阪和線の沿線から

阪和線沿線に住まう管理人による、鉄道やバスなどのブログ。

JRグループ

【JR東日本】運賃改定(値上げ)申請を発表(2026年3月改定)「電車特定区間」「山手線内」廃止等の見直し実施

JR東日本では、鉄道事業に求められる役割やサービスが多様化・高度化するなか、今後の持続的な鉄道事業運営のために、去る2024年12月6日(金)に同社発足後初となる運賃改定を申請したことを発表しました。

運賃改定の申請について|JR東日本

概要は以下のとおりです。

【運賃改定実施予定日】
2026年3月

【改定の方向性】
●「わかりやすい運賃体系」の実現
「電車特定区間」「山手線内」運賃区分を「幹線」に統合
普通旅客運賃を「IC≦きっぷ」(小児の一部を除く)に改定

●全エリアの運賃を改定(値上げ)

●通学定期旅客運賃は家計負担に配慮
「幹線」「地方交通線」の通学定期旅客運賃を据え置き

【改定率】
普通運賃7.8%、通勤定期12.0%、通学定期4.9%

【その他】
特定区間(東京地区)の普通旅客運賃及び定期旅客運賃は、一部を除き廃止
東京・熱海間の東海道新幹線(JR東海)と東海道線(JR東日本)の同一路線での取り扱いを廃止
・鉄道駅バリアフリー料金を廃止
・オフピーク定期券は、運賃改定後も利用可能範囲を拡大して設定予定

【主な区間の運賃比較】
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(上記発表資料(https://www.jreast.co.jp/press/2024/20241206_ho02.pdf)より引用)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



物価高や人手不足、コロナ禍後の行動様式の変容などにより、鉄道事業を取り巻く環境が厳しさを増していることを背景に、ここ近年鉄道事業者の運賃改定(値上げ)のニュースが続いていますが、今回、JR東日本が、運賃改定(値上げ)の申請を行うことを発表しました。

JR東日本といえば、首都圏という国内最大の人口集積地域を抱える、国内最大の鉄道事業者といって過言ではないと思われますが、そんなJR東日本が値上げを行うほど経営が苦しいのか疑問に思う方もおられるかも知れません
もっと言えば、「そんなわけ無いだろう」等、不審に思われる方もおられるかも知れません。

この点、鉄道運賃改定の根拠となる「総括原価」について、今年4月からその算定方法が見直され、この「総括原価」に3年を超える将来の減価償却費等の計上や、人件費の算定における伸び率の反映、災害復旧に伴う修繕費用の計上等、これまで「総括原価」の対象外であった費用も計上されるようになりました
(参考)
報道発表資料:鉄道運賃水準の算定の根拠となる「総括原価」の算定方法を見直します<br>〜収入原価算定要領等の一部改正〜 - 国土交通省

この基準で今後3年間の収支を推定したところ、現行のままでは911億円の赤字(収支率95.5%)に対し、今回の申請により30億円の赤字(収支率99.8%)とほぼ収支均衡となることが示されています。
(なお、この基準は申請上の計算方法によるもののため、実際の収支とは違うことには注意)

ともあれ、現在のみならず将来の運営を見据えると、現在の運賃水準では収支均衡とならないことから、今回申請に至った、という理解になるかと思います。



その申請内容ですが、全般的に値上げ、というのが大きな点なのですが、個人的に着目している点を中心に分析してみます。



【山手線内・電車特定区間の運賃区分廃止(幹線への統合化)】
今回の申請では、主に山手線に設けられてた「山手線内」、及び都内とその近郊に設けられていた「電車特定区間」の運賃区分を廃止し、「幹線」区分に統合します。

似たような話は、JR西日本でも来年4月1日より「大阪環状線内」の区分を廃止して「電車特定区間」に統合することとしていますが、こちらは「電車特定区間」存続の上でエリアを拡大すること、そして全体として増収にならない想定としている点が、JR東日本の申請と異なる点といえます。
(参考)


今回の運賃区分の整理により、特に山手線内区間の上昇幅は大きく、例えば東京〜新宿間では現行210円(バリアフリー料金込み)のところが260円(いずれもきっぷの場合)と、20%以上の値上げとなり、影響を受ける利用者がかなり多いと考えられます。

区間によって異なる運賃区分の整理は、利用者や鉄道事業者は勿論、様々な事業所の会計担当者等、直接利用するわけではない人々にとっても分かりやすい運賃体系を実現することでメリットがあるので、恐らく目指す方向性は同じなのでしょう。

ただ、現在の「山手線内」から見れば、値上げ後の運賃が、運賃表の単位で二段階高くなる(山手線内⇒電車特定区間⇒幹線)ことになるため、負担感は決して少なくないのかな、と思います。

それだけに、値上げ申請後、運輸審議会における審議における様々な意見や、国土交通省において実施されるであろう「パブリックコメント」での国民からの意見に対し、真摯でかつ明確に答えていく必要があるのではないか、と思うところです。



【JR他社にまたがる際の運賃に「通算加算方式」を採用】
今回のJR東日本の値上げで、JR他社にまたがって利用する際の計算方法に「通算加算方式」を採用することとしています。
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(上記発表資料(https://www.jreast.co.jp/press/2024/20241206_ho02.pdf)より引用)


これまで、JR3社の幹線運賃は、共通の運賃表により計算することとし、JR北海道・JR四国・JR九州にまたがって利用する場合には、別途加算額を追加して合計額を計算することとしています。
今回の値上げでは、この加算運賃にJR東日本が加わった、ということになるというのが大まかな理解、といえるでしょう。

