阪和線の沿線から

阪和線沿線に住まう管理人による、鉄道やバスなどのブログ。

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鉄道ジャーナル2024年7月号を読む(上)「【特集】都市の直通運転」

こちらの記事でもご紹介したように、この5月に発売された鉄道雑誌を3冊購入し、読み終わった順に当ブログでご紹介してます。

続いてご紹介するのは、鉄道ジャーナル2024年7月号 特集「都市の直通運転」です。
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今回取り上げられた「直通運転」は、大阪や東京で実施されている大手・準大手事業者どうしの直通運転をターゲットに、その歴史や現状が紹介されています。

関西地区の事例としては、
・北大阪急行 地元待望の箕面延伸開業(鶴通孝)
・近鉄特急、夢洲へ Osaka Metroへの乗り入れ構想(鶴通孝)
・15周年を迎えた阪神なんば線(伊原薫)
(カッコ内は著者名、敬称略。いずれも本号目次より引用)
が挙げられます。

また関東地区の事例としては、
・東急を中核とする首都圏の直通ネットワークの発展(土屋武之)
・相互直通運転 直通車両統一規格の実際(柴田東吾)
・執念の開業から空港アクセスの隆盛まで 浅草線の建設と運転(岩成正和)
(カッコ内は著者名、敬称略。いずれも本号目次より引用)
となっています。

個人的には、「阪神なんば線」(伊原薫氏)、「都営浅草線」(岩成正和氏)の特集記事が、その建設に至るまでの歴史を丹念に説明しているところが、大変参考になりました。

「阪神なんば線」は、かつての「伝法線」をはしりに「西大阪線」と後年改称されましたが、終点の西九条駅のターミナル機能の薄さもあり、長年阪神の支線としての認識が強いように感じていました。

しかしその位置づけを大いに変え、今や神戸と奈良を結ぶ大動脈となった「阪神なんば線」。
そのインパクトは、本稿でも「進学先の選択肢を増」やし、「人々の人生をも変えた」(いずれも本号P66より引用)と著者がまとめていることからも、私の持っている感覚と軌を一にしていると感じました。


そしてもう一つの「都営浅草線」は、著者自身が東京都職員であることもあり、東京都(市)の都市交通のはしりを、それこそ「都営地下鉄前史」(本号P68より引用)と、ページを割いて丹念に説明しているところが、大変参考になりました。

当ブログ記事を書くにあたり、改めてページ数を確認したところ、16ページ中着工までに費やしたページが7ページ半とほぼ半分を費やしているところから、「浅草線」のみならず、「東京都営地下鉄 着工までの歴史」というサブタイトルでも全く問題ないくらいに網羅網羅された内容となっていました。

関西地区で生まれ、育った私にとっては、東京に同じ地下鉄が「営団」と「都営」の両方が存在し、そして「都営」よりも「営団」の方がずっと規模が大きいことに、大いなる違和感を抱いていました。
こちら大阪では、大阪市営地下鉄が地下鉄路線を一手に掌握していたので、地下鉄=公営単独という前提から考えると、「どうして都営はこんなに少ないのか」と不思議にも思っていました。

大人になった今は、そのあたりの事情は粗方理解していた「つもり」でしたが、今回改めて岩成正和さんの記事を読むと、「どうして都営地下鉄がこんなに少ないのか」という理由が理解できたので、本当に有益に感じました。


「直通車両統一規格の実際」(柴田東吾氏)では、東京メトロ千代田線と、同線に相互直通運転を行う小田急電鉄及びJR東日本(←国鉄)の、直通車両を用意するに当たり、様々な実務面(覚書、保守、仕様etc)から、直通車両の「特別な」点を網羅している点でも、読みごたえのある内容でありました。

本稿では、千代田線を中心とした内容ではありますが、相互直通運転を実施している事業者では、多少の差はあれど、どれも相互直通運転を実施するための実務を、実際の車両設計に落とし込む点で各事業者が苦心しているのだな、とういことを改めて実感しました。


「北大阪急行 地元待望の箕面延伸開業」(鶴通孝氏)では、開業間もない北急・千里中央〜箕面萱野について、著者が実際に乗車して、延伸開業区間の街の特徴(元々市街地が形成されていた点、箕面市自体に高層建築が少ない点)や、延伸開業区間のスキーム(箕面市内が軌道法に準拠している)など、私自身も実際に乗車したとは言え、様々な点を見逃していたことを改めて痛感し、著者の洞察の深さを実感した次第でした。

