阪和線の沿線から

阪和線沿線に住まう管理人による、鉄道やバスなどのブログ。

JR西日本

【JR西日本】「サロンカーなにわ」を京都鉄道博物館で展示(2025.3.20〜23)

京都鉄道博物館では、JR西日本の営業路線と繋がった引込線を活用した現役車両の展示を行っていますが、今回14系客車「サロンカーなにわ」を展示することを発表しました。

なにわともあれ京都鉄博へ 「サロンカーなにわ」特別展示(京都鉄道博物館):JR西日本

概要は以下のとおりです。
【展示期間】
2025年3月20日(木・祝)〜23日(日)

【展示車両】
14系客車「サロンカーなにわ」(スロフ14形704号車+オロ14形708号車)
※「サロンカーなにわ」の隣の線に、マイテ49形2号車+オハ46形13号車を展示

【各種チケット】
・車内独占チケット
「サロンカーなにわ」2両の車内を8分間独占できるチケット+ノベルティー付き入場券の販売
販売期間:3月6日(木)16:30〜
販売数量:125枚限定
価格:5,100円

・「なにわで夜更かし」チケット
3月22日(土)19:30〜23日(日)8:00の間、「サロンカーなにわ」車内で宿泊するチケット
販売期間:3月13日(木)16:30〜
販売数量:20枚限定
販売価格:12,000円

【収蔵車両のヘッドマーク掲出】
「サロンカーなにわ」特別展示期間中に、EF58形電気機関車150号機に、「サロンカーなにわ」ヘッドマーク(複製)を掲出

詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



国鉄時代の1983年に登場した欧風客車「サロンカーなにわ」。
東京地区の「サロンエクスプレス東京」、名古屋地区の「ユーロライナー」と並んで、国鉄末期の「ジョイフルトレイン」の象徴とも言うべき列車の一つとして名高いこの「なにわ」。

分割民営化後、東日本、東海、西日本の各社に引き継がれたこれらの車両も、「サロンエクスプレス東京」「ユーロライナー」は既に引退して久しい一方、この「サロンカーなにわ」は今も現役で運用されています。

今回、この「サロンカーなにわ」が初めて、京都鉄道博物館の引込線を活用して展示されることとなりました。

上記発表によれば、ただ単に展示するだけでなく、
・「マイテ49」と並んで展示
・「なにわ」車内を8分間独占できるチケット
・京都鉄道博物館で展示中の「なにわ」車内で宿泊できるチケット

と、ファン注目の内容がてんこ盛りとなっています。
これだけの話題性ですと、春休み期間も相まって、相当の人気展示となりそうですのですが、個人的にも是非見にいくことができれば、と思っています。

それにしても、今になって「サロンカーなにわ」が京都鉄道博物館で展示されるということは、他の車両の例から見ても、引退が近い、ということも考えられたりするのですが、果たしてどんなものでありましょうか…
(参考)


(上述の「マイテ49」「オヤ31」ともに、京都鉄道博物館での展示後、引退が発表されています。)

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▲和歌山駅に停車中の「サロンカーなにわ」(2014年12月撮影)
今から10年前に、団体臨時列車として阪和線及びきのくに線を走った「サロンカーなにわ」。
今回京都鉄道博物館で展示されることが発表されていますが、今後和歌山県内での運行の機会があるのでありましょうか…


【JR西日本】特急「くろしお」60周年記念イベントの開催発表(2025.3.1〜)

JR西日本では、2025年3月1日に特急「くろしお」が運行開始60周年を迎えるにあたり、記念イベントを実施することを発表しました。

特急くろしお60周年記念イベント開催!:JR西日本

概要は以下のとおりです。
【60周年記念ノベルティ配布】
・配布日:
2025年3月1日(土)

・配布場所
<駅>
和泉砂川(西口)、和歌山駅(中央口)、御坊駅、紀伊田辺駅、白浜駅、串本駅、紀伊勝浦駅、新宮駅
各駅で乗車前に改札で特急「くろしお」の特急券を提示した際に一人一個プレゼント。

<ホテルグランヴィア和歌山>
宿泊約にチェックイン時にプレゼント

<日本旅行>
TiS和歌山支店、パビリオンシティ田辺店
旅行商品申込の人数分プレゼント

<JR西日本レンタカー&リース>
和歌山、御坊、紀伊田辺、白浜、周参見、串本、紀伊勝浦、新宮のJR駅レンタカー営業所
当日、レンタカー利用者にプレゼント

【SNSプレゼントキャンペーン】
・期間:
2025年2月27日(木)〜3月5日(水)
・応募方法:
公式Xカウントをフォロー、キャンペーン投稿に「いいね」をつける
・公式アカウント:
https://x.com/jrwest_wakayama/
・当選人数:
6人
・当選発表:
キャンペーン終了後、当選者にSNSのダイレクトメッセージで連絡

【60周年記念の御城印・御朱印発売】
EX-MaaSアプリ内で、紀三井寺、藤白神社の特別限定御朱印、和歌山城の特別限定御城印を発売
・発売期間:
2025年3月1日(土)〜(販売枚数限定)
・購入方法:
EX-MaaSアプリ内のEX旅先予約ページから購入、現地で引換

