JR西日本から、JR西日本のポイントサービス「WESTERポイント」会員向けに、同社エリア内(智頭急行線含む)が乗り放題となる、「WESTERポイント全線フリーきっぷ」というきっぷを発売しています。
(参考)

WESTERポイント全線フリーきっぷ | JR西日本
フリーきっぷ案内
▲「WESTERポイント全線フリーきっぷ」案内
(上記Webサイト(https://www.jr-odekake.net/navi/westerpointzensenfree)より引用)


このフリーきっぷは、「JR西日本全線の新幹線・特急列車普通車自由席乗り放題」「普通車指定席は6回まで利用可能」で、利用期間は「2025年7月16日(水)〜2025年8月31日(日)」となっています。

一方、フリーきっぷの購入に「WESTERポイント」を一部充当するか全部充当するか、また有効日数の違いに応じて、以下の3種類が用意されています。

【一部ポイント利用】
●価格:
500ポイント+16,000円
●有効期間:
1日間

【全ポイント利用(2日間)】
●価格:
10,000ポイント
●有効期間:
2日間

【全ポイント利用(3日間)】
●価格:
15,000ポイント
●有効期間:
3日間

既に10,000ポイント以上を保有する会員であれば、「全ポイント利用」を利用可能で、かつ「2日間で10,000ポイント」であれば、1ポイント=1円で換算すれば、10,000円で2日間乗り放題となるわけで、これくらいのポイント設定であれば、正直1日の利用でも難なく元が取れる、非常におトクなきっぷであります。

一方、10,000ポイントに満たない会員には、「一部ポイント利用」が用意されていますが、こちらは500ポイントに加え16,000円の支払いが必要で、かつ有効期間は1日間となっていることから、新大阪〜広島・博多・富山の日帰りといった、新幹線を活用した日帰り旅行でないと、元を取るのはなかなか厳しそうです。

これらを併せて考えると、この「WESTERポイント全線フリーきっぷ」のターゲットとしては、「WESTERポイントお得意様への謝恩商品」という意味合いが強いのかな、と思います。
一応、500ポイントから利用できる種類も用意しているとはいえ、フリーきっぷの恩恵を受けることのできるハードルが高いことを考えると、やはり「お得意様への日頃の感謝」という側面が強いのは否めません。

逆に言えば、「夏休み期間中にこんなおトクな商品を用意しているから、皆さん日頃からWESTERポイント貯めておいてね」というメッセージ、とも受け取れそうです。
(後述しますが、私自身も昨年の今頃にそのようなメッセージを受け取り、そして1年間WESTERポイントをコツコツ貯めた一人であります。)



そんな「WESTERポイント全線フリーきっぷ」ですが、私自身、このWESTERポイントが10,000ポイント以上貯まったので、早速利用してみることにしました。
以下に、その際利用したきっぷの画像をアップしておきます。

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▲「WESTERポイント全線フリーきっぷ」1枚目
「★」の数は指定券の引換回数を示しています。
「敦賀」の入出場が複数記録されているのは、敦賀駅で新幹線に乗車後、列車の遅れが明らかになったことから、急遽予定変更すべく一度出場して再入場したからです。

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▲2枚目の「ご案内」

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▲3枚目の案内には、利用可能区間が記載されています。
東海道、九州、北陸(上越妙高以東)等、自由周遊区間の内外を直通運転している区間については、「特にご注意ください」と記されています。

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▲「WESTERポイント全線フリーきっぷ」で引き換えた指定券
特急「こうのとり1号」(大阪→福知山)

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▲同、「かがやき512号」(敦賀→金沢)

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▲同、サンダーバード38号

いずれの指定券のも「同時発券の切符と同時使用に限り有効」と記載されています。




この「WESTERポイント全線フリーきっぷ」、指定席は6回まで利用可能ですが、この6回利用できる権利を無駄にしないためにも、注意しておきたいポイントが二つあるように感じましたので、今後利用される方の参考になればと思います。



【ポイント1:きっぷ受取後は指定席変更不可(追加のみ可能)】
この「WESTERポイント全線フリーきっぷ」では、フリーきっぷの予約時に、同時に指定券の予約が可能となっています。
一方、「フリーきっぷ」を引き換えると、同時に指定券も発行される仕様となっており、その後は上述のとおり「追加のみ可能」となっています。