以上、特集記事の概要をかいつまんでご紹介しましたが、いずれも読みごたえ、学びになる内容であると感じました。



…と、いつもの雑誌紹介ですと、これくらいの内容やタッチで終わるものなのですが、今回の「鉄道ジャーナル」では、いつもどおりのポジティブな評価がすんなりとはできない、それくらい目を覆いたくなる記事がありましたので、そちらにも触れないわけにはいきません。

こちらについては、改めてのブログ記事でご紹介したいと思いますので、ひとまず「特集」記事のご紹介は以上とし、続きは改めてブログにアップする「(下)」記事でご紹介したいと思います。




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鉄道ダイヤ情報2024年7月号【特集】南海電気鉄道を読む

今月21日に発売された鉄道雑誌では、関西地区の鉄道を取り上げた特集が多かったので、都合3種類(鉄道ダイヤ情報、鉄道ジャーナル、鉄道ピクトリアル)を購入しました。
これだけまとめて購入したのは、久々だったと思います。
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ボリュームも相当ありますので、読み終わった順にご紹介していきたいと思います。

まずは「鉄道ダイヤ情報」。
今月の特集は我が地元、「南海電気鉄道」です。
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鉄道ダイヤ情報は、「乗るたのしみ・撮るたのしみ応援マガジン」のキャッチフレーズ(同書表紙より引用)と、いわゆる「撮り鉄」向けの要素が強い雑誌で、一昔前までは車両メーカーから鉄道事業者へ新製車両を輸送する「甲種車両輸送」の予定を掲載していたのは、記憶に新しいところです。
(参考)



今回の南海電鉄の特集でも、撮影に役立つ情報として、同社の車両ダイジェストガイドで、泉北高速鉄道を含めた車両をカバーしていますが、それ以上に読み物としての中身も充実しているな、と感じたのが、今号特集を読み通して抱いた感想です。

伊原薫氏による南海線の概説と加太線の歴史の詳説、栗原景氏による高野線の概説と、同線を通しで運転する「大運転」急行列車の乗車記など、沿線ファンは勿論、日頃南海電鉄に馴染みのないファンにとっても、両線の魅力が分かる構成となっています。


そして、当ブログで特に推したいのが、土屋武之氏による「泉北高速鉄道とは、どんな鉄道か」
当ブログの読者にとっては、南海電鉄と泉北高速鉄道とのつながりは、十分理解いただけていると思うのですが、関西地区外のファンにとっては、金色の「泉北ライナー」では知ってはいるものの、それ以上に深く認知されているのか、とも言えないとも限らない「泉北高速鉄道」。

この特集記事では、わずか4ページではありますが、泉北高速鉄道の歴史や現行車両の紹介、そして現行ダイヤにおける種別の解説と、限られた紙幅で、泉北高速鉄道の概要をコンパクトにまとめられています。

下記記事でご紹介したように、この泉北高速鉄道は、2025年度の早期に南海電鉄との経営統合が予定されており、「泉北高速鉄道」としての社名は消滅することが予定されています。
(参考)


今回の特集は、もしかすると「泉北高速鉄道」という社名が特集のタイトルとして飾るのが最後かも知れません。
そういう意味でも、泉北高速鉄道ファンにとっても是非購入して残しておきたい一冊でありましょう。



冒頭に記したように、この「鉄道ダイヤ情報」は、いわゆる「撮り鉄」をメインターゲットとした雑誌といえますが、今回の特集で掲載されている写真も、ファンが難なく撮影できる場所から撮影したものを掲載しているのにも、気がつきました。

どんな場所から撮影しているかは、是非本書を手に取って確かめていただければと思うのですが、当ブログでも過去に紹介した撮影地の写真も少なからず見つけることができました。

「あ、ここで撮影したことあるわ!!」とページをめくりながら頷いたり、一方で「こんな所でもこんな構図で撮影できるんや!」と、今後のブログ素材の撮影でも活用できる、有意義な一冊であると感じました。

鉄道ダイヤ情報 2024年 07月号 [雑誌]
鉄道ダイヤ情報編集部
交通新聞社
2024-05-21



鉄道ダイヤ情報2024年7月号【南海電気鉄道】
鉄道ダイヤ情報2024年7月号【南海電気鉄道】



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「JTB私鉄時刻表 関西 東海2024」を購入する(2024.3.18)