本州3社に比べ、北海道・四国・九州の「三島会社」は収益性が低く、早い時期からJR他社またがる運賃計算の際、加算運賃をプラスすることとしていました。
しかし今回、JR東日本がこの仲間に加わることになるため、時刻表の普通運賃の計算ページの記載も、更に複雑になるのかな、という気もします。
もっとも上述の、JR東日本エリアの「山手線内」「電車特定区間」廃止と併せると、シンプルとなるケースは多いのでしょうが、ともあれ運賃改定後の運賃表の記載がどうなるか、これまた改定時の時刻表を実際に手に取って確かめてみたいと思います。



【特定区間(東京地区)の見直し】
東京地区、名古屋地区、京阪神地区には、国鉄時代に他の鉄道事業者との競合区間に、通常よりも安い水準の運賃である「特定区間」が設定されました。

東京地区で言えば、品川〜横浜(京急)や新宿〜八王子(京王)、名古屋地区では名古屋〜岐阜(名鉄)、京阪神地区では大阪〜三ノ宮(阪急、阪神)等、多くの区間でみられます。

こういった競合関係は、そう簡単に変化しないものと勝手に考えていたところ、今回の改定にともない大きく見直しされることも発表され、個人的には驚きました。
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(上記発表資料(https://www.jreast.co.jp/press/2024/20241206_ho02.pdf)より引用

廃止する理由としては、「路線形態の変化から直接競合関係とならない区間」「利用が少ない区間」等とされ、上記の18区間を廃止することとしていますが、それぞれの区間がどんな背景で廃止されることになるのか、少し推察してみました。

<渋谷〜桜木町>
恐らくこれが最も明確でありましょう。
国鉄時代には、競合となる東急東横線が渋谷〜横浜〜桜木町で営業しており、その競合対策として特定運賃が設けられたといえます。

しかし、東急東横線の横浜〜桜木町は廃止され、新設の「みなとみらい線」に代替となりました。
みなとみらい線は東横線とは別途、初乗り運賃が加算されることから、渋谷〜馬車道駅(桜木町駅に近接)で510円と、現状ではむしろJR東日本の方が割安となっています。

これこそが「路線形態の変化」の分かりやすい事例といえるでしょう。

<新橋〜田浦・横須賀・衣笠・久里浜、等>
次に横須賀線にからむ区間ですが、区間数でみると最も多く15区間あります。
いずれも京急との競合から設定された運賃といえるでしょうが、現在の特定運賃でもJRの方が高い水準となっており、引き続き競合していることから、これだけでは廃止する理由が薄いといえます。

恐らくですが、横須賀線では、逗子〜久里浜では列車本数が半減する上に、短い4両編成の折り返し列車が多数設定されていることからも分かるように、逗子を境に輸送量が大幅に減少していることから、競合となり得ないことが理由なのでは、と考えられます。
(上記の「利用者の少ない区間」に相当)

同じ横須賀線関係でも、品川〜逗子及び横浜〜逗子については、引き続き特定運賃が設定されていることから見ても、競合関係が現在も継続しているか否かで、特定区間の存廃を判断した感があります。

<上野・日暮里〜成田>
この区間では、常磐線・成田線と、京成電鉄が競合しています。
ただ、常磐線はともかく、成田線は30分間隔と、こちらもまた列車本数が多くない区間となっています。
一方、競合の京成も、昼間時間帯は途中の京成佐倉で乗り換えが必要な列車もあること、また、都営浅草線を経由して青砥から直通する列車も、国鉄時代に比べて大幅に整備されたことを総合的に考えると、「路線形態の変化」で「利用者が少なくなった」という、併せもった理由になるのかな、と想像できます。


以上のように、個別に分析すると、特定区間が廃止された理由が明確、あるいはぼんやりと見えてきたのかな、という印象です。

もっとも、京阪神地区でみると、そんな状況の変化は今のところ無さそうなのかな、という印象ですが…



【東京・熱海間の東海道新幹線と東海道本線(在来線)の別線化】
最後が、SNS上でも大きく話題になった(ような気がする)東京・熱海間の取り扱いです。
現在は、同一の路線として取り扱っているこの区間を、運賃改定後は別線とする、というのが趣旨です。
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(上記発表資料(https://www.jreast.co.jp/press/2024/20241206_ho02.pdf)より引用

現在は新幹線・在来線ともに運賃は同額のため、乗車券の経由表記にかかわらず、新幹線・在来線どちらも利用可能ですが、運賃改定によりJR東日本とJR東海とで、運賃に差が生じることから、別の路線として扱うこととするものと考えられます。

同様の例としては、山陽新幹線の新下関〜博多間があるので、これ自体は特段目新しいものではありません。
(参考)


ただ今回は、東京〜熱海という利用者の多い区間での別線化であることから、大いに注目を集めたものといえます。

一方、現在設定されている往復乗車券では、新下関〜博多間については、新幹線・在来線区間を往復別々に利用した場合でも、往復割引の適用としています。

仮に今回のJR東日本の運賃改定後も、往復乗車券を残存させると
・東京〜熱海間を含める往復乗車券を発売する際には、必ず経路の確認が必要なこと
・同区間を含む経路において往復割引が適用となると、往復別の運賃計算を行う特例を適用するケースが格段に増加すること
・上記の確認事項の増加により、利用者や現場の混乱が予想されること

などが容易に想定されることから、今回の運賃改定に先んじて、下記の「往復乗車券の廃止」が発表された、とも考えられるかも知れません。
(参考)


