今年度(2026年度)は、下記記事でご紹介したように、「紀南くろしお乗り放題特急券」の購入補助や「くろしお一択」デジタルスタンプラリー等の利用促進策を既に実施しています。
(参考)
今回、これらに加えた利用促進の取組を実施することを発表しました。
紀勢本線新宮・白浜間の更なる利用促進の取り組みについて 〜通勤・通学や校外学習・教育旅行、紀南への旅は、快適で絶景が楽しめる特急「くろしお」号、紀勢本線をぜひご利用ください〜:JR西日本
概要は以下のとおりです。
【WESTERポイントバック】
新宮・白浜間の特急停車駅から ICOCA を利用して乗車し、新宮・白浜駅間を利用するとともに ICOCA エリア内の駅で下車した方を対象に、運賃の 10%相当を WESTER ポイント(チャージ専用)で還元するもの。
(2025年11月〜12月に実施したものを改めて実施)
・対象となる利用:
新宮、紀伊勝浦、太地、古座、串本、周参見の各駅から乗車・・・ICOCAが利用できる全ての駅
白浜から乗車・・・紀伊富田〜新宮間の各駅
・利用条件:
利用前にWESTERポイント(チャージ専用)のサービス登録完了が必要
【通勤モニター募集】
新宮・白浜間を含む区間を鉄道で通勤するモニターを募集し、モニターの方の ICOCA 通勤定期券1か月分を実質無料とするもの。
〇対象者:
・定期券購入日に満18歳以上の方
・定期券有効期間内に8回以上鉄道で通勤する方
・モニターアンケートに協力可能な方
〇対象となる ICOCA通勤定期券
・有効期間の最終日が2026年8月9日(日)〜2027年2月28日(日)までで、有効期間1カ月の ICOCA 通勤定期券
〇助成額
新宮・白浜間の実費相当額(全額)
※新宮・白浜間が一部でも含まれていれば、同区間相当額を助成対象とするもの。
【現在の新宮・白浜間の利用状況】
(上記発表資料(https://www.westjr.co.jp/press/article/2026/07/10/items/260710_00_press_kiseihonsen.pdf)より引用)
詳細は、上記発表資料をご覧下さい。
このブログでも、これまで幾度もご紹介してきた、JR西日本・紀勢本線(きのくに線)新宮〜白浜間の利用促進。
今年度(2026年度)の特急列車乗車目標を、1日1,040人としている中、そこへ向けての利用促進施策を様々に実施しているのは、当ブログでもこれまでご紹介してきたとおりです。
(参考)
今回の発表では、昨年度実施した「WESTERポイントバック」を今年度は夏のシーズン(8月〜9月)に実施するとともに、新たに「通勤モニター募集」という取組も実施することとしました。
「WESTERポイントバック」については、昨年度と同様、新宮〜白浜間の特急停車駅から乗車して、同区間を含む利用をした場合に、運賃の10%相当分がWESTERポイント(チャージ専用)で還元されるもので、実質的に1割引で乗車できる、というものです。
特に8月〜9月は、夏休みやシルバーウィークを含む期間となっていますので、昨年度以上に多くの方の利用を期待したいところです。
ポイントバックは、予算に達し次第終了するとのことですし、上述のとおり利用者の多い期間が含まれますが、まずは10%がおトクになる機会ですので、活用しない手は無いでしょう。
そしてもう一つが「通勤モニター募集」ですが、この新宮・白浜間は、他のローカル鉄道と同様、利用者の多くは高校生と高齢者となっており、通勤利用者が非常に少ない状況となっています。
(参考)
新宮市役所のWebサイト内に、紀勢本線活性化促進協議会新宮白浜区間部会が令和6年度に実施した「紀勢本線新宮・白浜間沿線住民アンケート調査報告書」が掲載されています。
その中で、通勤利用に関する内容も含まれていましたので、ご紹介します。
▲「普段の外出の目的」のうち、「通勤」は「買い物」に次いで多い目的となっています。
▲一方、「過去1年間の紀勢本線の利用目的」でみると、「旅行、娯楽」「通院」「買い物」が上位を占め、「通勤」は数パーセントにしかなりません。
▲そもそも、沿線住民が過去1年間に紀勢線を利用した頻度をみると、「利用しない」が50%、「年数回程度」が35%と、沿線の9割程度の住民が、鉄道をほとんど利用していない実態が明らかになっています。
(引用)
令和6年度紀勢本線新宮・白浜間沿線住民アンケート調査報告書|紀勢本線活性化促進協議会新宮白浜区間部会
「社会人になったら鉄道に乗らない」という沿線住民の意識を少しでも変えるべく、鉄道利用による通勤のモニター制度を実施することで、今後鉄道による通勤が定着していけば、利用者の維持に繋がることになるかと思います。
公共交通機関の利用促進は、観光による誘客も重要ですが、沿線の住民が繰り返し利用することもそれ以上に大事なものといえます。
そういうった点では、今回の通勤モニター制度から、鉄道への通勤にシフトする動きが、少しでも出てくればいいのではないか、と考えています。
先に述べたとおり、1日の特急列車乗車人員の目標が1,040人に対して、2025年度は482人と、目標との開きは大きいのが現実です。
一方で、2024年度の特急乗車人員は433人であることを考えると、このご時世に利用者が増加し続けているというのも、これまた事実であるといえます。
ただその利用者増加も、2025年11月から特急「くろしお」の平日増便を実施しているものの、増便に見合ったものになっていない、というのも、これまた事実であります。
明るい徴候、という意味では、2026年5月の乗車人数が前年(2025年)をわずかでも上回っている点といえます。
昨年(2025年)はアドベンチャーワールドへのパンダ中国返還があった影響で利用者が大幅に増加しました。
(2024年:432人→2025年493人)
言わば、「パンダ特需」の反動減が避けられない中、その水準をほぼ維持している、ということは、増便をはじめとした利用促進の効果は一定あった、と解釈しても良いのかも知れません。
ただ、現在の特急列車利用人数が、6両編成の電車列車を5〜6本走らせるほどのものか、というとこれもまた議論の余地はありそうですので、今年度の目標達成状況をみた上で、今後この新宮・白浜間の持続的な運営方法がどのように議論されていくのか、引き続き注目していきたいな、と感じたニュースでありました。
▲新宮駅に停車中の283系「オーシャンアロー」。
この8月〜9月「WESTERポイントバック」の実施により、利用区間によっては10%ポイント還元が実施されます。
また、「オーシャンアロー」が登場30周年となりますので、この機会に今年の夏は、紀勢本線の新宮・白浜間を積極的に利用してきたいものであります。
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