【その他】
60周年記念のその他イベントについては、決まり次第発表

詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



紀勢本線が全通(1959年)して6年後の1965年3月1日に、天王寺〜新宮〜和歌山間を結ぶ、紀勢本線初の特急列車として運行を開始した「くろしお」。

当時は阪和線を除き全線非電化の時代であったことから、キハ80系特急型気動車が導入されました。
ボンネット型のキハ81形が最後まで見られた列車としても有名で、同車両は現在でも京都鉄道博物館で「くろしお」ヘッドマークが掲出された状態で見学することが可能です。
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▲京都鉄道博物館に展示されているキハ81形「くろしお」。


1978年10月に紀勢本線の和歌山〜新宮間の電化開業に伴い、381系特急型電車が投入され、「くろしお」の運転区間は新宮以西となり、以遠は「南紀」としての運行となりました。

その後381系の時代が長く続き、その間に国鉄の分割民営化、新大阪乗り入れとパノラマグリーン車が連結された「スーパーくろしお」の運行が開始されました。
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▲381系「くろしお」。
1978年から2015年にかけての37年間、「くろしお」として活躍しました。


1996年には「オーシャンアロー」の愛称を持つ283系、2012年には287系、2015年に683系から改造された289系がそれぞれ投入され、車両としては現在の姿に至っています。
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▲「オーシャンアロー」283系
イルカをイメージした先頭車両のパノラマグリーン車が特徴となっています。


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▲287系
初めて電源コンセントを設置した「くろしお」で、一部編成は「パンダくろしお」として人気を集めています。


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▲289系
北陸方面の特急列車を「くろしお」に転用した系式で、289系の投入により381系は置き換えられました。


専ら大阪と白浜・南紀方面の観光列車としての意味合いが強いこの「くろしお」ですが、近年は、かつての「はんわライナー」を引き継いだ、大阪〜和歌山間の有料着席サービスとしての役割も果たしており、運転区間も新大阪〜和歌山・海南間といった短距離の列車も設定されています。


以上のように、60年に渡る時代を走り抜けてきた「くろしお」が今年、運行開始60周年を迎えることとなりました。
60周年を迎える3月1日には、ノベルティの配布等が行われますが、これだけで終わりでなく、今後もイベントが実施されるようですので、今年は「くろしお」アニバーサリーとして、しっかり注目していきたいところであります。

【JR西日本】「(ICOCAでGO)JR西日本無限大パス」発売。ICOCAエリアの普通列車が30日間乗り放題が50,240円で発売

JR西日本では、ICOCAエリア(一部除く)の普通列車が30日間乗り放題となる周遊パス「(ICOCAでGO)JR西日本無限大パス」を発売することを発表しました。

さあ、西日本の無限大の旅へ!「(ICOCAでGO)JR西日本無限大パス」を発売!:JR西日本
JR西日本 無限大パス:JRおでかけネット

概要は以下のとおりです。

【商品概要】
・JR西日本のICOCAエリア普通列車(新快速、快速含む)の普通車自由席が30日間乗り放題
(※)特急列車や座席指定券等が必要な列車は、別途料金券が必要。
(※)新幹線は利用不可
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▲自由周遊区間
(上記発表資料(https://www.westjr.co.jp/press/article/items/250212_00_press_icoca_mugendaipass_1.pdf)より引用)

・関西主要駅での対象店舗で割引等のクーポンを合計8回まで利用可能

【発売期間】
2025年2月14日(金)〜3月12日(水)
(枚数限定、上限に達した場合には発売期間にかかわらず発売終了。)

【利用期間】
2025年2月15日(土)〜4月10日(木)のうち連続する30日間

【価格】
おとな50,240円
(※)こども用の設定は無し

【購入方法】
「KANSAI MaaS」アプリでのみ発売

【利用方法】
●事前に以下の準備が必要。
・利用するICOCA番号を「KANSAI MaaS」アプリへ登録
・利用開始前にJR西日本の券売機等でWESTERポイント(チャージ専用)サービス利用登録を完了
・利用開始日に「KANSAI MaaS」アプリ内で購入済みの「JR西日本無限大パス利用開始券」の「チケットを使う」ボタンを押下
●JR線を利用の際には、登録済みのICOCAに事前にチャージし、自動改札機等を通過する。
利用者が運賃を一時的に立て替え
利用月の翌月末に、自由周遊区間内をICOCAで利用した運賃相当分をWESTERポイント(チャージ専用)で全額還元

【その他留意事項】
自由周遊区間外にまたがって利用した場合(JR四国、ハピラインふくい区間等)は全乗車区間がWESTERポイント付与対象外
他社エリアとまたがって乗車する場合は、境界駅(児島、敦賀等)で降車した上で、再度乗車が必要
利用区間は1回あたり200kmまで(一部例外除く)。超えそうな場合は途中駅で一度改札を出て、再度入場が必要。


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



関西地区の鉄道事業者が提供するMaaSアプリ「KANSAI MaaS」などを介して乗り放題チケットを購入し、実際利用する際には利用者が一時的に運賃を立て替え、後日ポイントで還元する「ICOCAでGO」という名称の商品が、少しずつ増えているように感じます。

実際、昨年夏には、和歌山方面では「ICOCAでGO 和歌山満喫わくわくパス」が、兵庫方面へは「(ICOCAでGO)ひょうご夏の体験デジタルパス」が発売されました。
(参考)



