JR北海道では、同社単独で維持することが困難な線区である「黄8線区」(以下、「黄線区」といいます。)について、維持する仕組みの構築に向けた同社の考え方を発表しました。
【社長会見】黄8線区を維持する仕組みの構築に向けた当社の考えについて|JR北海道
概要は以下のとおりです。
詳細は、上記発表資料をご覧下さい。
今から9年半前の2016年11月、JR北海道では同社が単独で維持することが困難な線区(13線区・1,237km)を発表しました。
(参考)
このうち、輸送密度200人未満の線区(いわゆる「赤線区」)3線区及び当時既に話し合いを始めていた2線区(いわゆる「茶線区」)については、2026年3月末の留萌線(深川〜石狩沼田)を最後に、全て鉄道事業を廃止してバス等への転換を行いました。
一方で、残る「黄線区」については、この9年半で、様々な利用促進や、コスト削減を行ってきたものの、抜本的な改善には遠く及ばないことから、今後持続的な維持に向けた協議を実施していきたい意向を、今回JR北海道は発表しました。
その「協議の内容」ですが、上述のとおり、輸送体系の見直し(恐らく減便等)に始まり、「上下分離方式の検討」という、抜本的な内容にまで踏み込んでいるのが特徴といえます。
もとよりJR北海道は、現在も国の経営安定基金による支援の他にも、同社の中期経営計画の期間において、国からも助成金や出資等の支援を行っており、相当国から支援を受けている状況となっています。
(参考)
報道発表資料:JR北海道及びJR貨物の経営自立化に向けた支援の継続について - 国土交通省
そんな状況でありつつも、黄線区については同社単独で維持をするのが難しく、そのためには、同社が運行を担い、路線や車両の維持コストを分離し、持続的に運営していくための方法として、上下分離の検討が今回示されました。
もっとも、広大で延長も長く、加えて除雪等の路線維持コストも相当高い北海道という地域事情では、もはやこれまでのスキームでの維持が困難で、地域が路線の維持にもっと関与しなければ維持が困難であることを示した、ともいえるでしょう。
上下分離方式の検討を含め、今後どのような対策を取るかは、各線区ごとに沿線自治体がJR北海道と協議して決めていくことになるかと思います。
ただ、その期限が2026年度末と、あと1年を切っており残された時間が限られていること、そして上下分離方式を導入するにしても、人口減少や産業の流出等により財政基盤が決して豊かではないこれら黄線区の沿線自治体が費用負担を受け入れることができるのか、と考えると、厳しい先行きが待っていることは容易に視察されます。
ただ、これら黄線区は、地域輸送のみならず広域輸送や観光資源としての役割も果たしていることから、上述の「赤線区」のようなバス転換で全て解決できるわけでもないでしょうから、そういうことも含めて、限られた時間で今後の方向性をどのように決めていくのか、引き続き注目していきたいと思います。
【社長会見】黄8線区を維持する仕組みの構築に向けた当社の考えについて|JR北海道
概要は以下のとおりです。
【黄線区の現状】
・「アクションプラン」(2019〜2023年度)、「事業の抜本的な改善方策の実現に向けた実行計画」(2024〜2026年度)に基づき、地域の関係者と同社が一体となって、徹底した利用促進・コスト削減に取り組んでいるが、抜本的な終始改善には至らず、同社単独で維持困難な状況が継続。
【維持する仕組みの構築に向けたJR北海道の考え】
・黄線区を引き続き維持したいと考えているが、収支が厳しく維持困難な状況であることから、黄線区を持続的に維持する仕組みを構築する必要がある。
【地域と協議を開始したい項目】
・線区の利用状況に応じた輸送体系の更なる見直し
・持続的な運行に必要となる担い手の確保(踏切の除雪や駅業務の自治体への移管等)
・鉄道資産の自治体への譲渡による固定資産税の負担軽減
・運行会社と、鉄道資産を保有する法人等に分ける「上下分離方式」の検討
(イメージ)
