阪和線の沿線から

阪和線沿線に住まう管理人による、鉄道やバスなどのブログ。

バス

【JR東日本】山田線と106急行バスを共同経営へ。JRのきっぷでバスに乗車可能に(2025.4.1〜)

JR東日本と岩手県北自動車とは、盛岡〜宮古間の山田線(JR東日本)及び106特急・急行バス(岩手県北バス)について、独占禁止法特例法に基づく共同経営の認可申請を行っていましたが、本日(2月17日)認可されたことを発表しました。

鉄道事業者とバス事業者による岩手県県央部と沿岸部間の共同経営の認可について|JR東日本
鉄道事業者とバス事業者による岩手県県央部と沿岸部間の共同経営の認可について|岩手県北自動車

概要は以下のとおりです。

【実施期間】
2025年4月1日〜2020年3月31日
(実施期間を変更する場合あり)

【対象エリア】
JR東日本(山田線):盛岡駅〜宮古駅間(上盛岡駅、山岸駅、上米内駅を除く)
岩手県北バス(106特急・急行バス):盛岡駅前(東口)、区界、松草、川内、箱石、川井、腹帯、茂市、蟇目、花原市、千徳駅前、宮古駅前
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(上記発表資料(https://www.jreast.co.jp/press/2024/morioka/20250217_mr01.pdf)より引用)

【共同経営計画に基づく実施内容】
・山田線盛岡駅〜宮古駅間(上盛岡駅、山岸駅、上米内駅を除く)を有効区間とするJRの乗車券類で106特急・急行バスを利用できる仕組みを継続実施することが可能。
・共同経営期間の中で、鉄道とバスの効率的なダイヤ設定や、各駅に対応するバス停留所の整理等を実施し、公共交通の更なる利便性の向上に取り組む。
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(上記発表資料(https://www.jreast.co.jp/press/2024/morioka/20250217_mr01.pdf)より引用)

【(参考)認可により可能となる事例】
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(上記発表資料(https://www.jreast.co.jp/press/2024/morioka/20250217_mr01.pdf)より引用)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



地方の公共交通機関は、構造的な利用者減少に加え、運転手等の担い手不足により、その運営が困難なケースが増えてきていますが、それらの課題に対応し、持続可能な地域交通として運営していくための方法の一つとして、「共同経営」が考えられます。
一方で、「共同経営」は、同業者間でダイヤや運賃などを直接話し合うことになるため、市場競争を阻むものであることから、独占禁止法により原則禁止されていますが、今回の「独占禁止法特例法」では、「地域における基盤的なサービスの提供を維持するという政策目的を達成する限度」において、特例を設けることで共同経営を行うことが可能となっています。

今回のJR東日本と岩手県北バスでは、併走して走る「JR山田線」「106特急・急行バス」との間で、乗車券類の共通利用が継続的に可能となるほか、今後は鉄道とバスとで効率的なダイヤを設定するなど、限られた人材リソースを活用して、地域の輸送サービスを維持・改善していくことが可能となります。


国土交通省のWebサイトによれば、この「独占禁止法特例法」に基づく「共同経営計画」は、今回のJR東日本・岩手県北自動車が7例目になるということです。
(参考)
公共交通政策:地域における一般乗合旅客自動車運送事業及び銀行業に係る基盤的なサービスの提供の維持を図るための私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の特例に関する法律について - 国土交通省

このうち、鉄軌道事業者が絡むものでいえば、「岡山駅・大東駅」(岡山電気軌道、両備ホールディングス)、「徳島県南部」(JR四国、徳島バス)に続くものとなっています。


鉄道とバスが併走している区間は、全国には沢山ありますし、今回のような「共同経営」が可能に思えるケースも決して少なくないと思われます。
今後もこのような、持続可能な好事例が出てくることを期待したいと思います。

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▲盛岡駅に停車中のJR山田線快速「リアス」。

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▲宮古駅に到着したJR山田線快速「リアス」。
現在も実証実験として、JRのきっぷで106特急・急行が利用できることとなっていますが、4月以降はこの仕組みが継続することとなります。

また、共同経営が認可されたことから、106特急・急行バスとJR山田線とのダイヤの調整も実施が見込まれることから、JR山田線の運行形態にも何らかの変化が見られることも想定されます。

【明光バス】路線バスへICOCA等交通系ICカード導入を発表(2025年2月下旬〜3月頃予定)

和歌山県の白浜町を拠点とするバス会社・明光バスでは、一部路線を除く路線バスにICOCAシステムを導入し、交通系ICカード全国相互利用サービスを開始することを発表しました。

路線バスへの交通系ICカード『ICOCA』導入について|明光バス株式会社 | 南紀白浜から高速バスで東京、大阪へ

概要は以下のとおりです。

【サービス開始日】
2025年2月下旬〜3月頃予定

【交通系ICカード利用開始する路線】
「高速バス」「快速熊野古道号」を除く路線バス

【利用可能なカード】
ICOCAをはじめとした、Suica、PASMO、PiTaPa等の交通系ICカード


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



既に全国各地に広がっている交通系ICカードですが、これらのカードを相互利用するサービスも広がってきて、各地でSuicaやICOCAをかざして乗り降りする姿も、既に当たり前になって久しいところがあります。

