阪和線の沿線から

阪和線沿線に住まう管理人による、鉄道やバスなどのブログ。

JR西日本

【JR西日本】関西広域のJR線が乗り放題な「JR西日本QR2dayパス」発売(2025.9.6〜利用開始)

JR西日本では、JR線のQR乗車が可能な全エリア乗り放題となる自由な周遊券「JR西日本QR2dayパス」の発売を開始しました。

関西広域の JR 線が乗り放題なパス「JR 西日本 QR2day パス」が登場!〜2 日間で関西旅行を満喫しよう!〜:JR西日本
JR西日本QR2dayパス|チケット詳細 | KANSAI MaaS

概要は以下のとおりです。
【発売期間】
2025年9月5日(金)〜2026年3月30日(月)
(利用日の1ヶ月前の午前10時から発売)

【利用期間】
2025年9月6日(土)〜2026年3月31日(火)

【有効期間】
2日間

【自由周遊区間】
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【価格】
大人4,000円、小児2,000円

【発売場所】
「KANSAI MaaS」(アプリまたはWeb)で発売
https://www.kansai-maas.jp/lp/

【利用方法】
「KANSAI MaaS」のチケット画面から乗車券の「QRコード」を表示させ、QRコード対応伊野改札にかざして乗車

詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



JR西日本では、今年1月より順次QRチケットサービスを開始しており、京阪神を中心とするエリアでは既にQRコード対応の自動改札も整備されてきています。
(参考)


かつて、JR西日本では、同社の近畿エリアに加え、京阪電鉄、南海電鉄等の連携各社にも乗車できる「関西1デイパス」というきっぷを発売していました。
(参考)


しかしコロナ禍を経て、「関西1デイパス」の発売は行われなくなり、近畿エリアを広汎にフリー乗車できるきっぷの設定が無かったように思えただけに、今回の「QR2dayパス」は、当時の「関西1デイパス」以来のフリーきっぷの再来、とも思えました。

とはいえ、今回発売される「QR2dayパス」は、「そもそも2日間有効」「JR西日本のみ利用可能で連携各社は利用不可」「フリーエリアはQRコード対応エリア」のみと、条件が厳しくなっているのは確かですが、それでも二日間乗り降り自由なフリーパスですと、例えば土日連日大阪市内に出かける遠方(和歌山、姫路、滋賀等)の方々にとっては、利用価値のあるきっぷにも感じました。

私の最寄り駅から大阪駅までは1,000円弱の運賃なので、大阪駅から更にどこか立ち寄るように二日間連続で利用するだけで、このきっぷの元が取れる計算となります。

連続利用、というのに少々ハードルがありそうですが、折角なので実際にりようしてみよう、とも感じたニュースでありました。

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▲私の最寄り駅(和泉鳥取駅)にも、このようにQRコード対応の改札口が設置されました。
私の記憶の限りでは、和泉鳥取駅でQR利用が可能となるのは、今回の「QR2dayパス」が初めてではないかと思われます。
今後、QRのエリアが増えると、「QR2dayパス」のエリアが拡大されることに期待が持てますし、何より他の事業者と連携した「関西1デイパス」の復活も同時に期待できそうですので、是非利用していきたいと思います。




鉄道コム関連記事】
関西エリアのJR線が2日間乗り放題! 「JR西日本QR2dayパス」期間限定で発売 - 鉄道コム



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【JR西日本】特急「くろしお」60周年記念ラッピング第2弾をみる(2025.8.30、山中渓駅)

JR西日本では、今年3月に特急「くろしお」が運行開始60周年を迎えたことを記念して、今年7月から「60周年記念ラッピング」編成を運行していますが、本日より、この「第2弾」の運行が始まりました。
(参考)


この第2弾編成は、かつての381系末期を彷彿とさせるオーシャングリーンを基調としたデザインと、かつての「くろしお」ヘッドマークを復活させたものとなっています。

例によって、JR西日本「パンダくろしお」運行スケジュールのX(Twitter)アカウントでこの第2弾編成の運行予定もアップされていました。
(参考)

これを参考にし、特急「くろしお3号」に充当される「第2弾」編成を、前回「第1弾」編成と同様、山中渓駅で撮影してみました。

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今回の編成では、特に先頭部の「ヘッドマーク」と「波のイメージ」が特徴的でしたので、そこが分かるように、列車を引きつけて撮影してみました。

同時に動画も撮影してみました。


この「第2弾」の運行予定は、2028年11月頃までと、しばらく期間があるようですので、阪和線やきのくに線の色々な区間で撮影できればいいな、と思っています。

【JR西日本】特急「くろしお」60周年記念ラッピング列車第2弾運行(2025.8.30〜)オーシャングリーンを基調としたデザインの編成が追加投入

JR西日本では、今年3月に特急「くろしお」が運行開始60周年記念を迎えたことを記念して、今年7月から運行している「60周年記念ラッピング」の第1弾に続き、第2弾の運行を開始することを発表しました。