こう書くと「専ら鉄道事業者の勝手な都合でしょ?」という文句も出てきそうですが、一方で国鉄時代に作り上げられた制度が、6つの事業者に分割され、分割された事業者のそれぞれの事情が30年以上経過して違ってくる中で、同一の制度をいつまでの維持していることが、それこそ制度疲労を起こしている、とは個人的にも感じるところです。

こういった「制度疲労」を解消するのには、勿論既存の制度を活用して既得権益を得ている利用者からの反発もあるでしょうが、一方で持続的な鉄道運営には障害になる、というのも個人的には一定理解はできるところです。

こちらについても、上述の繰り返しとなりますが、運賃改定の申請から認可、そして実施にかかるプロセスの中で、丁寧な説明が必要なのではないか、と思うところです。



以上、本当に長々と記してしまいましたが、運賃値上げのみならず、国鉄時代から引き継がれてきた制度がこれを機に見直されることから、色々と思うところを記してみました。

JR東日本にとって「運賃制度の大改革」ともいえる今回の改定申請。
今後どのような意見がどういった主体から示され、そしてどのような議論をもとに、どのような運賃制度が施行されるのか、注目していきたいと思っています。

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▲JR中央線快速電車のE233系。
中央線快速電車の関連では、東京〜新宿間が210円から260円に値上げされる一方、新宿〜八王子・高尾に設定されている「特定運賃」は継続されることとなっています。

【JR東海・西日本】東海道・山陽新幹線「のぞみ」普通車指定席拡大を発表(2025年春から)3号車を指定席に変更

既に先月下旬、マスコミ各社が東海道・山陽新幹線「のぞみ」の自由席削減を報じていましたが、今回JR東海及び西日本より、「のぞみ」の指定席拡大(自由席削減)が発表されました。

東海道・山陽新幹線「のぞみ」号の普通車指定席の拡大について:JR西日本
東海道・山陽新幹線「のぞみ」号の普通車指定席の拡大について|JR東海

概要は、先行のマスコミ報道のとおりで、現在3両(1号車〜3号車)ある自由席のうち、3号車を指定席に変更するもので、実施時期は2025年春としています。

先のブログ記事では、ゆくゆくは「のぞみ全車指定席」への移行もあり得るのではないか、と記しました。
現在のネット予約の整備状況などを見ると、全車指定席への移行もあながち不可能ではない、と思えますが、一方で新幹線定期券「FREX」「FREXパル」利用者の取り扱いがどうなるか、気になるところであるのは、先の当ブログ記事で思っていることと、違いはありません。

2両削減後の動向を見て、全社指定席を決断するのかどうか、これまた来春以降の動向に注目したい内容といえるでしょう。

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▲東京駅で発車を待つ東海道新幹線。
来年春より、自由席車が1両削減となり、その分指定席が増加することになります。




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【JRグループ】往復乗車券及び連続乗車券の発売終了を発表(2026年3月)

JRグループでは、交通系ICカード等の全国的な普及拡大及びインターネット予約の普及などを理由とし、「往復乗車券」及び「連続乗車券」の発売枚数が減少していることを踏まえて、JR各社での「往復乗車券」及び「連続乗車券」の発売を終了することを発表しました。

往復乗車券及び連続乗車券の発売終了について:JR西日本

概要は以下のとおりです。

【発売を終了する乗車券】
・往復乗車券
・連続乗車券
(JR各線と連絡会社線にまたがる連絡乗車券も含む)

【発売終了時期】
2026年3月(詳細な日にちは決定次第別途発表)

【その他】
・往復乗車券の発売終了に伴い、片道601km以上を往復する際に、往路及び復路の運賃がそれぞれ1割引となる「往復割引」についても、取扱いを終了

学生割引などの割引証や一部の特別企画商品(ジパング倶楽部等)について、今後取扱いが変更となる。
(詳細は決定次第、各社Webサイト等で発表)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



JRグループでは、ここにきて、「回数券」「乗継割引」といった、国鉄時代より引き継いできた運賃・料金制度を相次いで廃止してきています。
(参考)



そして今回、「往復乗車券」「連続乗車券」という、これらもまた国鉄時代より引き継いできた乗車券の発売が終了という、大きな発表がありました。

JTB時刻表(2024年3月号)によりますと、「往復乗車券」は、「行きと帰りが同一区間、同一の経由の乗車券」、そして「連続乗車券」とは、「乗車区間が一周を超える場合、または、乗車区間の一部が重複するなどで片道乗車券・往復乗車券にならない場合、片道乗車券2枚を組み合わせて発売する乗車券」となっています。

「往復乗車券」「連続乗車券」ともに、1回の購入で2枚のきっぷが発売されるのが、片道乗車券と異なる点といえますが、メリットとしては、
・有効日数が2枚分合算できること
・学割証の提出が1枚分で済むこと

が考えられます。

加えて往復乗車券のうち、片道の営業キロが601km以上の場合は、行き・帰りの運賃がそれぞれ1割引になる「往復割引乗車券」となります。
片道601km以上であれば、任意の区間で往復利用で1割引となるわけですから、愛用していた方も少なからずおられたのかも知れません。

丁度昨日購入した交通新聞社の書籍「きっぷのしくみ」(荻野貴久著)によりますと、「連続乗車券」については1958年から(それ以前にも「回遊乗車券」という類似の制度あり)、「往復乗車券」は1887年で、そして現在の形の「往復割引乗車券」は1960年からと、いずれも長い歴史を有する制度であることが分かります。

