JR西日本では、本日(8月6日)、2024年度の区間別平均通過人員(輸送密度)を発表しました。

2024年度区間別平均通過人員(輸送密度)について:JR西日本

区間別のデータは、上記発表資料に開催されていますので、詳細はこちらをご覧下さい。
以下、個人的に気になる区間の輸送密度を見ていきます。
(以下、特に断りのない場合、「人」は輸送密度(人/日・km)を表します。)


【紀勢線・新宮〜白浜間:960人(+35人)】
当ブログで最も気にしているのが紀勢線・新宮〜白浜間。
2024年度の輸送密度は960人(2023年度・935人)と、前年度に比べ約3%の増加ですが、コロナ禍前の2019年度(1,085人)の88%と、まだコロナ禍前に戻っていない現状は、昨年度から続いています。

今年度には、下記記事でご紹介したように、11月から特急「くろしお」が平日1往復増便されることとなりますので、この増発による利用促進が奏効し、せめてコロナ禍前までに回復することを願いたいところです。
(参考)


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▲新宮駅で発車を待つ283系「くろしお」。
今年11月からは平日にも1往復増便されますので、その効果を期待したいところです。




【和歌山線・五条〜和歌山間:3,756人(▲55人)】
和歌山県内の紀勢線では、横ばいまたは若干の増加となっている一方、県内の和歌山線(五条〜和歌山間)の輸送密度は約2%の減少となっています。

紀勢線に比べて観光利用が少ない一方、メインの学生が少子化の影響で減少している影響が推察されますが、減少傾向となっていること自体、気になる動きであることには違いありません。

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▲昨年12月に和歌山線で運行された和歌山線の「高校生クイズ大会」の臨時列車。
(参考)

少子化の影響か、和歌山線の利用状況が低下していることから、今後の利用促進策を期待したいところです。




【湖西線・山科〜近江塩津間:33,034人(▲143人)】
北陸新幹線・敦賀〜金沢間の開業後の輸送状況が初めて明らかとなった今回の発表ですが、そのうち「サンダーバード」が走る湖西線をみますと、約0.5%の微減という状況です。

この輸送密度には、「サンダーバード」と「新快速・普通」の双方が含まれていることから、それぞれがどのような増減となったのかは不明ですが、ともあれ、北陸新幹線・敦賀〜金沢開業により、同区間開業前に比べ大幅な利用者増となっているという訳でも無さそうだ、ということだけは見えてきそうな結果といえるでしょう。



【木次線・宍道〜備後落合間:144人(▲45人)】
輸送密度2,000人未満の線区では、各線区で利用促進に向けた取り組みが進められています。
その成果がもあってか、輸送密度が増加している線区もあれば、そうでない線区もみられます。

特に木次線については、全線通しの輸送密度は189人(2023年度)から144人(2024年度)と約25%の減少となっています。

その中でも出雲横田〜備後落合間は、72人(2023年度)→23人(2024年度)と68%減の激減しています。

これだけの激減の原因は、ひとえに観光列車「奥出雲おろち号」の運行終了が影響している、と断じることができるでしょう。

(参考)


勿論、「奥出雲おろち号」に代わる観光列車として「あめつち」がこの木次線でも運行されています。
(参考)


しかし、「奥出雲おろち号」とは異なり「あめつち」は途中の出雲横田までしか運行であること、そして専ら木次線で運行されていた「奥出雲おろち号」とは異なり、他線区でも運行される「あめつち」は木次線での運転日数が限られることもあり、輸送密度の大幅減を食い止めるほどの成果は得られなかった、ともいえます。

この木次線についても、輸送密度が非常に低い線区でもあることから、その存廃が議論されていますが、今回の大幅減が、その議論をどのように左右していくのか、気になる結果といえます。



【輸送密度2,000人未満の経営状況公表対象線区が2線区増加。赤穂線と呉線の閑散線区が対象か?】
JR西日本では、輸送密度2,000人未満の線区について、輸送密度とは別に、収支率等の経営状況を公表しています。
その対象線区について今回、19路線32線区(昨年度は17路線30線区)と2路線2線区増えることが明らかにされています。

データを見たところ、2023年度→2024年度で、輸送密度が2,000人を割り込んだ線区は見当たらないので、元々公表の対象外だった2,000人未満の線区が新たに追加されるものと考えられます。

追加されると考えられる線区は以下の2線区であろうと考えられます。
●赤穂線・播州赤穂〜長船(1,687人)
●呉線・三原〜広(1,606人)

赤穂線、呉線ともに、大都市圏に近い区間では一定の利用がある一方、そうでない区間では利用が少ない、という構造的な状況が従前より存在していましたが、区間毎の利用状況を鑑み、今回経営状況の公表に追加したのかな、とも考えられます。

新たに追加となる線区の沿線地域で、今後どのような議論が進むのか、こちらも引き続き注目しておきたいところです。



以上、今回発表されたJR西日本の2024年度の線区別輸送密度から、気になる点をご紹介しました。

コロナ禍からの回復が一段落した線区、逆に落ち込んだ線区、その一方でコロナ禍前以上に利用が戻っている線区と、ここにきて明暗が分かれてきているようにも感じたニュースでありました。



【関連ニュースサイト】
●木次線、輸送密度23の衝撃。「奥出雲おろち号」終了で利用者激減 | 旅行総合研究所タビリス



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