阪和線の沿線から

阪和線沿線在住の筆者が記している日記です。
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大手・準大手・首都圏近郊事業者

【東急電鉄】東横線の有料着席サービス「Q SEAT」は8月10日(木)より開始。平日の渋谷発急行5本に設定

東急電鉄では、2023年度以降に同社の東横線で有料着席サービス「Q SEAT」を導入することを既に発表しています。
阪和線の沿線から : 【東急電鉄】東横線に有料着席サービス「Q SEAT」導入を発表(2023年度以降)

この度、この東横線「Q SEAT」の開始日及びサービス内容が発表されました。

2023年8月10日(木)より、東横線で有料座席指定サービス「Q SEAT」を開始します|ニュースリリース|東急電鉄株式会社
2023年8月10日(木)より、東横線で有料座席指定サービス「Q SEAT」を開始します|東急電鉄

概要は以下のとおりです。

【サービス開始日】
2023年8月10日(木)

【運行区間】
東横線 渋谷駅〜みなとみらい線 元町・中華街駅(種別:急行)

【サービス区間】
・有料座席指定サービス乗車・降車可能区間:渋谷〜菊名
・フリー乗降区間:横浜〜元町・中華街
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(上記発表資料(https://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/b537a57eb0f821158cbaaa5d9452040d413f8f51.pdf)より引用)

【運行本数】
平日の渋谷発元町・中華街行きの5本

【運行時刻】
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(上記発表資料(https://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/b537a57eb0f821158cbaaa5d9452040d413f8f51.pdf)より引用)

【使用車両】
5050系
10両編成のうち、4・5号車をロング・クロス転換車両として本サービスで運用。
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(上記発表資料(https://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/b537a57eb0f821158cbaaa5d9452040d413f8f51.pdf)より引用)

【車両設備】
電源コンセントとカップホルダー(一部座席)を設置しているほか、車内Wi-Fiサービスも無料で利用可能。
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(上記発表資料(https://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/b537a57eb0f821158cbaaa5d9452040d413f8f51.pdf)より引用)

【指定料金】
500円(大人・小児一律)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



既に導入が発表されている東横線の有料着席サービス「Q SEAT」。
その概要は既に発表されていましたので、サービスの開始時期と対象列車が焦点でしたが、今回これらの内容が発表されました。

サービス開始は8月10日(木)と、お盆前のサービス開始となりますが、注目は対象列車といえるでしょうか。
上記発表内容のように、東横線でQ SEATが導入される列車は、平日ダイヤの渋谷発元町・中華街行きの5本で、19時台〜21時台に30分ごとの設定となります。

利用者の多い東横線ですので、結構な本数でQ SEATの導入が行われるのでは、とも思ったりしましたが、結果は夕方の5本で、しかも最混雑時を避けた19時以降の設定となっています。

もっとも、先行してQ SEATが導入された大井町線でも、導入当初より設置時間帯が拡大されていますので、東横線でも、今後Q SEATの設定を前後の時間帯に拡大していくことは大いに考えられます。

一方、設定種別に関しては、渋谷始発の「急行」にのみ設定されることとなりました。
東横線では、多くの列車が東京メトロ副都心線に直通運転している一方、一部の急行及び普通は渋谷始発で設定されています。

副都心線への直通列車が多い中、果たしてどのようにQ SEATを設定するのかが気になるところでしたが、答えとしては、渋谷始発の急行列車への設定と、利用者や現場の混乱が少ない方法での導入となったのかな、と個人的には感じています。


既に大井町線で実績のある「Q SEAT」。
東横線では今後、どのようにサービスが拡充されていくのか、引き続きチェックしていきたいと思ったニュースでした。




【関連ニュースサイト】

東急東横線「Q SEAT」8/10サービス開始 みなとみらい線内はフリー区間に | 乗りものニュース
東急東横線「Q SEAT」8/10開始、平日夜の急行5本でサービス実施へ | マイナビニュース
東急東横線で8月10日から有料座席指定サービス「Q SEAT」を開始|鉄道ニュース|2023年7月26日掲載|鉄道ファン・railf.jp



