南海本線の尾崎駅から、阪南市を南北に循環する南海ウイングバスの「尾崎線」。

私がここ阪南市に移住してきてから、南海本線に乗車する際に時折利用してきましたが、利用者の動向の変化に加え、昨今の運転士不足も加わっきたことから、本日(2025年8月31日)をもって運行終了することとなりました。
(参考)
【南海ウイングバス】尾崎線の運行終了について(9月1日実施) | 南海バス

運行終了後は、阪南市のコミュニティバスの「緑ヶ丘・さつき台コース」の増発(10便→15便)により代替され、7時台〜19時台の運行は維持されることとなります。
(参考)
緑ヶ丘・さつき台コース(時刻表・バスマップ)【2025年9月1日改正分】/阪南市

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▲改正前時刻表
8月31日までは1日10便の運行です。

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▲改正後時刻表
9月1日以降は、上記に加え7時台、18時台、19時台に増便され、1日15便の運行となります。
(いずれも阪南市役所Webサイトより引用)

一方で、早朝・夜間(6時台、20時台)は減便となりますが、現在の利用状況等を鑑みると、致し方ない、否、これだけ維持されるのであれば、この運転士不足が叫ばれているご時世を鑑みれば、必要十分なサービス水準が確保された結果、といえるのではないかと、個人的に思っています。

ともあれ、南海本線沿線へのお出かけや、阪和線の運転見合わせ時の振替輸送ルートとして長年お世話になったこの、南海ウイングバス「尾崎線」の最終日の様子を見てきました。




尾崎駅前まで向かい、「尾崎線」に尾崎駅前→泉鳥取→尾崎駅前と、循環系統を一周乗車することにします。
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▲尾崎駅前に停車する南海バス尾崎線。
ここ尾崎駅を発着する南海ウイングバスは、現在はこの尾崎線1系統のみ(※)となりました。
しかしこれも本日限りとなり、明日からこの尾崎駅を発着するのは、阪南市コミュニティバス「さつき号」のみとなります。

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▲バス正面のLED。
「701 尾崎駅前-循環-尾崎駅前」という、特徴的な表示が見られるのも本日限りとなります。

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▲側面LEDには、経由停留所が表示されています。
「南海尾崎駅前→自然田(じねんだ)→和泉鳥取→石田→南海尾崎駅前」と表示されます。

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▲出発前の運賃表の表示。
こちらは「尾崎駅前→尾崎駅前」とスクロール表示されます。

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▲バス停には、尾崎線廃止の案内が掲示されていました。
ちなみに、Webサイトの廃止案内は、下記のとおりです。
(参考)
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(南海バスWebサイト(https://www.nankaibus.jp/info/73138)より引用)


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▲阪南市コミュニティバスの時刻表。
既に新旧の時刻表が双方掲出されています。

7時54分尾崎駅前発のバスに乗車します。
循環系統なので、駅を出発した時点での乗客は私一人でした。
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▲バス車内の様子

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▲国道26号バイパスの高架橋が見えてきます。

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▲和泉鳥取停留所

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▲波太神社前の交差点を右折。

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▲中村西口停留所。
府営石田団地の近くにある停留所でもあることから、一定の利用者があるようで、この尾崎線の最終便が、この中村西口止めとなっているのも、この停留所の利用者に配慮したものだと考えられます。

結局この便で乗車があったのは、平見、和泉鳥取、石田の3停留所で、それぞれ1名ずつの乗車でした。
私も含めて4名の乗客を乗せて、尾崎駅前に到着します。
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▲尾崎駅前に到着した南海バス尾崎線。
「回送」の表示で分かるように、この便が午前の最終便であり、到着後は回送となります。
明日からは、後方に停車している「阪南市コミュニティバス」が、この尾崎線の役割を担うこととなります。



上述のとおり、本日8月31日をもって運行終了となる、南海バス尾崎線。
個人的によく利用したのは、阪和線運転見合わせ時の振替輸送の時でしたが、それ以外にも時折利用していました。