一方、ここ和歌山県では、交通系ICカードで利用できるバスは現在のところ、和歌山バス、和歌山バス那賀、南海りんかんバス、奈良交通の4社に限られています。
そのため、県内でも観光客の利用が多い白浜地区を走る「明光バス」でのニーズは高いものと思われますが、この度ようやく導入開始が発表されました。

導入されるのは、「高速バス」「快速熊野古道号」を除く路線バスで、主に白浜駅からとれとれ市場、アドベンチャーワールド、白良浜、千畳敷、三段壁といった、主要観光地へのアクセスとなる路線になります。

JR白浜駅から明光バスに乗り換える乗客も多いだけに、今回の交通系ICカード利用開始により、スムーズな乗り降りや、更なる利用の促進に期待したいところです。


交通系ICカードに関しては、その更新費用が高くなることから、一部地域では今後の利用を取り止める動きも出てきており、これからの動向がにわかに気になるところです。

上述のとおり、明光バスではJR白浜駅と接続している関係上、キャッシュレス決済を導入するとなれば、交通系ICカード一択になると思われますが、今後の維持・更新費用如何では、その構図も崩れてこないとも限りませんので、引き続き、県内各地でのキャッシュレス決済の導入動向をチェックしていきたいな、と考えています。


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▲白浜駅に停車中の明光バス路線バス。
来年2月〜3月頃より、交通系ICカードによる利用が可能となります。


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▲明光バス「快速熊野古道号」。
今回の交通系ICカード導入において、この「快速熊野古道号」は対象外となります。
今後どのような対応となるのか、引き続き注目していきたいと思います。




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【南海バス】高速バス「大阪・京都〜鶴岡・酒田線」廃止へ(2024.12.1付け)2021年4月より運休中

南海バスでは、同社と庄内交通(山形県)と共同運行している高速バス「大阪・京都〜鶴岡・酒田線」について、2024年12月1日に廃止することを発表しました。
※なお当該路線は、2021年4月19日より運休しています。

高速バス「大阪・京都〜鶴岡・酒田線」の廃止について(2021年4月から運休中) | 南海バス

詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



新型コロナウイルス感染症に起因する利用者激減と、その後の運転士不足により、高速バスの休廃止が未だ続いている路線もあり、今回ご紹介した南海バス「大阪・京都〜鶴岡・酒田線」(酒田線)もその一つでした。

コロナ禍後の需要回復もあり、南海バスの高速バスでも多くの路線で運転再開となった一方、「大阪・京都〜秋葉原・成田空港・銚子線」(銚子線)「神戸・なんば・京都〜立川線」(立川線)と、この酒田線の3路線は、コロナ渦中からの運休が今年になっても継続していました。

「いつか運転再開になるのでは?」という期待もむなしく、銚子線については2020年4月から運休中のところ、2024年9月1日に廃止されました。
(参考)


残る二路線、立川線と酒田線の動向が気になるところで、上記記事の終わりの触れていたのですが、やはりといいましょうか、酒田線も続いて廃止が発表されました。

この酒田線、運行開始は2017年4月に運行開始した路線で、かつて関西と庄内地方を結んでいた寝台特急「日本海」以来の両地域を直行する交通機関として、多くの期待を集めて開業しました。
また、下記「ひろしプロジェクト」様の記事によりますと、「一度南海バスから庄内交通へ路線開設の打診のあったものの諸事情により実現しなかった」のですが、その後「庄内交通側から南海バスへ路線開設を打診し、めでたく運行が実現した」という経緯があったようです。
(カギ括弧内は下記Webサイトより引用)


全区間通しで乗車すると14時間近くというロングランの路線は、特に庄内地方から京都、大阪、そしてUSJに直接乗り入れることのできる路線として、個人的にも期待をしていました。
コロナ禍による需要激減の合間、2021年3月から4月の間、わずか1ヶ月ほどでしたが、運転再開された時期があったようで、その際にも下記のとおり、「ひろしプロジェクト」さんが当路線を乗車されていました。
(参考)

この時の乗客は、上記記事によれば6名とのことでしたが、コロナ渦の最中であれば仕方がなく、今後の需要回復によって、再び走ることもあるのでは?と思っていましたが、運転再開には至らず、廃止となってしまいました。

廃止の理由は明言されていませんが、片道14時間近くの路線ですので、昨今バス事業者を取り巻く運転士不足に起因することは想像に難くありません。
来年は大阪・関西万博が開催されることで、仮に万博開催時に運行されていたとすれば、来場者にとって利用価値の高い路線であったのには違いありません。
そう考えると勿体ないとも思うのですが、やはり「運転士不足」には背に腹はかえられないのかな、と感じました。


残る「立川線」の今後の動向が気になるところですが、運転士不足に改善の兆しが見られない中、こちらも厳しい判断が下されるのかな、とも思うのですが、動きがあれば改めてご紹介できればと思います。