「JTB時刻表」といえば、JRや民鉄だけでなく、バスや航空、船舶までもを網羅した、国内の公共交通機関を利用して旅行する上では欠かせない情報源の一つであります。

その「JTB時刻表」を発行する「JTBパブリッシング」では、この度関西・東海エリアの民鉄を網羅する「JTB私鉄時刻表 関西 東海2024」(以下、「JTB私鉄時刻表」といいます。)を発売しました。

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上述のX投稿のとおり、「JTB時刻表」のフォーマットで、東海3県(三重・愛知・岐阜)と関西2府4県の大手・中小各私鉄(民鉄)の時刻が、「JTB時刻表」と同じフォーマットで見られる時刻表となっています。

これだけでも、十分網羅性のある時刻表で、活用価値が高いものと感じますが、ページを開くと更に、その掲載情報の深さを感じることができましたので、注目点をご紹介したいと思います。



【大阪メトロ御堂筋線も「全列車掲載」】
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(JTB私鉄時刻表P458より引用)

上記引用画像は、Osaka Metro御堂筋線及び北大阪急行のページですが、ご覧のとおり「全列車掲載」となっています。

このJTB私鉄時刻表のスゴいところは、基本的に「全列車掲載」である点です。
大手民鉄は勿論、地下鉄(名古屋、京都、大阪、神戸)も全列車掲載です。
ですので、上記引用画像のとおり、ラッシュ時には2分間隔で運転している御堂筋線でも、当たり前のように全列車掲載となっています。
逆に全列車掲載ではない(日中は運転間隔のみ掲載)のは、豊橋鉄道東田本線と、阪堺電気鉄道上町線・阪堺線の、いずれも路面電車のみとなっています。

即ち、これら3線区以外は、全駅・全列車掲載となるわけですから、これだけでも、このJTB私鉄時刻表の情報量の多さを感じ取ることができるのではないのでしょうか。



【「ラピート」に「グリーン車」マーク?】
やはり地元が気になる、ということで、南海本線のページを開けてみます。
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(JTB私鉄時刻表P510より引用、赤枠は管理人による。)

上述のとおり全駅・全列車掲載であるのに加え、「列車番号」も掲載されているのは、ファンにとっても心強い情報です。
(列車番号については、上記Osaka Metro・北大阪急行のように、掲載の都合で省略されている場合もあります。)

そして気になるのが、上記引用画像中に赤枠で記した「グリーン車」のマーク。
勿論、「ラピート」にグリーン車が連結されているわけではありません。
JTB私鉄時刻表では、このグリーン車マークは、「特急料金などのほかに特別料金の必要な車両」と説明されています。
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(JTB私鉄時刻表巻頭P8より引用、赤枠は管理人による。)

なるほど、ラピートの「スーパーシート」には、特急料金の他に「特別車両料金」が必要なため、それを示す「グリーン車」マークが付けられている、というわけです。



【「ひのとり」「しまかぜ」にはグリーン車マークなし、「しまかぜ」には「ビュッフェ」マークが】
それならば、同様に「デラックスカー」「プレミアム車両」と、上級サービスも提供している近鉄特急でも、同様に「グリーン車」マークが見られるのではないか、と思いページをめくってみました。
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(JTB私鉄時刻表P248より引用)

こちらは逆に、「グリーン車」マークは無く、「全席指定」マークに「プレミアム車両・レギュラー車両連結」(ひのとり)、「展望車両・グループ席車両連結」(しまかぜ)と注釈が入っています。

この違いは果たして何なのか?気になるところですが、私自身の推測では、以下の経緯でこのような掲載方法になったのでは、と考えます。
・「ひのとり」の場合は「プレミアム車両」「レギュラー車両」ともに特別車両料金が必要。
・上記「特別料金の必要な車両」の定義からすれば、「ひのとり」充当列車は全席「グリーン車」マークが付くことになる。
・しかしそれだと、「ひのとり」と他の特急とで、座席設備に大幅な差が付くように見えてしまい、読者に誤解を生じさせる恐れがある。
・よって、近鉄のページでは、別途特別車両券が必要な列車であっても「グリーン車」マークは使わず、注釈等で、別途料金が必要な旨説明。
・その考え方を踏襲するため、「しまかぜ」も「グリーン車」マークではなく「全席指定」マークとなる。