【関連ブログ】
[東急]東横線のQシート、2023/8/10開始。渋谷始発19〜21時台の急行で: 鉄道ダイヤ改正ニュース



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【東京都】上野動物園モノレールの廃止届提出。2019年11月より老朽化のため運休中

東京都交通局では、2019年11月より運休していた上野動物園モノレール(懸垂電車上野懸垂線)について、本日(7月21日)、鉄道事業法第28条の2(事業の廃止)に則り、国土交通大臣宛てに鉄道事業廃止届を提出したことを発表しました。

東京都懸垂電車上野懸垂線の鉄道事業廃止届の提出について | 東京都交通局

概要は以下のとおりです。

【廃止路線】
東京都懸垂電車上野懸垂線
(上野動物園東園駅・上野動物園西駅間、0.3km)

【廃止予定日】
2024年7月21日

届出後、関東運輸局長が届出に係る廃止の日より前に当該廃止を行ったとしても公衆の利便を阻害するおそれがないと認めた場合は、廃止の日を繰り上げることがある。


(参考:鉄道事業法)
(事業の廃止)
第二十八条の二 鉄道事業者は、鉄道事業の全部又は一部を廃止しようとするとき(当該廃止が貨物運送に係るものである場合を除く。)は、廃止の日の一年前までに、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない
2 国土交通大臣は、鉄道事業者が前項の届出に係る廃止を行つた場合における公衆の利便の確保に関し、国土交通省令で定めるところにより、関係地方公共団体及び利害関係人の意見を聴取するものとする。
3 国土交通大臣は、前項の規定による意見聴取の結果、第一項の届出に係る廃止の日より前に当該廃止を行つたとしても公衆の利便を阻害するおそれがないと認めるときは、その旨を当該鉄道事業者に通知するものとする。
4 鉄道事業者は、前項の通知を受けたときは、第一項の届出に係る廃止の日を繰り上げることができる


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



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▲上野動物園を走るモノレール40形

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▲東園駅に停車中のモノレール40形


このブログでもご紹介したように上野動物園モノレールでは、車両の経年劣化が進んでいることから、2019年11月1日より運転を休止してます。


また、車両の更新に加え、電気設備等についても今後大規模な更新が必要なことから、このモノレールの代替となる新たな乗り物について検討してきて、昨年(2022年)11月に、「コンパクトな乗り物」を想定した、基本方針を発表しました。


新たな乗り物として、小型モノレール等の「コンパクトな乗り物」が想定され、また、現在の上野動物園モノレールと同等の輸送量が確保できる施設であることが示されているなか、現在の上野動物園モノレールから、どのような取扱いを経て新たな乗り物を導入していくのかが気になるところでした。

端的に言えば、「鉄道事業法に基づいた」乗り物となるのか否か、が焦点でありましたが、今回、この上野動物園モノレールについて、廃止届が提出されたことから、新たな乗り物は鉄道事業法に基づかないものとなることが濃厚となりました。

先の過去記事でも「引き続き鉄道事業法に基づく交通機関として運営し続けるのかどうか、気になるところ」と記していましたが、結果は「鉄道事業法に基づかない」こととなりました。

私自身は、休止直前の2019年8月に、この上野動物園モノレールに乗車してきました。


平日夕方の訪問でしたが、既にこの時であっても少なくない鉄道ファンが上野動物園モノレール40形の撮影に勤しんでいましたが、やはり休止を経てここをモノレールが従前どおり走る、ということはならなくなりました。

この時は、たかだか0.3kmのモノレールに乗るために、運賃(150円)よりも高い入園料(600円)を支払って入園し、しかも名物の「パンダ」などには目もくれず、モノレール乗り場に向かって乗車を果たすことができました。