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【チョイソコしらはま】白浜町を走るオンデマンドバスに乗ってみました

JR西日本及び南紀白浜エアポートでは、白浜エリアのオンデマンドバス「チョイソコしらはま」を、今年10月から来年2月までの期間限定で運行しています。
(参考)
白浜町でのオンデマンドバスの運行を10月1日から再開します 〜運行台数の増加、バス停見直し、多言語対応など利便性を向上〜 :JR西日本

このオンデマンドバス「チョイソコしらはま」とは、路線バス、タクシー等の無い時間帯・区間等をであっても、白浜町内の主要施設(白浜空港、南紀白浜空港のターミナルや観光地、商業施設等)を移動できるオンデマンドサービスとなっています。

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(上記発表資料(https://www.westjr.co.jp/press/article/items/240919_00_press_shirahama_bus_2.pdf)より引用)

「オンデマンド」とは、利用者の予約に応じて最適なルートで運行する仕組みのことで、下記公式Webサイトから利用したい日時及び区間を予約すると、最適な時間帯の便が提示されます。
【公式Webサイト】

予約が完了すれば、実際バス乗り場に向かうとバスがやってきて、目的地まで移動することができます。

運賃は680円と、同区間のバスより割高ですがタクシーより割安な価格設定となっており、お手軽に利用することが可能となっています。

乗降場所も白浜町内で観光客等が主に使う場所を中心に18カ所用意されていますので、この秋から冬にかけて白浜へ向かわれる際には、是非この「チョイソコ白浜」を利用してみてはいかがでしょうか。
乗降場所は、下記チラシからも確認できます。
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(上記発表資料(https://www.westjr.co.jp/press/article/items/240919_00_press_shirahama_bus_2.pdf)より引用)



この「チョイソコしらはま」が運行開始となってから、二度ほど既にこのサービスを利用しています。
まず、車両はこんな感じです。
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この「チョイソコしらはま」は、明光バス、田辺観光バス、大塔交通社、白浜第一交通の4社で分担して運行しています。
上のマイクロバスは「田辺観光バス」、下のワゴン車は「白浜第一交通」の車両です。
会社名は、予約時に案内されますが、車内には「チョイソコしらはま」のロゴマグネットも掲出されていますので、十分判別可能かと思います。

バス停は、既存のバス停を活用しているものが主体のようです。
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▲白浜駅バス停に併設の「チョイソコしらはま」バス停

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▲南紀白浜空港バス停に併設の「チョイソコしらはま」バス停

既存バス停を利用しているので、「チョイソコしらはま」のためにバス停を探し回ることは無いものと思われますが、乗車前には予め場所を確認しておきましょう。

私が乗車したときは、どちらも他の予約は特に無く、ストレートに目的地まで移動できました。
繁忙期には、他の利用者も混乗することもあるようですので、多少時間に余裕を持って予約しておいた方がいいのかも知れません。

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▲南紀白浜空港の到着ロビーでは、この「チョイソコしらはま」が大々的にPRされていました。

以上、「チョイソコしらはま」の利用記録も併せてご紹介しました。
繰り返しとなりますが、この秋から冬にかけて、白浜に観光に来られた際には、この「チョイソコしらはま」という、新しい交通サービスを利用してみてはいかがでしょうか。



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【南海電鉄】NANKAIオンデマンドバスの実証実験第三弾を泉北ニュータウンで実施(2024.10.1〜2025.2.28、2025.11.1〜2026.10.31)

南海電鉄、南海バス、ネクスト・モビリティ及び堺市では、泉北ニュータウン地域における住民の移動課題の解決と利便性向上に向けた新たな移動手段を検討するため、AIオンデマンドバスの第三弾実証実験を実施することを発表しました。

「NANKAIオンデマンドバス」の実証事業(第三弾)を実施します | 南海電鉄
NANKAIオンデマンドバス(公式サイト)

概要は以下のとおりです。

【運行期間】
2024年10月1日(火)〜2025年2月28日(金)、2025年11月1日(土)〜2026年10月31日(土)の1年半

【運行時間】
午前8時〜午後6時

【運行エリア】
14地区81停留所
(一部利用区間に制限あり)

【運賃】
大人・小児ともに1乗車300円

【予約方法】
スマートフォンアプリ(「のるーと」)、パソコン(Webサイト「のるーと」)、電話で予約

【各種割引施策】
・運賃100円割引券15枚つづりを1,000円で発売
・オンデマンドバスの乗車回数に応じて「泉ヶ丘ひろば専門店街ギフト券」プレゼント

【運行車両】
ワンボックス車両(座席8名)2台
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(上記発表資料(https://www.nankai.co.jp/news/240911_1.html)より引用)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



私が大学卒業まで住んでいた泉北ニュータウンですが、現在では高齢化が進んでおり、また商業施設がニュータウン外にも多く出来てきたことから、高齢者の外出や買い物が不便となる課題があるように見受けられます。

そういった課題を解決するために、南海電鉄や堺市などでは、「AIオンデマンドバス」を使用した実証実験を実施してきていますが、今回この10月から3回目となる実験を実施することとしました。