しかしこれら長年親しまれてきた制度も、交通系ICカードやネット予約の普及により、一定の役割を終えたものとして、今回発売の終了が発表された、ということになります。

また、今回の発表でもう一つ気になる点としては、「学生割引等の割引証の取扱いの変更」が挙げられます。
何をどのように変更するのかは記載されていないのですが、ここ近年少子化による人手不足から「みどりの窓口」等の駅窓口が縮小してきたことを踏まえた見直し、というのが一つ考えられそうです。

とするならば、今回の「往復乗車券」「連続乗車券」の廃止も、出札窓口の縮小を前提にした見直し、とも捉えることもできそうです。



「回数券」「乗継割引」に加え、「往復乗車券・往復割引乗車券」「連続乗車券」も発売終了となり、国鉄時代の制度が終わっていく中、次なる制度へのメスがどこに入れられるのか、気になるところです。

個人的に危惧するのは、「途中下車制度」だと感じています。

そもそも新幹線を含む列車の高速化が果たされたなか、列車運行の都合により途中で下車して翌日の列車を待つ必要が生じるケースというのは、相当レアなものになってきているかと思います。

今や途中下車制度は、列車運行の都合ではなくむしろ、複数の目的地で下車する際に、別々に購入するよりも通しで割安に購入できるおトクな制度、という認識になっているのではないか、と思います。

一方、交通系ICカードの普及で、途中で下車しても当該下車駅までの運賃が精算される仕組みが構築されていることも踏まえますと、制度設定の趣旨である課題がもはや解決されている現状、この途中下車制度をいつまでも残しておく必要が無いようにも感じます。

その「途中下車制度」廃止へのステップとしての、「往復乗車券」「連続乗車券」の廃止、というのは少々勘ぐりすぎなのかも知れません。
一方でこれまで見たように、以前は当然と思われていた運賃・料金の制度が悉く廃止されていった経緯がある以上、「途中下車制度」とて安泰とは言えない、ということだけは言えそうです。

ともあれ、「往復乗車券」「連続乗車券」が終了するのは、2026年春。
それまでの限りある期間、機会があればこれらの乗車券を活用してみようと思います。



最後に、私がこれまで購入した「連続乗車券」「往復乗車券」の一例をご紹介します。
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▲和泉鳥取⇒津島ノ宮、津島ノ宮⇒(讃)高松の連続乗車券。
一年のうち、2日間しか営業しないレアな駅「津島ノ宮」を訪問した際、どうせなら、ということで連続乗車券を購入して訪問しました。
(参考)


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▲苫小牧⇒夕張、夕張⇒女川の連続乗車券。
今は無き、石勝線夕張支線を廃止直前に乗車した際、夕張で折り返すことから、記念にもなると考え、連続乗車券で購入しました。


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▲和泉鳥取⇔山中渓の往復乗車券。
連続乗車券は、上述のとおり実使用のきっぷが手元に残っているのですが、単純な往復乗車券はあまり実使用することが無いようで、このように和泉鳥取駅「みどりの窓口」終了間際に、記念に購入したきっぷなど、実使用を伴わない購入が手元に残っています。
(参考)




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東海道・山陽新幹線「のぞみ」自由席は来春ダイヤ改正で2両に削減との報道

マスコミ各社が本日報じたところによれば、東海道・山陽新幹線「のぞみ」の自由席について、現在3両のところを、来春のダイヤ改正から2両に減らすことを検討しているとのことです。

新幹線「のぞみ」自由席削減へ 3号車を指定席に 来春ダイヤ改定(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース
新幹線「のぞみ」自由席削減へ=来年春から、JR東海・西日本 | 時事通信ニュース
新幹線「のぞみ」自由席 3両から2両に減らす方向で検討 | NHK | 鉄道

各社の報じるところをまとめますと、
・現在3両ある「のぞみ」自由席を1両を削減し、自由席を2両とする。
2025年3月に予定されているダイヤ改正で自由席の削減を実施。
・新たに指定席となるのは3号車
・スマートフォンなどから指定席をネットで予約するニーズの高まりなどに対応するのが狙い



「のぞみ」の自由席は、2003年10月のダイヤ改正で自由席が設定されてから以降、現在に至るまで3両となっていましたが、2023年の年末より、年末年始・ゴールデンウイーク・お盆の多客期については、全席指定席として運行するようになっています。
(参考)



この「繁忙期の全席指定」も、次の年末年始で4回目となります。
全席指定席化当初は、自由席が無いことによる混乱も懸念されていましたが、実際運用されると特に大きな混乱もなく、その後も引き続き繁忙期には全席指定として運行されています。


ネット予約「エクスプレス予約」の普及により、窓口に並ぶことなく指定席が購入できるようになったことや、ネット予約会員でなくとも各駅の券売機で指定席特急券が購入できるようになったことなど、利用者が指定券を購入しやすくなった環境が整備されてきていることも踏まえると、利用者の指定席ニーズは確かに高まっているものと思われます。

加えて、事業者側としても、車内での改札が基本的に不要な指定席への誘導することで、車内改札が省力化でき、メリットも大きいものと推察されますが、そんな中、今回「のぞみ」の自由席が1両削減されることとなりました。

今後、更に指定席へのニーズの高まりが続けば、近いうちに年間通じて全列車で全席指定、すなわち「自由席廃止」が実現するのかも知れません。

その際課題となるのは、新幹線定期券「FREX」「FREXパル」利用者の取り扱いとなるでしょうが、「のぞみ」最混雑区間である新横浜〜名古屋間をまたぐ定期券がそもそも設定されていないことから考えると、仮に「のぞみ」自由席廃止となったとしても、FREX利用者に限り空いた席を利用できるように取り扱うことにするのかも知れません。