つまり、一度指定席予約を引き換えてしまうと、「指定席6回まで」のカウントを使ってしまい、その後の指定席確保が限られてしまう、という点に注意が必要です。

それならば「自由席が使えるからいいじゃないか」という点もありますが、現在JR西日本の特急列車(特に在来線)では多くの列車が全車指定となっています。
予定通り旅程を消化できればいいのですが、急なトラブル等による予定変更で改めて指定券を確保する必要が出てくると、既に予約した列車の回数は放棄した上で、残り回数を消費しなくてはならない(場合によっては別途指定券を購入する必要がある)ことになります。

現在、JR西日本の管内で、「自由席が設定されている」特急列車・新幹線は以下のとおりです。
・新幹線:
「のぞみ」「みずほ」「さくら」「ひかり」「こだま」「つばめ」「はくたか」「つるぎ」
・在来線特急:
「はるか」「スーパーまつかぜ」「スーパーおき」(四国方面への特急列車を除く)


特に在来線特急では、多くの列車が「全車指定」となっていることから、これらの列車で予定変更が生じれば、別途フリーきっぷの6回分を消費して指定券を確保する必要があります。
言ってみれば、前もって予約していたが故に、予定変更で無駄に1回分消費してしまう、という事態が発生してしまいます。

そんな条件を念頭に置くと、この「WESTERポイント全線フリーきっぷ」を利用する際には、「指定券の引換回数はなるべく温存しておく」のが良いようにも思えます。
そのため、自由席が設定されている新幹線では、なるべく自由席を利用して指定券を発行する回数を減らす、というのも一つの方法でしょう。

実際今回の旅行では、当初乗車する予定で指定券を確保していた「つるぎ28号」が、接続元となる「サンダーバード27号」の大幅遅れにより出発が遅れることとなったため、旅程の都合もあり、やむを得ず、発車の順番が先発に繰り上がった「かがやき512号」に乗車することにしました。

「かがやき」は全車指定席のため、「WESTERポイント全線フリーきっぷ」では指定券の引換が必要となるので、やむを得ずこの残り回数を消費して「かがやき512号」の指定券を敦賀駅で確保することとなりました。

これについても、例えば「つるぎ28号」の指定券は前もって確保せず、自由席を利用していれば、無駄に回数を消費することは無かったようにも思えただけに、反省点に感じました。
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▲「つるぎ28号」指定券
当初は、この「つるぎ28号」で金沢まで向かうこととしていましたが、上述のとおり「サンダーバード27号」が20分以上遅れることが、敦賀駅新幹線ホーム入場後明らかになったので、急遽「かがやき512号」の指定券を引き換えました。(「つるぎ28号」の指定券は放棄。)
元より、「つるぎ28号」で自由席を利用するのであれば、このように指定券1回分を無駄にすることがありませんでした…




【ポイント2:改札内乗り継ぎの新幹線・特急列車の回数カウントの違いに注意】
例えば山陽新幹線の場合、博多〜相生間を、「のぞみ」と「こだま」を乗り継いで利用した場合、通常は1枚の特急券で通しで料金計算されることとなっています。
同様の設定は、福知山駅での特急「きのさき」「はしだて」「こうのとり」の乗り継ぎや、敦賀駅での特急「サンダーバード」「はくたか」と北陸新幹線「かがやき」「はくたか」「つるぎ」でも設定されています。

これらの乗り継ぎにおいて、「WESTERポイント全線フリーきっぷ」での指定席利用回数のカウントの考え方が、きっぷ受取前ときっぷ受取後で異なることも、注意しておきたいところです。
具体的には、
・ネット予約「e5489」で受取前に予約する場合:2回
・受取後、券売機等で予約する場合:1回

乗り継ぎ指定券案内
▲「WESTERポイント全線フリーきっぷ」のWebページ案内における、指定席利用回数の記載を引用しました。
https://tickets.jr-odekake.net/shohindb/view/consumer/tokutoku/detail.html?staticShnId=100021782&_gl=1*5vhvks*_ga*NDAzMzMxNTA3LjE3NTA3NzM0NDE.*_ga_1EX2KJB2NH*czE3NTM0OTM2MDYkbzYkZzEkdDE3NTM0OTQ2ODAkajUxJGwwJGgw
この(例1)(例3)(例4)が、きっぷの受取前後の予約タイミングで利用回数に違いが生じるケースとなります。

特に、乗り継ぎ前後のいずれか、あるいは両方の列車が全車指定の「福知山」「敦賀」での乗り継ぎの際には、この違いに留意しておき、敢えて「きっぷ引き換え後」に「みどりの券売機」等で引き換えておく、という作戦も必要なのではないか、とも思えます。