このときのチャンスを逃すと、運休前の乗車は果たせなかったわけですが、今回廃止届が提出されたことから、この時に何としてでも乗車が果たせて良かった、と思う次第です。



鉄道事業法としてのモノレールは廃止となりますが、一方で2026年度には、園内を移動する新たな乗り物が運行されることとなります。
その乗り物がどんな車両で、どのようなルートを走っていくのか。
「鉄道」では無くなることから、このブログで続報を追いかける必要は無いかも知れませんが、これまでこのように取り上げてきたこともありましたので、引き続きこのブログでも今後の動きをご紹介していきたいな、と感じています。



【関連ニュースサイト】
東京都、上野動物園モノレールの廃止届を提出 老朽化で2019年より運休中 - 鉄道コム
上野動物園モノレール1年後に廃止へ - 廃止予定日繰り上げる場合も | マイナビニュース
東京都交通局,上野動物園モノレールの鉄道事業廃止届を提出|鉄道ニュース|2023年7月28日掲載|鉄道ファン・railf.jp



【関連ブログ】
上野動物園のモノレール、廃止へ: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」



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【京王電鉄】京王線・井の頭線の鉄道乗車ポイントサービス開始(2023.10.1)小児向けは運賃50%還元。回数乗車券は一部を除き発売終了

京王電鉄では、京王線・井の頭線の乗車で「京王トレインポイント」が貯まる「鉄道乗車ポイントサービス」を開始することを発表しました。

2023年10月1日(日)から京王線・井の頭線の鉄道乗車ポイントサービスを開始します |京王電鉄

概要は以下のとおりです。

【開始日】
2023年10月1日(日)

【サービス内容】
京王アプリ内の鉄道乗車ポイントサービスに会員登録したPASMOで同社線に乗車することで、乗車回数や乗車運賃に応じて「京王トレインポイント」を付与。
なお、大人運賃と小児運賃で「京王トレインポイント」の付与方法が異なる。

【大人向け】
同一月内に同一運賃区間を複数回乗車すると、乗車運賃の累計と同一運賃区間の乗車回数に応じて変動する付与率をもとにポイントを付与。
同一月内に同一運賃区間を乗車した場合の付与率:
・5回〜8回:1%分
・9回〜16回:4%分
・17回〜24回:8%分
・25回〜32回:12%分
・33回以上:14%分

【小児向け】
1回の乗車ごとに乗車運賃の50%を付与

【付与イメージ】
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(上記発表資料(https://www.keio.co.jp/news/update/news_release/news_release2023/nr20230703_joshapoint.pdf)より引用)

【サービス対象】
「京王アプリ」内の「鉄道乗車ポイントサービス」で会員登録したPASMOが対象

【対象となるPASMO】
カードタイプのPASMO、モバイルのPASMO

【京王トレインポイントの利用方法】
・京王ポントへ交換
1ポイント単位で10%上乗せで交換。
「京王ライナー」座席指定券購入や、京王百貨店での購入等「京王ポイントサービス」対象店で利用可能。
京王ポイントへ交換する際には、京王パスポートカードが必要

【セブン銀行ATMでPASMOへチャージ】
1ポイント単位でPASMOへチャージ可能
チャージ1回あたり88ポイントの手数料が必要

【利用方法イメージ】
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(上記発表資料(https://www.keio.co.jp/news/update/news_release/news_release2023/nr20230703_joshapoint.pdf)より引用)

【回数乗車券の発売終了】
・発売終了する回数乗車券:
普通回数乗車券、時差回数乗車券、土・休日割引回数乗車券
(※通学用割引普通回数乗車券・身体障がい者用回数乗車券・知的障がい者用回数乗車券は発売を継続)
・発売終了日:
2023年8月31日(木)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



交通系ICカード普及に加え、コロナ禍後のテレワーク定着等の新たなライフスタイルの定着などによる利用状況の変容により、各鉄道事業者では、これまで発売してきた回数乗車券の代わりに、新たなポイントサービスを実施するところが増えてきました。