勿論、「のぞみ」自由席廃止は仮の話ではありますが、「繁忙期の全列車全席指定席」に続く「全期間自由席削減」と続けば、次なる見直しとしては「自由席廃止」となるのは、恐らく自然の流れといえるでしょう。

「のぞみ」自由席削減には、賛否両論が早速巻き起こっていますが、自由席の削減・廃止は、指定席の座席数が増えるわけですので、基本的に指定席を確保しないと気が気でならない私にとっては賛成の立場なので歓迎する方向性と感じています。
(但し、上述のとおり、「FREX」「FREXパル」利用者に対する何らかの救済措置は必要)

今後、「のぞみ」自由席の更なる削減、そして廃止はあり得るのか、今後も引き続き、動向に注目していきたいと思います。

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▲新岩国駅を通過する「のぞみ」N700系。
2025年春に予定されているダイヤ改正により、自由席が3両から2両に削減されることが報じられています。




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【JR東日本】久留里線・久留里〜上総亀山間の新たな交通体系を発表。バス等を中心としたモードに転換へ

JR東日本では、同社の久留里線の久留里・上総亀山間について、新たな交通体系の結果の提示を沿線自治体である君津市に行った事を発表しました。

JR久留里線(久留里・上総亀山間)の新たな交通体系について

概要は以下のとおりです。

【概要】
2023年3月8日、JR東日本は君津市および千葉県に対して、JR久留里線(久留里・上総亀山間)について、沿線地域の総合的な交通体系に関する議論を行いたく、協議の場(以下、検討会議)の設置の検討を申し入れた

○2024年10月21日に開催された第5回検討会議において、
・上総地区で提供されている交通サービスは、当該地区の移動需要に適していないこと
当該地区での移動需要を考慮すると、自動車中心の交通体系への移行により、より利便性の高い地域公共交通が実現すること
という検討結果が示されました。

○この結果を受け、同社は上総地区にとって望ましい交通体系について、慎重かつ速やかに検討を進めてきたが、その結果、JR久留里線(久留里・上総亀山間)の鉄道は、バス等を中心とした新たな交通体系へのモードチェンジを図ることが必要と同社は結論づける。

○同社はこれまで地域の交通を担ってきた経緯を踏まえ、より利便性の高い新たな交通体系を実現したいと考えており、具体的な内容については、今後君津市と協議する。
また、デジタル技術等を活用し、二次交通を含めた経路案内や観光情報の提供などを通じ、さ
らなる利便性の向上を目指していく。

詳細は、上記発表資料をご覧ください。



下記記事でご紹介したように、JR東日本・久留里線の末端区間である久留里〜上総亀山間では、利用者数が非常に少なくなっていることを鑑みて、同区間の交通体系のあり方についてJR東日本が沿線自治体である君津市及び千葉県に、協議の申し入れを行っていました。
(参考)


直近のデータでみますと、同区間の輸送密度は64人/日と1987年度の823人/日のマイナス92%と激減しており、またその水準も100人を割っておりで、もはや鉄道という交通モードとして維持することが妥当とは到底言える水準ではないことが明らかとなっています。
(参考)
ご利用の少ない線区の経営情報(2023年度分)の開示について|JR東日本

そういう状況から、鉄道から自動車交通へのモード転換は、もはや避けようのないものであろうかと思います。

上記発表資料では、JR東日本で新たな交通体系に対する取り組みの一つとして、デジタル技術の活用等を掲げていますが、現在各地で行われているデマンドバスなどの「デマンド交通」なども視野に入れているのかな、とも思われます。

また同区間には、先のブログ記事でもご紹介したように、千葉方面への高速バス「カビーナ号」も運行されています。
(参考)
千葉〜鴨川線 | 高速バス | 千葉中央バス株式会社

地域交通は新たな自動車交通に、千葉方面等、地域外への交通は高速バスの利用等、新たな体系を構築して行くものと思われますし、それがあるべき姿に近いのかな、とも個人的には考えますが、ともあれ今後は、代替交通の具体的な体系についての議論が行われるものと思われます。


関西地区在住者にとっては、若干遠い地域の話題だけに、今後は例えば、廃止時期の確定等、折を見てのご紹介となりますが、ともあれ大学生時代に一度乗ったきりのこの久留里線末端区間。

廃止になる前に一度、それもなるべく早いうちに現地を訪問できればいいな、とも思います。


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かつて久留里線で運行していたキハ38形・キハ37形。
現在は水島臨海鉄道に譲渡され、同社線で活躍していますが、JR東日本在籍当時に運用されていた一部区間について、廃止となる方向性が示されました。




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中央線快速電車のグリーン車に乗車する(2024.11.24)

このブログでも下記のとおりご紹介してきたように、来年(2025年)春に中央線快速電車にグリーン車の営業が開始されることとなっています。

この中央線快速電車のグリーン車を巡っては、計画が発表されたのが2015年、そして当初の営業開始は2020年度が予定されていました。
(参考)


しかし、増結に伴う構内工事の難航や、コロナ禍に起因する半導体不足と、複数の要因によりサービス開始時期は二度の延期を余儀なくされ、当初よりも4年遅れの2024年度末にようやく開始されることとなりました。
(参考)




グリーン車としてのサービスは2025年春からを予定していますが、一足先にグリーン車が増結された列車については、サービス開始まで料金無しでお試し利用が可能となっています。
(参考)



本日(11月24日)、新宿駅から東京駅に向かう際、折角の機会でもありましたので、この中央線快速電車のグリーン車に乗ってみることにしました。

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「10両」と「12両」の表示が混在する中央線快速電車の発車案内。
「12両」の列車にグリーン車が連結されています。