このようにポイントを記しておくと、「きっぷ受取前の予約は最低限にしておいた方がよいのでは?」という身も蓋もない結論になりそうです。

一方で、乗り継ぎの時間が少ない中で、「みどりの券売機」さえも混雑していることもあり得ますし、何より日時によっては、乗車しようとしていた列車が既に満席になっている可能性もあります。

そうなると、一概に結論が出るものでもないのですが、列車の混雑具合等も考慮しつつ、「事前に必ず指定券を押さえておかなければならない列車はどれか?」と考えて、最低限の回数をネット予約「e5489」で確保しておく、というのが、上手い使い方、にも思えます。



ともあれ、「WESTERポイント」がそれなりに貯まっている人でないと、なかなか恩恵を受けにくいきっぷではありますが、上述のとおり「お得意様への感謝」という意図が見えるような設定でもありますので、条件の叶った方におかれましては、当ブログ記事も参考にしながら良い旅を、そうでない方は次の発売機会を期待しながら、WESTERポイントをコツコツ貯める「ポイ活」に勤しんでいただければ、と感じました。

実は昨年度も、同じ「WESTERポイント全線フリーきっぷ」が発売されており、今回と同様「全ポイント利用」と「一部ポイント利用」の二種類が発売されていました。
(参考)

昨年度は、「全ポイント利用」が9,000ポイントで3日間有効、「一部ポイント利用」が1,000ポイント+14,000円で1日間有効、となっていましたが、その他の要件は基本的に今年度と同じのようでした。

実は昨年度、私自身はWESTERポイントが9,000ポイントも貯まっていなかったので、この「フリーきっぷ」を利用することができませんでしたが、「来年度も同じようなフリーきっぷが発売されることを見越して、WESTERポイントを貯めておこう」と決めていましたが、果たして一年後、めでたく「全ポイント」を利用できるほどに貯めることができました。

来年度も、このようなWESTERポイントのお得意様へのきっぷが発売されるかどうかは分かりませんが、JR西日本とて引き続き、「WESTERポイント」への囲い込みを進めていることは確かなので、何かの機会にこのようにおトクな商品をゲットできる権利が得られることを考えると、常日頃からそういったことを意識して「WESTERポイント」を貯めておくのが、ファンとしても有利になる賢い方法なのかな、と思います。



この手の「ポイント利用優遇商品」の話題が出てくると、一定「ポイント会員だけ優遇して許せない」という意見を目にします。

ただ、鉄道業界に限らず、この世の様々な業界で、お得意様を優遇する囲い込みの施策は実施されていますし、交通関係で言えば、航空会社の「マイレージサービス」なんかは、その最たるものだといえるでしょう。

航空会社のマイレージサービスに対してはこの手の批判がほとんど聞かれないのに、WESTERポイントを活用した優遇には何故か一定の批判が聞こえてくるのも、ある意味不思議なところはありますが、ともあれ、鉄道事業者でも、このような「囲い込み」が進んでいることは、頭の片隅に置いて色々な趣味活動に活用していく、というのがベストな方法なのかな、と感じています。

そういう意味では、こと鉄道趣味に限らず「情報のアップデート」は常に必要だと感じていますので、当ブログ記事が、そういった皆様の趣味活動の「アップデート」に少しでもお役に立てれば、と感じています。



最後に、この「WESTERポイント全線フリーきっぷ」で乗車・遭遇した列車をご紹介しておきます。

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▲特急「こうのとり1号」
かつての「北近畿」が「こうのとり」改称され、15年になろうとしていますが、改称後に乗車したのは実は初めてでした。

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▲113系福知山色
特に遭遇を狙っていなかっただけに、偶然の遭遇に満足でありました。

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▲125系「サバ号」ラッピング車両。
昨年8月から運行されているこのラッピング車両ですが、この日は福知山〜東舞鶴間の折り返し運用に就いていました。

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▲小浜線 十村駅で停車中の125系。

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▲敦賀駅に停車中の「かがやき512号」。
当初は乗る予定のなかった「かがやき」でしたが、「つるぎ」出発遅れのため、急遽乗ることになりました。

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▲福井駅新幹線ホーム
新幹線ホームとしては珍しい(唯一?)、上下線のみの島式ホームの駅で撮影

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▲敦賀駅での「サンダーバード38号」乗り換えの合間に撮影。
敦賀駅の乗り換えは、13分あったので今回は余裕でしたが、通常は8分のため、乗り換えたら丁度、というタイミングでしょうか。