特急くろしお60周年記念 ラッピング列車第2弾の運行&謎解きイベントを実施します!:JR西日本

概要は以下のとおりです。

【運行期間】
2025年8月30日(土)〜2028年11月頃(予定)

【運行区間】
新大阪〜新宮間

【対象列車】
287系(6両1編成)
(※)1号車と6号車にラッピングを実施

【デザイン】
1978年から2015年まで運行していた特急「くろしお」号のヘッドマークと、オーシャングリーンを基調とした波のイメージをデザイン。

【イメージ】
2025082306-22-271
(上記発表資料(https://www.westjr.co.jp/press/article/items/250821_00_press_kuroshio60th.pdf)より引用)

詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



今年3月に運行開始60周年を迎えた、特急「くろしお」。
その「還暦」を迎えた記念ということで、今年7月から、かつての381系「スーパーくろしお」をイメージしたラッピング編成が運行開始したのは、このブログでもご紹介しました。
(参考)


今回、その第2弾として、「くろしお」ヘッドマークに加え、オーシャングリーンを基調としたカラーをまとったラッピング編成が運行されることとなりました。

このカラーは、2015年まで運行されていた381系車両の末期のカラーであるので、見覚えのある方も多いのではないのでしょうか。
かく言う当ブログでも、ヘッダー画像に採用している381系のカラーが、当該塗色となっています。
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▲2015年8月に紀伊中ノ島駅で撮影した381系「くろしお」。
今回このカラーを基調とした塗色が、287系で復元されます。

また今回のラッピングでは、側面先端部似波をイメージしたデザインを追加という、新しい要素も取り入れられています。

今回の「第2弾」ラッピング編成投入により、287系6両編成でみますと、既に運行されている「パンダくろしお」3編成、「ロケットカイロス号」、「60周年記念第1弾(スーパーくろしおラッピング)」を含め、在籍する6編成全てに何らかのラッピングが施されていることになります。

見ているだけで楽しいこれらのラッピング編成、様々な区間で撮影して記録するのは勿論、特に利用促進が急務な新宮・白浜間で実際に乗っていただき、今回のラッピング実施で少しでも利用者が増えるといいな、と感じたニュースでありました。

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▲特急「くろしお」60周年記念ラッピング第1弾。
「スーパーくろしお」塗色を再現した「第1弾」に続き、第2弾として、381系オーシャングリーン塗装を再現した編成も運行されることとなります。




【関連ブログ】
287系くろしお、60周年記念ラッピングの第2弾が運行へ | 鉄道プレス



【関連記事】




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【JR西日本】「快速うれしート」を学研都市線、JR東西線、阪和線に拡大。ロングシート車両で初めての「うれしート」設定へ(2025.10.14)

JR西日本では、来る2025年10月14日(火)にダイヤ修正を実施し、有料座席サービス「うれしート」の設定区間を学研都市線、JR東西線及び阪和線に拡大することを発表しました。

2025年10月14日 ダイヤ修正を実施します〜「快速 うれしート」を学研都市線、JR東西線、阪和線に新規設定〜:JR西日本

概要は以下のとおりです。
【「うれしート」拡大線区の列車概要】
●阪和線
2025082222-15-252


●学研都市線・JR東西線、JR宝塚線(ロングシート車両の場合)
2025082222-15-413
(いずれも上記発表資料(https://www.westjr.co.jp/press/article/items/250822_00_press_AkiDaiyakaisei_1.pdf)より引用)


【「うれしート」拡大線区での設定列車】
●学研都市線、JR東西線、JR宝塚線
(平日朝)
木津5:59発→京橋6:59着→新三田8:02着
木津8:24発→京橋9:22着→宝塚10:03着

(平日夕方)
宝塚16:11発→京橋16:51発→木津17:53着
宝塚16:41発→京橋17:21発→木津18:23着
新三田19:23発→京橋20:21発→木津21:23着
新三田19:52発→京橋20:51発→木津21:46着
宝塚20:41発→京橋21:21発→木津22:23着

●阪和線
(平日朝)
日根野6:10発→天王寺6:47着
日根野6:23発→天王寺7:05着

(平日夕方)
天王寺19:52発→日根野20:29着
天王寺20:22発→日根野20:59着
天王寺20:52発→日根野21:31着


【本数拡大線区】
●嵯峨野線
平日夕方夜の京都→園部の「うれしート」本数を2本から4本に拡大

●琵琶湖線、JR京都線、JR神戸線
土休日の朝及び夕方に「うれしート」新設
平日も、朝の大阪→米原間及び夕方の網干→米原間で拡大


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



2023年10月に導入された「うれしート」。
当初は大和路線及びおおさか東線で、平日朝のみのサービスとしてスタートしましたが、既存の車両に「のれん」を設置するだけで容易に設定できることから、各線区の利用状況に応じてその設定線区が順次拡大し、現在近畿エリアの多くの線区でこの「うれしート」を見ることができるようになりました。

一方で、未だ「うれしート」の設定されていない主要線区として「阪和線」「学研都市線」があったわけで、特に学研都市線では、ロングシートの207系及び321系が運行されていることもあり、こういった着席サービスを導入するとすれば、どのような形で実施されるのかも気になるところでした。

