南海電鉄では、泉北高速鉄道との合併に伴い、2025年4月1日(火)から泉北高速各駅(深井、泉ケ丘、栂・美木多、光明池、和泉中央)で発売しているIC連絡定期券の発売範囲を拡大します。

2025年4月1日(火)から泉北高速各駅で発売しているIC連絡定期乗車券の発売範囲を拡大します | 南海電鉄
IC連絡定期乗車券の発売範囲を拡大します | 泉北高速鉄道

概要は以下のとおりです。

【発売開始日】
2025年4月1日(火)から

【追加接続駅・発売拡大経路】
●Osaka Metro(大阪メトロ)(接続駅追加)
<難波駅接続>
2025020810-02-523


<天下茶屋駅接続>
2025020810-02-534


(※)中百舌鳥駅接続は現在も発売中

●JR西日本(拡大)
<新今宮駅接続>
2025020810-02-535


<三国ヶ丘駅接続>
2025020810-02-536


<橋本駅接続>
2025020810-02-537


●近畿日本鉄道(拡大)
<難波駅〜大阪難波駅接続>
2025020810-02-538


<河内長野駅接続>
2025020810-02-5410


<天下茶屋駅〜大阪メトロ堺筋線〜近鉄日本橋駅接続>
2025020810-02-549


●京阪電気鉄道(拡大)
<難波駅〜大阪メトロ御堂筋線〜淀屋橋駅・大江橋駅接続>
2025020810-02-5411


<天下茶屋駅〜大阪メトロ堺筋線〜北浜駅・なにわ橋駅接続>
2025020810-02-5412


<新今宮駅〜JR大阪環状線〜京橋駅接続>
2025020810-02-5413


●阪急電鉄(拡大)
<難波駅〜大阪メトロ御堂筋線〜大阪梅田駅接続>
2025020810-02-5514


<天下茶屋駅〜大阪メトロ堺筋線〜天神橋筋六丁目駅接続>
2025020810-02-5515


●阪神電気鉄道(拡大)
<難波駅〜大阪難波駅接続>
2025020810-02-5517


<難波駅〜大阪メトロ御堂筋線〜大阪梅田駅接続>
2025020810-02-5516

(上記画像はいずれも発表資料(https://www.nankai.co.jp/lib/company/news/pdf/250207_1.pdf)より引用)


【発売券種】
通学・通勤(大人・小児)のIC連絡定期乗車券
(大阪メトロを経由する通勤定期乗車券は大人のみ)
(障害者用割引定期券、実習用通学定期券は対象外)

【発売媒体】
ICカード(PiTaPa及びICOCA)
(磁気定期乗車券は対象外)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



この4月1日に、泉北高速鉄道は南海電鉄と合併し、泉北高速鉄道線は「南海電鉄泉北線」として新たなスタートを切ります。
既に車両のロゴ等については合併を前に「NANKAI」のロゴが入ったものに逐次変更されていることは、このブログでもご紹介したところです。
(参考)


一方、運賃等については、南海電鉄と泉北高速鉄道線(合併後は「泉北線」)との運賃については、「普通運賃はほとんどの区間で値下げ」「定期運賃は全区間で値下げ」が発表されています。
(参考)

泉北線と、南海線・高野線等にまたがる区間では大幅な値下げが実現することから、泉北線沿線の利用者にとっては朗報この上ないわけですが、一方で、泉北線の運賃も南海電鉄の運賃体系に取り込まれることで、連絡定期券の発売範囲が拡大されるのか、という点も気になっていました。

現在、泉北高速鉄道各駅からの連絡定期券は、以下の2種類のみ発売されています。
<南海電鉄>中百舌鳥駅接続
・<大阪メトロ>中百舌鳥駅接続

つまり、多くの利用者が想定される「<大阪メトロ>難波駅接続」や「<JR西日本>三国ヶ丘駅接続」といった連絡定期券は、これまで発売されておらず、これらを乗り継いぐ定期券利用者は、必ず2枚の定期券を別々に購入し、使用する必要がありました

一方、南海電鉄の各駅からは、「<大阪メトロ>難波駅接続」や「<JR西日本>三国ヶ丘駅接続」は勿論、難波駅及び天下茶屋駅から大阪メトロを経由して、阪急、阪神、京阪の各社への3社連絡の定期券も購入することができました。

