阪和線の沿線から

阪和線沿線に住まう管理人による、鉄道やバスなどのブログ。

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鉄道ジャーナル1995年10月号…今は無き急行「利尻」で同誌の取材に唯一遭遇した特集でした

昨日の記事で、「鉄道ジャーナル」最終号を読んだ感想をご紹介しました。

学生の頃から親しんできたこの「鉄道ジャーナル」が休刊(事実上の廃刊?)となるのは、その最終号の内容はともかくとして、寂しいのは事実であります。
その「鉄道ジャーナル」の取材現場に私は一度だけに遭遇したことがありました
それが下の、1995年10月号でした。
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▲鉄道ジャーナル1995年10月号の表紙


特集は「夜行列車 光と影」
当時はまだ、夜行列車そのものが特集として成り立つだけの本数が運行されていたことに、時代の流れを否応にも感じざるを得ない特集でありますし、それが故に今となっては貴重な記録でもあります。

この中で、急行「利尻」(札幌→稚内)の同乗レポートが掲載されており、たまたまその「利尻」に私自身も乗車していたというわけです。

乗車日は1995年7月14日。
この時、私は初めての北海道旅行で渡道し、前日の「はまなす」に続き夜行列車に連泊するため、「利尻」に乗車していました。

金曜日ということで、旭川方面への帰宅客も多いのは想定内でしたが、それとは別に何やら腕章を巻いて車内を忙しく動いている人が気になりました。
その人の腕章を見てみると、「鉄道ジャーナル」と記されているのが見えたので、「鉄道ジャーナルの取材陣が乗車している」ことに気がつきました。

あわよくば、インタビューや撮影をしてもらえるといいな、と思ったのですが、結局稚内到着後まで私にはそういったお声がかかることはありませんでした。

その日の「利尻」は、金曜日の札幌発、夏の観光シーズンということも相まって、稚内まで結構な乗車率だったようです。
それだけに、取材対象となる乗客は多く、インタビューもグループ客や若い女性などに行っていたように記憶しており、私のような男性の一人旅には見向きもされなかったように記憶しています。

ただ、車内の様子を写している写真の中に、自分の旅行バッグが写っていたようでありました。
発売当時、「これが自分のカバンだ!」と何故か喜んだ記憶がありますので…)



この特集記事では、北海道の夜行列車を網羅的に取材していました。
記事によりますと、取材した日付と列車はそれぞれ以下のとおりでした。
・1995年7月11日(火):急行「はまなす」(札幌⇒青森)
・1995年7月11日(火):快速「ミッドナイト」(札幌⇒函館)
・1995年7月12日(水):特急「オホーツク9号」(札幌⇒網走)
・1995年7月13日(木):特急「おおぞら13号」(札幌⇒釧路)
・1995年7月14日(金):急行「利尻」(札幌⇒稚内)

丁度、私の北海道旅行と入れ替わるような取材スケジュールだったようで、仮に私が旅行の出発日を数日早めていたら、現地で「オホーツク9号」や「おおぞら13号」でも取材に遭遇していたかも知れません。

それにしてもこの行程をみていると、当時は「鉄道ジャーナル」の販売部数がずっと多かったこともあってか、取材にもそれなりの人材と費用が投入できていたことが感じ取れました。
当時はこれくらいのリソースは毎月投入できるだけの体力があったのだな…というところでしょうか。

ページ数からもその差は歴然で、この1995年10月号は174ページであったのに対し、最終号の2025年6月号は130ページと、当時の7割程度のボリュームとなってしまいました。



最終号の発行を機に、改めて私が「鉄道ジャーナル」の取材現場に遭遇したエピソードを記してみました。
この1995年10月号、ふとした機会で後に入手したわけですが、当時は休刊するとは思っていなかっただけに、思い立って入手してよかったな、と感じました。
「鉄道ジャーナル」が休刊(事実上の廃刊?)した上は、今後バックナンバーの流通も厳しくなるものと考えられます。
そうなれば、自分が取材現場に遭遇したこの号も、入手のハードルが高くなるものと思われるだけに、この機会にブログで紹介したいな、と感じた次第でした。

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▲取材現場に遭遇した、急行「利尻」の記事。
「札幌〜稚内に夜行列車が走っていた」「週末であるとはいえ、結構な乗車率だった」「そこに鉄道ジャーナルが終始取材していた」という、今ではいずれも想像しがたい様子が描かれた特集記事でした。


鉄道ジャーナル最終号(2025年6月号)を読む…あっけない最終号、と感じたのは私だけか…?