今回発表された「ICOCAでGO」商品は、なんと「30日間・JR西日本ICOCAエリア乗り放題」という、文字通り「無限大」な乗り放題パスとなっています。

50,240円で、30日間乗り放題ですので、1日当たり1,675円(50,240円÷30日)。
単純計算で840円以上の区間(電車特定区間:51km以上、幹線:46km以上)を往復すると元が取れる、という計算になります。

ただこの「無限大パス」、購入時に50,240円をクレジットカードで支払う上に、パス利用時の運賃はICOCAのチャージ残高から利用者が一時的に立て替える必要があります。
加えて、利用月の翌月末にポイントで還元されることとなっていますので、これらを併せますと、
・一時的に10万円以上の手元資金(あるいはクレジットカードの与信枠)が確保できる
・パス利用終了後も、5万円以上ICOCA(乗車あるいは電子マネー)で利用する予定がある

と、最終的にはお得になるとはいえ、利用時の資金繰りや利用後のICOCA利用の目途が無いと、なかなか手出ししにくいきっぷともいえます。

そもそも、30日間乗り放題とはいえ、それは普通列車(新快速等含む)に限った話で、別途特急券を購入すれば在来線特急列車が利用可能とはいえ、運賃相当で5万円分を乗ろうと思えば、これまたそれ相応の特急料金も必要となってきます。
加えて、新幹線は利用不可であるため、新幹線のスピードを活かして距離を稼ぐ、という使い方もできません。

これらのことを考えてみると、果たしてこの「無限大パス」、どんな利用者を想定しているのか、が見えてこないところがあります。
考えられるとすれば、発売時期が春休みと重なることから、時間にゆとりのある大学生が一つのターゲットになるかも知れません。

ただ大学生がターゲットだとしても。「一時的に10万円程度が必要」という資金的な負担の重さはネックになりそうな感じです。
そうなると、この「30日間乗り放題」を活かしきる使い方ができるのは、果たしてどんな属性の利用者なのか、謎に思うところです。

もっとも「使い方は買った人が考える」趣旨のきっぷ、とネタ的な要素の大きいきっぷなのかも知れませんが、これまでに見たことのない規模の乗り放題きっぷなだけに、実際の利用者がどんな人達なのか、また今後も発売されることがあるのか、という点も気になったニュースでありました。

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▲阪和線・山中渓駅に停車する225系普通列車。
今回の「無制限パス」は、桜の咲く時期も利用期間に入るため、各地の桜を見にいく旅行にも利用できるものと考えられます。
ただ、桜を見にいくだけで、運賃が5万円以上の区間を乗ることができるのか、と言われると難しい点もあるかと思いますので、果たしてどんな人がこの「無限大パス」を利用するのか、気になるところであります。

大和路線・快速「うれしート」に乗車する(2025.2.10)座りたいニーズに柔軟に対応できている一方、課題も感じたり…

JR西日本で提供されている、有料座席サービス「うれしート」。
221系などの転換クロスシート車の座席を活用し、ラッシュ時間帯等に一部指定席とするものです。

指定席に充当する際は、乗車口や通路に「のれん」を設けるだけという手軽さもあって、サービス開始2023年10月のサービス開始以降、設定路線は増え続け、来月のダイヤ改正でもさらなる拡大が予定されています。
(参考)






私が通常利用する阪和線には「うれしート」が設定されていない上に、他の設定路線でも、主に朝夕の通勤時間帯の設定となりますので、なかなか乗車する機会が無かった「うれしート」。

今回、平日の夕方に大阪市内に居るというタイミングがあったので、これはいい機会とばかりに、天王寺18時10分発の快速奈良行き(列車番号:408K)の「うれしート」に乗車してみることにしました。

18時10分発の快速「うれしート」設定列車は、6両編成で、最後尾6号車の後ろ寄りが「うれしート」となります。
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▲天王寺駅の発車案内。
「△8うれしートあり」の表記がありますが、やはり小さいか…

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乗車位置には「うれしート」のステッカーが貼られています。

18時10分発の快速列車が到着しました。

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▲乗車口には「うれしート」の「のれん」が掛けられており、何も知らない乗客でも「ここから乗るためには別途料金が必要」ということが分かるようになっています。
しかもこの「のれん」、丁度成人の目の高さくらいの位置に掲げられているので、嫌でも「特別な車両」であることが分かるようになっています。

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>ご覧のとおり、「うれしート」区画はゆったりと着席できる一方、「のれん」の先の自由席の区画は立ち客が多数となっており、混雑したエリアから隔離できる、という意味でも、300円(「うれしート」チケットレス料金)を支払う価値はあると感じました。

この列車の「うれしート」は、窓側が全て埋まるほどの乗車率で天王寺を発車しました。
既に一定の利用は定着しているようで、私の他は男女問わず通勤客が帰宅時に利用しているように見受けられました。


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▲「うれしート」のれん。
丁度目の高さにこの「のれん」がありますので、普通の利用者なら何かしらの違いに気づくはずです。

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▲「うれしート」ステッカー

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▲「優先座席」に「うれしート」が設定されている場合は、優先座席の設定は無くなります。

今回は、試乗がメインのため、早速ですが次の久宝寺で下車します。
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▲久宝寺発車時の「うれしート」車両を外から見た状況。

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▲「うれしート」チケットレス指定券。

「チケットレス」という名前が付いているもの、このように発券することも可能となっていますので、乗車記念に手元に残しておくことにしました。
ご覧のとおり、「指のみ券」と指定券の2枚セットとなっています。



