JRグループでは、列車と駅レンタカーをセットにした「レール&レンタカーきっぷ」を発売してきましたが、この度利用状況を踏まえて、発売を終了することを発表しました。

「レール&レンタカーきっぷ」の発売終了について:JR西日本
「レール&レンタカーきっぷ」の発売終了について|JR東日本

概要は以下のとおりです。

【発売を終了する商品】
「レール&レンタカーきっぷ」

【発売及び利用終了日】
2026年2月28日のレンタカー返却分をもって発売を終了
但し、レンタカー券と合わせて購入したきっぷについては、券面に記載された有効期間内は利用可能。


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



「レール&レンタカーきっぷ」とは、JR線と駅レンタカーを組み合わせた割引きっぷで、利用条件を満たせば、同乗者全員のJR線乗車券が20%割引、特急料金やグリーン料金が10%割引となるきっぷです。

「乗車券が20%割引」というのもさることながら、「同乗者全員」が割引になる点が、他のきっぷでは見られない「レール&レンタカーきっぷ」の特徴といえるでしょう。
また、国鉄時代から継承したJRグループ共通の商品であるため、乗車券の経路も柔軟に指定が可能であることも、この「レール&レンタカーきっぷ」の魅力、と言えるでしょう。

かつては駅窓口でJR券とレンタカーをセットで購入することとなっていましたが、下記記事で記しているように、2010年10月からは、事前にインターネットで予約し、予約番号を持ってJRの駅窓口や旅行会社で購入することとなりました。
(参考)


それから丁度15年が経過したタイミングで、この「レール&レンタカーきっぷ」の廃止が発表されました。
レンタカーの予約と同期してきっぷを発売するという商品の性格上もあってか、窓口のみの販売で、JR各社の「話せる券売機」(JR西日本「みどりの券売機プラス」、JR東日本「話せる指定席券売機」等)では購入できない商品となっています。
そのため、昨今「みどりの窓口」が大幅に縮小される中、「レール&レンタカーきっぷ」を購入できる場所が激減していることもあってでしょうか、利用者の動向を踏まえて今回廃止が発表されました。

代替商品としては、例えばJR西日本では、「e5489」または「EXサービス」と駅レンタカーのセット利用によりWESTERポイントを還元する「+駅レンタカーWEST」という商品を、2026年初から開始することを発表していますj。
(参考)
「鉄道+駅レンタカー」 新サービス開始のお知らせWESTERポイントがたまる、便利でおトクなサービス:JR西日本

とはいえ、JR線のルートが自在に設定でき、同乗者全てが割引の恩恵を受けられる、という「レール&レンタカー」のおトクさが今後の代替商品に引き継がれるとも限りませんので、また一つ、国鉄時代から引き継がれたきっぷが終焉を迎えることになりそうです。



私自身、これまでこの「レール&レンタカーきっぷ」は二度利用したことがあります。
その際に利用したきっぷは、下記の記事にてご紹介しています。
(参考)

この記事で、「機会を見つけて利用することができればいいな、と思っています。」と悠長なことを書いていましたが、まさか5年後に廃止になるとは、と当時は思いもしませんでしたね…

ただ既述のとおり、窓口購入が必須であることから、駅は勿論旅行会社も含めて、そもそも窓口が減っている現状では、「レール&レンタカーきっぷ」のようなオーダーメイド性の強いきっぷは、いずれ終焉とならざるを得ないのでありましょう。

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▲今から20年以上前に利用した「レール&レンタカーきっぷ」(和泉鳥取→指宿)
当時から「みどりの窓口」設置駅での購入が必要だったと記憶していますが、そんな「みどりの窓口」も和泉鳥取駅にさえ有った時代でしたので、このようなきっぷも購入が可能でした。
しかし現在、「レール&レンタカーきっぷ」を阪和線内で購入しようとすれば、天王寺、我孫子町、鳳、和泉府中、和歌山の4駅でしか購入できなくなってしまいました。
(我孫子町駅は11月30日限りで閉鎖)