今回ご紹介する京王電鉄のサービスもそういった流れの一つであり、同社でも「新たなポイントサービス」の提供開始と引き換えに、これまで発売してきた「回数乗車券」の発売を終了することとしています。


そのニュース自体は特に目新しいものではないのですが、今回発表された京王電鉄の内容では、他社では見られない特徴が2点ありました。

一つは「小児運賃での50%ポイント付与」です。
これまで、小田急電鉄泉北高速鉄道京浜急行でIC利用の場合に小児運賃を均一化する動きをご紹介しましたが、今回の京王では、上述3社とは異なる方法での子育て世代の支援として、小児運賃の実質大幅値下げを実施することとなりました。

大人と小児でポイントサービスの付与率を変える取り組み、というのは個人的には聞いたことがなく、今回の京王電鉄の施策はユニークなものと考えられます。


一方で、もう一つの注目は「ポイントチャージ時の手数料徴収」でしょうか。
この手の付与ポイントでは、事業者グループの店舗等で利用できたり、ICカードのチャージ額に利用できたりするものが代表的で、今回の「京王トレインポイント」も、京王百貨店等で利用できたり、PASMOにチャージできたりします。

しかし、そのうち「PASMOチャージ」では、1回88ポイントの手数料が必要となっています。
これまた、交通系ICカードのポイントチャージに手数料が必要なケースは個人的に聞いたことがなく、これまた利用者にとって注意しないといけない仕組みになっています。


総じて言えば、小児運賃のポイント付与率をアップさせる一方、チャージに関する手数料を利用者に負担させるという、ある意味メリハリを聞かせたポイントサービスとも評価できるでしょう。


そして、このポイントサービスの提供開始と引き換えに回数乗車券の廃止となりますが、その発売終了日は、8月31日(木)と、ポイントサービス開始の一ヶ月前となることにも、注意が必要でしょう。

これまた、通常はポイントサービス開始直前に回数乗車券を廃止することが多い流れの中では特殊なケースともいえるでしょう。


ともあれ、メリットもデメリットも特別なだけに、特に京王電鉄のライトユーザーの方々にとっては、制度の切り替わりのタイミングでは、回数券の買い忘れなど注意しておきたいな、と感じたニュースでありました。

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▲永福町駅に停車中の京王井の頭線1000系。
8月末で回数券(一部除く)の発売が終了、10月からは鉄道乗車ポイントサービスが開始となります。




【関連ニュースサイト】
京王 乗車ポイントサービス 導入(2023年10月1日〜) - 鉄道コム
京王 普通・時差・土休日回数券 発売終了(2023年8月31日) - 鉄道コム
京王線乗車でポイントサービス 最大14% - Impress Watch
京王電鉄、鉄道乗車ポイントサービスを開始 - 回数券は発売終了へ | マイナビニュース



【関連ブログ】
京王のポイントサービス、子供は運賃の50%のポイントを付与: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」



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【名古屋鉄道】運賃改定申請・特別車両料金改定予定を発表(2024年春予定)

名古屋鉄道(名鉄)では、去る5月26日に旅客運賃の改定を申請するとともに、運賃改定の認可後、特別車両料金の改定を届け出ることを発表しました。

鉄軌道旅客運賃の改定を申請しました|名古屋鉄道

概要は以下のとおりです。

【実施予定時期】
2024年3月(予定)

【運賃改定内容(概要)】
・初乗り運賃:
現行170円→申請180円

・改定率:
合計10.0%(増収率8.9%)

・その他:
普通運賃で利用の多い7kmまでの区間は改定率を抑制。
通学定期は、家計負担に配慮し運賃を据え置き。
知多新線、豊田線、羽島線、空港線に設定している加算運賃は変更せず。