以上が、はじめての「うれしート」の乗車記録であります。
ところで上述のとおり、「うれしート」は線区に限らず(※)列車最後尾に設定されています。
(※)2025年3月に導入される嵯峨野線では、列車の進行方向に関わらず、園部方に設定されることとなっています。

そのため、今回の大和路線奈良方面のの列車の場合、天王寺駅の構造上、最も利用者が多いと考えられる「中央口改札」の階段に最も近い位置に「うれしート」専用乗車口が来ることになってしまいます。
(参考)
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▲天王寺駅構内図(JRおでかけネット(https://www.jr-odekake.net/eki/premises?id=0620831)より引用、赤枠は管理人による。)
赤枠部分で強調しているように、「中央口改札」に近い階段が、奈良方面に向かって最後尾(「うれしート」設定時の専用乗車口)となります。


そのため、「うれしート」と知らずに乗った乗客は、車掌の案内で前方の自由席エリアに動いていくわけですが、そこはラッシュ時間帯であることに加え、短い6両編成でもあることが災いし、大混雑の自由席エリアに移らずに、「うれしート」エリアに立ち続けるお客さんもいました。

私が乗車した際には、担当車掌が、直接肉声で何度か自由席エリアへの移動を促しましたが、混雑で入れないことから最後まで動くことの無いままの乗客が、結局数名残ることとなりました。
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▲久宝寺駅到着直前の「うれしート」エリアから自由席エリアを見てみます。
立ったまま、自由席エリアに入れない乗客が数名いました。

グリーン車と違い、指定席車の場合は指定券が無い場合にその区画から排除する直接的な規程は無いように認識しています。
しかしやはり、「有料エリア」と銘打っているのであれば、混雑していたとしてもきっちり対応して欲しい、という意見も出てくるのでは、と疑問にも思いました。



それならば、JR西日本の公式案内で、「うれしート」の通路部分はどのような取り扱いになっているのか、改めて見てみたいと思います。
(参考)
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「快速 うれしート」の通路エリアは誰でも利用できますか。 – 西日本旅客鉄道株式会社より引用)

「通路部(指定席エリア内)での立席乗車はできません。」と記されているとおり、立席乗車はできないことになっています。

これをこのまま解釈すれば、「うれしート」指定席券を持っていない乗客は自由席エリアに移動しなければならない、ということになります。
一方、指定席券があくまで座席の確保に対する対価で、当該区画に居続けることまで排除していない、という解釈もあり得ます。

ただ、上記の公式Webサイトの記述、そして下記の天王寺駅での案内表示などを併せて考えてみますと、実際の運用上としては、「うれしート区画の通路部分には、指定席券がなければ入れない」と解釈すべきところと感じました。
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▲天王寺駅15番・16番のりばに掲出されている「うれしート」案内。
「うれしート設定列車は最後部車両一部エリアがデッキを含め「有料エリア」となります」と記されていますので、出入口付近に立っている場合でも、指定席券を別途購入する必要がある、と解釈できます。

なお、この「うれしート」は、車掌が発券端末を所持していないからなのか、車内で指定券を購入することはできない模様です。



下記記事でご紹介したように、来月のダイヤ改正で「うれしート」設定路線・列車が更に拡大することとなっています。
(参考)

特に奈良線(京都〜奈良)では、全ての快速列車(みやこ路快速、快速、区間快速)に「うれしート」が設定されることとなります。

一方、奈良線の京都駅ホームは多くが行き止まり式となっていることから、奈良行き列車の京都寄り(最後尾)は特に混雑する場所となっていることと考えられます。
(参考)
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▲京都駅構内図(京都駅|構内図:JRおでかけネットより引用、赤枠は管理人による。)
奈良線が発着する8〜10番のりば(赤枠部分)は、行き止まり式ホームとなっており、京都行き先頭車・奈良行き最後尾に乗客が集中することが考えられます。
奈良行きの場合、最後尾が「うれしート」設定区画となっているため、指定席券を有しない乗客が「うれしート」区画に入ってくることが多く出てくることが想定されます。

いわば、今回の天王寺駅と似たような、
「指定席を持たない乗客がうれしートに乗ってくる」

「一般席区間に誘導するも混雑のため移動できない」

「指定席を持っていない乗客がうれしート区画に居座ることになる」
という展開が想定されます。
こうなると、うれしート利用者だけでなく、車掌の案内に従って移動した一般客からも、不満が出てくることが大いに考えられます。

「うれしート」自体は柔軟性の高いサービスでありますが、一方でこのような問題も顕在化していることから、安定した運用を目指すのであれば、案内どおり料金を支払った利用者だけが、「うれしート」エリアを利用できるよう、公平線の観点からの改善していく必要だと感じました。



もっとも、今回の天王寺18時10分の快速(402K列車)は、他より短い6両編成である上に、そのうちの1両が女性専用車となっているため、元来混雑が激しいと考えられる列車で、そこに更に「うれしート」の設定が加わるのであれば、一般席区間が激しい混雑になることは、目に見えているともいえるでしょう。

実際402Kの次に「うれしート」設定のある、天王寺19時10分発の快速(列車番号420K)は、8両編成であることに加え、混雑が収まっている時間帯であることから、上述のような混乱は見受けられませんでした。