発売日から半月ほど経ってしまい、今更という感も無きにしも非ずですが、節目ということできっちり記事にしておきたいと思い、遅れ承知でアップさせていただきました。


1967年の創刊以来半世紀以上に渡り、鉄道ファンなどに親しまれてきた月刊誌「鉄道ジャーナル」が、既に2025年3月号(2025年1月発売)において告知されていたとおり、この4月に発売された2025年6月号を最後に休刊となりました

私自身も、休刊前最終号となる2025年6月号を何とか入手し、公私ともに忙しい中、何とか全ての記事を読み終えることができました。
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▲鉄道ジャーナル2025年6月号表紙
左上に記された文字が「最終号」であることを物語っています。


一通り読んでみましたが、「最終号」といいつつ、特集は「東京の電車2025」として、構想から13年の時を経て、ようやく今年3月のダイヤ改正で営業開始した、中央線快速のグリーン車を取り上げた「お待たせグリーン車」(鶴通孝)、そして環状運転から丁度100年を迎えた山手線を取り上げた「山手線はきょうも走る」(土屋武之)と、あくまで「通常営業」の最終号ではありました。

勿論これとて、2025年3月号の「本誌休刊のお知らせ」において、「最終号までの各号については通常通りの誌面制作を予定しています」(同号より引用)と記載されていたことから、休刊特集を組む可能性が薄いことは、想定の範囲内ではありました。

とはいえ、半世紀以上、号数にして700号を数えた「鉄道ジャーナル」ですから、最後に何かしらの総括めいた特集を組んでほしかったと個人的には感じていましたが、もはやそんな「最終号特集」が組めるほどの体制を組める状態ではなかったのだとすれば、あっけない最後で寂しい限りでありました。

そんな寂しさに輪をかけるように、櫛田泉氏の「決算資料から垣間見えたJR東日本の鉄道事業に対する経営姿勢」という記事が目についてしまいました。
この櫛田泉氏については、下記記事において2024年7月号に掲載された「根室本線部分廃止によるネットワーク分断の問題点」という記事につき、本記事に対する様々な疑問と、これら疑問ばかりの記事を掲載した鉄道ジャーナル編集部の姿勢についての疑問について、当ブログでその記事をご紹介したところです。
(参考)
阪和線の沿線から : 鉄道ジャーナル2024年7月号を読む(下)根室線部分廃止の記事に抱いた様々な疑問…

その疑問だらけの記事を掲載した鉄道ジャーナル編集部の意図が大いに疑問で、「鉄道の将来を考える専門情報誌」としての価値を自ら毀損させているのでは?という疑問も抱いたわけですが、よりによってその最終号で同じ櫛田泉氏の記事が掲載されるとは…個人的には開いた口がふさがらなかったわけでありました。

実際読み通してみても、「JR東日本」の「決算資料」といいつつ、実際に決算資料を子細に分析している内容は皆無で、とりとめも無い個人的な感想に終始した記事でしかありませんでした。
勿論、櫛田泉氏がどんな記事を書こうと、そこは表現の自由である一方、こんな記事を掲載せざるを得ないほど「鉄道ジャーナル」が追い詰められているとすれば、こういう形で最終号を迎えるのはもはや仕方がない結末だったのかな、とも諦めに似た境地を感じたりしました。


閑話休題、「最終号」から、「最終号」を象徴する記事としては、「さよなら、鉄道ジャーナル」(鍋倉紀子)と、「惜別」(芦原伸)、そして有志一同による寄せ書き的な「Forever 鉄道ジャーナル」くらいでありました。

その中でも、「最終号」に相応しく、当時を回顧する記事としては、鍋倉さんの記事くらいしか無かったわけですが、これとて同記事によれば「4月4日、最終号に何か書かないか」(P84)と打診され、「書き始めた今は4月7日0時、締切は4月7日11時」(P84)と、その依頼スケジュールからしてこれまでの「鉄道ジャーナル」を振り返るような記事をしっかり仕上げるほどの編集体制は、もはや望むべくはなかったのかも知れません。

もっとも、鍋倉さんの記事は、本人が在籍していた頃(恐らく1990年終盤)の、最も発売部数が多かった時代の鉄道ジャーナルの制作現場が描かれており、非常に興味のあるものでした。
最終号に読者が期待していたのは、こういった内容の記事だったのにな…と思わずにはいられませんでした。

裏表紙には、過去最高部数を記録した1999年10月号の表紙デザインがプリントされていました。
当時は、インターネットについては、パソコンでは「ADSL」、携帯では「iモード」のサービスが始まった頃で、ネットが雑誌の市場を奪うことは想像だにされていなかった時代であったかと思います。
一方で、「団塊世代」「団塊ジュニア世代」がともに趣味活動に投ずることができた時期として、鉄道系雑誌の販売数も多く、加えて新たな夜行列車の幕開けを予感させる「カシオペア」が特集されたといった、いくつもの要因が重なった結果、過去最高の販売部数を記録したのではないか、と思われます。
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▲鉄道ジャーナル2025年6月号の裏表紙。
過去最高部数を記録した1999年10月号の表紙がデザインされていました。
次世代の寝台特急「カシオペア」の写真が飾る表紙、書店で飛ぶように売れたことは、四半世紀経った今でも納得であります。


それから四半世紀で、このような形で「鉄道ジャーナル」が幕を閉じるとは、一体誰が予想し得たでありましょうか…

「鉄道ジャーナル」休刊に伴い、鉄道ファンを中心とした読者は、鉄道を取り巻く社会的な分析情報を得ることが難しくなり、ジャーナルに投稿していたライターは、その収入の道が絶たれることになります。
加えて書店についても、本誌の休刊により貴重な売上が消滅することから、様々なステークホルダーが痛みを被ることになりますが、そうなる前に何とかならなかったのか、という思いも感じたりしました。

