このブログでもご紹介しているように、JR西日本・紀勢本線の新宮〜白浜間では、利用者の減少が課題となっており、沿線自治体やJR西日本では、特急「くろしお」の月〜木曜日の増便を実施するなどの利用促進事業を実施しています。
(参考)


その利用促進の取組をはじめとし、沿線地域の現状や課題などをまとめた、「紀勢線の行方」という連載記事が、読売新聞に掲載されていましたので、当ブログでもご紹介したいと思います。

和歌山:<紀勢線の行方>【上】 新宮―白浜 続く赤字:地域ニュース : 読売新聞
和歌山:<紀勢線の行方>【中】 特急「くろしお」 利用促進へ施策:地域ニュース : 読売新聞
和歌山:<紀勢線の行方>【下】 幅広い便益 議論急務:地域ニュース : 読売新聞

連載記事では、紀勢線の利用者や沿線住民、そして沿線自治体の職員やJR西日本和歌山支社や和歌山県、和歌山大学経済学部の辻本教授に取材するなど、丹念に取材し、またJR西日本や沿線自治体等が結成した「新宮白浜区間部会」が実施した鉄道利用調査のデータを引用するなど、データとファクトに基づいた取材を行って現状を顕わに、そして今後の方向性を読者に問いかけるものとなっています。

なお、上記読売新聞に掲載された調査結果は、下記新宮市役所のWebサイト内「令和6年度紀勢本線新宮・白浜間沿線住民アンケート調査報告書」に掲載されていますので、興味ある方は一読してみてはいかがでしょうか。
(参考)


上記読売新聞の記事にもあるように、特急「くろしお」の増便実証実験は、来年(2027年)2月末で終了することとなっており、その結果を踏まえて、今後この紀勢線をどのようにしていくかの議論が避けられないかと思います。

沿線の人口減少、そして自家用車の普及で鉄道利用は減少している一方、和歌山県の主要産業である観光誘客のためには、特急「くろしお」をはじめとした紀勢線というインフラは欠かすことはできません。

一方で、財政状況が決して潤沢ではないこれら紀勢線沿線の自治体に、他の地域で実践されている「上下分離」を担うことができるのかどうか。

また、紀勢線・新宮〜白浜間のような、広域的な地域間の移動に資するネットワークとしての鉄道は、その維持のためには安定的な財源が必要なことが、「鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会(第2期)」の、「課題整理・今後取り組むべき方向性」においても示されています。
(参考)
鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会(第2期) 課題整理・今後取り組むべき方向性

約100kmという比較的長い路線であり、また行き止まりの盲腸線でない、ネットワークを構築する一部区間として機能し、実際多くの観光客がこのネットワークにより周遊観光が可能となり、その恩恵を地域のみならず全国的に受けている現状から、今後の紀勢線・新宮〜白浜間をどのように考えていくのか。

増便実証実験は今年度で終了予定ですが、その議論はむしろこれからが本番、とも思えるだけに、今後の議論もしっかり注視していきたいと思います。

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▲紀勢線(きのくに線)新宮〜三輪崎間を走る特急「くろしお」287系。
この区間は「王子ヶ浜」という、熊野川によって流れてきた砂などが堆積した海岸となっており、この海岸沿いを走る列車からの眺めは、新宮行きの特急「くろしお」の車窓のハイライト、ともいえます。

随所にわたり、このように海岸沿いを走る紀勢線・新宮〜白浜間は、観光客の利用も多く、その社会的価値は高い一方、輸送密度や収支状況という面では決して芳しくありません。
そういった線区は、果たして鉄道として維持する必要があるのか、また維持するのであればその財源はどのように負担すべきか。

紀勢線・新宮〜白浜間の課題は、他の地域の地方鉄道でも同様の課題として、各沿線の関係者はその課題を解決しようと努力していますが、それがどのような結果になっていくのか、当ブログとしても、様々な観点から注目していきたいと思います。




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