今回のダイヤ変更で新たに設定となる「うれしート」では、阪和線は朝夕の快速列車(223系・225系)に設置されますが、注目は学研都市線、JR東西線及びJR宝塚線(以下、「学研都市線等」といいます。)での設定です。

学研都市線等での「うれしート」は、既存のロングシートを指定席として販売することで、「うれしート」サービスを提供することとなります。

通常、指定席といえば、2人掛け(1人掛け、3人掛けもあり)の転換可能な「クロスシート」に設定されることが多く、多くの人が横一列に座る「ロングシート」では、指定席のような有料座席サービスが提供されることはあまり見られないことから、今回の学研都市線等でのロングシートによる「うれしート」サービスにについて、批判的な意見が多く見受けられるように感じました。

しかし実際、「ロングシートによる有料座席サービス」は、他社には無いことはなく、例えば京阪電鉄の「ライナー」や、西武鉄道の「S-TRAIN」「拝島ライナー」では、ロングシートの部分もクロスシートと同額で発売しています。
(参考)
全車両座席指定「ライナー」列車 | 京阪グループ
S-TRAINの車内設備 :西武鉄道Webサイト
拝島ライナーの車内設備 :西武鉄道Webサイト


「うれしート」をはじめとする有料座席サービスのニーズは、当然ですが「お金を払ってでも座席を確保したい」というニーズに対応するものであるといえます。
「座席を確保したい」理由としては、「楽をしたい」という、どちらかと言えば贅沢なニーズから、「ケがをしている」「しんどい、疲れている」といった生理的で避けられない理由、そして「荷物が多い」という、他の利用者をも慮った動機、と多様なニーズがあります。

そういったニーズに、これまでは列車の始発駅で待つしか無かった「着席保証」を、途中駅からの乗車で実現するという、ある意味「画期的な」サービスが「うれしート」と、個人的には認識しています。

そう考えれば、実は座席の種類はクロスシートだろうがロングシートだろうが、実際サービスの利用者にとってはどちらでも良く、とにかく「座席が確保できている」ことが最優先ではないか、と思うのです。

その「最優先な課題」を、これまで提供の無かった学研都市線等で実現できるわけですので、利用者にとっては、それこそ「うれしい」サービスになり得るかと思います。

そりゃ、ロングシートよりクロスシートの方が快適性が高まるのは確かでしょうが、元々「うれしート」が「のれん」だけで簡単に設置できる有料座席サービスですので、ロングシートでの実施も、「目から鱗」ともいえますが、逆に当然の流れ、とも言えなくは無いでしょう。

学研都市線等の「うれしート」導入がロングシートであったことから、あまりにも批判・非難が多かったように感じましたが、「うれしート」の設定意図はそこではない、と個人的に思っていますので、ちょっと触れさせていただきました。



「ロングシートのうれしート」があまりにも話題となり、我が阪和線の「うれしート」初導入がすっかり影に潜んでしまいましたが、こちらも見ていきたいと思います。

上述のとおり、阪和線「うれしート」で設定されるのは、朝の天王寺行き2本、夕方の天王寺発3本で、いずれも天王寺〜日根野間の「快速」に設定されています。
朝の天王寺行きは、途中の熊取や東岸和田の各駅でも相当の利用がある一方、かつて「はんわライナー」が運行されていた頃は有料座席サービスが利用可能でしたが、「はんわライナー」が「くろしお」に統合されて以降は、有料座席サービスを利用することができませんでした。

しかし今回、「うれしート」により熊取、東岸和田から有料座席サービスが再び利用可能となりますし、チケットレスですとかつての「はんわライナー」とほぼ同水準の料金で利用できますので、両駅での利用者にとっては、14年半ぶりの有料座席サービスの設定は、嬉しい改正といえるのではないのでしょうか。

私自身も、日根野6:10発のうれしート「R快速2号」は、和泉鳥取からの普通列車に日根野駅で接続していますので、朝早くからの平日お出かけの際に、是非利用してみたいな、と思っています。



今回の「うれしート」設定拡大により、近畿エリアのほとんどの線区で「うれしート」が設定されることとなりました。
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▲「うれしート」設定線区
(上記発表資料(https://www.westjr.co.jp/press/article/items/250822_00_press_AkiDaiyakaisei_1.pdf)より引用)


近畿エリアで「うれしート」未導入線区は、残すところ湖西線や草津線あたりになってくるのかなと思います。
また、近畿エリア以外では、広島エリアに既に導入されていますが、岡山エリアでは未導入でありますので、そういった他地域での導入も今後の注目点だと思っています。

ともあれ、「のれん」で簡単にサービスの開始可能な「うれしート」、今後どんな形で拡大していくのか、その展開を期待したいな、と感じたニュースでありました。

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▲JR西日本207系電車。
これまで221系・223系・225系といった転換クロスシート車両に設定されていた「うれしート」が、この207系をはじめとしたロングシート車両にも設定されることとなりました。