当ブログでもこれまでに、自分自身が実際に購入した「鉄道ジャーナル」について、ブログ記事でご紹介してきました。
記事では実際に私が読んだ感想を記し、より多くの方に購入していただきたい趣旨を伝えてきましたが、いまこうやって「鉄道ジャーナル」が休刊となってしまったことから、やはり当ブログからの訴えも力不足であった、と認めざるを得ないのかな、と感じました。


ともあれ、毎号ではないものの購入してきて、折々に読んできた「鉄道ジャーナル」。
私の鉄道趣味において、その知識の幅を広げ、思考の深さを掘り下げることのできた、唯一無二、他に代えがたい媒体であり、その存在自体に大いに感謝したい気持ちです。
それだけに、もっと華々しく「最終号」として締めることのできる構成にして欲しかった、というのも、正直な感想でありました。

「鉄道ジャーナル」は今回が最終号となりますが、引き続き当ブログでは、鉄道系の雑誌や書籍をご紹介し続け、ファンの知識と思考をを広げるきっかけを提供していきたいな、と思います。

鉄道ジャーナル2025年3月号を購入する。「休刊のお知らせ」も掲載

下記記事でご紹介したように、鉄道雑誌「鉄道ジャーナル」が、2025年6月号(4月発売)をもって休刊することが報じられていました。
(参考)


この「休刊のお知らせ」が掲載されているのが、今月21日に発売された3月号となっていましたので、私も早速購入してみました。
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この3月号には、特集記事の他に、「シリーズ 凋落のメインライン 紀勢西線 和歌山市〜新宮」「紀伊半島西部のバス事業盛衰」(いずれも岩成政和氏著)と、和歌山県内の鉄道・バスを取り上げた記事が掲載されることから、元々購入しようと考えていたところでした。

しかし今回、上述の「休刊のお知らせ」が掲載されることとなったため、にわかに注目を集めることとなってしまったのは、ある意味皮肉なところかも知れません。


その肝心の和歌山県内の特集記事については、「凋落のメインライン」では、和歌山市〜和歌山〜紀伊田辺〜新宮の紀勢西線(きのくに線)を、主に普通列車を乗り継いだ乗車レポートとなっていました。
乗車日は2024年12月13日(金)と、観光シーズンが過ぎ去った年末の金曜日ということもあり、観光客を含めた利用者が元々少ない時期であったことは差し引いたとしても、やはり寂しい描写が多いのは、地域の現実を著したものだ、と感じずにはいられませんでした。

もう一方の「紀伊半島西部のバス事業盛衰」は、大規模な統合が行われなかった結果、県内に拠点が点在することとなった、県内の路線バス事業者の歴史について記されています。
所々に著者の感想めいた記述があるところが気になるものの、特に現在の「熊野御坊南海バス」「明光バス」が現在に至るまでどのような歴史を歩んできたかを、簡単に知ることができる記事に感じました。

鉄道ジャーナルの魅力の一つとして、「鉄道」と銘打ってはいるものの、必ずしも鉄道に限らない記事も広く取り上げており、特に「バス」については、バス専門誌が世に出回る前から「バスコーナー」と国内のバス事情を紹介するニュースコーナーを設けているのは、鉄道ジャーナルを長年読まれてきた方にとってはよくご存じのところであるでしょう。

今回の和歌山県内のバス事業者の歴史を綴ったこの記事、3ページというボリュームではありましたが、長年ジャーナルが得意としてきた、他交通分野をもカバーする広さを、休刊前にして今更ながらではありますが、感じ取ったところでした。


その、「休刊のお知らせ」は、表紙裏に大きく記載されていました。
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▲鉄道ジャーナル2025年3月号 裏表紙「本誌休刊のお知らせ」より引用

上記「お知らせ」によりますと、「近年の雑誌出版をめぐる環境および本誌を取り巻く諸般の事情に鑑み」「令和7年6月号(令和7年4月21日発売予定)を最終号とし、翌月以降の雑誌制作・発行をとりやめ、休刊とさせていただくことになりました」としています。
(カッコ内太字下線部はいずれも同誌より引用)

「雑種出版をめぐる環境の変化」とは、やはりインターネットの隆盛による雑誌メディアの発信力の低下と、それによる部数減少といえるのでしょうが、もう一つ「本誌を取り巻く諸般の事情」というのが、一体どういうことなのか、気になるところではあります。

ただ、気になるといっても、休刊の事実が変わるわけではなく、6月号で発行が終了することとなります。

ちなみにこのお知らせでは、「4月21日発売予定の最終号までの各号については通常通り誌面作成を予定」(同誌より引用)となっていますので、どうやら最終号だからといって、何か特別な特集を組むことも無さそうに思えます。

ともあれ、あと3号で休刊となる「鉄道ジャーナル」。
折角ですので、あと3ヶ月、最後まで購入してご紹介することで、長年鉄道趣味をリードしてきた同誌への感謝の気持ちを少しでも伝えることができれば、と考えています。