今回の実証実験では、万博期間による運休期間を挟んで合計1年半と長期で運行するとともに、停留所の数も、商業施設、病院及び子育て関連施設等を中心に大幅に増やして運行することとなりました。

この手の「AIオンデマンドバス」は、既存のコミュニティバスでは補えなかった需要を、より少ないドライバー等で補う仕組みとして、利用者の予約に応じてAIを活用して効率的な配車を行うサービスとのことで、全国でも実証実験を中心に徐々に増えているようです。

そんな中、この泉北ニュータウンの「NANKAIオンデマンドバス」は、2022年から実証実験を続けてきており、この手のAIオンデマンドバスの中では割と長期に渡る運行を行ってきているように思えますが、今回は更に長期に運行することで、新たな移動手段に関して実証していくこととしています。


このオンデマンドバスの運行開始となる来月には、下記記事でご紹介したように泉北高速鉄道の光明池車庫で「せんぼくトレインフェスタ」が開催されます。
(参考)


仮に「せんぼくトレインフェスタ」入場抽選が当選すれば、この「NANKAIオンデマンドバス」も併せて乗車してみたいな、と思ったりしていますので、実現すれば当ブログでもその様子をご紹介できればと思っています。



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【南海バス】独自ICカード「なっち」終了を発表(2025.8.31完全終了)

南海バス、南海ウイングバス及び南海りんかんバスでは、現在三社で利用可能なハウスカード「なっち」について、2025年3月31日(月)をもって新規発行及びチャージを、2025年8月31日(日)をもって利用の取り扱いを終了することを発表しました。

ハウスICカード「なっち」の取り扱い終了について | 南海バス

「なっち」は、それまでの磁気回数カードの代替として、2016年10月1日に導入されました。
この「なっち」、回数カードの代替となるため、チャージの際にプレミアが付与されることとなっています。
また、プレミア額も、それまで販売されていた「昼間割引バスカード」の流れを汲むものとして、「普通精算」(1,000円ごと120円付与)と「昼割精算」(1,000円ごと200円付与)の二種類が用意され、利用スタイルに応じてどちらかを選択できる、というものであります。


サービス開始から、プレミア額については特に変更はないままでありましたが、昨今の回数券の廃止の流れもあってか、今回「なっち」の終了が発表されました。

上記発表資料では「全国共通ICカード利用率の増加」という理由を示していますが、その奥にある理由はやはり、頻度のあまり多くない割引の見直しではないか、とも思えます。

なお、ICOCAやPiTaPaなどの全国相互利用交通系ICカードについては、引き続き利用が可能となっています。
また、特に記載が無いことから考えると、PiTaPaに適用される「登録型割引」(事前登録必要)は引き続き適用されるものと思われますので、代替手段としてはこの「登録型割引」になるのではないか、とも考えられます。

ただ、この「登録型割引」も、一ヶ月に3,000円以上利用しないとその恩恵にあずかれませんし、割引も3,000円を超えた分となることから、全般的に利用者の負担が増えることは想定されそうです。


物価や人件費の高騰により、運行コストが上昇する中、割引施策の見直しは避けられないものと考えられますが、それでもいきなり「なっち」廃止とはかなり思い切ったというか急な施策といいますか、個人的にはかなり驚いたニュースでありました。

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▲堺東駅間を行き交う「堺シャトルバス」(左)と「堺・南港線」(右)の車両。
いずれも「なっち」が利用できる路線となっていますが、その「なっち」は来年3月末でチャージ終了、8月末で利用終了となることが発表されました。




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【明光バス】南海電鉄の子会社へ(2024.10.1付け株式譲渡)

南海電鉄では、2024年10月1日付けで、明光バス(本社・白浜町)の株式を近鉄バスHD及び近鉄保険サービスから取得し、子会社化することを発表しました。

明光バス株式会社の株式取得に関するお知らせ|南海電鉄

概要は以下のとおりです。

【株式譲渡実行日】
2024年10月1日

【株式の取得先等】
・株式取得先:
近鉄バスホールディングス株式会社、近鉄保険サービス株式会社

・取得後の出資比率:
現在南海電鉄では、明光バスの17.6%の株式を保有しているが、本件取引後は72.9%となる。

【株式取得の目的等】
・南海電鉄グループでは、中期経営計画「共創140計画」において「ツーリズム関連事業の強
化」を掲げており、観光関連の経営資源を有する和歌山エリアにおいて、他者と連携・共創しながら紀伊半島はじめ周辺エリアとの広域連携も視野に入れた滞在・周遊型ツーリズムの促進を目指す「和歌山エリア戦略」を策定し、新たな事業の探索を行っているところ。

・また、明光バス株式会社が事業を営む和歌山県田辺市、白浜町及び上富田町は、熊野古道や南紀
白浜温泉など、豊富な観光資源を有する県内最大級の観光地であり、同社は当該地域で路線バス事業を営む一方で、大阪・東京と白浜町を結ぶ高速バス事業なども運営しており、都市圏と当該地域をつなぐ交通基盤として重要な役割を担っている。