【特別車両料金改定内容】
現行料金360円
⇒概定後:
基本料金・・・450円
閑散時間帯割引料金・・・300円
車内精算料金・・・500円



詳細は、上記発表資料をご覧ください。



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▲名鉄名古屋駅に停車中の名鉄車両。
今回普通運賃の値上げを申請しています。


既に多くの大手民鉄が運賃改定(値上げ)を発表しているなか、今回名鉄でも値上げの運賃改定申請が発表されました。


今回の発表では、運賃改定以外にも、特別車両料金の改定を届出予定であることも、併せて発表されています。

こちらをみますと、現行は一律360円であるところが、改定後は、「基本料金」「閑散時間帯割引料金」「車内精算料金」の3つの料金に細分化されることとなります。

既に首都圏の民鉄では、有料着席サービスで車内精算を行った場合、通常より割高な料金を設定している例が存在していますが、首都圏以外の大手民鉄でこのような料金設定を行うのは、名鉄が初めてではないかと思います。

今後、このような割高となる車内精算料金の設定は、関西圏の民鉄有料着席サービスでも広がるのかな、とも感じています。

また、閑散時間帯にネット予約サービス限定で割引を実施するのも目新しいものがあります。
閑散時間帯には、土休日の終日も含まれることから、今回の設定で恩恵を受ける特別車両ユーザーも多いかと思われます。
ただこの割引料金については、中部国際空港発着の場合は対象外となりますので、注意が必要です。

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▲名鉄2200系の特別車両(名鉄名古屋駅)
今回、乗車日時及び購入時期で料金が変動する仕組みが導入されました。
車内精算では一般料金以上に高くなる一方、閑散時間帯は割安になるといった、メリハリのついた料金体系になることが予想されます。



ともあれ、少子高齢化により利用者の減少が続く一方で、行動様式の変容により、特に通勤利用がコロナ禍前に戻るのは厳しい状況です。
しかも名鉄では、元々鉄道利用の割合が低い上に、もとより利用状況の厳しい線区も抱えていることから、値上げの運賃改定は仕方がないのではないかと思ったニュースでありました。



【関連ブログ】
【名鉄】2024年に29年ぶりの運賃値上げを実施へ - 鉄道プレス




【関連ニュースサイト】
名鉄、2024年3月に運賃改定へ 名古屋〜豊橋間は1270円に - 鉄道コム
名鉄28年ぶり運賃値上げ 24年3月から初乗り10円増 特別車両券も90円値上げ | 乗りものニュース
名鉄,鉄軌道旅客運賃の変更認可を申請|鉄道ニュース|2023年5月28日掲載|鉄道ファン・railf.jp



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【芳賀・宇都宮LRT】開業日は8月26日(土)に決定

宇都宮市と芳賀町(はがまち)を結ぶ、国内75年ぶりとなる新設開業となる路面電車となる「芳賀・宇都宮LRT」。
その開業日が2023年8月26日(土)に決定したことが、発表されました。

芳賀・宇都宮LRTの開業日が決定しました|宇都宮市公式Webサイト
2023年8月26日開業!芳賀・宇都宮LRT | インフォメーション | MOVE NEXTうつのみや LRTからはじめる、次の暮らし

概要は以下のとおりです。

【開業日】
2023年8月26日(土)
(※)路面電車としては国内で75年ぶりとなる開業、また、路面電車がなかったまちにLRTを新設して開業するのは、国内初。

【開業告知イメージ】
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(上記発表資料(https://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/kurashi/kotsu/lrt/1028857/1032422.html)より引用)

【開業当初の運行】
開業後一定期間は運賃収受等にて時間を要することから、以下のとおり運行。
・所要時間:
40分台後半、普通運行のみ実施

・運行間隔:
ピーク時・・・約8分間隔
オフピーク時・・・約12分間隔

【開業日当日の運行について】
一般利用者の乗車は、式典終了後の15時以降を予定。

2023060202
(上記発表資料(https://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/kurashi/kotsu/lrt/1028857/1032422.html)より引用)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