「鉄道ジャーナル」2025年6月号(4月発売)をもって休刊に

鉄道雑誌のひとつ、「鉄道ジャーナル」が、今年4月発売の6月号をもって休刊となることが、各種報道及びSNSで明らかになりました。

鉄道ジャーナル休刊へ 58年の歴史に幕「好きだったな」「やはり…」|まいどなニュース




これまでに明らかになったところによれば、明日(1月21日)発売の3月号の誌上に、上述休刊のお知らせが記されているとのことであります。
また、上記「まいどなニュース」の取材によれば、休刊理由は「現状を取り巻く出版状況の厳しさも一因」と説明したとのことです。



毎月発行されている鉄道雑誌としては、今回休刊が発表された「鉄道ジャーナル」(鉄道ジャーナル社)の他、「鉄道ファン」(交友社)、「鉄道ピクトリアル」(電気車研究会)、「鉄道ダイヤ情報」(交通新聞社)が思いつくところです。

このうち、「鉄道ジャーナル」は、他誌が鉄道車両等を中心に取り上げているところ、同誌は「鉄道の将来を考える専門情報誌」と標榜しており、個人的には「輸送サービス」としての観点で鉄道に向き合っている、と捉えていました。

そのため同誌では、過去に長距離列車等に同乗して取材する「列車追跡」といった、今でも読み応えのある特集シリーズが組まれたのは、一定以上の年齢のファンでご存じの方も多いのではないのでしょうか。

また上述の「輸送サービスの観点から向き合う」というところは、バスや海外の鉄道についても継続的に取り上げてきたことからも垣間見え、それが幅広い読者の開拓、そして読者の「輸送サービス」への視点を広げる役割を果たしてきた、ともいえるのではないのでしょうか。

個人的には、こういった「鉄道ジャーナル」の取材・編集姿勢は、似たような趣旨のブログを書き続けている私にとっても参考になることも多く、当ブログでも特集記事を度々ご紹介してきたところです。


一方で、インターネット、特にSNSの発達により個人や企業が自らの見解を発表する障壁が格段に低くなったことにより、情報の鮮度や分析の深度において、インターネット上に流れる情報に対する優位性を維持することが難しくなってきた時代となってきましたが、この点は鉄道関係の雑誌の中では、特に「鉄道ジャーナル」にとって痛手だった、ともいえるのではないか、と思います。

そんな事もあったのかどうかは知る由もありませんが、最近の「鉄道ジャーナル」では、他誌では見かける「広告」の量があまりにも少なく、果たしてこれで今後もやっていけるのか、気になっていたところでしたが、果たして今回、「休刊」という結果となりました。



「鉄道ジャーナル」のような、鉄道をはじめとした輸送サービスを分析し、読者が納得・理解できる情報を提供するためには、その鍵となるのが記事の著者と編集者、といえるでしょう。

過去の「鉄道ジャーナル」には、編集長には竹島紀元氏、そしてライターの種村直樹氏が名を連ねていました。

勿論昨今も、他の鉄道雑誌で見かける方々がライターとして執筆されている一方、昨年7月号に当ブログでも指摘した「櫛田泉」氏のような記事が掲載されてしまっているところに、編集機能の喪失を感じたのは、果たして私だけだったのか、と思ったりしました。

勿論、この櫛田氏の記事が掲載されたことが、直接的な休刊の理由ではないにしても、ここに至るまでに、読者が何となく思っていた「鉄道ジャーナル」の内容の劣化が、この号で明らかとなったことが、休刊の遠因、とも考えられるのではないか、と感じました。



ともあれ、明日発売の3月号で通巻701号を数えてきた「鉄道ジャーナル」が、その歴史に幕を下ろすわけですが、何やかんや言って個人的には色々参考にしてきた記事もあり、継続的に購入をしてきただけに、残念の一言に尽きます。

今後、これまでの「鉄道ジャーナル」が担ってきた役割を、他の鉄道雑誌が引き継げればいいのでしょうが、他誌のカラーもあることから、それは難しいのは確かでしょう。
となると、利用者としてみた鉄道サービスの現場や事業者への取材、そしてそれらを支える制度の解説などは、今後どこから情報を得れば良いのか、と考えると、頭を抱えてしまっているのが正直なところです。

「他のネットがあるじゃないか」「動画サイトがあるじゃないか」という意見もあるのは承知ですが、やはりプロのライターが仕事としてきっちり取材し、それをプロの編集者が一冊の雑誌に仕上げるという、記事に対する信頼性は、書籍として世に出てくるものだからこそ認められるものであると考えますので、それがこの分野で失われるのは痛いの一言です。

その信頼性を、自らの編集方針で失ってしまったのは、言ってしまえば「鉄道ジャーナル」自業自得なわけですが、だからと言って、信頼ある情報を伝えるという役割が不要であるとは別問題であります。
そう考えると休刊は惜しいわけですが、あれこれ嘆いても仕方がないので、残された鉄道雑誌が引き続き発行され続けるよう、叱咤激励しながら購入しづけるしかないかな、と感じたニュースでありました。