南海・近鉄の両社の料金体系を考えるに、上述のような推理が成り立ちそうに感じましたが、どんなものでしょうか。


一方、「しまかぜ」には、コーヒーカップのマーク、即ち「ビュッフェ」のマークが付けられています。
これは、「しまかぜ」に連結されている「カフェ車両」のことを指しています。
車内で軽食を提供する車両として連結されている「カフェ車両」に、この「ビュッフェ」マークが付けられるのは、至極納得のいくところです。
一方で、同じく観光特急の「あをによし」「青の交響曲(シンフォニー)」にもカウンターでスイーツなどを提供していますが、ビュッフェマークは付いていません。
恐らく、これら2列車と「しまかぜ」とでは、提供される食事の違い(スイーツは軽食に入らない)で区分けされているのかな、とも感じました。



ともあれ、入手して一通りしか眺めていませんが、情報量の多さと表示のユニークさに、価値の高さと面白さを感じましたので、早速記事にしたためた次第です。

乗りつぶしや撮影、運用調査などなど、ファンにとって活用価値の高いこのJTB私鉄時刻表。
お値段は2,200円(税込)とやや張りますが、手元に置いておきたい一冊であると感じました。

JTB私鉄時刻表 関西 東海2024 (JTBのMOOK)
JTBパブリッシング
2024-03-18


JTB私鉄時刻表 関西 東海2024 (JTBのMOOK) [ JTB時刻表 編集部 ]
JTB私鉄時刻表 関西 東海2024 (JTBのMOOK) [ JTB時刻表 編集部 ]



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JTB時刻表2024年3月号を見る。北陸新幹線・金沢〜敦賀間開業や、京都丹後鉄道「KTR8500形」、JR北海道「快速エアポート」号数問題をみてみます

来る3月16日(土)にJRグループダイヤ改正が実施されます。
(参考)


このダイヤ改正内容を新幹線・特急列車だけでなく、快速・普通列車等まで掲載した時刻表が、先月下旬に発売されました。

私は、長年の習慣から毎回JTB時刻表を使用しており、今回も2024年3月号のJTB時刻表を購入しました。
20240225_143834


今回の改正内容は、既に当ブログでも紹介・解説していますが、時刻表として眺めてみて、改めて気になった点をご紹介したいと思います。



【北陸新幹線・サンダーバード・しらさぎ】
今回のダイヤ改正の一番の目玉である、北陸新幹線・金沢〜敦賀間の開業。
新幹線が延伸するだけでなく、大阪・名古屋〜金沢間の利用においても、「サンダーバード」「しらさぎ」と北陸新幹線との乗継が発生するため、これらを時刻表でどのように掲載していくのかが気になっていました。

実際どのように掲載されているのか。当該ページを引用してみます。
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(JTB時刻表2024年3月号より引用)

ご覧のとおり、東京〜敦賀の「北陸新幹線」、東京〜新潟の「上越新幹線」の下に、敦賀のりかえの特急列車として「サンダーバード」「しらさぎ」の時刻が掲載されています。
これにより、例えば大阪〜敦賀〜金沢・富山といった「つるぎ」乗継パターンだけでなく、大阪〜敦賀〜長野・東京方面の「かがやき」「はくたか」乗継パターンも一目で確認することができます。


【ハピラインふくい・IRいしかわ鉄道】
一方、北陸新幹線延伸に伴い、JR西日本・北陸本線が「IRいしかわ鉄道」「ハピラインふくい」に移管されます。
両社の時刻はこのように、敦賀〜福井〜金沢間で一体で掲載されています。
img562
(JTB時刻表2024年3月号より引用)

これにより、「IRいしかわ鉄道」の時刻表は、金沢を境に、この「ハピラインふくい」「あいの風とやま鉄道」「JR七尾線」の3箇所に分かれて掲載されることとなります。
(それぞれ、列車の行先が異なるので当然ではありますが。)



【京都丹後鉄道KTR8500形は「たんごリレー」で運用】
京都丹後鉄道がJR東海より昨年譲り受けた「キハ85系」。
京都丹後鉄道では、新たに「KTR8500形」という型式名称が付けられ、今後線内特急予備車として運用されることが発表されています。
(参考)


