(月)初発から

【変更内容詳細】
●平日ダイヤ:
・昼間時間帯:
10〜14時台の運転パターンを約12分間隔の運転

・朝ラッシュ時間帯:
7〜8時台下り(大阪方面行き)の「区間急行」「普通」を5本増発
守口市駅(淀屋橋・中之島方面)の急行・準急の停車時間帯を拡大
京都方面での大学生の通学時間帯における混雑緩和のため、8時台に淀屋橋発出町柳行き「快速急行」と樟葉発出町柳行き「普通」を各1本増発

・夕ラッシュ時間帯:
17時〜18時台の上りで「区間急行」「普通」計5本増発
京都方面での大学生の帰宅時間帯における「特急」混雑緩和のため、出町柳発「快速急行」1本増発、出町柳発「急行」の運転区間延長(淀行き→淀屋橋行き)、枚方市発16時〜17時台「準急」3本を「快速急行」に変更

・大阪・関西万博対応:
中之島駅発着の「特急」「快速急行」計7本を臨時運転

●土休日ダイヤ
平日ダイヤに準じて、昼間時間帯の運転パターンを約12分間隔に増発

大阪・関西万博の利便性向上のため、中之島駅発着(一部淀屋橋駅発)の「特急」「快速急行」を計12本臨時運転


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



京阪電鉄では、2021年9月に列車の大幅な削減を含むダイヤ改正を実施しました。
(参考)


それまで1時間当たり6本の運転だった各種別の列車本数が、この時のダイヤ改正で4本(15分間隔)に削減されました。
コロナ禍の最中ではあったものの、それ以前にも続いていた利用者の長期的な減少もあいまって、このような減量ダイヤ改正が実施されたと思われます。

これだけの減便となりましたので、需要が縮減したコロナ禍ではそれなりに輸送力の適正化が達成できたのかも知れませんが、コロナ禍後、利用者が回復基調になる中では、逆に混雑が激しくなり、SNS上でも利用者から混雑緩和を唱える声が聞こえるようになりました。

一方で京阪電鉄では、2025年10月に運賃改定(値上げ)を実施するべく申請を行っています。
(参考)

値上げの理由として、「輸送人員の減少」「自然災害、カーボンニュートラル等の社会課題への対応」「物価高騰の経費増加、人材確保に向けた待遇・職場会前への対応」へ対応するためとしていますが、一方で上述の減便により露呈してきた混雑への対応も、一定程度行わないと利用者の納得を得るのは難しいのではないか、という旨の意見も、当ブログ述べたところです。

コロナ禍後の利用者の回復により、京阪本線では混雑が表面化しているケースもあることから、これらへの対応も一定程度行われることも、値上げによる利用者の納得感を得るためには、必要な取り組みになってくるかも知れません。
(上記記事(上記発表資料(https://hanwa0724.livedoor.blog/archives/52305477.html)より引用)


そんな中、今後の京阪電鉄のダイヤ改正がいつ、どのような内容で実施されるのかを、運賃値上げと相まって注目していたところですが、意外に早く、来年3月22日(土)に開成が実施されることとなりました。

改正のポイントとしては、日中時間帯の列車間隔の短縮(15分⇒約12分)による増発が主体となっています。
一方で、「快速急行」を「特急」に統合するなど、全体の本数は大きく増加するわけでもなく、このあたりはシビアな計算が行われるとも感じました。


加えて、淀屋橋・中之島〜萱島の昼間の列車を中心に4両編成を主体とした運転とし、ラッシュ時間帯にもこの4両編成の列車が運行されることとなっています。

現在、京阪電鉄で4両編成が可能な車両は10000系と13000系ですが、上記の運賃値上げの記事でも、「13000系の追加投入」「京阪本線・中之島線一部区間でのワンマン運転実施」が述べられていることから考えると、今秋に予定されているワンマン運転に向けた準備も同時に実施する改正、といえるかも知れません。

以前の当ブログ記事では、「運賃改定を予定している2025年秋に、同時にダイヤ改正が実施される」のではないか、と予想していましたが、どうやらこの3月の改正でワンマン運転に対応したダイヤとした上で、今秋までにワンマン運転に向けた設備の準備や習熟等の準備をしていく流れになるのではないか、ともいえます。

ともあれ、全体的な需要が減る一方、部分的には輸送力の拡充が必要なこともあり、なかなか理想型のダイヤが組めずに模索している様子が見えなくもない京阪のダイヤ改正ですが、今回の改正で、コロナ禍後から課題となっている混雑の緩和が解消されるようになればいいな、と感じたニュースでありました。

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▲京阪本線の3000系快速急行。
現在日中時間帯に1時間当たり2本設定されている「快速急行」ですが、今回のダイヤ改正で特急に統合され、同時間帯の運転は取り止めとなります。
一方で、大学生の通学時間帯における混雑緩和のため、朝及び夕方に「快速急行」が増発されます。