阪和線の沿線から

阪和線沿線に住まう管理人による、鉄道やバスなどのブログ。

大手・準大手・首都圏近郊事業者

【小田急】新型ロマンスカーの設計着手を発表。2028年度の運行開始を目指す

小田急電鉄では、2029年3月の運行開始を目指して「新型ロマンスカー」の設計に着手したことを明らかにしました。

2028年度の運行開始を目指し「新型ロマンスカー」の設計に着手|小田急電鉄

上記発表資料によりますと、新たなロマンスカーは、30000形「EXE」(リニューアル工事を実施したEXEαを除く)の代替であり、50000形「VSE」の後継として位置づけるとのことです。

また、今後約1年間の時間をかけて、利用者のニーズに寄り添い応えていけるように、コンセプトやデザインの検討を深度化し、その先に車両製造の決定に関する社内手続きを完了していくステップを考えているとのことです。

詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



小田急電鉄のロマンスカーは、現在は70000形「GSE」、60000形「MSE」、そして30000形「EXEα」「EXE」の3形式となっています。

箱根への観光輸送の目玉として親しまれてきた50000形「VSE」が既に引退し、上記3形式の他に今後ロマンスカーの車両の動きが出てくるのか、気になっていたところですが、今回新たなロマンスカーを投入することが発表されました。

運行開始は2029年3月を予定しているとのことで、約4年半後の投入を予定しています。
肝心の車両についてですが、リニューアル工事が未実施の「EXE」30000形の置き換えとして投入するものの、車両の位置づけとしては、上述「VSE」の後継となるものと考えられますので、ロマンスカーの特徴であった「展望席」の設置などが期待できそうです。

一方で、「EXE」が担ってきた通勤等の有料着席サービスとしてのロマンスカーの役割も果たす必要もあることから、これらの両立をどのように実際の車両に落とし込んでいくのか、今後車両デザインが明らかになっていく中で、楽しみにしていきたいものであります。

実車の登場は少し先ですが、期待しながら続報を待ちたいと思います。


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▲50000形「VSE」。
2029年3月に運行開始を目指す新型ロマンスカーはこのVSEの後継となるとのことです。

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▲30000形「EXE」。
リニューアル工事が実施されてない「EXE」は、新型ロマンスカーに置き換えれることとなります。




鉄道コム関連記事】
「VSE」後継の新型ロマンスカーの設計に着手、小田急 2029年3月デビュー予定 - 鉄道コム



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【多摩都市モノレール】上北台〜箱根ケ崎間延伸の軌道事業特許を申請(2030年代半ば開業目標)

東京都立川市に本社を置く「多摩都市モノレール」では、現在上北台〜多摩センター間で営業を行っていますが、この度上北台〜箱根ヶ崎間の延伸について、軌道法に基づく特許を申請したことを発表しました。

多摩モノレール延伸(上北台〜箱根ケ崎)の軌道事業特許申請について|多摩都市モノレール

概要は以下のとおりです。

【特許申請日】
2024年7月23日(火)

【線路の起終点】
起点:東京都東大和市上北台一丁目5番2
終点:東京都西多摩郡瑞穂町大字箱根ケ崎字狭山253番2

【線路の延長】
7.0km

【建設費】
インフラ外部(多摩モノレール施行):約358億円(税抜)
インフラ部(東京都施行):約900億円(税込)
総額:約1,290億円(税込)

【開業時期】
2030年代半ばの開業を目指す

【位置図】
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(上記発表資料(https://www.tama-monorail.co.jp/240723_pressrelease.pdf)より引用)

詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



東京都の多摩地区を南北に走る多摩都市モノレール。
この地域では、東西を結ぶ鉄道網は充実しているものの、南北間の移動はもっぱらバスに頼ることが多いのですが、そういった状況を解消したのが、この多摩都市モノレールであったといえます。

私も阪和線の沿線に移り住む前は、JR中央線の沿線に住んでいましたが、丁度多摩都市モノレールが延伸していく頃でしたので、開業により便利になっていく様子を目の当たりにしていました。