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▲先月(2024年12月)に発売された「鉄道ジャーナル」2025年2月号。
今号では「複々線大研究」として、山手貨物線や品鶴線、そして京阪電鉄や南海電鉄の複々線についての特集記事が組まれていました。
京阪と南海の記事は、在阪の鉄道ライター伊原薫氏の執筆によるもので、今後も関西地区の話題を中心に当誌で読めることを楽しみにしていただけに、休刊は残念なニュースであります。




【関連ブログ】
【衝撃】雑誌「鉄道ジャーナル」が休刊に | 鉄道プレス
鉄道の将来を考える専門情報誌「鉄道ジャーナル」休刊へ – 旅とまちなみとパインどうでしょう〜

「ダイエー店舗・跡地徹底探訪〜大阪・和歌山編〜」を読む

当ブログでは、毎年1月と9月に開催される同人誌頒布イベント「こみっくトレジャー」で入手した同人誌をご紹介していますが、それ以外にも気になる同人誌があれば、その都度入手して当ブログでご紹介しています。

今回は、過去にも当ブログで取り上げた「不安定の安定」さんの、いわゆる「ダイエー本」のうち、私が個人的理由から是非とも入手したかった一冊をご紹介します。

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タイトルは「ダイエー店舗・跡地徹底探訪〜大阪・和歌山編〜」
当ブログでは過去に「阪神・摂津」「兵庫県コンプリート」を実際に入手してご紹介しました。
(参考)


その際、私自身も大学生の頃にアルバイトしていた「光明池店」も含む、大阪南部エリアも網羅した「ダイエー本」の発行を期待していました。

そんな本当に個人的な理由で期待していた「大阪南部」のダイエー本。
今年8月の「コミックマーケット104」、9月の「こみっくトレジャー44」で頒布されていましたが、コミケは無論、こみトレも訪問できず、また通販サイト(メロンブックス)でも売り切れだったため、入手が叶わないまま、と思っていたところ、幸運にも入手することができました。

今作では、大阪市内より東側及び南側、そして和歌山県内の「ダイエー」店舗の当時と現在の様子を対比できる構成となっています。

勿論、私がアルバイトしていた「光明池店」も掲載されていました。
記載された一言コメントには「『この本に載せてほしい』とラブコールがあったお店」(本書P22より引用)とあったようです。

上述の事情から、光明池店に対する思い入れは大きいものがありますが、私の他にもそんな「ラブコール」を送っていた方がおられるのであれば、本当に嬉しい話でありました。

「光明池」の他にも、当時応援で出向いていた「栂店」(現:イオンフードスタイル栂・美木多店)、逆に光明池店に応援に来ていただいていた「おおとり店」や「堺東店」、直属の社員さんの以前の勤務店だった「ディーマート金岡店」なども掲載されており、当時ひたすら乗りつぶしのための旅費を稼ぐためにアルバイトしながら、小売業(正確には警備業)の現場を体験できたのは、いまの人生にも少なくない影響を残しているのではないか、とも感じています。

そんな、若かりし頃の思い出を呼び起こしてくれる今回の一冊。
期待通りに発刊していただいたこと自体、感謝の一冊でありました。

【参考:通販サイトリンク先(記事執筆時点では売り切れ)】




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「鉄道未来年表 5年後・10年後・20年後」(鎌倉淳 著)を読む

当ブログでは、管理人である私が興味を持った鉄道関係書籍を実際に購入して読んでみて、その感想等をご紹介しています。

本日ご紹介する書籍はこちらです。

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鉄道未来年表 5年後・10年後・20年後 [ 鎌倉 淳 ]
鉄道未来年表 5年後・10年後・20年後 [ 鎌倉 淳 ]

鉄道未来年表 5年後・10年後・20年後
鎌倉 淳
河出書房新社
2024-09-25



「鉄道未来年表 5年後・10年後・20年後」という書籍で、新鮮開業を中心とした、鉄道関係の近い未来について、既に発表されている計画や資料を中心にまとめたものです。

「未来」という言葉から、新線開業が中心にも思えますが、一方で少子高齢化が進み、今後も人口減少が続く我が国では、今後の新線開業は、首都圏や近畿圏、そして整備新幹線といったように、限られた線区となることが考えられます。

そのため、本書でも新線開業として取り上げられているのは、首都圏の線区が主体となっていますが、一方で首都圏、近畿圏以外でも計画されている新線構想についても幅広く取り上げています。

加えて、新規開業だけでなく、新車両や新技術、そしてローカル線の再構築など、今後の未来を幅広く紹介しているのが特色といえます。

文体も理解しやすく読みやすいものとなっており、今後の鉄道業界を知っておきたい、鉄道ファンは勿論、まちづくりや地域づくりに関係する行政関係者や研究者などの方々にも、手に取って読んでいただきたい一冊、と感じました。




著者の鎌倉淳氏は、旅行総合研究所「タビリス」の代表として、同名のWebサイトや「鉄道計画データベース」を運営しており、鉄道の今後の見通しを随時紹介しておられます。
(参考)