私が阪南市に引っ越してきた時には確か朝は6時前から、そして夜は平日は22時頃まで、ほぼ30分間隔(朝夕は15分間隔)で運行されていたように記憶しています。
実際、下記の乗車記録では、尾崎駅前22時30分発の便に乗車して帰宅していますので、少なくともこの頃までは平日は22時台まで運行されていたことがわかります。
(参考)


しかしその後、利用者の減少もあってでしょうか、徐々に本数が減少し、現在は昼間の時間帯はコミュニティバスに移行し、朝夕に特化した運行となっていました。

それだけに、今回の廃止・コミュニティバス転換で、少なからず影響はありますが、それでも運行本数がある程度維持されているのは、幸いなことだ、と感じています。

しかも、運賃が100円となっていることから、通勤・通学・通院にも積極的に利用しやすいものとなっているのではないか、と考えています。



ただ一つ、課題と感じるのは、この「阪南市コミュニティバス」の時刻・ルート情報が、Googleマップ、Yahoo!路線検索等での情報に全く反映されていない点です。

これらの情報に反映させるためには、時刻表などの情報を「GTFS」というフォーマットに整えた上で、これらのプラットフォームに掲載する必要があります。

全国的に見ても、一般路線バスは勿論、コミュニティバスについてもGTFSによるデータ公開が進んでいる地域も見られます。
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▲例えば和歌山県串本町が運営しているコミュニティバスでは、このGTFSによるデータ整備がおこなわれており、串本駅から町内各地に向かうコミュニティバスの時刻や運行ルートがGoogleマップ上で容易に確認することが可能です。
串本町内には、潮岬や大島などの観光地も点在していることから、地元町民のみならず、観光客など町外からの来訪者も、コミュニティバスを利用して町内を移動することが容易な仕組みとなっています。
(画像はGoogleマップより引用)

しかしここ阪南市に関しては、今回の代替ルートとなる「緑ヶ丘・さつき台コース」だけでなく他の路線も全て、GTFSによるデータが公開されていません。

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▲記事執筆段階で、Googleマップで尾崎駅前のバス発着情報を見たところ、掲載されいたのは南海ウイングバス「尾崎線」のみで、「阪南市コミュニティバス」は一切掲載されていませんでした。
(画像はGoogleマップより引用)


2020年3月に阪南市が策定した「阪南市地域公共交通網形成計画」では、「利便性の向上による快適な利用環境の実現」に向けた施策の一つとして「経路検索による情報提供に向けたデータの整備」に取り組むこととしており、具体的な取組内容として「コミュニティバス「さつき号」について、国が定めた「標準的なバス情報フォーマット」のデータを整備し、経路検索事業者へ情報提供することで、インターネット等における情報の充実を図ることとしています。
(参考)
阪南市地域公共交通網形成計画を策定しました。/阪南市
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(阪南市地域公共交通網形成計画より引用)


しかし本記事を執筆している時点では、未だ阪南市コミュニティバスの情報がGoogleマップ等に掲載されてはいません。

今回廃止となる「尾崎線」は、南海電鉄尾崎駅と、JR和泉鳥取駅を結ぶ路線であり、地元住民だけでなく他地域からの来訪者も利用する機会も十分あり得るものと考えられるだけに、経路検索の情報整理は早急に手がけていただきたい、と切に願うところです。



ともあれ、地元のバス路線が廃止になるということで、そのニュースさえも地元でありながら自分のブログに取り上げていなかった怠惰さに反省しつつ、せめて最終日だけは、ということで訪問してみました。

明日からは、阪南市コミュニティバスの増発による対応となり、利用者にとって大きな影響が出るわけではありませんが、それでも上述のとおり情報提供に課題が残っているのも確かです。
引き続き住民や来訪者にとって使いやすい公共交通となるよう改善していって欲しいですし、我々住民や利用者も、積極的に利用して、コミュニティバスの存続に協力していかないといけないな、と改めて思いました。