路線が現在の姿になってから間もなく四半世紀になろうとしていますが、今回北側の終点である上北台から、八高線の箱根ケ崎の延伸の手続きが始まりました。

開業は、これから約10年後の2030年代半ばとなりますが、完成すれば、これまで鉄軌道の無かった武蔵村山市を走る初めての鉄軌道となるのは勿論、JR八高線が唯一の鉄軌道アクセスであった瑞穂町についても、多摩地区の拠点都市である立川と結ばれることから、都市としての利便性が向上することは間違いないでしょう。


私が住んでいた中央線沿線でも、多摩都市モノレールの開業を期に街並みが大きく変化したエリアも見受けられ、特に甲州街道(日野市)の周辺は、かつては最寄りの鉄道駅からかなり距離のある地域でしたが、この多摩都市モノレール開業により、立川や高幡不動といった鉄道駅と直結することとなったことから、現在では住宅やマンションが多く建ち並んでおり、モノレールがもたらした街並みの変化を地図上からでも容易に観察することができます。
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▲甲州街道駅周辺の国土地理院地図
(左:平成6年12月発行、右:平成30年6月発行、出典は今昔マップ on the webより)

上北台〜箱根ケ崎間の延伸開業後にも、沿線ではこのような街並みの変化が見られるのかも知れないと考えると、その変化がどのようなものとなるのか、今からワクワクします。

それ以前に、鉄軌道全線完乗を目指す者にとっては、約10年後に延伸開業することを予定に入れておき、無事延伸区間の完乗を目指すべく、これまた開業を楽しみにしておきたいところだな、と感じたニュースでありました。

【新京成電鉄】新京成線は「松戸線」へ、京成との合併が認可へ(2025.4.1合併)

京成電鉄では、昨年10月31日に、完全子会社の「新京成電鉄」の吸収合併を行うこととしていましたが、この度この合併が国土交通省より認可され、予定通り2025年4月1日に合併することが発表されました。

≪京成電鉄・新京成電鉄≫鉄道事業の合併が認可されました|お知らせ・ニュースリリース|京成電鉄
京成電鉄と新京成電鉄の鉄道事業の合併が認可されました|新京成電鉄

概要は以下のとおりです。
【合併実施日】
2025年4月1日(火)

【合併後の路線名】
京成松戸線

【営業キロ】
京成津田沼〜松戸間 26.5km

【合併時の鉄道運賃・料金】
合併に伴う変更は無し。

【合併時のダイヤ】
合併に伴う変更は無し。

詳細は、上記発表資料をご覧ください。



当ブログの下記記事でご紹介したように、京成電鉄では、子会社の新京成電鉄を吸収合併することとしていました。
(参考)


本日、その合併が正式に決定したわけですが、同時にファンが気になる「路線名称」なども発表されています。

その発表によりますと、現在の「新京成線」は「松戸線」と改称されることとなります。
また、運賃は現行どおり新京成線(松戸線)で別立ての運賃体系とするとのことです。

京成では、過去に千原線(旧・千葉急行線)を吸収した際にも運賃は打ち切り(千原線を別立てとした体系)としていましたので、今回の新京成線(松戸線)の際にも同様の措置を取った、といえるでしょう。

それは路線名称も同様で、千原線(終点の駅名は「ちはら台」)の前例でも旧社名に関わらず沿線を表す地名を採用しており、今回もそれに倣ったものともいえるでしょう。

一方、車両については、両社の発表資料には記載が無いものの、千葉県の地方新聞「千葉日報」では、車両デザインについては「合併後から順次、京成電鉄のイメージカラーを使ったデザインに刷新する」(同新聞記事より引用)としており、近年ピンク色にリニューアルされた新京成電鉄のカラーは、今後見納めになるものと思われます。
(参考)
【速報】新京成は「松戸線」に 京成との合併、国承認 運賃変更せず、車両デザインは刷新 | 千葉日報オンライン



いわゆる「準大手私鉄(民鉄)」の一社であった新京成電鉄の合併は、発表された際に大きなニュースとなりましたが、それに続き、これまた準大手私鉄の一社であった泉北高速鉄道も、南海電鉄に吸収合併されることとなり、来年には準大手私鉄が二社姿を消すこととなります。
(参考)


今後、泉北高速鉄道の合併が正式に決定されれば、勿論当ブログでもご紹介することとなりますが、その際には今回の新京成電鉄との合併と比較してみるのも、面白そうだとも感じました。