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新宿10時59分発の快速列車のグリーン車に乗車してみました。

到着後、無料期間ということもあり、車内から沢山の乗客が降りてきました。
有料化後は立席利用は無いものの、新宿や東京といったターミナル駅では大量の下車が見込まれますので、似たような光景が続くのかも知れません。


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▲グリーン車「サロE233」1階席の車内。
車内は、他線区のグリーン車と大きく変わることはありません。

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▲車端部のLCD案内表示

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▲向かい合わせとなっている座席を撮影。

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▲四ツ谷駅停車中の車内から、中央・総武線各駅停車の車両を撮影してみました。
このようなローアングルが撮れるのも、グリーン車が連結されるようになったから、といえるでしょう。

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▲東京駅に到着したところを撮影。



以上が、中央線快速電車のグリーン車の様子でした。

サービス開始は少し先となりますが、既に連結開始されており、お試しは可能となっています。
来年春には全編成出そろい、グリーン車料金を支払い利用が可能となりますが、その際にどのような利用者が、どのように利用しているのか、実際に体験してみたいな、とも思います。

また、中央線快速電車のグリーン車が営業開始となることにより、競合する京王線「京王ライナー」のサービス展開も気になるところですので、機会があれば双方のサービスをのり比べることも面白いな、と感じたりしました。

ともあれ、4年遅れという難産の中でようやくスタートが見えてきた中央線快速電車のグリーン車。
かつて中央線快速電車の沿線に住んでいたこともあり、サービス開始には他の線区以上に期待をしていますので、無事利用者に定着することを願う次第です。



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【JR東日本】首都圏主要線区でのワンマン運転実施を発表。2025年春から常磐線各駅停車、南武線で。その後横浜線等へ展開

JR東日本では、同社のグループ経営ビジョン「変革2027」において、ワンマン運転拡大で、より効率的でサステナブルな輸送モードへの変革を掲げており、首都圏主要線区では2030年頃までにワンマン運転を実施することとしています。

この度、その第一歩として、2025年春に常磐線(各駅停車)、南武線においてワンマン運転を実施することを発表しました。

首都圏主要線区でワンマン運転を実施します|JR東日本

概要は以下のとおりです。

【首都圏主要線区でのワンマン運転実施計画】
・2025年春〜
常磐線(各駅停車)綾瀬〜取手間(10両編成)
南武線 川崎〜立川間(6両編成)

・2026年春〜
横浜・根岸線 八王子〜大船間(8両編成)

・2030年頃まで
山手線、京浜東北・根岸線、中央・総武線(各駅停車)、埼京・川越線

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(上記発表資料(https://www.jreast.co.jp/press/2024/20241106_ho02.pdf)より引用)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



車掌の乗務を省き、運転士のみで運行する「ワンマン運転」。
鉄道においては、最初は閑散線区での人件費削減という目的で広まりましたが、現在ではホームドア等の各種保安設備の充実により、都市部でのワンマン運転、いわゆる「都市型ワンマン」運転を実施する線区が増えてきています。

首都圏でも東京メトロの丸ノ内線や有楽町線、東急東横線といった利用者の多い線区で導入されています。
(参考)
一般社団法人日本民鉄協会「大手民鉄の素顔 2024」P50

対するJRグループで、大都市圏における都市型ワンマンについては、JR西日本の阪和線羽衣支線、JR東日本の鶴見線など、比較的編成あたりの車両数が少ない支線系統などでの導入に留まっていました。

今回JR東日本では、南武線や常磐線、横浜線、そして2030年頃には山手線や京浜東北線といった首都圏を代表する混雑線区でもワンマン運転を実施する予定を発表しました。

もとより列車本数のおおいこれらの線区ですので、ワンマン化により必要となる人員が少なくて済み、少子高齢化による働き手の確保が難しいなかでは、その効果は相当大きいものと思われます。

早い線区では来年春から実施される首都圏ワンマン運転。
特に利用者の多い時間帯である朝夕の通勤・通学時に、スムーズな運行が確保できるか注目するとともに、ワンマン運転実施後のこれらの線区に、実際に乗ってみてその様子を体験してみたいな、とも感じたニュースでした。

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▲横浜線のE233系電車。
この横浜線では、2026年春からワンマン運転が実施されます。

【JR東日本】津軽線・蟹田〜三厩間は2027年度春目標の東奥日報記事

報道ベースの速報ですので、詳細は正式発表後改めてご紹介しますが、青森県の地方紙・東奥日報が、津軽線・蟹田〜三厩間について、JR東日本は、2027年度春廃止を目標に手続きを進めていいることを明らかにした、と報じています。

津軽線・蟹田−三厩間、27年度春に鉄路廃止|速報|Web東奥

上記記事によると、既に鉄道廃止及びバス・タクシー転換の方針で外ヶ浜町及び今別町、そして青森県と合意しているとのことで、2024年度中に合意内容を書面で取り決める予定とのことです。



既にバス及びデマンドタクシーにより代行輸送が確立されているJR津軽線の蟹田〜三厩間。
災害による復旧費用が大きい一方、利用者数があまりにも少ないことから、鉄道による復旧が妥当なのか、という議論はなされており、現状バス等による復旧がやむを得ない、という流れになっているようです。

代行輸送の枠組みは、現在の「わんタク」と代行バスを軸にするのかな、と思われますが、廃止時期が「2027年度春」となっているのが、2027年4月か2028年3月なのか、というのは少し気になるところです。
既に代行輸送が機能しているのであれば、そこの調整にあまり時間がかかるとも思えませんので、その他の手続き等で一定の時間がかかる、ということでしょうか。