・これらの事業及びエリアは、同社が「ツーリズム関連事業の強化」における「和歌山エリア戦略」に掲げる、公共交通による県内の移動環境や観光・滞在拠点の再整備を通じた地域振興、インバウンドビジネスの取込みに欠かせないものであると考えている。

・また、地域の交通基盤としての重要性も十分に認識し、地域、社会の信頼を損なうことがないよう、責任感及び使命感を持って、真摯に経営を担う所存。

・以上のとおり、今般南海電鉄では明光バスの株式取得を通じて、南海電鉄グループの事業拡充、和歌山エリアを中心としたツーリズム関連事業の展開をグループの総力を挙げて一層強化、加速していく。

【その他】
これを契機として、南海電鉄グループは近鉄グループと、和歌山県、奈良県及び三重県にまたがる紀伊半島エリアにおける観光事業機会の創出・強化を念頭に、両者間のさらなる連携の実現に向けて取り組んでいく。


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



明光バスといえば、専ら白浜温泉やアドベンチャーワールドなど、白浜町内での観光アクセスが主体となっていますが、一方で、大阪方面の高速バスや、熊野古道方面への快速バス「熊野古道号」も運行するなど、白浜を軸とし、周辺の観光や都市圏からの観光客誘致などで大きな役割を果たしています。
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▲明光バスの快速バス「熊野古道号」。
白浜町内から紀伊田辺駅、本宮大社前を経由し、新宮駅前に向かう、文字通り熊野古道への観光客が利用しやすいダイヤ・路線となっています。

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▲白浜駅前で発車待ちをする明光バスの路線バス。
ここ白浜駅からとれとれ市場、白浜温泉、白良浜、千畳敷、三段壁やアドベンチャーワールド、南紀白浜空港と、白浜町内の各地へ路線網を構築しており、観光客にとって無くてはならない移動手段となっています。.


この明光バスですが、上述のとおり現在株式の多くを近鉄グループ各社が保有していますが、一方で南海電鉄でも明光バスの株式を一定数保有している状態となっています。
今回、和歌山エリアでの地域振興、インバウンドの取り込みに際し、明光バスの有する白浜エリアは是非とも手がけたいところでありますが、今般、南海電鉄と近鉄とで明光バスの株式譲渡、そして紀伊半島エリアでの更なる連携実現に向けて取り組むこととなりました。


今年10月1日に株式譲渡が実施されますが、会社名称や運営体制など、今後の方針は今のところ検討中となっています。
一方で、和歌山県の紀南エリアでは、既に南海電鉄グループの「熊野御坊南海バス」も路線網を有しており、同社との相乗効果を図ることも大いに考えられます。
もっと言えば、将来的には明光バスと熊野御坊南海バスとが合併することで、より効率的な、より効果的な経営体制の構築、ということも可能であろうと考えられます。

もっとも、「明光バス」の名称が消えるとなると、地域住民にとっても一定のインパクトもあることから、そのあたりは慎重になるのかも知れませんが、ともあれ今後明光バスにまつわる大きな変化が出てくるのかも知れないな、とも感じますので、今後の変化も引き続き追いかけていきたいな、と思います。




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【南海バス】「大阪・京都〜秋葉原・成田空港・銚子線」廃止を発表(2020年4月から運休中)

南海バスでは、高速バス「大阪・京都〜秋葉原・成田空港・銚子線」について、2020年4月から運休となっていましたが、2024年9月1日に廃止することを発表しました。

高速バス「大阪・京都〜秋葉原・成田空港・銚子線」の廃止について(2020年4月から運休中) | 南海バス
高速バス【銚子・成田空港・秋葉原〜京都・大阪線】の廃止について|千葉交通

同路線は、千葉交通株式会社との共同運行で、2020年4月から運休中となっていましたが、今回廃止が発表されました。
即ち、今後の運行は無い、ということとなります。

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(上記発表資料(https://www.nankaibus.jp/info/72074/)より引用)


本路線(銚子線)は、関西地区から銚子をはじめとした千葉県東部へ向かう路線に加え、東京都内(秋葉原)に午前4時台に到着するという、都内で夜明け前から活動するという人にとっては、他の路線には代えがたい価値のある路線でもありました。

しかし2020年4月の新型コロナウイルスの影響で運休となって以降、その後のバス運転士不足もあってでしょうか、新型コロナウイルスの5類相当への移行後も運行再開することが無く、今回路線の廃止となりました。

銚子線の目的地である銚子駅からは、銚子電鉄の路線が延びているのですが、丁度今年3月から南海電鉄から譲り受けた22000形が運行を開始しています。
(参考)


この、南海バス銚子線が運行再開されれば、南海バスで銚子まで向かって、旧南海22000形の乗車や撮影ができるという、南海電鉄ファンにとっては垂涎のルートとなり得たわけですが、残念ながら実現することなく路線廃止となりました。