ともあれ、新京成線については既に乗車済みではありますが、手元に車両の画像等が無いので、上京する際に機会を見つけて、残り少ない「新京成線」の様子を記録しておきたいところであります。

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▲来年4月より新京成電鉄を吸収合併し、同線を「松戸線」として運営していく京成電鉄。
ピンクが主体の新京成の車両も、上記画像の3700系のような京成のカラーに今後変更されていくものと思われます。




【関連ブログ】
新京成線は「松戸線」に改称、ピンク色の電車は見納めへ | 鉄道プレス



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【JR東日本等】磁気乗車券からQR乗車券への置き換えを発表(2026年度末以降)

JR東日本や東武鉄道などの鉄道事業者8社(※)(以下、「鉄道8社」)では、磁気乗車券からQRコードを使用した乗車券(以下、「QR乗車券」)への置き換えを順次実施することを発表しました。
(※)京成電鉄、京浜急行電鉄、新京成電鉄、西武鉄道、東京モノレール、東武鉄道、JR東日本、北総鉄道の8社。

鉄道事業者8社による磁気乗車券からQRコードを使用した乗車券への置き換えについて|JR東日本
鉄道事業者 8 社による磁気乗車券から QR コードを使用した乗車券への置き換えについて |東武鉄道

概要は以下のとおりです。

【QR乗車券への置き換え目的】
・持続可能なシステムへの移行
(磁気乗車券用の機構の煩雑さ、鉄道固有の専門性の高さから、中長期的に維持していくために、持続可能なシステムへ移行。)

・より環境にやさしい用紙への置き換え
(磁気乗車券の用紙は金属を含んでいるため、リサイクルにあたり磁気層の分離・廃棄が必要であり、一定の環境負荷を与えている。QR乗車券では、よりリサイクルが容易な用紙に変更可能・)

・利用者サービスの向上
(機器の不具合による券詰まりなど、利用者に不便を与える状況が発生している。非接触による処理が可能なQR乗車券により、メンテナンス性の向上や故障率の低減を図る。)

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(上記発表資料(https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/releases/202405291150160CBBRsoa38jKVbdWopmmKA.pdf)より引用)


【QR乗車券の概要】
●対象:
自動券売機から発見する普通乗車券(近距離券)をQR乗車券に置き換え。
その他詳細については、決定次第発表。

●利用方法:
磁気乗車券を出改札機器へ投入する方式から、QR乗車券のQRコードを出改札機器のQRリーダーにタッチする方法へ変更。
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(上記発表資料(https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/releases/202405291150160CBBRsoa38jKVbdWopmmKA.pdf)より引用)


【システム】
鉄道8社共用のQR乗車券管理サーバーで管理。
8社が同一のシステムを使用することで、会社間にまたがるQR乗車券の発券が可能。
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(上記発表資料(https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/releases/202405291150160CBBRsoa38jKVbdWopmmKA.pdf)より引用)

【サービス開始時期】
2026年度末以降、順次実施予定


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



これまでの磁気乗車券に替わって、地方鉄道事業者での導入事例も既にある「QR乗車券」ですが、近年、JR各社や大手民鉄などで、導入を進めていく動きが出てきています。

ここ関西地区では、大手民鉄事業者等で構成する「スルッとKANSAI協議会」が、QRコードを活用したデジタル乗車券サービスの開始を、またJR西日本が周遊券等のQRチケットのサービスを開始することを発表しています。
(参考)




一方、東日本地区の鉄道事業者を見てみますと、JR東日本では2024年下期にQRコードを使用した新たな乗車サービス導入を発表しているほか、東武鉄道では2024年度までの4カ年を期間とする「中期経営計画2024〜2027」において、QR乗車券の導入による磁気乗車券の全廃を発表しています。
(参考)




このように、QR乗車券の仕組みが徐々に導入されていくなか、現在発売されている磁気乗車券をどのように扱っていくのか気になっていましたが、今回発表のあった8社では、2026年度末以降に現在の磁気乗車券をQR乗車券に置き換えていくことが発表されました。