今後の運用開始が気になるところですが、JTB時刻表では特急列車の車両形式を掲載しており、京都丹後鉄道を運行する「はしだて」「たんごリレー」のページでも、車両形式が明記されていました。
img563
(JTB時刻表2024年3月号より引用)

右上を見ますと、「◎・・・京都丹後鉄道KTR8000系/KTR8500系」と表記されており、「◎」のついた列車(「たんごリレー」全列車)で、現在運用されているKTR8000形と共通で運用されることとなっています。

上述のとおり、KTR8500形はあくまで「特急予備車」として運用されるので、毎日見られるものではないことに注意が必要ですが、ともあれ3月16日ダイヤ改正以降にはKTR8500形が運行されることが確かであることは、大きな情報といえるでしょう。

(参考)
丹鉄「KTR8500形」の時刻表・運用まとめ|2024年3月改正版 - 鉄道プレス

(※)
ところで、JTB時刻表上では「KTR8500」となっていますが、京都丹後鉄道のWebサイト等では「KTR8500」と、表記にずれが見られます。
どちらが正しい表記なのかはさておき、本記事では車両そのものを指す場合は「形」、JTB時刻表記載内容に触れる場合は「系」と使い分けていますので、ご了承ください。




【JR北海道・快速「エアポート」号数問題はどう解決したか?】
札幌市内などからの新千歳空港アクセスとして運行されている、JR北海道の快速「エアポート」。
現在は1時間に5往復運転(日中時間帯等の最大本数)されていますが、今回の改正で一部時間帯のみの運行だった「特別快速」の運行時間帯拡大、また「区間快速」を新設(既存の普通列車からの置き換え)で1時間に6往復運転(同)することとなっています。

元よりJR北海道の儲け頭である「エアポート」、コロナ禍後回復しつづけるインバウンド需要に対応すべく、今回の増強となり、嬉しい限りであります。

ただ、この増発により、これまで発車時間帯と発車順により、規則的で分かりやすく表記されていた「エアポート」号数が、今回の増発により、その規則性が成立しなくなるという問題(ここでいう「号数問題」)が発生することになります。

具体的には、現在の「エアポート」の号数は、
・百の位、十の位:札幌駅及び新千歳空港の発車時間帯
・一の位:両駅発車する順番(新千歳空港発:1→3→5→7→9、札幌駅発:0→2→4→6→8の順番)
となっています。

ご覧のとおり、この表記ですと1時間に5本までしか対応できず、6本になった途端に破綻してしまうものであります。

昨年12月のダイヤ改正発表時でも、この「エアポート」の号数をどう記載するかは、特に言及が無かったことから、今回の時刻表発売まで明らかになっていませんでした。


そんなこともあり、今回JTB時刻表の当該ページを見てみることにしました。
img564
(JTB時刻表2024年3月号より引用)


ご覧のとおり、札幌→新千歳空港の初発は「10号」、次に何故か「14号」に飛んで、以降「16号」「18号」…と続きます。
新千歳空港→札幌についても、初発は「11号」、次は何故か「23号」に飛び、以降「25号」「27号」…と続きます。

ただ、この後も号数が飛んでいる時間帯もあるのが不思議なところです。

まとめますと、以下のとおりです。
【札幌→新千歳空港】
10号・(×12号)・14号〜98号・(×100号〜108号)・110号〜174号・(×176号)・178号・(×180号)・182号・(×184号)・186号

【新千歳空港→札幌】
11号・(×13号〜21号)・23号〜99号・(×101号〜109号)・111号〜195号

(注)「×」は欠番を指します。


こう眺めてみますと、10号台の一部と100号台、そして170〜180号台の偶数(札幌→新千歳空港)の一部でそれぞれ欠番が発生していることがわかります。

それぞれ欠番を設けている理由について、私なりに推測してみますと、
・10号台の欠番は、早朝時間帯の増発用に確保
(普通列車が多い時間帯ですが、今後「エアポート」を増発する際、後の列車の号数を変更しなくて済むための措置と思われます。)

・170〜180号台偶数の欠番は、深夜時間帯の新千歳空港方面への増発用に確保
(夜の空港方面の列車ですが、出発便の少ない時間帯のため「エアポート」の本数も少ないのですが、深夜出発の国際線等、今後深夜時間帯の空港アクセスが増加した際に対応するために確保しているものと思われます。)