しかし今回、南海電鉄と泉北高速鉄道との合併により、「南海泉北線」となることで、上述の定期券は、現在の南海電鉄各駅と同様の範囲で、1枚の連絡定期券で購入することが可能となりました。


一例を申し上げますと、私が泉北高速鉄道沿線に住んでいた大学生の頃、泉ケ丘駅から阪急神戸線・六甲駅まで通学していました。

その際、「泉ケ丘〜中百舌鳥〜梅田」「梅田〜六甲」か、「泉ケ丘〜中百舌鳥〜難波」「難波〜梅田〜六甲」の組み合わせで、必ず2枚の定期券を購入する必要がありました。
必ず2枚購入しなければならない、という手間もありますし、保管や入れ違えにも、常に気をつけていた記憶があります。


当時は磁気定期券の時代でしたので、仮に自動改札機に入れ違っても、入場できないだけでしたが、現在のIC定期券ですと、間違って入場しても、即座に入場不可となることは無く、間違って乗車した際にはチャージ分から減算されてしまう、という痛手を被ることとなります。

そのため、特に連絡定期券の発売は、特にIC定期券の際には特に求められていたものと思われますが、今回、合併を機に、上記発表資料の区間で、新たに連絡定期券が発売されることとなりました。

大学時代の頃には、私の知り合いでも、「泉北高速鉄道線〜三国ヶ丘〜JR阪和線」や、「泉北高速鉄道線〜難波〜近鉄大阪線・奈良線」等といった通学をしていた同級生がいましたが、いずれも皆さん、同様に2枚の定期券を区間によって使い分ける必要がありました。

そういった面倒や手間が、この合併により大きく解消されることは、本当に嬉しく思いますし、まさにこれこそが、合併で利用者が求めていたもの、と言えるのではないか、と思います。


勿論、私が泉北高速鉄道線沿線に住んでいた頃から、このような連絡定期券が発売されていれば、喜んで利用していたのですが、当時には当時の状況があったので仕方ありません。

この4月以降、多くの泉北線沿線の利用者が、この連絡定期券のメリットを享受できるだけでなく、様々な場所の事業所や学校に、1枚の定期券で通勤・通学できるというメリットで、泉北線沿線により多くの方々が住み着くきっかけとなり、それが泉北線・高野線の利用者増加に繋がれば、これこそ、かつて泉北線沿線に住んでいた者の一人として嬉しく思うわけです。

「たかが連絡定期券だけで何を大袈裟な」と思われるかも知れませんが、泉北高速鉄道の南海電鉄グループ化、そして今回の合併により、泉北線各駅と都心との距離は、実際の距離は全く変わらないものの、時間的(区間急行の大増発、特急「泉北ライナー」の新設)、費用的(南海電鉄の運賃体系により値下げ)、そして手間的(連絡定期券の発売)な改善で、「心理的に」かつてよりも近くなったと実感できます

これらが組み合わさり、人によっては都心から遥か遠いとも感じられる泉北線の沿線が、心理的にも近い場所であると多くの人が考えると、それだけ転居・移住先に選ばれるきっかけになることから、決して大袈裟ではなく、むしろこれを機に、泉北線沿線の新たなまちびらきのスタート、ともいえる出来事なのではないか、と思う訳です。


会社も変わり、車両のロゴも変わり、運賃も変わり、そして今回定期券の発売も変わることとなりました。
私が利用していた頃の泉北高速鉄道の体験が、どんどん変化していくことに戸惑いが無い、といえば嘘になりますが、一連のニュースを分析していると、これらがトータルで、明日の泉北線がより良いものになる変化だというのも、一方で実感しているところです。

いよいよ、あと2ヶ月を切った、「泉北高速鉄道」のフィナーレと「南海電鉄泉北線」のスタート。
より良い「泉北線」の明日につながるニュースがこれからも出てくることを期待し、かつて沿線に住んでいた者の一人として、引き続きこの変化をご紹介していきたいと思います。

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▲三国ヶ丘〜百舌鳥八幡間を走行する泉北高速鉄道9300系。
4月1日より、泉北線各駅から三国ヶ丘駅で接続するJR線への連絡定期券が発売され、これまで2枚必要だった定期券が1枚で利用できるようになります。