ともあれ、今年度中にも取り決められる合意文書の内容が発表されれば、当ブログでもご紹介したいと思います。

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▲三厩駅に停車中のキハ40(2015年6月)

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▲三厩駅の駅舎(2015年6月)

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▲災害による運休が続いている津軽二股駅(2023年9月)




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【JRグループ】2024年度冬の「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」発表。新幹線は新青森〜木古内間で利用可能に

こちらの記事で、2024年度冬の「青春18きっぷ」で3日間用の新設・自動改札機対応・複数人利用不可・連続利用限定となる大きな変化が実施されることをご紹介しましたが、同時に発売される「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」(以下、「北海道新幹線オプション券」と記します。)においても変更が実施されています。

「青春18きっぷ」「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」の発売について:JR西日本(再掲)

概要は以下のとおりです。

【変更点】
北海道新幹線の利用区間が新青森発着に拡大(2024年夏までは奥津軽いまべつ発着)
・北海道新幹線の自動改札機が利用可能

【発売期間、利用期間及び価格】
・発売期間:2024年11月26日(火)〜2025年1月10日(金)
・利用期間:2024年12月10日(火)〜2025年1月10日(金)
・価格:4,500円(2024年夏発売分は2,490円)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



かつて津軽海峡線(在来線)の時代、「青春18きっぷ」の特例として、蟹田〜木古内間で特急列車自由席を利用ことができましたが、北海道新幹線の開業に伴い、その特例は「北海道新幹線オプション券」に代替されることとなりました。
(参考)


オプション券の区間は、新幹線開業前の特例が蟹田発着であったことを踏まえてでしょうか、北海道新幹線の「奥津軽いまべつ発着」となっていました。
しかしこの奥津軽いまべつ駅、全国の新幹線の駅の中でも、乗降客数が最少の駅であり、それもあってか停車する列車がわずか7往復となっています。
加えて、奥津軽いまべつ駅に隣接する津軽線・津軽二股駅を発着する津軽線の列車も5往復と非常に少なく、乗継パターンも非常に限られたもので、かつ待ち時間も非常に長いパターンもあることから、果たして利用価値があるものなのか、個人的には疑問にも思っていました。
(参考)


そんな「北海道新幹線オプション券」が発売されてから今年で8年となりますが、今回初めてのリニューアルが実施されました。
リニューアルの目玉は、何と言っても「新青森発着の北海道新幹線が利用可能」となることで、青森〜蟹田〜津軽二股間を津軽線の普通列車に乗り継いで利用する必要がなくなり、大幅な時間短縮が実現します。
2024年3月改正時点のダイヤを元に、「北海道新幹線オプション券」での乗継パターンを以下でご紹介します。
【新青森→木古内→函館】
・新青森7:56→木古内8:46/9:12→函館10:12(2時間16分)
・新青森9:51→木古内10:41/11:16→函館12:21(2時間30分)
・新青森15:31→木古内16:18/16:32→函館17:34(3時間3分)
・新青森18:41→木古内19:31/20:55→函館21:56(3時間15分)

【函館→木古内→新青森】
・函館6:50→木古内7:54/9:48→新青森10:37(3時間47分)
・函館10:34→木古内11:37/13:01→新青森13:50(3時間16分)
・函館13:36→木古内14:39/15:01→新青森15:50(2時間14分)
・函館15:15→木古内16:19/16:33→新青森17:20(2時間15分)
・函館19:25→木古内20:31/20:56→新青森21:45(3時間25分)


ご覧のとおり、乗継パターンは4.5往復と、若干増えた程度ですが、それ以上に所要時間の大幅な短縮が見て取れます。
奥津軽いまべつ駅乗り継ぎの場合には5時間以上かかっていた青森(新青森)〜函館間の所要時間が、新青森発着になることで、早いパターンで2時間15分程度、長くても4時間を超えず、パターンによっては半分以下の所要時間になっていることが分かります。

新青森発着に変更となったことから、価格は二倍程度に跳ね上がっていますが、それを補って余りある所要時間短縮効果といえるのではないのでしょうか。



現在、津軽線の蟹田〜三厩間は、2022年8月の豪雨災害による運休が続いており、当該区間は「代行バス」「わんタク定時便」による代行輸送が続いています。
(参考)
JR津軽線(蟹田〜三厩)代替交通の改善について|JR東日本
この区間は、元より利用者が少ないこともあり、鉄道での復旧ではなくバス等による代替輸送による復旧の方向で議論は進んでいる模様です。

今回の「北海道新幹線オプション券」の新青森発着への変更も、この議論の方向性を踏まえて、かつ「青春18きっぷ」本体の変更と合わせて実施されたものとも推察されます。
そう考えると、「青春18きっぷ」の制度の点でも、津軽線・蟹田〜三厩間の復旧は難しい位置づけになった、とも捉えられそうです。
ただ、そうであっても「北海道新幹線オプション券」が使いやすくなったのは朗報なのかな、とも感じたニュースでありました。

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▲新青森駅に停車中の北海道新幹線H5系。
これまで「北海道新幹線オプション券」は、北海道新幹線を奥津軽いまべつ発着の場合に利用できましたが、今年度冬季では、北海道新幹線は新青森発着で利用できるようになることから、大幅な時間短縮が実現します。




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【JRグループ】2024年度冬の「青春18きっぷ」発売発表。自動改札利用可能・3日間新設の一方で複数人利用不可、飛び飛びの日程で利用も不可に