南海バスでは、銚子線以外にも「大阪・京都〜鶴岡・酒田線」と「神戸・なんば・京都〜立川線」がコロナ禍以降運休が続いています。
需要は回復していることと考えられますが、未だ運転再開に至らないのは、運転士不足である可能性が高いといえるでしょう。

これら2路線も、銚子線と同様に廃止となってしまうのか、あるいは無事運転再開が実現するのか。
管理人の地元のバス会社であるだけに、今後の発表に注目したいと思います。



【関連ブログ】
南海バス「サザンクロス」銚子線 乗車記 | 夜行バス・高速バス・鉄道乗車記サイト「ひろしプロジェクトWEB」



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奈良交通「八木新宮線」に乗車する(2024.6.8)日本一長い一般路線バスに乗りました

高速道路を使わず、また、予約等の必要が無い、いわゆる「生活路線」として機能している一般路線バスの中では、日本一の長さを誇るのが、奈良交通の「八木新宮線」です。


奈良県橿原市の近鉄大和八木駅を起点に、五條市、十津川村、和歌山県田辺市を経由し、新宮市の新宮駅までを結ぶ路線。
路線距離は約169km、所要時間は約6時間半。全区間乗り通した場合の運賃は6,150円と、いずれも日頃お馴染みの「一般路線バス」のスケールをはるかに越える、名実ともに「日本一」の一般路線バスであります。

奈良県と和歌山県を結ぶ路線であり、個人的にはそう遠い場所にあるわけでもない路線であることから、そのうちに乗りに行こう、とは思いながらも、なかなか実際に乗ることが無かった訳ですが、今回、ついにこの路線を全区間乗車する機会に恵まれましたので、ご紹介したいと思います。



この日乗車したのは、新宮駅5時53分発の大和八木駅行き始発に乗車してみました。
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▲新宮駅で発車を待つ、奈良交通・八木新宮線のバス

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▲見にくい画像ですが、新宮から八木まで、主要な停留所を記した行先表示です。
これから6時間半をかけた長旅が始まります。

私の他に3名乗車して、これから始まる6時間半のバス旅の始まりです
発車直後は新宮の市街地を走りますが、しばらくしてトンネルをくぐると、いきなり熊野川に沿って走ります。
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途中の日足(ひたり)や、新宮駅から1時間走った湯の峰温泉で2名ほど乗車しました。
谷間に開けた湯の峰温泉郷の中でお客さんを乗せ、更に走ります。
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▲巨大な鳥居が見えてくると、本宮大社前。
この日は新宮や田辺方面のバスに乗車する人がいましたが、八木駅行きに乗車する人はいませんでした。

しばらくすると、バスは和歌山県から奈良県に入ります。
奈良県内の国道168号は、付け替え工事が完了した場所もありますが、そうでないところも多数あります。
バスは旧国道に向かったりしつつ、一つ一つの集落を丁寧に結びながら走っていきます。

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▲車窓から眺める二津野ダム。
これから更に車窓からダムを眺めることができます。

7時50分頃、最初の休憩地「十津川温泉」に到着します。
ここで10分間の休憩となりますが、同時に新宮方面から乗車してきた数名が下車します。
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ここには足湯もあり、バス待ちの間に入るのも楽しそうですが、休憩時間は10分間ですので、今回はスルーであります。

8時1分、引き続き八木駅に向けて発車します。
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続いて車窓から見えてくるのが、「風屋ダム」。
こちらは先程の二津野ダムよりも更に大きなダムで、バスは何分もかけてダム湖のほとりを走りつづけまうs。

十津川温泉から約1時間で上野地(うえのち)に到着しました。
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ここは「谷瀬の吊り橋」の最寄り停留所で、20分休憩で停車しますので、その間に吊り橋を見てきます。
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この吊り橋は、戦後の高度経済成長期が始まろうとしている1954年に、当時の住民がお金を出し合って敷設した吊り橋なのだそうです。
現在では日本一長い吊り橋のタイトルは他の吊り橋に譲っているそうですが、それでもこういった奥地に、まだ日本が今よりもずっと貧しい時代に住民たちが立ち上がって建設したというストーリーを有するこの吊り橋、やはり一度は訪問してみたいものであります。

休憩時間を使って、吊り橋の中央辺りまで渡ってみることにします。
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上野地バス停に戻り、発車を待ちます。
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バス側面のラッピングも記録しておきます。
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9時24分、引き続き、八木駅に向けて発車します。

奈良県の1/5の面積を占める、日本一広い面積を有する十津川村に別れを告げ、五條市に入ります。
といっても五條市も、平成の大合併で「大塔村」「西吉野村」と合併したこともあり、こちらもまた相当な面積を有しています。

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車窓からは、三つ目のダムとなる「猿谷ダム」が見えてきました。

猿谷ダムの車窓に別れを告げると、バスは「天辻峠」を登ります。
この峠は、バスの車内放送によりますと、「熊野川と吉野川の分水嶺で、長らく十津川村を隔てていた峠」とのことで、バスは急勾配を登っていきます。

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峠の途中の「星のくに」停留所で時間調整のため停車します。