・100号台の欠番は、理由不明
(更なる増発のために確保する空き号数なのかも知れません。)
といったことになるのではないか、と思われます。

ともあれ、今回のダイヤ改正で最後まで気になっていた、この快速「エアポート」号数問題。
蓋を開けてみれば、一部の欠番の理由が分からないところはあるものの、全体的に見ればオーソドックスかつ、今後の拡大にも備えた、現実的な対応ではないかと感じました。



ダイヤ改正実施まで、本日であと2週間となりました。
見られなくなる鉄道の風景を記録するのも大事ですが、改正後に見られる新しい鉄道の風景にワクワクできるのも、この時期の風物詩といえます。
改正ダイヤ実施までの間、更に時刻表を読み込み、新たな「楽しみ」が発見できればいいな、と思っています。



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【こみっくトレジャー43】戦利品紹介(8)「在りし日をたずねて〜ダイエー店舗の現在〜」阪神・摂津、兵庫県コンプリート編

先日(2024年1月14日)に開催された同人誌頒布イベント「こみっくトレジャー43」で入手した同人誌(戦利品)のご紹介ですが、ようやく今回の記事で最後となります。
長らくのおつきあい、ありがとうございました。

最後となる8本目の記事を飾るのは、サークル「不安定の安定」さんの、「ダイエー本」2冊です。
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今回購入したのは、阪神エリアと、その他兵庫県内の「ダイエー」店舗のあった(ある)場所の過去と現在を、対比させた記録が中心となっています。

掲載されている店舗の中には、既に閉鎖されて全く違う建物となっている店舗、ダイエー時代の建物はそのままでありながら、他のスーパーなどが入っている店舗、一方で現在も引き続き「ダイエー」「グルメシティ」など、引き続きダイエーとして営業している店舗など、現在の状況も様々、となっていました。

ただ、ダイエー閉店後の店舗でも、ほとんどがマンションや別の小売店など、何かしらの形で引き続き活用されているのは、やはり場所の良いところを選んで出店していたのだな、と感じた次第です。

また、ダイエー創業者の中内功CEOが設立した「流通科学大学」の中でも、中内CEOにまつわる展示館についての紹介もあり、何らかの形で「ダイエー」に関わった方にとっては、手にする価値のある同人誌に感じました。

このダイエーの店舗の過去と現在を取り上げたシリーズ、大阪府北部・兵庫県エリアを中心に発行されてきました。
個人的には、かつてアルバイトしていた店舗ある、大阪南部エリアの発行も期待したいところですので、今後発行されることを期待して、引き続き応援していきたいと思います。


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【こみっくトレジャー43】戦利品紹介(7)「薄いカードの薄い本」2022・2023夏増刊号

先日(2024年1月14日)に開催された同人誌頒布イベント「こみっくトレジャー43」で入手した同人誌(戦利品)のご紹介、この記事で7本目となります。

この記事でご紹介するのは、こちらの同人誌です。
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クレジットカード関連の同人誌を出されている「湊町メディアシステム」さんの本です。

今回入手した2冊は、「2022」(2022年12月)と「2023夏増刊号」(2023年8月)でした。

湊町メディアシステムさんの同人誌は、過去のこみトレ(2019年9月の「こみトレ34」)で入手して以来で、その後コロナ禍もあり、私のこみトレ参加時に入手することができず、今回久々に手にすることができました。

「2022」では、VISAなどのタッチ決済での乗車や、著者自身が遭遇した不正利用未遂事件について、紹介されています。
特に「タッチ決済での乗車サービス」は、このブログでもサービスの拡大等があれば随時ご紹介していますが、あくまで鉄道サービス側から見たご紹介でしたが、本書ではタッチ決済サービスでの乗車に利用履歴の反映タイミングなど、あくまで「クレジットカードの研究」とう視点からまとめられている点が、新鮮に感じました。

また「2023夏増刊号」では、ANAの「トクたびマイル」(通常より少ないマイル数でANA国内線得点航空券が利用可能なキャンペーン。対象路線は毎週変わる)で沖縄までの旅行記をまとめられています。
こちらもまた、ただの旅行記ではなく、「クレジットカード研究」という視点から、現地でのキャッシュレス決済や、「プライオリティ・パス」の利用などについて取り上げられています。