(上記発表資料(https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20260415_KO_ki8senku.pdf)より引用)
【今後のスケジュール】
・2026年度末までに、線区ごとに事業の抜本的な改善方策を確実に取りまとめるため、関係者との協議を進める。
(上記発表資料(https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20260415_KO_ki8senku.pdf)より引用)
(参考:「黄線区」8線区)
・釧網線(東釧路〜網走)
・花咲線(釧路〜根室)
・富良野線(旭川〜富良野)
・石北線(新旭川〜網走)
・宗谷線(名寄〜稚内)
・根室線(滝川〜富良野)
・室蘭線(沼ノ端〜岩見沢)
・日高線(苫小牧〜鵡川)
詳細は、上記発表資料をご覧下さい。
今から9年半前の2016年11月、JR北海道では同社が単独で維持することが困難な線区(13線区・1,237km)を発表しました。
(参考)
このうち、輸送密度200人未満の線区(いわゆる「赤線区」)3線区及び当時既に話し合いを始めていた2線区(いわゆる「茶線区」)については、2026年3月末の留萌線(深川〜石狩沼田)を最後に、全て鉄道事業を廃止してバス等への転換を行いました。
一方で、残る「黄線区」については、この9年半で、様々な利用促進や、コスト削減を行ってきたものの、抜本的な改善には遠く及ばないことから、今後持続的な維持に向けた協議を実施していきたい意向を、今回JR北海道は発表しました。
その「協議の内容」ですが、上述のとおり、輸送体系の見直し(恐らく減便等)に始まり、「上下分離方式の検討」という、抜本的な内容にまで踏み込んでいるのが特徴といえます。
もとよりJR北海道は、現在も国の経営安定基金による支援の他にも、同社の中期経営計画の期間において、国からも助成金や出資等の支援を行っており、相当国から支援を受けている状況となっています。
(参考)
報道発表資料:JR北海道及びJR貨物の経営自立化に向けた支援の継続について - 国土交通省
そんな状況でありつつも、黄線区については同社単独で維持をするのが難しく、そのためには、同社が運行を担い、路線や車両の維持コストを分離し、持続的に運営していくための方法として、上下分離の検討が今回示されました。
もっとも、広大で延長も長く、加えて除雪等の路線維持コストも相当高い北海道という地域事情では、もはやこれまでのスキームでの維持が困難で、地域が路線の維持にもっと関与しなければ維持が困難であることを示した、ともいえるでしょう。
上下分離方式の検討を含め、今後どのような対策を取るかは、各線区ごとに沿線自治体がJR北海道と協議して決めていくことになるかと思います。
ただ、その期限が2026年度末と、あと1年を切っており残された時間が限られていること、そして上下分離方式を導入するにしても、人口減少や産業の流出等により財政基盤が決して豊かではないこれら黄線区の沿線自治体が費用負担を受け入れることができるのか、と考えると、厳しい先行きが待っていることは容易に視察されます。
ただ、これら黄線区は、地域輸送のみならず広域輸送や観光資源としての役割も果たしていることから、上述の「赤線区」のようなバス転換で全て解決できるわけでもないでしょうから、そういうことも含めて、限られた時間で今後の方向性をどのように決めていくのか、引き続き注目していきたいと思います。
▲「黄線区」のひとつ、花咲線(根室本線)茶内駅に到着したキハ54形。
道東の拠点都市である釧路と根室を結ぶ路線で、地域輸送だけでなく拠点輸送、観光輸送の役割も果たしている一方、2024年度の輸送密度は217人/km・日と厳しい状況が続いています。
また、収支状況についても、収入1億8,500万円に対し費用は15億3,700万円と、収入に対し9倍の費用を要している、という現実があります。
そんななか、今回示された「上下分離方式」の検討等を、沿線地域がどのように受け止め、どのような方向性を見いだすのか、注目していきたいと思います。