【関連ブログ】
【まさかの】ロングシートに「うれしート」設定へ | 鉄道プレス
JR西 秋のダイヤ修正 ロングシートでうれしート! | 旅するマネージャーのブログ



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【きのくに線新宮・白浜間】特急「くろしお」1往復増便等の利用促進施策を発表(2025.11.4〜)

和歌山県、沿線市町村、JR西日本和歌山支社及び和歌山大学で構成する「紀勢本線活性化促進協議会 新宮白浜区間部会」(以下、「新宮白浜区間部会」といいます。)では、構成員が協働して新宮白浜区間の利用促進に取り組んでいますが、この度、これまでにない利用促進策を実施することを発表しました。

紀勢本線新宮・白浜間の利用促進策について〜地域公共交通再構築調査事業を活用した特急「くろしお」号の増便実証実験を実施するとともに、利用促進策に取り組みます〜:JR西日本

概要は以下のとおりです。

【特急「くろしお」増便実証実験】
現在、金曜・土・日・祝日を中心に運行している以下の特急「くろしお」号を繁忙期同様、平日の月〜木にも運行し、毎日運行

・実施期間:
2025年11月4日(火)〜2026年3月31日(火)
(2026年度の「地域公共交通再構築調査事業の活用が可能となれば、期間延長を発表)

・増便列車:
新大阪→白浜・新宮方面:
特急「くろしお5号」
(新大阪9:28発→新宮13:53着)

新宮・白浜→新大阪方面:
特急「くろしお30号」
(新宮15:04発→新大阪19:21着)

【WESTERポイントバック】
新宮白浜間の特急停車駅からICOCAを利用して乗車し、新宮・白浜間を利用するとともに、ICOCAエリア内の駅で下車した利用者を対象に、運賃の10%相当をWESTERポイント(チャージ専用)で還元

・実施期間:
2025年11月4日(火)〜2025年12月31日(水)
(上記期間にかかわらず、予算に達し次第終了)

・対象となる利用:
新宮、紀伊勝浦、太地、古座、串本、周参見の各駅から乗車・・・ICOCAが利用できる全ての駅
白浜から乗車・・・紀伊富田〜新宮間の各駅

・利用条件:
利用前にWESTERポイント(チャージ専用)のサービス登録完了が必要

【利用促進補助(教育旅行、校外学習)】
新宮・白浜間を利用し、校外学習等を実施する学生団体に対し、JRによる団体割引後の運賃及び特急料金のうち、新宮・白浜間の運賃等に相当する額を全額補助

【新宮駅、白浜駅の駐車場無償化】
新宮駅前及び白浜駅前の駐車場無償化の実証実験を実施
・実施期間:
2025年11月〜2026年3月

詳細は、上記発表資料をご覧ください。




JR紀勢本線の新宮〜白浜間(新宮白浜区間)では、沿線の人口減少や高速道路の遠心などの要因により利用者が低迷しています。

この区間の輸送密度は2024年度で960人/日・kmと、JR西日本が同社単独での維持が困難としている2,000人を大きく割り込んでいます。

現在のところ、特急「くろしお」が5往復(金土休日は6往復)運行されているものの、線区を通した輸送密度が、特急列車の走っていない他の線区とそう変わらない水準であるならば、何らかの見直しも避けられない状況ではあるかと思います。

この新宮白浜区間の利用促進を図るために、沿線の自治体や大学、そしてJR西日本をメンバーとする「新宮白浜区間部会」という組織が立ち上がり、同区間の利用促進を検討してきましたが、今回実証増便をはじめとする利用促進策が発表されました。

実証増便については、既に4月にこの部会で実施すること自体は決定されていましたが、今回運行開始日や時刻といった、具体的な内容が発表されています。
(参考)


今回増発される列車は、「くろしお5号」と「くろしお30号」で、現在週末を中心に運行している列車を平日も運行し、利用者の拡大を図ることとしています。

併せて、新宮白浜区間の特急停車駅を起点としてICOCAを利用した際に、運賃の10%を還元する「WESTERポイントバック」も実施されることも発表されています。

その他、新宮駅及び白浜駅の駐車場無償化や、補助事業の実施など、複数の利用促進策が発表されています。

併せて利用促進の数値目標についても資料が添付されており、これによると、一日の特急列車乗車人数を現在の410人から、1,040人に増やすことが掲げられています。

この目標値はかなりチャレンジングなものであり、到達は容易ではないかと思われますが、ただ単に漫然と利用促進のPRをするだけでなく、危機感を持って取り組むことは、その結果がどうであれ、意欲的な取り組みである、と評価してもいいのではないか、と思えます。

実証増便の期間は今年度末までとなっていますが、補助事業を活用することとなれば、来年度も実施することとなっています。

是非多くの方々に、増便となるこの特急「くろしお」5号・30号は勿論、他の特急「くろしお」を利用して、観光資源が豊富な和歌山県南部へ是非とも訪問をしていただければいいな、と思います。