かつて十津川村を秘境たらしめていた「天辻峠」をトンネルで抜け、降りてくると谷間の集落の光景とは若干アンマッチさも感じる高架橋が見えてきます。
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これが、かつて和歌山線の五条駅と、紀勢本線の新宮駅を結ぶ計画の「五新線」の未成線であります。
この五新線、五条から途中の城戸までは概ね建設されましたが、列車の代わりバスの専用道として国鉄バスが運行されることとなりました。
その後西日本JRバス、奈良交通と専用道の路線は引き継がれましたが、2014年9月末をもって専用道の系統は廃止となりました。
(参考)


一方、城戸より南の区間は、上記の写真のように一部工事は着手され、鉄橋やトンネルは一部完成したものの、残りの工事は中止となり、現在に至るまで放棄されたままとなっています。

そんな未成線の歴史を感じる車窓を見ていると、少しずつ風景も開けてきて、五條市の市街地に入っていきながら、少しずつ乗車の客も乗ってきて、11時過ぎに五條バスセンターに到着。
ここで10分程度の、最後の休憩となります。
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五條バスセンターは、イオン五條店に併設されているので、イオン店内のトイレを使用します。
最後の休憩を終え、後1時間ほどかけて、終点の大和八木駅に向かいます。

ここまで来ると、五條市や御所市、高田市、橿原市という奈良県中部の都市圏であります。
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これまでの秘境というイメージとは全く異なる一方、渋滞も増えてきました。
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橿原市内に入り、「イオンモール橿原」が見えてくると、終点の八木駅も近づいてきました。
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結局15分程度遅れて、12時40分頃に大和八木駅に到着しました。
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八木駅到着時の運賃表を記念に撮影してみました。
●整理券番号1〜
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●整理券番号31〜
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●整理券番号61〜
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●整理券番号91〜
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整理券番号は110番まで、そして最も高い運賃は6,150円(新宮駅から)と、運賃表から見ても「日本一」のスケールを感じることができます。

また、この八木新宮線では、他の奈良交通の路線バスと同様に、ICOCA等の交通系ICカードでの支払いが可能となっています。
但し、システムの仕様もあってでしょうか、6,000円を越える金額を一度に差し引くことができず、これを越える新宮駅→八木駅の運賃は、下記画像のように、一旦「6,000円」を差し引き、続いて残額の「150円」を差し引くことになります。
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そして、大和八木駅〜新宮駅間を、同一便で乗り通した乗客には、このような記念グッズがプレゼントされます。
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「記念乗車証」は、吉野杉を使ったしおりタイプで、裏面に乗車した日付が押印されています。
また「路線図」は、縦長のオリジナルサイズで、八木新宮線の全ての停留所が記載されており、こちらも旅の思い出となるグッズであります。

乗車してきた車両は、およそ1時間後の13時38分発の新宮行きで折り返していきました。
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ダイヤを見ますと、新宮駅5時53分発→大和八木駅13時38分発は当日折り返しが可能ですが、その他の便どうしの折り返しはできないようなので、1日5台体制で運行していることが分かります。



以上が、奈良交通「八木新宮線」の全線を通して乗車した記録でありました。
所要時間・距離ともにスケールの大きいもので、それだけ乗りごたえのある路線でした。

また、この日は土曜日でありましたので、通学や通院といった利用の実態はあまり見受けられませんでしたが、それでも買い物や通勤の利用でも乗り降りがありました。
加えて、湯の峰温泉や十津川温泉などでの観光の利用についても確認でき、地域の生活路線、そして観光路線としての機能を果たしている様子も実感できました。

ところでこの八木新宮線は、国、そして奈良県や和歌山県等の地方自治体が路線の運営に補助金を支
出する路線となっています。

【国土交通省】
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▲地域公共交通確保維持事業 (陸上交通:地域間幹線系統補助)の概要
(国土交通省Webサイト(https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/transport/content/001633926.pdf)より引用)

【奈良県・和歌山県】
公共交通に係る補助事業/奈良県公式ホームページ
バスの維持・確保 | 和歌山県


国の地域間幹線系統補助制度によれば、1日3回、1回あたり5人以上の利用計画がないと補助対象とならないとのことで、最近になったこの補助制度の水準以下となり、路線の存続が厳しくなっているニュースも聞こえてきたりしています。
(参考)
根室―釧路の都市間バス存続困難 10月以降、国の補助外れる見通し:北海道新聞デジタル
特急ねむろ号 存続危機 利用減、国の補助対象外に【根室】 – 釧路新聞電子版
乗客減と補助打ち切りで廃止危機!くしろバス・特急ねむろ号に乗車(宙船) - エキスパート - Yahoo!ニュース
三重交通の「松阪熊野線」が廃止決定だと!? 補助金の対象にすらならないってマジ? - 自動車情報誌「ベストカー」

この八木新宮線に関しても、かつて路線の廃止が問題となったことがありましたが、その後新たな補助金制度の元で現在に至るまで運行が続けられています。
(参考)