そんなことも考えると、「うれしート」が円滑に運用されるためには、設定列車の選定も肝要ではないか、とも感じました。



最後は苦言めいたことを色々書いてしまいました。

ただ、快速列車停車駅から手軽に使える有料座席サービス「うれしート」は、通勤・通学客だけでなく、子供連れや荷物が多い利用者、体調が芳しくないケースなど、本当に様々なケースに対応できる着席サービスだと感じています。

そのため、個人的にはニーズのある線区には更に広がって欲しいと思っていますし、「のれん」だけで手軽に設定できる柔軟性は、他の有料座席サービスでは実現しがたい、利用者のニーズにきめ細やかに対応できるのではないかと考えてもいますので、その将来性は高いものと感じています。

それだけに、指定席料金を支払った利用者が満足して繰り返し利用できるよう、サービスの円滑な提供を目指して今後も改善を図っていって欲しいな、と感じた次第でありました。

【JR西日本】「サンダーバード」琵琶湖線への迂回遅延時にWESTERポイント付与(2025.2.10〜3.9)

JR西日本では、東京海上日動火災保険(株)と共同で、J-WESTカード会員を対象に、特急「サンダーバード」の琵琶湖線迂回時に遅延が生じた際に、WESTERポイントを付与する実証実験を実施することを発表しました。

WESTERポイントを活用した実証実験 J-WESTカード会員限定サンダーバード迂回遅延を対象とした 付帯サービスの提供について:JR西日本

概要は以下のとおりです。
【対象者】
J-WESTカード会員

【提供期間】
2025年2月10日(月)〜3月9日(日)(利用日基準)

【適用となる要因】
部外要因または災害要因に起因した迂回運転に伴う遅延
(迂回運転は、琵琶湖線へ経路を変更して運転すること)

【対象遅延時間】
15分以上120分未満

【対象商品】
・eチケットレス特急券
・e北陸乗継チケットレス(J-WESTカード会員専用)
但し、チケットレス乗車した場合に限る

【付与ポイント数】
WESTERポイント(基本)500ポイント
(但し、特急券の金額が500円に満たない場合は、金額分のポイント数を上限)
(※)WESTERポイント(基本)の付与は、乗車日の翌月末頃を予定

詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



冬の季節を中心に、湖西線の強風の影響により、特急「サンダーバード」が湖西線から琵琶湖線へ迂回運転することがあります。

この場合、数十分単位で到着時刻の遅れが生じることとなるのですが、今回この迂回による遅れが発生した際に、WESTERポイントで一部還元する、というものです。

元々、120分(2時間)以上の遅れが発生した場合は、特急料金が全額払いもどしになる制度は存在しているのですが、今回のポイント還元は、この払い戻しの条件に達しない、15分以上120分未満の遅れであっても、ポイントを付与するというもので、これまでに聞いたことがありません。

もっとも、迂回運転による遅れをなくすのであれば、現在敦賀駅で止まっている北陸新幹線を新大阪まで一刻も早く延伸させるべきでしょうが、新幹線の建設・開業には時間がかかることから、こういった付帯サービス提供等も行うことで、迂回での遅延により乗客が感じるストレスを少しでも低減させるしかないのかな、とも感じました。


ともあれ、冬の季節だけに実際に迂回運転も実施されることも想定されますが、今回の還元サービスが実際に実施されることとなるのか否か、注目しておきたいと思います。

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▲大阪駅に到着した特急「サンダーバード」。
冬から春にかけての1ヶ月限定ですが、自然災害等で琵琶湖線へ遅延した際に、チケットレス特急券の場合に一部ポイントが付与されることとなります。

【JR西日本】「大阪発ええとこ発見きっぷ」発売。「二人版サイコロきっぷ」のようなもので、行先は「湯浅」「東舞鶴」「播州赤穂」など5駅が設定

JR西日本では、2人の相性診断と確率で目的地が決まる企画きっぷ「大阪発ええとこ発見きっぷ」を発売することを発表しました。

2人の相性で旅が決まる!?「大阪発ええとこ発見きっぷ」を発売します!:JR西日本

概要は以下のとおりです。

【価格】
おとな2名6,000円(1名3,000円)

【目的地】
児島(岡山)、播州赤穂(姫路)、湯浅(和歌山)、東舞鶴(西舞鶴)、敦賀
(カッコ内は途中下車可能な駅)
目的地の確率は、いずれも1/5

【購入・利用期間】
・エントリー期間:
2025年1月28日(火)〜2月28日(金)
・発売期間:
2025年1月28日(火)〜3月8日(土)
・利用期間:
2025年1月31日(金)〜3月9日(日)の連続2日間

【エントリー方法】
WESTER会員登録、WESTERアプリのダウンロードが必要


【商品イメージ】
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(上記発表資料(https://www.westjr.co.jp/press/article/2025/01/page_27149.html)より引用)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



JR西日本では、2022年7月より、さいころの出た目で目的地が決まる「サイコロきっぷ」という企画きっぷを発売してきています。
この「サイコロきっぷ」、サイコロの出た目で目的地が決まってしまう、というゲーム性もあってか、毎回人気を博しており、昨年9月から発売された「サイコロきっぷ」では、抽選25,000組限定となるほどの人気を誇るベストセラーきっぷとなっています。
(参考)
この秋のサイコロきっぷは抽選で!2.5万組限定!! 「大阪発サイコロきっぷ」の発売について:JR西日本