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▲特急「くろしお」283系「オーシャンアロー」。
現在、金、土、日、祝日を中心に運行されている「くろしお5号」「くろしお30号」ですが、11月4日からは平日も含めて毎日運行されることとなります。
現在、283系「オーシャンアロー」が充当されている両列車ですが、毎日運転の場合でも同様に、283系が充当されることが想定されます。
ファンから根強い人気を集める「オーシャンアロー」ですが、一方で特に白浜以南の利用者の確保が課題となっています。
撮影できる機会が増えるのは喜ばしいかも知れませんが、その撮影地への交通手段として、特急「くろしお」も積極的に利用したいものであります。


「WESTERポイント超特典きっぷ」(新大阪〜広島)を使ってみる(2025.8.4)

JR西日本グループのポイントサービス「WESTERポイント」では、貯めたポイントを格安なきっぷに引き換えることが可能です。

今回は下記Webサイトで発表されている「WESTERポイント超特典きっぷ」を、新大阪〜広島間で利用しましたので、ご紹介したいと思います。

【e5489専用】【J-WESTカード会員限定】WESTERポイント超特典きっぷ│トクトクきっぷ:JRおでかけネット

商品の概要としては、以下のとおりです。
・利用期間:
2025年8月1日〜8月31日
・設定区間:
大阪(市内)、岡山、博多〜広島(市内)
・対象者:
J-WESTカード会員限定
・価格:
通常の約75%割引。
例・・・大阪市内〜広島市内・・・2,730ポイント(通常期)
(※通常の運賃・料金合計は10,950円)
・購入期間、変更等:
利用の当日まで発売、きっぷ受取前の変更は可能

きっぷの設定区間や時期から分かるように、8月に限定して広島(市内)発着の商品が用意されているのは、広島電鉄の駅前大橋ルート開業によるプロモーションの一環と考えてもよさそうです。

とはいえ、通常の75%割引で、かつポイントで利用可能なので、丁度この商品で新大阪〜広島を往復できるだけのポイントが残っていたことから、有り難く利用させていただきました。

きっぷの券面は下記のとおりです。
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▲「WESTERポイント超特典きっぷ」の乗車券。
ご覧のとおり、「大阪市内→広島市内」と記されているように、特定都区市内制度が適用されます。
このきっぷは日根野駅で引き換えましたので、別途大阪市内の各駅への入口となる杉本町駅までの乗車券を購入して利用しました。

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▲「WESTERポイント超特典きっぷ」の新幹線特急券。
きっぷに引き換えるまでは変更に制限が無いため、列車の時間帯を変更する等、柔軟な対応が可能でした。

それぞれのきっぷの券面を見ますと、左下に「1430P」「1300P」と記されているのが分かります。
どうやら、乗車券は1,430ポイント相当、新幹線特急券は1,300ポイント相当での計算になる模様です。

全額をWESTERポイントで支払う必要がありますが、1ポイント1円で計算するならば、通常の1/4の価格で乗車できることから、非常におトクな商品であるといえます。

この「WESTERポイント超特典きっぷ」も、先にご紹介した「WESTERポイント全線フリーきっぷ」の記事でも記したように、「WESTERポイントお得意様への謝恩・還元商品」という性質が分かるかと思います。

区間の設定も戦略的といえ、端的に言えばキャンペーン的に集客したい目的地や区間が選ばれているようです。

例えば今回発売されている山陽新幹線に関しては、駅前大橋ルート開業に伴い大きく変化した「広島駅」への集客を目的とした設定となっていることが分かります。

一方在来線では、10月13日までの期間中、「WESTERポイント超特典チケットレス」という名称で、大阪発の一部の特急列車の外相区間が最大80%オフの商品が用意されています。
(参考)
WESTERポイント超特典チケットレス
【e5489専用】WESTERポイント超特典チケットレス│トクトクきっぷ:JRおでかけネット

この「超特典チケットレス」も、利用期間や設定区間から見ても分かるとおり、大阪・関西万博への来訪、あるいは逆に万博来場者に大阪から足を延ばしてもらうための商品といえるでしょう。

一例を挙げれば、特急「くろしお」では、大阪・新大阪〜紀伊勝浦間の特急料金が、通常2,950円のところが590ポイントと、それこそ破格の料金となっていますので、この機会にWESTERポイントを使ってこれらの特急列車に乗車してみるのもいいでしょう。



このように、先に述べた「WESTERポイント全線フリーきっぷ」だけでなく、このような破格のきっぷもWESTERポイントで利用できるのわけですし、今後も「WESTERポイント」利用限定のおトクな切符は出続けるものと考えられます。

そう考えると、やはり日頃からWESTERポイントを貯めておくのが大事といえます。
WESTERポイントを貯めるには、「JR西日本インターネット予約を利用する」「ICOCAを利用する」「J-WESTカードを利用する」と、当然の話でありますが、JR西日本のサービスを使えば使うほど貯まるものとなっていますが、どんな貯め方があるのか、といった点もゆくゆくは当ブログでご紹介できればいいな、と思っています。

【東海道・山陽新幹線】N700S「ビジネスブース」を使ってみる(2025.8.4)