本書はいわば、これらのWebサイトにも掲載されている内容も含めて、改めて一冊の書籍としてまとめたもの、と理解して差し支えないかと思います。
各項目がコンパクトにまとめられ、また必要に応じて地図などもつけられており、各々の計画が理解しやすい一冊であります。

私自身もこのブログで、将来の計画をご紹介することが少なからずありますが、これからはそういった際にも、本書を活用していきたいな、と感じています。



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鉄道ジャーナル2024年12月号 特集「地域鉄道の希望」を読む

当ブログでは、個人的に気になる鉄道関係の書籍・雑誌を実際に購入し、その感想などをご紹介しています。
今回ご紹介する雑誌はこちらです。
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鉄道ジャーナル 2024年 12月号 [雑誌]
鉄道ジャーナル 2024年 12月号 [雑誌]

鉄道ジャーナル2024年12月号、特集は「地域鉄道の希望」です。
昨年10月に改正施行された「地域公共交通活性化法」において、ローカル鉄道の再構築において、鉄道事業者や自治体の要請を受けて国が「再構築協議会」を設け、この再構築協議会で、鉄道輸送の維持・高度化か、バス等への転換のいずれかによる利便性・持続可能性の向上を図るための方策を協議して「再構築方針」を作成する、という制度が構築されました。
この「再構築協議会」の制度ですが、改正法施行直後の昨年10月3日に、芸備線・備中神代〜備後庄原間に関する再構築協議会設置を、JR西日本が早速要請しました。
(参考)


このように、コロナ禍で露呈した「JR各社による内部補助の限界」を端に発した地方鉄道の存廃問題で揺れている線区も多い中、今回の「鉄道ジャーナル」では、いま渦中の「JR芸備線」だけでなく、今年4月に上下分離を果たして「近江鉄道」のケースをライターが実際に現地で取材したほか、国鉄時代からのJRにかけてのローカル線廃止の経緯をまとめており、地方鉄道のいま、そして今後を勉強する上では非常に参考となる特集となっています。

現地レポートのうち、「木次線・芸備線の寂しすぎる令和の今」(土屋武之著)では、上述の芸備線(備後落合〜新見)に加え、こちらも利用者が僅少となる区間も揺する木次線の両線を、実乗とともに沿線自治体等へのヒアリングも踏まえた、現地レポートとなっています。

もう一つの「近江鉄道と沿線の覚悟を知る」(鶴通孝著)では、今年4月に上下分離による再構築を実施した近江鉄道の、こちらも実乗+関係者ヒアリングのレポートとなっています。
特に近江鉄道の「下」の部分を担うこととなる一般社団法人「近江鉄道管理機構」について、その成立経緯から役割分担、そして今後の改善方針について、丁寧な取材を元にした分かりやすい解説記事となっています(P22〜P23)ので、こちらも一読の価値あり、といえるでしょう。

一読の価値あり、と言う点では「特定地方交通線廃止から41年 また始まる?「廃止」の時代」(岩成政和著)もお薦めで、こちらは国鉄時代から民営化後にかけての路線廃止についての概観で、「赤字83線」「特定地方交通線」、そしてその後2010年代に至るまでの廃線の状況を整理し、そして昨年改正された「地域公共交通活性化法」の改正内容とそれによる今後の方向についてまとめられています。
既に「赤字83線」だけでなく「特定地方交通線」の廃止というのも知らない世代も増えてきていると思いますので、この特集で知識をアップデートすることは、路線の面にしろ車両の面にしろ、これからの地域鉄道を見ていく上では非常に重要なことと思います。

以上のように、地域公共交通活性化法改正後の地域鉄道を見る上では、色々と勉強になる今回の特集ですので、「乗り鉄」にしろ「撮り鉄」にしろ、どんな「鉄」にしろ、今回は是非購入していただければと思っています。



ところで、「鉄道ジャーナル」は月刊誌ですので、当然次号の予告が載っているわけですが、こちらを見ると、少し心配を抱いたのは私だけでしょうか。
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(鉄道ジャーナル2024年12月号 P130より引用)

次号の特集は「北海道の鉄道未来図」となっています。
こちらも地域鉄道の存廃に揺れている北海道ですので、今号同様、読みごたえのある記事を期待したいところです。
ただ一方で、鉄道ジャーナルの北海道関係記事では、下記記事でご紹介した2024年7月号「根室本線部分廃止によるネットワーク分断の問題点」(櫛田泉著)について、記事自体の疑問だけでなく、素人から見ても疑問の多いこの記事を採用した鉄道ジャーナル編集部に対する疑問も記したところです。
(参考)


次号の「北海道の鉄道未来図」内の特集記事に、この2024年7月号のような疑問だらけの記事が掲載されず、読者にとってためになる特集記事となることを願いたいところであります。



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「JR東日本 脱・鉄道の成長戦略」を読む(枝久保達也著・河出書房)

当ブログでは、管理人が鉄道関係の書籍や雑誌を、自ら実際に購入して読んでみて、その感想などを記していますが、本日ご紹介する本はこちらです。

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JR東日本 脱・鉄道の成長戦略 (KAWADE夢新書) [ 枝久保 達也 ]
JR東日本 脱・鉄道の成長戦略 (KAWADE夢新書) [ 枝久保 達也 ]