今回の「大阪発ええとこ発見きっぷ」は、そういった「サイコロきっぷ」のエッセンスを取り入れ、2名限定でかつ、互いの誕生日から得られる相性診断等により、行先が決定されるという、これまたゲーム性のあるきっぷとなっています。

用意されている行先は「児島」「播州赤穂」「湯浅」「東舞鶴」「敦賀」の5箇所で、いずれも地域資源が豊富な観光地であり、何かの機会に一度行ってみると二度三度、生きたくなるような魅力を有しています。

そんなところへ往復3,000円で行くきっかけを提案するこのきっぷ、対象は主に若者のカップルなどを想定しているようですが、「サイコロきっぷ」に続くコンテンツになればいいな、と思ったりしています。

個人的には、目的地の中に和歌山県の「湯浅」が入っているのが注目点と感じています。
湯浅醤油発祥の地であり、歴史的な街並みが保存されているうえに、旧駅舎を活用したカフェも営業しているなど、大阪からの日帰りに旅行にはちょうど良い目的地であります。
この「ええとこ発見きっぷ」」で湯浅が目的地となった方々には、是非この街並みを楽しんでいただければいいな、と感じたニュースでした。
(参考)


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▲JR湯浅駅駅舎。
現在の駅舎は2020年に開業しましたが、それまで使用されていた旧駅舎にはカフェが入った地域交流スペースとなっています。



【JR西日本グループ】串本町から小型ロケットを発射する「スペースワン」と資本業務提携を締結。紀勢線・新宮〜白浜間の活性化にも期待

JR西日本のグループ会社である「株式会社JR西日本イノベーションズ」は、小型人工衛星打上げに特化した宇宙輸送サービスの実現に取り組む「スペースワン株式会社」に出資し、資本業務提携を行ったことを発表しました。

スペースワン株式会社との資本業務提携について 宇宙輸送サービスを通じた、JR西日本グループとの新たな価値創造を目指します :JR西日本

概要は以下のとおりです。

【背景】
・JR西日本グループは、「私たちの志」と「長期ビジョン 2032」を掲げ、その実現に向けて、様々なパートナーと共に新たな挑戦を続け、イノベーションを推進している。
・また、スペースワンは、和歌山県串本町に位置する専用のロケット打上げ射場「スペースポート紀伊」から、2020年代中に年間20機、2030年代に30機の小型ロケット「カイロス」を打上げる宇宙輸送サービスの実現を目指している

【効果】
・今回の提携では、宇宙輸送サービスが地域の内外にもたらす価値を創出・共有し、地域課題の解決に貢献するとともに、JR 西日本グループの多様な事業との協業を推進し、新たな価値創造を目指す。


詳細は、上記発表資料をご覧ください。



和歌山県串本町では、「スペースワン」社がロケット発射場を建設し、小型ロケットの打ち上げに取り組んでいます。

これまで二機のロケットを発射しましたが、一機目は打ち上げ直後に自立破壊による爆発で失敗、二度目は最初の打ち上げは順調に進んだものの、その後のミッション達成困難と判断されたことから、こちらも失敗となりました。


同社では今後、原因を究明し三度目の発射に挑戦しているところで、今度は無事に成功を願いたいところですが、一方でこの小型ロケットについては需要も大きく、打ち上げ成功による今後の産業の発展に期待も寄せられています。

一方、発射場のある串本町には、JR西日本・紀勢本線(きのくに線)が走っており、発射場への見学客輸送において、臨時列車を運行するなどの協力体制が構築されているのは、このブログでも打ち上げの度にご紹介してきたところです。
(参考)


JR西日本にとってしても、今後のきのくに線の利用促進にも繋がるこのスペースワン社のロケットですが、今回JR西日本のグループ会社とスペースワン社が資本業務提携を行うこととなり、その繋がりはより強固なものになることが期待できます。

当座は、ロケットの着実な打ち上げをサポートする資金面の支援が中心となりそうですが、順調に打ち上げが進めば、人口減少が進む和歌山県南部・紀南地方の地域活性化、そして利用者の減少に苦しむJR紀勢本線・新宮〜白浜間の利用促進にもつながっていくのではないかと思います。

下記の紀伊民報の記事によりますと、地元・和歌山県の岸本知事は、小型ロケットの打ち上げについて、「2030年代に年間30回打ち上げられることを念頭に、紀南に組立工場を誘致したい」とした一方、「人材確保に課題があるとして『紀南に工業高校をつくる。1学年40人くらいからスタートし、全寮制にして全国から呼ぶ』という構想」を示しています。
(カッコ内は下記記事より引用)
(参考)
紀南に全寮制工業高校を 宇宙産業の人材を育成、和歌山県知事:紀伊民報AGARA|和歌山県のニュースサイト

今後、ロケット関連産業の集積が進めば、人口減少に苦しむ紀南地方の自治体にとっては、一筋では済まないくらいの明るさの光明となることから、是非とも産業や住民の集積に期待したいところであります。
加えて、その集積により紀勢本線・新宮〜白浜間の利用が増えることで、本線区が持続していくことになれば、鉄道ファンにとっても喜ばしいことといえます。