東海道・山陽新幹線の新型車両「N700S」の7号車・8号車間のデッキ部分には、「ビジネスブース」という、Web会議や打ち合わせ等に利用できるスペースが設置されています。
(参考)
ビジネスブースのご案内|JR東海
新幹線ワークプレイス:JRおでかけネット

この「ビジネスブース」は、2022年5月に試験導入の後、2023年10月より本格導入され、現在はN700Sで運行される列車でサービスが提供されています。
(参考)



N700S導入当初は、その編成数も少なかったことからなかなか遭遇できなかったこの「ビジネスブース」ですが、導入から3年が経過し、N700Sにも相当の頻度で運行されるようになり、同時にこの「ビジネスブース」にも遭遇するするようになりました。

「ものの試しに一度使ってみたいな…」と思っていたところ、先日(8月4日)に山陽新幹線「のぞみ」を利用した際、この「ビジネスブース」の利用が望ましい事態に遭遇しました。
「どうせならば」ということで、実際に使用してみましたので、その様子をご紹介したいと思います。



「ビジネスブース」は、N700S充当編成の7号車「S Work車両」利用者が、別途有料で利用できるブースとなっています。
7号車の各座席には、「S Work車両」の案内に併せて、「ビジネスブースの案内」リーフレットが座席前ポケットに挟まれています。
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▲7号車「S Work車両」で案内されている「ビジネスブース」。
(※)QRコード部分はトラブル防止のため画像処理しています。

上記案内QRコードに沿って、ブースを予約し、予約した時間にブースに入ることとします。

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▲ビジネスブース設置場所。
7号車と8号車の間のデッキ部分になります。

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▲ブースに入ると、既に「予約済の席です」と表示されています。
予約時に連絡のあった「利用番号」を入力すると、利用開始となります。
(この画像もQRコード部分を画像処理しています。)

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▲ビジネスブース内部全景。
二人分の打ち合わせスペースが確保されています。

私がこの「ビジネスブース」を利用したのは、他人にあまり聞かれたくない電話をしないといけなかったからでした。
7号車「S Work車両」は、車内での通話は可能となっていますが、それが故に通話内容も他人に聞かれることとなります。
そういった事態を避けたい場合にも、この「ビジネスブース」が活用できます。

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▲終了5分前になると、アラームが鳴ります。
この日は20分間の利用で予約していましたが、用事が丁度20分に収まったので、延長を行うことなく利用終了となりました。



この「ビジネスブース」ですが、あまり長時間の利用は想定しているものではなく、最大予約時間は60分となっています。
しかも、最初の30分間は10分ごとに200円ですが、その後の30分間は、10分ごとに300円と、料金がアップしており、ビジネスブースを1時間借り切ると1,500円かかることとなっています。

予約上限が60分ということも含めて考えると、あまり長居をするような使い方は想定していないようです。
ただ、他の乗客の目に付かない場所を60分確保できる、という意味では、それなりの利用があるのかも知れません。

とはいえ、私がこの「ビジネスブース」を利用した際には、ブース内に設置されているタブレット端末の不具合があったようで、利用開始の手続きが完了しませんでした。
どうやら車内のWi-Fiに接続されていなかったようなので、8号車にいたパーサーに声かけして、再起動か何かをしてもらい、ようやく利用できるようにしてもらいました。

逆に言えば、この日のこの編成に関して言えば、私が初めて「ビジネスブース」を利用したようなので、そういう意味では利用が旺盛、ということでも無いのかな、とも感じたりしました。

一方、他の乗客の目につかない個室なので、落ち着いて電話や打ち合わせができるのは確かにメリットと感じましたので、今後も機会があれば利用してみたいな、と感じました。

おおさか東線直通快速「うれしート」に乗車する(2025.8.4)

JR西日本の近畿エリア及び広島エリアで提供されている、有料座席サービス「うれしート」。

転換クロスシートの一部を指定席とし、自由席との区切りを「のれん」を掛けるという簡単な方法で実現することで、様々な線区に展開しているのは、このブログでもご紹介してきたとおりです。
(参考)


これまで大和路線、奈良線の「うれしート」に乗車しましたが、今回は、おおさか東線の直通快速「うれしート」に乗車してみることにしました。



乗車したのは、新大阪17時42分発の直通快速奈良行き。
例によって、最後尾に(乗車位置「△1」)「うれしート」が設定されています。
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定刻どおりにやってきたのは221系の8両編成。
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▲「うれしート」を識別する「のれん」。

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▲新大阪発車時に「うれしート」の様子。
新大阪で、「うれしート」には私以外に4名が乗車しました。

その後、JR淡路、放出で各1名乗車となりました。
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▲放出駅に停車中の直通快速。
この駅から「うれしート」に1名乗車してきました。

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▲放出から久宝寺に向けて、夕方のおおさか東線を走る直通快速「うれしート」。
16席のうち半分弱の利用率で、久宝寺に到着しました。
私はこの久宝寺で下車しましたが、入れ替わりにここから2名乗車してきまた。
20250804_180832_R

