JR東日本では、鉄道ネットワークを活用した荷物輸送サービス「はこビュン」を事業化することを発表しましたが、その中でE3系新幹線1編成の全号車を荷物輸送専用車両として改造することを発表しました。

鉄道ネットワークを活用した荷物輸送サービス「はこビュン」を事業化し様々な社会課題解決に貢献します〜新幹線荷物専用車両による高速・大口輸送を実現します〜|JR東日本

概要は以下のとおりです。
【E3系改造概要】
・改造対象:
E3系新幹線1編成全号車

・改造内容:
荷物輸送専用車両として床面をフラット化

・改造後の運用:
2025年秋に東北新幹線盛岡〜東京間の上り列車で平日定期運行を開始
その後、車両基地を活用(※)した100箱単位、最大1000箱程度の大口輸送を定期化
(※)E5系「やまびこ」と連結し、正午前に盛岡新幹線車両センターを発車、午後に東京新幹線車両センターに到着するダイヤを検討中

・イメージ:
2025030521-31-354
(上記発表資料(https://www.jreast.co.jp/press/2024/20250304_ho02.pdf)より引用)

詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



山形・秋田新幹線で活躍してきたE3系ですが、秋田新幹線では既にE6系に置き換えられ、山形新幹線についても後継のE8系の投入が進んでいます。

一方、コロナ禍以降、新幹線車両を用いた荷物輸送の実証運行を進めてきたJR東日本では、荷物輸送サービス「はこビュン」を事業化し、定期的な輸送を実施することとしました。
その定期輸送に充当されるのが、現在山形新幹線で運用が続いているE3系。
このE3系の座席を撤去し、荷物を置くスペースに転用するものであります。

「貨物新幹線」という構想が、新幹線開業当初にはあったように記憶していますが、「貨物」とまでいかなくとも、「荷物」新幹線の車両が、コロナ禍を経てまさか実現するとは、つい一昔までは想像外、ともいえるのではないかと思います。

そして今回「荷物新幹線」の改造に供されるのが、このE3系。
考えてみればこのE3系、「こまち」「つばさ」で活躍しただけでなく、車内に美術館を設けた「現美新幹線」、そして車内に足湯を設けた「とれいゆ」としても充当されました。

通常の新幹線車両のみならず美術館、足湯、そして荷物列車と、数ある新幹線車両の中でもその活躍の「多彩さ」は群を抜くものとなるのではないのでしょうか。

ファン的には、荷物専用車両のE3系の塗装や車両番号等も気になるところですが、ともあれことし秋の営業開始時の姿がどんなものになるのか、今から楽しみなニュースであります。