いずれも、クレジットカード研究、そして直近のクレジットカード界隈の情報を確かめるにはもってこいの内容となっていました。

当ブログで扱っている交通系でも、交通系ICカードや上述のタッチ決済サービスのように、クレジットカードなどとの連携が進んでいる事例が増えてきています。
このクレジットカード業界についても、状況がどんどん変化していますので、引き続き「湊町メディアシステム」さんの同人誌を入手して、最新の情報をアップデートしていきたいな、と感じています。



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【こみっくトレジャー43】戦利品紹介(6)「オーストリア昼行長距離列車図鑑2024」

先日(2024年1月14日)に開催された同人誌頒布イベント「こみっくトレジャー43」で入手した同人誌(戦利品)のご紹介ですが、この記事で6本目となります。

結構購入していたものですね…

今回ご紹介するのは、サークル「オーストリア鉄道ラボ」さんの「オーストリア昼行長距離列車図鑑2024」です。

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専ら国内の鉄道などの公共交通を中心とした話題に終始している当ブログ「阪和線の沿線から」。
管理人自身も、海外へ渡航したのは、大学卒業間際の卒業旅行だけで、その後は海外に一歩も出ていない、という人生を歩んでおります。

だからと言って海外に全く興味が無いのか、というとそういう訳でもなく、同人誌でも海外の鉄道を取り上げているものは入手してみたいな、とは以前から思っていました。

この日も鉄道系のサークルを覗いていたところ、この「オーストリア鉄道ラボ」というサークルに遭遇し、見本誌を見させていただいたところ、綺麗な写真と、オーストリアの列車を種別ごとに分かりやすく説明しているので、「これは是非入手しよう!」ということで、戦利品として購入することにしました。


取り上げているのは、タイトル通り「オーストリアの昼行長距離列車」ですが、隣国と地続きであるが故に、掲載されている列車もオーストリアで完結する系統は勿論、ドイツ、スイス、チェコ、ハンガリーなど、色々な国への国際列車も掲載されているのが、やはりヨーロッパの鉄道、ということに感心しました。

掲載されている種別も、最上位の「Railjet Xpress」(レールジェットエクスプレス)を筆頭に、国内線「Railjet」、ドイツから乗り入れの「ICE」、各国へ向かう「EC」等々、オーストリアを走り抜ける各種の列車が、それこそ図鑑として眺めることのできる本となっています。


実際にオーストリアを旅行する際に大いに役に立つのは勿論、その予定が無くとも、眺めているだけでもとても楽しい、そんな同人誌でありました。


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【こみっくトレジャー43】戦利品紹介(5)「Railway Illustrated」宇都宮ライトレール関係2冊

先の記事に引き続き、先日(2024年1月14日)に開催された同人誌頒布イベント「こみっくトレジャー43」で入手した同人誌(戦利品)のご紹介です。

今回ご紹介するのは、サークル「あすやろう製本」さんの「Railway Illustrated」という本です。

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「あすやろう製本」さんの同人誌は、過去のこみトレで、下記の「山陽電鉄・神戸高速鉄道」の本をご紹介しました。
(参考)


この時の同人誌も、その厚みに反して、ぎっしり詰まった情報量で、資料的に価値の大きい同人誌だと思い、次の機会にも「あすやろう製本」さんの同人誌を入手したいと思っていました。

今回のこみトレ43で、会場を歩いていると、見覚えのある表紙デザインの本が並んでいたので、手に取って見たところ、昨年8月に開業したばかりの「宇都宮ライトレール」を特集した同人誌が2冊用意されていましたので、「これは!!」と思い、手に取りました。

「Railway Illustrated」と題されたこの2冊の同人誌。
1冊(「PREVIEW OF LIGHTLINE」)は、昨年8月のコミックマーケットでの新刊で、まさに開業直前の宇都宮ライトレールについて、開業までの30年の歩みを、宇都宮市・芳賀町の置かれた状況から、ライトレールの計画が世に現れて、それがこの30年を経てどのように変化し、そして実現していくかを、行政等の記録などを元に、丁寧にまとめた、宇都宮ライトレールの開業を振り返る上での記録がまとまった、資料的価値のある本となっています。

一方のもう1冊(「OPENING DAYS」)は、昨年12月のコミックマーケットでの新刊で、宇都宮ライトレール開業日、そして開業直後の様子、そして、沿線の「工事前」「工事中」「開業直前」の街の変化を定点記録していたりと、こちらも資料的価値の高いものとなっています。