思えば、磁気乗車券を使用した自動改札機は、ここ関西の阪急電鉄が嚆矢だったかと記憶しており、その後、1980年代にかけて関西地区の鉄道事業者を中心に普及が広がりました。
1990年代に入ると、これまで磁気乗車券の導入が進まなかったJR各社や首都圏の鉄道事業者でも導入が進み、大都市圏では当たり前のように磁気乗車券が利用されたのが、1990年代後半から2000年代にかけてでしょうか。

その後、交通系ICカードの普及により、磁気乗車券の利用割合は減少していき、現在では1割にも満たなくなりました。
将来的にこの磁気乗車券をどうしていくのか、というのは、新たにQRコードの技術が普及してきたこともあって、個人的に気になっていましたが、今回首都圏の8社では、磁気乗車券を廃止していくという、思い切った方向性が示されることとなりました。


今後、どのようなスケジュールで磁気乗車券をQR乗車券に置き換えていくか、また普通乗車券以外のきっぷをどのようにQR乗車券に対応させていくのか等、詳細は気になるところです。
ともあれ、技術の進化により、きっぷの形も変化していくことを、リアルタイムで体験していくことになりそうですので、その様子を逐次このブログでもご紹介していければと思っています。




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【名鉄】9500系・9100系の前面デザインを一部変更して投入へ。2024年度設備投資計画で明らかに

名古屋鉄道(名鉄)では、去る5月10日(金)に2024年度設備投資計画を発表しました。
2024 年度 名古屋鉄道 設備投資計画|名古屋鉄道

この中で、通勤型車両9500系・9100系について、16両新造することとしていますが、今年度より正面貫通扉を正面に配置し、将来的に連結運転時に常時通り抜けが可能な構造にすることとしています。

【デザイン】
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(上記発表資料(https://www.meitetsu.co.jp/ir/reference/investment_plan/__icsFiles/afieldfile/2024/05/10/24-05-10setsubitoushi2024_1.pdf)より引用)


この9500系・9100系は、2019年より投入されている、名鉄の最新型の通勤車となっています。
車両詳細|車両一覧|名鉄ライブラリー|名古屋鉄道

meitetsu_9500
(上記Webサイト(https://www.meitetsu.co.jp/library/rolling_stock/detail_exp/9500.html)より引用)


これまで投入されてきた9500系・9100系は、運転席に向かって中央より少し右に貫通扉が寄せられている位置どりとなっています。

しかし、今年度から投入されてきた9500系・9100系では、この貫通扉が正面中央に配置されることとなり、従来の同系式からイメージの変化がみられることとなります。

貫通扉を中央に寄せる理由としては、「昨今の鉄道車両内での異常事態発生を受けて、避難誘導の円滑化を図るため」(同社発表資料より引用)とのことで、将来的には常時通り抜け可能とする旨も発表しています。

これまでも名鉄では、6000系などで貫通扉が中央に配置された系式が無かった訳ではなかったのですが、一方で非貫通や、これまでの9500系・9100系のように、中央よりズレた位置に配置されているケースも多い模様ですが、今後は時間をかけて貫通扉が中央に配置されるデザインに切り替わっていくものと考えられます。



この5月10日(金)には、ここで挙げた名鉄以外にも、「近鉄8A系」、「京王2000系」の新造発表、そして泉北高速鉄道「泉北ライナー」のデザインリニューアルと、大手・準大手民鉄から新車両・新デザインにまつわる発表が立て続けに行われました。
(参考)




これだけ各社発表が重なるのも、レアケースではないかと思います。
まさに「祭」のような週末の発表ラッシュでしたが、何にせよ、このように新型車両・新デザイン車両が出てくるのは、ひと頃のコロナ禍のことを思えば、嬉しい動向といえるのではないのでしょうか。




【関連ブログ】
【名鉄】9500系マイナーチェンジ車を発表!貫通扉を中央に新設 - 鉄道プレス



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【京王電鉄】新型車両「2000系」導入を発表(2026年初め予定)

京王電鉄(東京都)では、京王線に新型通勤車両「2000系」を導入することを発表しました。

2026年初め、新型通勤車両「2000系 」を導入します〜安心 して、ずっとのっていただける、やさしさを運ぶ車両を〜|京王電鉄

概要は以下のとおりです。

【車両形式】
2000系

【導入両数】
40両(10両固定×4編成)