JR東日本 脱・鉄道の成長戦略 (KAWADE夢新書 S 454)
枝久保 達也
河出書房新社
2024-08-27





国鉄の分割・民営化により生まれた、日本最大の鉄道事業者である「JR東日本」。
会社設立から35年以上を経て、これまでどのような道を歩み、そして今後どのような成長戦略を描いていくのか。
埼玉県出身で、東京地下鉄(東京メトロ)の広報、マーケティング・リサーチ業務を経て、現在は鉄道ジャーナリストとして執筆活動等を行う(本書著者紹介より)著者が記した一冊であります。


国鉄の分割・民営化で誕生したJR各社では、国鉄時代には制約が多かった関連事業をいかに増やしていくのか、という点が重要な経営課題であったかと思います。
そのために、ヒト・モノ・カネを投入して様々な新規事業を立ち上げてきましたが、上手くいくものもあればそうでないものもあったのは、様々な事例で我々も見聞きしたところ、といえます。

本書では、この関連事業の立ち上げから現在に至るまでの歩みを丁寧に記しています。
特に首都圏という人口が多い地域、そしてその中でも移動で人が集まる「駅」を拠点とした鉄道事業の関連でありますので、コンビニや駅ビル、ホテル、そしてカードといった、駅拠点の関連事業が今に至って柱となっていますが、その関連事業が育っていく過程を、資料や取材を通じて丹念に書き記している点では、貴重な記録になるのではないか、と感じました。

特徴を感じたのは、自前での関連事業育成でありまして、コンビニについては、当初は各社が独自ブランドで手がけつつも、現在は大手コンビニに転換した会社も多い中、JR東日本は「NEWDAYS」の店舗を今でも数多く運営していますし、クレジットカードについても、他社が既存クレジットカード各社との提携で手がけたのに対し、JR東日本では自らがクレジットカード業務を担っていたりと、いわゆる「内製」の事例が多いな、と感じました。

一方で、本書では地方路線の今後のありかたについては、あまりボリュームを割いておらず、現状までの動きをまとめているに留めていますが、「JR東日本」という巨大企業が、国鉄改革からリーマンショック、東日本大震災、そしてコロナ禍を経てどのように変化し、そしてどのような方向に向かおうとしているのかが分かる一冊といえるでしょう。


著者も最後に記しているように、民営化後の20年間については、社史が編纂されたり、初代、二代目社長などが回顧録を記していることから、歴史的資料が豊富な一方、その後についてはまとまったものがみあたりません。

タイトルの「脱・鉄道の成長戦略」は、そのまま鉄道以外の関連事業をいかに育てていくのか、という意味であることを考えると、本書はそういった歴史を体系的にまとめたものと、と評価できるのではないか、と感じましたので、是非お読みいただければと思います。




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鉄道ジャーナル2024年10月号「特集 有料着席サービス」を読む

このブログで適宜ご紹介している、鉄道関係の書籍・雑誌のご紹介。
今回の記事では、鉄道ジャーナル2024年10月号「特集 有料着席サービス」をご紹介したいと思います。

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鉄道ジャーナル2024年10月号
鉄道ジャーナル2024年10月号



このブログでも、主に関西や首都圏で増えている「有料着席サービス」のニュース記事をご紹介していますが、近年では、ここ関西圏でも、京阪電鉄「プレミアムシート」、JR西日本「Aシート」「うれしート」「らくラク」シリーズ、そして阪急電鉄「PRiVACE(プライベース)」と、一気に増えてきた感があります。

今回の鉄道ジャーナルの特集記事では、これら近年増えてきた有料着席サービスについて、関西地区からは阪急「プライベース」とJR西日本「うれしート」、首都圏からは小田急「ロマンスカー」と東急「Q SEAT」を取り上げています。


俊逸なのは伊原薫さんの「うれしート」関連記事で、流石関西地区在住の鉄道ライターとして、「うれしート」設定列車に実乗し、予約の埋まり具合や途中駅(久宝寺)からの利用、そしておおさか東線経由「うれしート」列車の利用の実態(新幹線接続)等に触れられており、サービス開始から間もなく1年になろうとしている「うれしート」の、実態を分かりやすくレポートされていました。

記事中では「他線区での展開にも期待」(P59)として、今後の展開に触れている中で、「乗車時間が比較的短く、特急列車の設定が少ない(または全くない)山陰本線の京都口や奈良線などでは、導入へのハードルが低い「うれしート」のような列車が登場するかもしれない」と記されていました。

奇しくも本号発売日の翌日に、下記のとおりJR西日本より「うれしート」が奈良線にも拡大することが発表され、伊原さんの予想が翌日に見事に当たるという偶然も起きました。
(参考)


「うれしート」の奈良線への拡大は、私自身も予想はしていたことでもあり、大方の予想どおり、そしてニーズどおりの設定となりましたが、今後更なる展開としては、やはり本稿でも触れられているように、嵯峨野線(山陰本線京都口)での設定も大いに考えられそうな気もしました。