▲久宝寺駅を発車する直通快速。



今回乗車したおおさか東線直通快速は、8両編成ではありましたが、立ち客も見られるほどの乗車率でした。
直通快速という種別ではありますが、その実途中のJR淡路や放出などで、乗客の入れ替わりも多いのですが、「うれしート」の利用もそれに倣ってか、放出や久宝寺のように、途中からの利用も見られることから、このおおさか東線の路線としての性格が垣間見えたような気がしました。

朝とは異なり比較的余裕のある夕方、そして17時台の列車としては、それなりに利用されているのではないか、と感じたのが、今回のおおさか東線「うれしート」でした。

今度はまた別の線区で利用する機会があれば、このように当ブログでご紹介していきたいと思います。

今回「うれしート」乗車時に利用した「快速 うれしート」チケットレス指定席券
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▲指定席券の「指のみ券」。
列車名は「F直通快速50号」でした。

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▲同・座席指定券

【JR西日本】「大阪・関西万博記念ICOCA」の万博会場外追加発売を発表(2025.8.19)

JR西日本グループでは、2025年大阪・関西万博の開催に併せて「2025年大阪・関西万博記念ICOCA」付き商品を発売してますが、今回要望の多かった会場外の発売について、WESTERモールで発売することを発表しました。

「2025大阪・関西万博 記念ICOCA」の万博会場外(オンライン)での追加発売について(ジェイアール西日本デイリーサービスネット):JR西日本

概要は以下のとおりです。

【発売商品】
・記念ICOCA・フォトフレームセット
(数量)
限定数量15,000セット予定
(価格)
3,200円(配送料別)
(カードデザイン)
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(上記発表資料(https://www.westjr.co.jp/press/article/items/250807_00_press_OsakakansaibanpakuICOCA.pdf)より引用)

【発売方法】
・WESTERモール内「おみやげ街道【関西】WESTER モール店」で発売
URL:
https://wester-mall.westjr.co.jp/79d8632b-9738-4d26-b37a-2bc4df50bbc2.html?sitetype=1

・発売開始日時:
2025年8月19日(火)12時予定
(販売開始2時間前(午前10時)より商品詳細ページへアクセスすると、待合室が表示され、販売開始時刻以降、順次商品詳細ページへ案内)

詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



この4月から開催されている大阪・関西万博ですが、会期も残すところあと2ヶ月ほどとなりました。
開催前は盛り上がりがいまいちだったこの万博も、会期が進むにつれその人気が高まり、それにつれて公式キャラクターの「ミャクミャク」の人気も高まっています。

その数ある「ミャクミャク」グッズの中でも高い人気を集めているようと思われる商品の一つが、今回会場外の発売が発表された「大阪・関西万博記念ICOCA」といえるでしょう。

「ミャクミャク」と、ICOCAのキャラクター「カモノハシのイコちゃん」が大阪を象徴するグルメ(お好み焼き、うどん、串焼き、豚まん、たこ焼き、ミックスジュース)を楽しむ図柄は、誰しもが欲しいと感じる一枚といえるでしょう。

その人気の高さもあってか、この商品を発売してる万博会場内の「JR西日本公式ショップ」では、毎朝早々に売り切れが続いており、まさに「入手困難」なグッズといえます。

そんなこともあり、会場外の発売が望まれていたこの「大阪・関西万博記念ICOCA」が、いよいよ会場外で発売されることとなりました。
発売方法は、JR西日本のネット販売サイト「WESTERモール」で取り扱うとのことです。

ユニークなのはネット販売サイトへの入室方法で、発売時刻2時間前から「待合室」で待機となり、発売開始時刻以降、順番に購入サイトへ入ることができる、というものです。

丁度、大阪・関西万博の公式サイトが、混雑時に「待合室」を経由してログインするのと同様の処理方法のようですが、まさか「記念ICOCA」の発売で「待合室」を経由するとは、そんなところまで万博公式サイトと同じだとは、と感じた次第でした。

10時にログインすれば、12時まで待合室で放置しておけば良いので、可能であればこの記念ICOCAの申込にチャレンジしてみようかな、とも感じたニュースでありました。

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▲大阪・関西万博の西ゲート付近に位置するJR西日本グループのオフィシャルストア。
店内のレジ案内は、JR西日本の駅で使用されているサインシステムが採用されており、レジ番号の案内も、「○○番レジ」ではなく「○○番のりば」と、本物の駅を再現しているこだわりようです。
こだわり、という点では、出口付近にはJR西日本管内の様々な鉄道グッズが飾られています。
グッズ購入目的でなくとも、これらのサインシステムと展示を見るだけでも満足いく店舗でありました。




鉄道コム関連記事】
万博記念ICOCA、ついに会場外でも発売 ECサイトで8月19日から - 鉄道コム

【JR西日本】2024年度の区間別輸送密度を発表。紀勢線新宮〜白浜間は960人(前年度+25人)経営状況公表対象線区が2線区追加に

JR西日本では、本日(8月6日)、2024年度の区間別平均通過人員(輸送密度)を発表しました。

2024年度区間別平均通過人員(輸送密度)について:JR西日本

区間別のデータは、上記発表資料に開催されていますので、詳細はこちらをご覧下さい。
以下、個人的に気になる区間の輸送密度を見ていきます。
(以下、特に断りのない場合、「人」は輸送密度(人/日・km)を表します。)