【運行開始】
2026年初めを予定

【外観イメージ】
2024051111-04-201

2024051111-04-482
(上記発表資料(https://www.keio.co.jp/news/update/news_release/news_release2024/nr20240510_shingata.pdf)より引用)

【内装イメージ】
2024051111-05-073
(上記発表資料(https://www.keio.co.jp/news/update/news_release/news_release2024/nr20240510_shingata.pdf)より引用)

【大型フリースペース】
・子育て世代やシニア世代など、あらゆる乗客が安全・快適に利用できるための大型フリースペース(仮称)を導入。
・座席を廃止し、ベビーカーや車いす利用者にとって利用しやすいエリアとする。
・設置号車は、車両乗降時にエレベーターに近い5号車とする。
・イメージ
2024051111-05-283
(上記発表資料(https://www.keio.co.jp/news/update/news_release/news_release2024/nr20240510_shingata.pdf)より引用)


その他詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



京王電鉄では、2018年より「5000系」を導入し、座席指定列車「京王ライナー」等を運行してきています。
5000系はロング・クロス転換座席を導入し、「京王ライナー」等以外でも一般の列車に充当されていますが、一方でロングシート車両の置き換えについては、近年行われてきてなかったようにも思われます。

今回新たに発表された「2000系」は10両固定編成・ロングシートの車両で、7000系を中心に置き換えていくものと考えられます。
注目はそのデザインで、同社によりますと、「車両前面、側面ともに円をモチーフにしたラウンド型とすることで、多くの人が優しさを感じ、安心できる車両を表現」(同社発表資料)したものとしていますが、その顔つきが、古生代魚の「サカバンバスピス」に似ていると、ネットメディアの「ねとらぼ」で取り上げられるなど、強烈なインパクトを与えている模様です。
(参考)
「完全にサカバンバスピス」「サカバンバスピスにしか見えない」 京王電鉄の新車が古生代魚に似ていると話題(1/3 ページ) - ねとらぼ

その愛らしいといいましょうか、そんなデザインの一方で、5号車には初めての試みとして「大型フリースペース(仮称)」を設置しています。
西武40000系京都市交通局20系のように、車両の一部区間の座席を撤去し、車いすやベビーカー等でも利用しやすい区画を設けるのは、既に実例がありますが、今回の京王2000系では、編成中央付近の5号車に設けられているのが特色といえるでしょう。

この理由については、同社では「車両乗降時にエレベータに近い」(同社発表資料)ことを挙げており、先頭車両に設けている先例と異なる方針となっています。

確かにベビーカーにしろ車いすにしろ、ホームへの移動はエレベーターを利用することが基本と考えられますので、そこにフリースペースを寄せるのは、理にかなったものであります。
逆にいえば、京王線に関しては、エレベーターの位置がある程度揃えて整備できている、ということになりますでしょうか。


ともあれ、外観は何とも奥ゆかしい表情を見せている2000系。
再来年の2026年から導入が始まるとのことですので、機会があればその顔を拝むことができればいいなと思っています。


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▲京王電鉄7000系(東府中駅)
競馬場線等の支線での運用もある7000系ですが、同社京王線系統の車両としては最古参となっています。
2000系の登場により、今後置き換えが進められるものと考えられます。




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【西武鉄道】新宿線「ニューレッドアロー」10000系置き換えへ。有料着席サービスの刷新を検討(2026年度運行開始予定)

西武鉄道(本社:埼玉県所沢市)では本日、2024年度の鉄道事業設備投資計画を発表しました。
その中で、2025年度以降に予定している事業として、「新宿線有料着席サービスの刷新」が挙げられています。

2024年度 鉄道事業設備投資計画 西武鉄道 過去最大の総額334億円 「沿線価値向上」「デジタル化」「働きがい向上」へ積極的に投資 :西武鉄道Webサイト

概要は以下のとおりです。

【新宿線 有料着席サービスの刷新】
・現在新宿線で運行している10000系車両(ニューレッドアロー)を、今後新たな車両へ置き換える。
・ニューレッドアロー置き換えとともに、有料着席サービスの刷新を検討
柔軟な運行形態や利用者の着席機会の拡充などのサービス向上を図る。
2026年度中の運行開始を予定、詳細は決定次第発表。