一方で、今回の特集記事の中には、「「乗らない」着席サービスを考える」(柴田東吾氏)という、何やら考えさせられるタイトルの記事もありました。

文字通り、比較的利用が低い各社の有料着席サービスについて触れているものですが、筆者自身最後に「これまで触れてきた話は娯楽の範疇に過ぎない」(P55)とわざわざ断っていることからも分かるように、ぱっと見利用率が低いように見える各社の有料着席サービスについて、あまり現実性を考えない、誤解を恐れず言えば「妄想」の範囲内での改善策を記しているとしか受け取れない記事となっていました。

一例を挙げれば、泉北高速鉄道の「泉北ライナー」もやり玉に挙げられており(P54〜P55)、ここでは、「「泉北ライナー」を減便して「ラピート」の増発に振り向けた方が良いのでは?と思うこともある」(P54〜P55)と、夕方の「泉北ライナー」を不振な有料着席サービスとし、そのリソースを「ラピート」に振り向ける提案がされています。

このアイデアの元は、2022年11月から2023年9月まで一部の「泉北ライナー」に「ラピート」50000系が充当された事例を引き合いにしているようですが、もっともこの代走が起こった発端は、2022年5月に発生した「こうや」「りんかん」向け30000系1編成の長期間の使用不能が発端であり、日々の運用で「ラピート」と「泉北ライナー」を入れ替えるのは、設備的にも営業的にも難しいのではないか、と思われます。
(参考)


もっとも、上述で筆者自らが断っているように、「娯楽の範疇」での記事ですので、あまり真面目に突っ込むのも野暮、ということかも知れません。
しかし仮に「鉄道の将来を考える専門情報誌」(表紙)と銘打っている月刊誌でありますから、「利用が思わしくない有料着席サービス」という、視点はむしろ良い所を突いているだけに、きっちり調査・分析した記事を載せていただければよかったのになあ、と思う次第です。


ともあれ、近年の各社の導入度合いをみれば、いずれかの鉄道雑誌で遠からず特集記事が組まれるのでは?と思っていた「有料着席サービス」。
今回は「鉄道ジャーナル」での記事でしたが、他の鉄道雑誌ではどのような視点から特集記事が組まれるのか、そういった点も今後の楽しみにしたいな、と思いました。



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交通法規研究会「列車の運行不能 遅延・運休・事故 きっぷの払いもどしQ&A」を読む

当ブログでは、鉄道をはじめとした公共交通関係の書籍や雑誌をご紹介していますが、今回ご紹介するのは、これまでにも度々ご紹介してきた「交通法規研究会」さんの新刊「列車の運行不能 遅延・運休・事故 きっぷの払いもどしQ&A」です。

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当ブログではこれまで、きっぷの「払いもどし」や「区間変更」など、何か事情が無ければ利用者が体験することが無いであろう取扱いについて、根拠規程や実例などを交えて、分かりやすく解説しており、私自身も大変勉強になる同人誌シリーズであると感じています。

今回は、その「レアケース」の中でも最たるものと考えられる、列車の「遅延」「運休」「事故」など、列車が計画どおりの運行が不能になった際の払いもどし等について、一問一答系式で分かりやすく、かつ体系的に記されています。


一口に「運行不能時の払いもどし」といっても、既に列車に乗っているか否かによって、可能な取扱いは大きく違います。
比較的遭遇するのは「乗車前」で、この場合は基本的に「手数料無しで全額払いもどし」となります。
私自身も下記記事でご紹介したように、南海トラフ臨時情報(巨大地震注意)」に伴い運休となった特急「くろしお」の特急券を、手数料無しで払いもどした体験談をご紹介しました。
(参考)


これに対し、列車乗車中に運行不能な事象に遭遇した場合は、乗車券、あるいは特急列車等のそれぞれについての対応方法があります。

これらには旅客が選択できるものもあれば、その時々に応じて定められているものもあるので、詳細は是非とも本書を手に取って、一読していただければ、大変参考になると思います。


手持ちのJTB時刻表では、「事故などの列車の取扱い」として、列車運行不能の場合の「無手数料払いもどし」「後続の特急列車等の乗車」「無賃送還」「有効期間の延長」、列車遅延時の「特急料金等払いもどし」「列車不接続により無賃送還・取り止め」といった内容が簡単に書かれている程度ですが、実際の取扱いは、同人誌が一冊出来上がるほどに奥が深いものだ、というのを実感できるのではないのでしょうか。


特に旅行中の払いもどし等の取り扱いは、遭遇するケースが多くないことに加え、旅行先あるいは列車に乗車中に遭遇すること、そして近年激甚災害が増加していることから考えると、どこか旅行する際には本書を携帯しておくと、いざという時に大いに役立つ内容といえます。

とはいえ毎回の旅行に常に持ち歩くのもなかなか大変なので、時間のあるときに本書を熟読しておくのが一番良いのかな、とも思いますが、ともあれ「きっぷ」「制度」系の鉄道ファンだけでなく、多くの鉄道ファンにとっても、運行不能な事象に遭遇しないとは限りませんので、是非とも手においていただきたい一冊と感じました。


▼本書の購入サイトはこちら。


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