今回の資本業務提携が、その第一歩となることに期待し、今後も引き続き注目していきたいと思ったニュースでありました。

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▲特急「くろしお」カイロス号。
289系「くろしお」の先頭車に、発射場地元の串本町及び那智勝浦町の「カイロス」のロゴがラッピングされています。
今回の資本業務提携により、JR西日本グループとスペースワンとの連携がより強固になることが見込まれ、その連携が紀勢線・新宮〜白浜間の利用促進に繋がることが期待できます。

【JR西日本】奈良線・京都〜奈良間に特急「いにしへ」運行を発表。「まほろば」は1往復増発

JR西日本では本日、今年春の臨時列車運行概要を発表しました。
2025年【 春 】の臨時列車の運転について 【 2025年3月1日(土)〜 2025年6月30日(月):122日間 】 :JR西日本

この中で、奈良方面への観光客向けの臨時列車として、特急「いにしへ」(京都〜奈良)及び「まほろば91号・92号」(大阪・新大阪〜奈良)を運行することを発表しました。

概要は以下の通りです。

【特急「いにしへ」】
・運転時刻:
京都9:41発⇒宇治9:57着⇒奈良10:36着
奈良16:14発⇒宇治16:45着⇒京都17:03着


・運転日:
4月19日(土)、4月20日(日)、5月17日(土)、5月18日(日)

・使用車両:
289系3両編成(全車指定席)

・その他
運行当日は、車内での記念乗車証配布をはじめとしたおもてなしを実施

【特急「まほろば」】
・運転時刻:
(大阪→奈良方面)
<まほろば>大阪9:58発⇒新大阪10:04⇒奈良10:57着
<まほろば92号>大阪14:15発⇒新大阪14:21⇒奈良15:12着(※臨時列車)
(奈良→大阪方面)
<まほろば91号>奈良12:21発⇒新大阪13:10着⇒大阪13:15着(※臨時列車)
<まほろば>奈良16:21発⇒新大阪17:10着⇒大阪17:15着

・臨時列車「まほろば91号・92号」運転日:
3月15日(土)〜10月13日(月・祝)の土休日

・使用車両:
3月30日まで・・・287系3両編成
4月5日以降・・・683系3両 リニューアル車両

詳細は、上記発表資料をご覧ください。




冒頭で述べたように、本日JR西日本をはじめとしたJRグループの春の臨時列車が発表されました。
この中で特に目を惹くのは、奈良方面への特急列車の充実ぶりでしょうか。

既に下記参考記事でご紹介したように、特急「まほろば」についてはリニューアルした専用車両が投入されることが発表されています。
(参考)


今回の臨時列車発表では、「まほろば」を1往復追加運転することに加え、新たに奈良線(京都〜奈良)に特急「いにしへ」を運行することが発表されました。

JR奈良線に特急列車が運行されるのは、かつて京都〜奈良〜(阪和貨物線)〜和歌山〜白浜を結んだ臨時特急列車「ふれ愛紀州路」「しらはま」以来、実に35年ぶりで、発表直後から早速大きな話題となっています。

今回の発表では、4月・5月の計4日間のみの運転となりますが、訪日外国人旅行者や大阪・関西万博のついでに関西旅行を楽しまれる方にとっては、新たな着席サービスでもあることから、どの程度の利用が付くか楽しみとも思えます。


一方、大阪・新大阪〜奈良の「まほろば」についても、先の発表で定期化されたのみならず、今回の発表では1往復臨時列車として増発されることとなりました。
長らく大阪・新大阪発が午前、奈良発が夕方の1往復、という運行体系が維持されてきましたが、今回初めて増発されることとなりました。
それほどまでに「まほろば」が定着してきたのか、と思うと感慨深いものがありますし、同時に専用車両が投入されるのも納得にも感じました。


先月発表された今年3月のダイヤ改正では、奈良線の快速列車全列車に「うれしート」が設定されることとなっています。
(参考)


かように、この春は奈良に向かう特急・快速列車の有料着席サービスの話題で持ちきりですので、実際にこれらの列車に乗車してみて、その様子をご紹介できればいいな、と感じたニュースでありました。

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▲特急「くろしお」で多客期の増結に使用される289系3両編成(先頭からの3両)
今回、奈良線の特急「いにしへ」に充当されることとなりました。




【関連ブログ】
奈良線に35年ぶりの特急「いにしへ」爆誕 | 鉄道プレス

【JR西日本】「WEST EXPRESS 銀河」今年の「紀南コース」は8月〜10月で運行

JR西日本では、2025年大阪・関西万博の開催で、万博訪問をきっかけに万博エリア外への周遊もプラスするための「プラスワントリップ」の専用サイトを開設するとともに、観光列車「はなあかり」「WEST EXPRESS 銀河」の運行予定を発表しました。

せっかく万博に行くなら万博に「+1(ワン)」を添えてみませんか!? 〜 プラスワントリップ専用サイトを開設します! 〜 :JR西日本

概要は以下のとおりです。

【特急・観光列車の運行予定】
●「はなあかり」
2025年4月〜6月:
大阪〜倉敷・福山・尾道

2025年7月〜9月:
大阪〜敦賀

●「WEST EXPRESS 銀河」
2025年3月〜5月:
山陰コース(京都〜出雲市)

2025年6月〜8月:
山陽コース(京都〜下関)

2025年8月〜10月:
紀南コース(京都〜新宮)


【イメージ】
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(上記発表資料(https://www.westjr.co.jp/press/article/items/250115_00_press_plusonetrip_1.pdf)より引用)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