【紀勢線・新宮〜白浜間:960人(+35人)】
当ブログで最も気にしているのが紀勢線・新宮〜白浜間
2024年度の輸送密度は960人(2023年度・935人)と、前年度に比べ約3%の増加ですが、コロナ禍前の2019年度(1,085人)の88%と、まだコロナ禍前に戻っていない現状は、昨年度から続いています。

今年度には、下記記事でご紹介したように、11月から特急「くろしお」が平日1往復増便されることとなりますので、この増発による利用促進が奏効し、せめてコロナ禍前までに回復することを願いたいところです。
(参考)


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▲新宮駅で発車を待つ283系「くろしお」。
今年11月からは平日にも1往復増便されますので、その効果を期待したいところです。




【和歌山線・五条〜和歌山間:3,756人(▲55人)】
和歌山県内の紀勢線では、横ばいまたは若干の増加となっている一方、県内の和歌山線(五条〜和歌山間)の輸送密度は約2%の減少となっています。

紀勢線に比べて観光利用が少ない一方、メインの学生が少子化の影響で減少している影響が推察されますが、減少傾向となっていること自体、気になる動きであることには違いありません。

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▲昨年12月に和歌山線で運行された和歌山線の「高校生クイズ大会」の臨時列車。
(参考)

少子化の影響か、和歌山線の利用状況が低下していることから、今後の利用促進策を期待したいところです。




【湖西線・山科〜近江塩津間:33,034人(▲143人)】
北陸新幹線・敦賀〜金沢間の開業後の輸送状況が初めて明らかとなった今回の発表ですが、そのうち「サンダーバード」が走る湖西線をみますと、約0.5%の微減という状況です。

この輸送密度には、「サンダーバード」と「新快速・普通」の双方が含まれていることから、それぞれがどのような増減となったのかは不明ですが、ともあれ、北陸新幹線・敦賀〜金沢開業により、同区間開業前に比べ大幅な利用者増となっているという訳でも無さそうだ、ということだけは見えてきそうな結果といえるでしょう。



【木次線・宍道〜備後落合間:144人(▲45人)】
輸送密度2,000人未満の線区では、各線区で利用促進に向けた取り組みが進められています。
その成果がもあってか、輸送密度が増加している線区もあれば、そうでない線区もみられます。

特に木次線については、全線通しの輸送密度は189人(2023年度)から144人(2024年度)と約25%の減少となっています。

その中でも出雲横田〜備後落合間は、72人(2023年度)→23人(2024年度)と68%減の激減しています。

これだけの激減の原因は、ひとえに観光列車「奥出雲おろち号」の運行終了が影響している、と断じることができるでしょう。

(参考)


勿論、「奥出雲おろち号」に代わる観光列車として「あめつち」がこの木次線でも運行されています。
(参考)


しかし、「奥出雲おろち号」とは異なり「あめつち」は途中の出雲横田までしか運行であること、そして専ら木次線で運行されていた「奥出雲おろち号」とは異なり、他線区でも運行される「あめつち」は木次線での運転日数が限られることもあり、輸送密度の大幅減を食い止めるほどの成果は得られなかった、ともいえます。

この木次線についても、輸送密度が非常に低い線区でもあることから、その存廃が議論されていますが、今回の大幅減が、その議論をどのように左右していくのか、気になる結果といえます。



【輸送密度2,000人未満の経営状況公表対象線区が2線区増加。赤穂線と呉線の閑散線区が対象か?】
JR西日本では、輸送密度2,000人未満の線区について、輸送密度とは別に、収支率等の経営状況を公表しています。
その対象線区について今回、19路線32線区(昨年度は17路線30線区)と2路線2線区増えることが明らかにされています。

データを見たところ、2023年度→2024年度で、輸送密度が2,000人を割り込んだ線区は見当たらないので、元々公表の対象外だった2,000人未満の線区が新たに追加されるものと考えられます。

追加されると考えられる線区は以下の2線区であろうと考えられます。
●赤穂線・播州赤穂〜長船(1,687人)
●呉線・三原〜広(1,606人)

赤穂線、呉線ともに、大都市圏に近い区間では一定の利用がある一方、そうでない区間では利用が少ない、という構造的な状況が従前より存在していましたが、区間毎の利用状況を鑑み、今回経営状況の公表に追加したのかな、とも考えられます。

新たに追加となる線区の沿線地域で、今後どのような議論が進むのか、こちらも引き続き注目しておきたいところです。



以上、今回発表されたJR西日本の2024年度の線区別輸送密度から、気になる点をご紹介しました。

コロナ禍からの回復が一段落した線区、逆に落ち込んだ線区、その一方でコロナ禍前以上に利用が戻っている線区と、ここにきて明暗が分かれてきているようにも感じたニュースでありました。



【関連ニュースサイト】
木次線、輸送密度23の衝撃。「奥出雲おろち号」終了で利用者激減 | 旅行総合研究所タビリス



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