当初は2022年3月の開業が予定されていた、この「芳賀・宇都宮LRT」(以下、「宇都宮LRT」。)
しかし、コロナ禍による工事進捗の遅延により開業が1年延期され、2023年3月の開業予定となっていました。
更に、工事区間内に自動車交通量の多い大規模な交差点が存在することから、交通規制の範囲を当初計画より縮小することとなったため、更に開業期間が延期となり、2023年8月の開業予定で工事が進められてきました。
(参考)
阪和線の沿線から : 【芳賀・宇都宮LRT】2023年8月開業見込みを発表。併せて駅西側への整備区間も発表


今回、ようやく開業日が「2023年8月26日」と正式に発表されました。
当初予定よりも約1年5ヵ月の遅れとなりましたが、75年ぶりの路面電車の開業が実現することとなりました。

思えば、人と環境に優しい公共交通として注目を浴びてきた「LRT」でありますが、こと新設の段となれば、多額の建設投資が必要となることもあり、往々にして住民間の賛否が分かれることもありました。
その最たる例が堺市の東西鉄軌道であったかと思いますが、これも結局当時の市長選挙の争点となり、建設反対派の市長が当選したことから計画中止となりました。
(参考)
阪和線の沿線から : 堺市LRT計画、堺市が南海に計画中止を正式申し入れ

こと「新設」となれば、実現に向けてとてつもなく高いハードルが敷かれるこのLRTでありますが、それをこの時代に初めて実現させた芳賀町・宇都宮市の関係者の方々にとっては、開業日の正式発表できたことは、喜びもひとしおだと思います。


勿論、完乗目当ての鉄道ファンにとっても、早速現地に訪問される方も多いかと思いますが、開業日当日は、15時頃からの運行となりますので、初乗り計画の際には十分留意しておきたいところであります。




【関連ブログ】
【速報】芳賀・宇都宮LRT、開業日が8月26日に決定! - 鉄道プレス
芳賀・宇都宮LRTは8月26日開業: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」



【関連ニュースサイト】
宇都宮ライトレール 開業(2023年8月26日) - 鉄道コム
宇都宮のLRT 開業日は「8月26日」に決定! 全国初「ゼロから作ったLRT」ついに日の目 | 乗りものニュース
ついに!宇都宮ライトレール、8月26日開業 国内75年ぶりの路面電車 | レイルラボ ニュース



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【京急】小児IC運賃を全区間75円均一に(2023.10.1〜)鉄道事業者では小田急・泉北高速に続く小児均一実施

京浜急行電鉄(京急)では、2023年10月1日(日)より小児IC運賃を全区間75円均一とするなどの割引制度の変更を実施することを発表しました。

小児IC運賃を全区間75円均一とします | ニュースリリース | 京浜急行電鉄(KEIKYU)

概要は以下のとおりです。

【小児均一運賃の導入】
運賃改定に伴う子育て世代の家計負担を軽減し、鉄道での外出がしやすくなるよう、>ICカード乗車券利用時の小児普通旅客運賃を全区間均一で75円(大人初乗り運賃の半額)に。
(空港線加算運賃25円は別途負担)

【その他】
・精神障害者割引の導入
・特定運賃の設定
(品川〜横浜、京急川崎、京急川崎〜横浜)
・空港連絡特殊割引の廃止
(羽田空港(第1〜第3ターミナル)から都営地下鉄線及び京成線各駅相互間利用の際に適用)

【実施日】
2023年10月1日(日)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



京急では、この10月に値上げを主体とする運賃改定を実施することを既に発表しています。
(参考)
阪和線の沿線から : 【京急】鉄道旅客運賃の改定を発表。値上げが主体も41km以上は値下げへ(2023年10月予定)