宇都宮ライトレールに関しては、私は開業1週間後の昨年9月上旬に実際に乗車し、豪雨の中ではありましたが、しっかり沿線地域の足として定着している様子を現地で確認してきました。
(参考)


75年ぶりの完全新規での路面電車となる「宇都宮ライトレール」。
沿線住民のみならず、工業団地への交通アクセスも担うことから、順調に利用者が定着していることは、様々なメディアで見聞きしています。
いわば「成功例」として広く知れ渡ることのなったこの宇都宮ライトレールですが、その計画・建設・開業への足取りを手元に残しておき、必要に応じて引き出すことのできる資料として、重宝できる同人誌であると感じました。

上述のように、過去にもこみトレで参加されておられましたので、次回以降のこみトレでも、あすやろう製本さんの新刊に期待したいな、と感じた次第でありました。




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【こみっくトレジャー43】戦利品紹介(4)「交通系ICカードの本」

少し間が開いてしまいましたが、先日(2024年1月14日)に開催された同人誌頒布イベント「こみっくトレジャー43」で入手した同人誌(戦利品)のご紹介の続きです。

今回ご紹介するのは、サークル「Studio JamPack」さんの「交通系ICカードの本」(2冊)です。

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その名の通り、全国の交通系ICカードを紹介している本ですが、その網羅している情報量のすごさに驚きました。
何でも著者は、全国の交通系ICカードを集めておられているようで、今回入手したのは第1巻(2020〜2022年動向編)、第2巻(2023年上期動向+西日本編)でしたが、そのボリュームに、新刊の第3巻も買っておけば…と後悔したことしきりでありました。

内容は、現在及び過去に発行されている(いた)交通系ICカードについて、名称由来、利用可能エリア、各種情報に加え、当該カードが相互利用、あるいは片方向で利用できる他カードエリアについても、カードのマークを日本地図状に並べた地図上で確認できる、という、いわば「交通系ICカードの百科事典」といえる同人誌と感じました。


著者のすながわひろゆきさんは、全国の交通系ICカードを集めておられていることで、これまでテレビで紹介されたこともあったようです。
今回、それらのコレクションを本にまとめてみよう、というのが発刊の動機だったようです。


このブログでも、「交通系ICカード」というカテゴリーを設けて、地元である大阪府南部や和歌山県の話題を中心にご紹介してきましたが、残念ながら全国の動向をつぶさに追いかけるほどの余裕は、個人的な事情もあり、あるはずがありません。

そういった点で、この本は手元に置いておいて非常に役に立つものだと感じていますので、今後の新刊も引き続き追いかけていきたいと思っています。



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【こみっくトレジャー43】戦利品紹介(3)「ジトクノキロク」

昨日(2024年1月14日)に開催された同人誌頒布イベント「こみっくトレジャー43」(以下「こみトレ」)で入手した同人誌(戦利品)の紹介を続けます。

本記事では、サークル「狭軌の沙汰」さんによる「ジトクノキロク」です。



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タイトルにもある「ジトク」というのは、「自特」、即ち「自由席特急」を指しています。

一昨年(2022年)5月27日に、南海高野線・小原田車庫での線路支障により、特急「こうや」「りんかん」用の車両が使用できずに全列車運休となり、自由席特急として運行されることとなりました。
(参考)


この自由席特急による代走は、この年の11月上旬までのおよそ5ヶ月間間続くこととなりました。
(参考)



本書では、その自由席特急の代走開始日当日(5月27日)と最終日(11月1日)の記録は勿論、それまでの間の日常、本書の言葉を借りるならば「非日常の日常」の記録を、写真を中心にまとめたものであります。

2000系による自由席特急の車両の様子は勿論、発車標、案内表示、はたまた特急券販売機の様子など、「こうや」「りんかん」運休による車両以外の変化も克明に記録されている点、貴重な写真集に感じました。



上述のとおり、自由席特急の代走は2022年11月1日をもって終了となり、その後昨年4月には最後まで一部運休が残っていた特急「こうや」も通常運転が再開されました。
(参考)


「自由席特急」に加え「50000系『泉北ライナー』」「12000系『りんかん』」と、高野線・泉北高速線の特急にとっての「激動の11ヶ月」を象徴する2000系自由席特急列車。
その記録を後に伝える、あるいは後に見直す、という意味でも貴重な同人誌でありますので、特に南海電鉄ファンに手に取って欲しい一冊と感じました。



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