2024050920-20-585
(上記発表資料(https://www.seiburailway.jp/file.jsp?newsroom/news/file/20240509_setsubitoushi.pdf)より引用、赤枠は管理人による。)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



現在、西武鉄道では有料着席サービスとして、特急「ちちぶ」「むさし」と「小江戸」を、また有料着席サービスとして「S-TRAIN」と「拝島ライナー」を、それぞれ運行しています。

このうち「ちちぶ」「むさし」については、新型車両「Laview」001系を投入しており、また「拝島ライナー」は設定当初の西武新宿・夕方発に加え、2022年9月からは朝の拝島発も運行されています。
(参考)


そして、特急「小江戸」については、上述の「Laview」投入時にも引き続き10000系「ニューレッドアロー」による運行が続いています。
かつて「ちちぶ」「むさし」で運用されていた「ニューレッドアロー」の一部編成が富山地方鉄道に譲渡されたいま、「小江戸」として残されたニューレッドアローの去就が気になるところでしたが、今回2026年度には置き換えられることが発表されました。

同時に発表されたのが、「新宿線」の「有料着席サービスの刷新」であります。
仮に「小江戸」の運行形態をこのままで、車両だけ置き換えるのであれば、単に「置き換え」と表現するはずで、わざわざ「有料着席サービス」を「刷新」と銘打っているところをみると、新宿線の「特急」自体を見直すことも大いに考えられそうです。


その新宿線には、拝島線に直通する「拝島ライナー」が運行されている上に、上記発表資料で「柔軟な運行形態」と記されていることなども合わせもって考えると、新宿線系統の有料着席サービスは、ロング・クロス両用座席を使用した40000系で統一させるのかな、という気もしてきます。

ともあれ、新宿線を走る「ニューレッドアロー」は、あと2年ほどで置き換えられることが明確となりましたので、乗り納めは早めにしつつ、新宿線の新たな有料着席サービスの概要を楽しみにしたいと思います。

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▲「拝島ライナー」に使用される40000系ロング・クロス両用座席車両。
一般列車ではロングシートとして、有料着席サービス時にはクロスシートとして、柔軟に運用できることから、新宿線の新たな有料着席サービスにおいて、どのような役割を担っていくのか、注目したいと思います。




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【東武鉄道】「中期経営計画2024〜2027」で磁気乗車券全廃を計画

東武鉄道では本日(4月30日)、「東武グループ中期経営計画2024〜2027」を策定しました。

東武グループ中期経営計画2024〜2027の策定について|東武鉄道

中期経営計画では、2024年度〜2027年度までの4カ年で、2030年代に始まる東京圏での人口減少社会を見据え、非鉄道事業の拡大および割合の増加を実現するため、中長期的な収益・利益拡大に資する事業育成を推進し、また、インバウンド需要の回復を捉えた事業をグループ全体で展開し、収益基盤を確立するとともに、事業領域の拡張を見据えた新規事業を育成する種まきの期間とする、としています。

具体的な実施計画は、上記経営計画をご覧いただくとして、個人的に気になった実施計画をピックアップします。
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(上記発表資料(https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/disclosure_documents/20240430143543tMZzvskWzDDVvn19AC00Qw.pdf)より引用、赤枠は管理人による。)


「事業基盤(沿線)の継続的な強化」の項目内の「デジタル技術を活用した持続的な運行体制の確立」の項目の一つとして、「QR乗車券の導入による磁気乗車券の全廃」が挙げられています。

QR乗車券については、地方鉄道レベルの線区ですと、北九州モノレール(福岡県)やゆいレール(沖縄県)では既に以前から導入しており、磁気乗車券を置き換えて久しいところです。

一方で、大手民鉄などでは、QRコードリーダーの設置もこれから整備を進めていくということもあってか、一部の企画乗車券がQR乗車券として販売されており、磁気乗車券全廃へは一足飛びに無理だろうな、と個人的には思っていました。

実際、大手民鉄で磁気乗車券全廃の方針を発表したケースは無かったように思われるだけに、今回の東武グループ中期経営計画で「磁気乗車券全廃」を打ち出したのには正直驚きました。
当の東武鉄道でも、QR乗車券は、昨年10月から一部の駅で実証実験としてスタートさせている状態ですので、QR乗車券の拡大、ましてや磁気乗車券の置き換えはまだまだ先の話、と思っていました。
(参考)
一部駅においてQRコードを利用したデジタル乗車サービスの実証実験を行います |東武鉄道