2021年7月から、毎シーズン運転されてきた「WEST EXPRESS 銀河」紀南コース。

すっかりお馴染みとなったこの紀南コース、今年の運行予定が気になるところですが、大阪・関西万博が開催される2025年は、より多くの方々が大阪に来られることから、これら来場者の周遊促進という観点で、今回秋頃までの運転計画が一気に発表されました。

「紀南コース」の運行予定は8月から10月と、万博開催機関の終盤となっています。
万博の来場者数の動向として、後半になればなるほど来場者が増えるようですので、そういった多くの方々が、紀南方面へ少しでも多く、特急「くろしお」を含むJRきのくに線を利用して訪問していただければ、嬉しい限りです。


一方、「はなあかり」については、4月〜6月は尾道へ、7月〜9月は敦賀へ運行されます。
特に「敦賀」は、「はなあかり」デビュー時以来の設定となりますが、今回は逆に敦賀が目的地となることから、万博来場と北陸新幹線、そして「はなあかり」をセットとして、首都圏からの誘客を目指しているようにも感じました。

「はなあかり」については、キハ189系気動車であることから、非電化区間でも運行できる機動性が強みと思われます。
今後、これまでに無いルートの開拓もあり得ることから、今後も興味を持って情報をご紹介できればと思っています。

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▲和歌山駅に停車中の「WEST EXPRESS 銀河」。
今年の紀南コースは、8月〜10月に運行されることが発表されました。

【JR西日本】名古屋〜伊賀上野間で実証列車運行(2025.2.16・22)JR東海キハ75形が19年ぶりに伊賀上野へ

関西本線の亀山〜加茂間の活性化利用促進に取り組んでいる「関西本線活性化利用促進三重県会議」では、同線沿線地域外からの観光を目的とした移動の潜在需要の取り組みに関する検証を行うため、名古屋と伊賀上野を乗り換えなしで結ぶ「実証列車」の運行を決定したことを発表しました。

大都市と沿線地域(名古屋駅−伊賀上野駅間)を結ぶ実証列車を運行します:JR西日本

概要は以下のとおりです。

【運転日】
2025年2月16日(日)、22日(土)
両日ともに1往復運行

【ダイヤ】
名古屋8:51発⇒関10:09着⇒伊賀上野10:45着
伊賀上野15:34発⇒関16:18発⇒名古屋17:44着

【使用車両】
キハ75形 2両編成(JR東海所属)

【旅行商品】
・A.フリープラン:
名古屋〜伊賀上野:7,900円、名古屋〜関:7,600円
・B.ガイドが案内する関宿歴史刊行プラン:
8,400円
・C.伊賀牛グルメ満喫プラン:
19,800円
・D.伊賀鉄道車庫見学プラン:
13,800円

【旅行商品の販売期間】
第1次(抽選):
1月10日(金)13時〜1月16日(木)17時
(1月17日当選発表)
第2次(先着順):
1月22日(水)15時〜2月3日(月)17時
(第1次申込の抽選後に空席が生じたプランの残席を受付)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



JR西日本の関西本線・亀山〜加茂間は、現在キハ120形が運行するローカル線ですが、かつては名古屋から大阪方面への在来線ルートの一つとして優等列車が運行されていました。

民営化後も、急行「かすが」として名古屋〜奈良間で運行されていたこの区間の優等列車も、2006年3月のダイヤ改正で廃止となりました。
(参考)


一方、この区間では従前より少なかった利用者が更に減少しており、2023年度の平均通過人員(輸送密度)は942人/日と、大量輸送としう鉄道としての特性が十分に発揮できていない状況にあります。

これを受けて沿線地元の自治体を中心に「関西本線活性化利用促進三重県会議」という会議を設置し、線区の活性化や利用促進に取り組んでいます。

今回この利用促進会議が、沿線地域外の大都市からの潜在需要の取り込みについての検証を行うことを目的に、名古屋と伊賀上野を結ぶ直通列車の運行を実施することとなりました。

この直通列車に充当される車両は、何とJR東海のキハ75形であります。
かつて、急行「かすが」として運用されていたキハ75形が19年ぶりに亀山以西の関西本線に再び足を踏み入れることとなります。

団体列車としての運行ですので、乗車にはツアーの参加が必要となり、往復のみのプランの他、関や伊賀上野で観光等が楽しめるプランが用意されています。
鉄道ファン向けには特に、伊賀鉄道の車庫が見学できるプランも用意されており、今となっては貴重な、名古屋〜伊賀上野の直通乗車と併せて楽しむことができるのではないのでしょうか。

久々にJR西日本エリアの線区に踏み入れるキハ75形。
ダイヤも公開されていることから、運行当日は多くのファンが沿線に集まるのではないかと思われますが、あくまで運行の目的は「利用促進に向けての潜在需要取り込み」。
この直通列車以外の列車の利用も増えるよう、現地の見学には関西本線の列車を利用する等、ファンとしても沿線地域の取り組みへの応援を、「行動」という形で示していきたいところですね。

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▲鳥羽駅に停車中のJR東海キハ75形。
現在は専ら快速「みえ」に充当されていますが、今回団体臨時列車としてJR西日本エリアに久々に乗り入れることとなります。


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▲伊賀鉄道の車庫(2014年伊賀鉄道まつりで撮影)
今回の団体列車のプランには、こちらの車庫見学プランも用意されています。

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