JRグループから、冬の「青春18きっぷ」の発売について発表がありました。

「青春18きっぷ」「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」の発売について:JR西日本

概要は以下のとおりです。

【変更点】
自動改札機が利用可能
・5日間用に加え、新たに3日間用を発売
・有効期間は利用開始日より連続3日間または連続5日間(利用日の分割は不可
利用開始日は購入時に指定
・1枚につき1人で利用のため、1枚を複数人で利用することは不可

【発売期間、利用期間及び価格】
・3日間用:
発売期間・・・2024年11月26日(火)〜2025年1月8日(水)
利用期間・・・2024年12月10日(火)〜2025年1月10日(金)
価格・・・10,000円

・5日間用:
発売期間・・・2024年11月26日(火)〜2025年1月6日(月)
利用期間・・・2024年12月10日(火)〜2025年1月10日(金)
価格・・・12,050円

【その他】
・全国のJR線普通列車・快速列車の普通車自由席等が乗り降り自由
・特急列車、急行立社、普通快速列車のグリーン車指定席等は利用不可(一部例外あり)
・利用開始日は、有効期間の開始日前または有効期間内で未使用の場合に1回に限り可能。
但し「3日間用」から「5日間用」への変更、またはその逆も不可




詳細は、上記発表資料をご覧ください。



1982年から毎年春・夏・冬の学生の長期休暇シーズンに発売されてきた「青春18きっぷ」。

各シーズン5回分セット、という商品構成は、基本的に変わらないものの、1996年春から現在の形である、1枚のきっぷに5回分がセットされ、複数人での利用が可能な形に変更され、それ以降四半世紀に渡りこのスタイルでの発売が続いてきました。

その間、閑散線区のみならず都市部でも無人駅が増加したことや自動改札機の普及など、「青春18きっぷ」を取り巻く環境は大きく変わってきたことから、いずれこのきっぷも何らかの変化が必要なのではないか、と個人的にはぼんやり思っていました。


今回発表のあった内容によりますと、新たに「自動改札機に対応」することとなりますが、それにより、「複数人での利用が不可」「期間の分割利用は不可(連続した日程のみ)」と、これまでの青春18きっぷで可能であり、また多くの方に親しまれていた利用方法が、これからは不可能となることに、大きな衝撃を受けたファンも多かったのではないのでしょうか。

期間の分割利用が不可となった代替もあってか、これまで「5日(回)分」のみだったものに、新たに「3日間用」が設けられることとなっています。
とはいえ、この3日間用であっても、価格は10,000円(1日あたり3,333円)と5日間用に比べて割高ですし、なおかつ3日間連続利用、という制限もありますので、この「3日間用」をもってしても、これまでのように「長期休暇中に気軽に出かける」使い方は、今後は難しくなるものといえます。


これほどまでに大きな、恐らく「青春18きっぷ」登場以来最大であろうと考えられる変革が行われたのも、上述のとおり「自動改札機の普及」「駅の無人化(無人時間帯の拡大)」に加え、金券ショップでの「バラ売り対策」も併せた結果、といえるのではないか、と思います。

下記日本テレビの記事で、今回の変更の理由をJR東日本に取材した記事が掲載されていましたので、引用します。
「狙いは時代の変化に合わせ対応できるようにすることです。駅の体制なども変わってきている中でそれに対応したものをと考えて自動改札機を通せるようにリニューアルしました」と説明しています。また利用者からも「自動改札機に対応できるようにしてほしい」などの声もあったといいます。

一方、利用日が「連続」する形になったことについては、「自動改札機では飛び飛びの利用日を判定ができないため連続するものにする必要がありました」「切符を分割して利用する人が多く、ニーズに沿えるよう5日間用に加えて3日間用も用意しました」と話しています。
人気の「青春18きっぷ」リニューアルのワケをJRに聞いた 自動改札可能に 3日間用も新発売 一方、新たな“制約”も(2024年10月24日掲載)|日テレNEWS NNN、下線太字は管理人による。


ネット上では、今回の「青春18きっぷ」の変更が「改悪」と評する意見も数多く見られますが、元より自動改札機非対応であったこと、そして利用開始時に有人による対応が求められること、そして本来の使い方ではない金券ショップによる「バラ売り」が根強いことなどを考えると、これらに対応する方法としては、このような方法になってしまうのかな、とも感じました。


個人的には、長らく利用していない「青春18きっぷ」ですが、今回「3日間用」が用意されましたので、次の冬季は難しくとも、今後機会を見つけて利用してみたいな、となるべくポジティブに捉えていこう、と感じたニュースでありました。



ここまで書いてふと、「自分が最後に青春18きっぷを使ったのはいつだったのか?」と記憶を呼び起こしてみたら、2010年(平成22年)の夏季が最後のようであります。

この時は、大学院生だったこともあり、夏休みを利用して論文の取材(+未乗線区完乗)で、「福井」「宇野・高松」「豊橋・鳥羽」「鹿島神宮・ひたちなか」「井原」の各目的地を別々の日に訪問しました。

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▲現在のところ、個人的に最後に購入した「青春18きっぷ」。
平成22年7月20日〜9月10日の有効期間で、5回とも全て和泉鳥取駅から乗車しています。

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▲これら5回で訪問した目的地の一つが、宇野線の宇野駅でした。
「青春18きっぷ」利用日の乗車記録等のブログ記事は以下のとおりです。
阪和線の沿線から : 2010年08月16日
阪和線の沿線から : 2010年08月23日
阪和線の沿線から : 2010年08月31日
阪和線の沿線から : 2010年09月07日
阪和線の沿線から : 2010年09月10日

上述のとおり、この冬からは、3日間用が新たに発売される一方、このように飛び飛びの日程で「青春18きっぷ」を利用する、ということはできなくなります。



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