この中期経営計画は、今年度から4年間の計画期間が設けられています。
それまでの間に、磁気乗車券を全廃させQR乗車券に移行するわけですから、仮に計画通り実現させるのであれば、相当早いペースでのカードリーダー設置やきっぷの置き換えが発生することは明らかです。

加えて、東武鉄道では、東京メトロを介して首都圏の大手民鉄各社へ乗り入れていますし、一方で鬼怒川線の新藤原を介して野岩鉄道や会津鉄道への直通列車も運行されています。

このように広大かつ他社に乗り入れるネットワークを有する東武鉄道が、磁気乗車券を廃止してQR乗車券を導入するとなれば、多岐に渡る他社との調整が必要となるのも、これまた明らかといえます。
そういった調整を完了させ、4年後には磁気乗車券が東武鉄道から消滅するのかどうか、気が向けばきっぷを集める程度のライトな「きっぷ鉄」である私にとっても、気になるニュースに感じました。


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▲北千住駅で発車を待つ東京メトロ日比谷線・中目黒行きに充当される東武70000系。
このように、東武鉄道では東京メトロ等への相互直通運転を実施しています。
そのため、磁気乗車券廃止・QR乗車券への統一についても、直通運転する他社との調整が欠かせません。
今後どのようなスケジュールで磁気乗車券廃止を進めていくのか、このブログでも注目したいと思います。




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【東急】東横線「Q SEAT」を2両から1両に減車へ。本数は2本増発に(2024.5.7〜)

東急電鉄では、東横線で運行している有料座席指定サービス「Q SEAT」のサービス内容を一部変更することを発表しました。

東横線 有料座席指定サービス「Q SEAT」 サービス内容の一部変更|お知らせ|東急電鉄株式会社

概要は以下のとおりです。

【サービス変更日】
2024年5月7日(火)

【サービス変更内容】
●サービス時間帯の拡大
現在の1日5本から2本増発し、合計1日7本で運行
(渋谷18:35発、19:05発を増発)

●サービス両数の変更
10両編成のうち、一部列車の4・5号車でのサービスから、一部列車の5号車のみでのサービスに変更
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(上記発表資料(https://www.tokyu.co.jp/information/list/Pid%3Dpost_53741.html)より引用)
4号車は、他車両と同じくロングシートで運行
・4号車は、ラッピング車両となるが、列車指定券なしで利用可能。


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



昨年(2023年)8月よりサービスが開始された、東急東横線の有料着席サービス「Q SEAT」。
(参考)


既に大井町線で定着している「Q SEAT」ですので、より利用者の多い東横線でも利用者が定着することを見越してか、当初から10両編成のうち2両での設定でスタートしました。

一方で、ダイヤや他社線との関係もあり、渋谷始発の「急行」の一部列車で設定されたことから、どの程度の利用が定着するのかが注目されていました。


しかし大井町線のように利用者が定着するのはなかなか難しいからか、今回東横線でのサービス開始から1年も満たないうちに、Q SEAT車両の減車(2両→1両)が実施されることとなりました。

利用者が他地域に比べて非常に多い首都圏、しかも「渋谷」という随一の繁華街から人口が集中する地区を走る東横線ですので、この手のサービスはてっきり定着するものと個人的には予想していただけに、今回の減車は意外に感じました。

低迷している理由は外部からは窺うことは難しいですが、
・運賃に比較して座席指定料金が比較的に高い
(渋谷→横浜間の運賃が310円に対し、座席指定料金は500円。)
・渋谷始発の列車であれば待ちさえすれば着席が可能
・有料着席サービスのメリットが活かせる途中駅からの利用が少ない
(「拝島ライナー」における「高田馬場」、「京王ライナー」における「明大前」のように、利用者の多い途中駅があれば、有料着席サービスに価値を見いだす利用者が多くなる。)

などの理由が複合的に合わさった結果、といえるかも知れません。


ともあれ、ゴールデンウィーク明けからは2両から1両に半減する東横線「Q SEAT」ですが、今後利用が定着すれば2両への復活もあるかも知れませんので、今後の動向を引き続き注目していきたいな、と思ったニュースでした。