また車両についても、2015年にノンステップバス車両に置き換えられました。

以前は観光バスタイプの座席が設置された車両で、長時間の乗車にゆとりのある座席となっていたのが特徴でした。
一方、ステップがあることで、特にお年寄りや障害者にとっては、乗降が厳しいという面もありました。

ノンステップバスに置き換えの際には、こういった路線の特殊性から、座席は背もたれの高いタイプを採用し、ドリンクホルダーを設けるなど、長時間の乗車が苦痛とならない仕様の車両が導入されました。

実際に乗車しても、ノンステップバスであることは、車両から乗り降りする時以外には感じることがなく、少なくとも車両面で苦痛、ということはありませんでした。
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▲八木新宮線用の車両の座席。
このように背もたれが高いほか、ドリンクホルダーと座席網ポケットが付いているのが特徴です。

現在のところ、減便・廃止の報道が聞こえてこないことから、引き続き現在の1日3往復の運行が維持されることと考えられますが、一方で上述のとおり、地域の公共交通を支えるために、補助金制度に支えられて運行されている路線であることも、事実であります。

バスファンの方々には有名な路線であり、全国的な注目度も高いのでありますが、一方でこのように地域輸送を支えているという実態もこの機会にご理解いただき、多くの人々による積極的な利用につなげていただければな、と思っています。

最後は少し堅い話となりましたが、ともあれ「一般路線バス」のスケールを凌駕してあまりあるこの八木新宮線、是非皆さんも乗車してみてはいかがでしょうか。



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【西日本JRバス・日本旅行】夜行バス「ドリーム号」乗務員引継見学ツアー実施(2024.6.15催行・5.1受付開始)

日本旅行では、西日本JRバスとJRバス関東が運行する夜行バス「ドリーム号」の乗務員引継拠点である「JRバス関東新城支店」で、実際の乗務員引継の光景を見学するツアーを実施することを発表しました。

【6/15(土)発】東西連絡ドリーム号 深夜の新城「乗務」引継見学



概要は以下のとおりです。

【催行日】
6月15日(土)出発・6月16日(日)帰着

【ツアー内容】
・西日本JRバスとJRバス関東との「ドリーム号」乗務員引継が行われる「JRバス関東新城支店」で引継光景を見学
・一晩で最も便数が集中する午前1時半〜午前3時半に見学時刻を設定
・引継光景は、ドリーム号引継場でツアー専用安全帯を設置し、ズーム機能や望遠機能を使用して撮影可能。
(乗務員が特定できる写真のSNS等への投稿は厳禁)
・三菱ふそうエアロキングをツアー線用として貸切運行。
・西日本JRバス京都営業所で、保存車の「国鉄ドリーム号1号車」のミニ撮影会実施

【ツアー代金】
・1名1席プラン:25,000円
・2名1席プラン:48,500円

【最少催行人員】
35名

【ツアーチラシ】
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(上記Webサイト(https://va.apollon.nta.co.jp/4000055/files/dream-hikitsugi-pmf.pdf)より引用)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



近年、鉄道事業者のみならずバス事業者においても、車庫の撮影会・見学会ツアー等が実施されており、コアなファンが参加していますが、今回日本旅行が実施するツアーは、東京〜京阪神間の夜行高速バス「ドリーム号」の乗務員引継光景を一晩見学する、というものであります。

東京〜京阪神間の「ドリーム号」は、1969年の運行当初から乗務員が経路途中で乗務員の引継を行っており、この運行形態は民営化、バス事業分社化された今でも、引き続き行われています。

かつて、東名自動車道経由の時代は、東名道三ヶ日インターチェンジに隣接した営業所(支店)でこの乗務員引継が長らく行われてきましたが、新東名自動車道経由に経路が変更となり、現在は愛知県の新城(しんしろ)市内の新東名道新城インターチェンジ近くにある「JRバス関東新城支店」で乗務員の引継が行われています。

深夜の時間帯、乗客が眠りに就いている中、東西両社の乗務員が、車両や乗客の状況を確認・引継し、引き続き安全な運行で乗客を目的地まで届ける姿は、バスファンにとってはいつまで見てても飽きのこない光景だと思いますが、今回のツアーはその引継光景を敷地内で眺めることのできる、面白いツアーとなっています。

また、JRバス関東新城支店に向かう前には、西日本JRバス京都支店に立ち寄り、「ドリーム号」運行開始当初の車両のミニ撮影会が実施されたり、またツアーに使用される車両は、三菱ふそうの二階建て車両「エアロキング」が充当されたりと、バスファンにとって興味の尽きない内容といえるでしょう。

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▲名神道多賀サービスエリアに停車中の「グランドリーム」車両。
本来は新名神経由ですが、新名神道集中工事による通行止めのため、名神道に迂回した際の記録です。
こういった「ドリーム号」の乗務員引継の光景を、敷地内で見学できる貴重なツアーとなります。


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▲国鉄ハイウェイバス東名1号車。
この写真は、当時の「交通科学博物館」に展示されていたものを撮影したものです。
同博物館閉館後は、上述のとおり西日本JRバス京都営業所で保存されており、今回のツアーではこの車両のミニ撮影会も実施されます。





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