鉄道コム関連記事】
「Q SEAT」対象車両を1両減車へ 東急、東横線の有料座席指定サービス内容を一部変更 - 鉄道コム



【関連ニュースサイト】
東急東横線「Q SEAT」はなぜ縮小に追い込まれたか。1両に減車、2本を増発 | タビリス
東急東横線「Q SEAT」1両のみに - 5/7から2本増発、1日計7本運行へ | マイナビニュース
東急 東横線「Q SEAT」、1日7本に増発!一部列車は両数変更 5月7日から | レイルラボ ニュース



【関連ブログ】
[東急]東横線のQシートは1両のみに変更。夕方に2列車を新設。2024/5/7から: 鉄道ダイヤ改正ニュース



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【宇都宮ライトレール】ダイヤ改正実施(2024年4月1日)朝の下りで快速運転開始

栃木県の宇都宮市と芳賀町を走る「宇都宮ライトレール」では、来る2024年4月1日(月)よりダイヤ改正を実施することを発表しました。

春のダイヤ改正について | 宇都宮ライトレール

概要は以下のとおりです。

【改正日】
2024年4月1日(月)

【改正ポイント】
●宇都宮駅東口〜芳賀・高根沢工業団地間の所要時間を短縮
平日の各駅停車の所要時間が、約48分⇒約44分に短縮

●通勤・通学需要に対応した増便等を実施。
朝ピーク時間帯(始発〜8:30)の運転本数を18本⇒20本に増発。
帰宅時間帯(18時台〜20時台)上り(芳賀・高根沢工業団地発)の運転本数を13本⇒17本に増発。

●下りの快速運行を実施
下りの6時台後半〜7時台に、所要時間42分の快速電車を運行。
停車駅は「宇都宮大学陽東キャンパス」「平石」、「清陵高校前」以東の停留所


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



昨年8月に開業した「宇都宮ライトレール」。
予想を上回る利用実績で、すっかり地域の足として定着したこの路線ですが、昨年10月に続き、この4月に再びダイヤ改正が実施されることとなりました。
(参考)


この4月のダイヤ改正では、以前より予定されていた「快速運転」が実施されることとなります。
既に下記「乗りものニュース」の記事でも触れられているように、開業翌年以降のダイヤ改正で快速運転自体は予定されていましたが、新年度に併せて快速運転がスタートすることになります。
(参考)
宇都宮のLRT「最終形」はどうなる? ダイヤも路線も開業時は「仮の姿」 | 乗りものニュース

設備についても、既に快速運転に対応できるよう、「平石」「グリーンスタジアム前」の各停留所では、列車の追い越しが可能な構造となっています。
(参考)


その設備がいよいよ本領を発揮することになる今回のダイヤ改正。
新設LRTの成功例として、全国的に注目を集め続けている宇都宮ライトレールが、今回の快速運転で更に、LRTの本領を発揮して、混雑を緩和しつつ、より多くの方に利用してもらえるようになればいいな、と感じたニュースでありました。

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▲宇都宮駅東口に入線する宇都宮ライトレールHU300形

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▲宇都宮駅東口停留所の発車案内。
現行のダイヤでは「各停」のみですが、このように種別表示枠が用意されています。
この4月からは、ここに「快速」も表示されることになります。





鉄道コム関連記事】
宇都宮ライトレール ダイヤ改正・快速運転(2024年4月1日) - 鉄道コム



【関連ニュースサイト】
宇都宮LRT「快速」ついに運転開始へ 増便ダイヤ改正でいよいよ本領発揮 どれだけ時短に? | 乗りものニュース
宇都宮ライトレール、2024年4月ダイヤ改正実施 最混雑時間帯に下り「快速」運行 | 鉄道ニュース | 鉄道チャンネル
宇都宮ライトレール,4月1日にダイヤ改正を実施|鉄道ニュース|2024年2月22日掲載|鉄道ファン・railf.jp



【関連ブログ】
[宇都宮LRT]いよいよ快速運転開始!朝の下りのみ。2024年4月1日にダイヤ改正: 鉄道ダイヤ改正ニュース
ライトライン、4月1日改正で快速登場: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」



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