今回、この運賃改定と併せて、子育て世帯の外出促進やなどへの取り組みとして、新たな割引制度を実施することを発表しました。

メインはやはり「小児均一運賃」でありましょうか。
ただ発表を見てみると、「75円」中途半端な設定が気になりますが、これは空港線の加算運賃が小児の場合25円のため、これを加えて丁度100円となるところから設定されているのかな、とも感じました。


いずれにせよ、距離に関わらず小児運賃の均一は、鉄道事業者では既に実施を発表している小田急電鉄・泉北高速鉄道に続く三社目、バス等も含む交通事業者では神奈川中央交通も加えて4社目になります。
(参考)
阪和線の沿線から : 【小田急】小児IC運賃を50円均一に(2022年春〜)恒常実施は全国の鉄道初
阪和線の沿線から : 【泉北高速鉄道】鉄道運賃改定を実施。10円値上げの一方小児IC運賃は一律50円に(2023.10.1〜)
阪和線の沿線から : 【神奈川中央交通】小児IC運賃均一50円を実施(2023.4.1〜)小田急電鉄、泉北高速鉄道に続く実施表明

コロナ禍で年間の出生数が更に減少している中、将来に渡る利用者を確保していくためには、国や自治体だけでなく、鉄道事業者も自らが「子育て支援」を積極的に実施していくところまで来ていると感じています。

小児均一運賃の設定は、そういった意味では明確でもあり、また収益に対する影響も軽微であることから、実施しやすい施策であるかと思います。
鉄道事業者各社の経営環境の違いもあることから、全ての事業者で導入されるのは難しいかも知れませんが、将来に渡るユーザーの確保、という意味でこういった取り組みが広がっていくのを期待したいと思います。

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▲京急600型「KEIKYU SKYBLUE TRAIN」。
10月より小児均一運賃となり、沿線の子育て世帯が外出するのがより気軽になものとなるのではないのでしょうか。




ところでこの「京急の小児均一運賃導入」、朝日新聞の「素粒子」で触れられていましたので、ご紹介しておきます。
小田急に続き京浜急行も、子ども運賃を一律化へ。全国の私鉄に広がらないのかな。

2023年5月11日付け朝日新聞「素粒子」より引用。下線部は管理人による。
素粒子:朝日新聞デジタル


細かい話で恐縮ですが、当ブログとして強く主張しておきたいことが一点あります。

「小田急、泉北高速に続き京浜急行も」とすべき箇所ではないかと思うのです。

意図的に除外したとは思えないのですが、大阪府南部在住の一人として、泉北高速鉄道がこの施策を実施していることは誇りに思っていますので、ここは省いてもらいたくありませんでした。

日頃は鉄道関係記事が充実している朝日新聞ですが、「素粒子」のこの記事に関してはちょっと残念に感じました。



【関連ニュースサイト】
京急 運賃改定・子どもIC運賃75円化(2023年10月1日) - 鉄道コム
京成・東京都・京急 空港連絡特殊割引 廃止(2023年10月1日) - 鉄道コム
京急 こども運賃「75円均一」へ 10月からICカード利用で「家計負担を軽減」図る | 乗りものニュース
京急 羽田空港〜都営・京成の「特殊割引」廃止へ 品川〜横浜は"優遇運賃"拡大 | 乗りものニュース
京急電鉄、小児IC運賃を全区間75円に - 「空港連絡特殊割引」廃止 | マイナビニュース




【関連ブログ】
【京急】10月から子供運賃を殆どの区間で75円均一へ - 鉄道プレス
京急は子供のIC運賃を75円に: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」



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【小田急】小田原〜箱根湯本間でワンマン運転試験運用開始(2025年度)中期経営計画で発表

小田急電鉄では、昨日(2023年4月28日)に「経営ビジョンの実現にむけた具体的方針および中期経営計画(2023〜2026年度)」を策定し、発表しました。

「経営ビジョンの実現にむけた具体的方針および中期経営計画(2023〜2026年度)」の策定について|小田急電鉄

この中期経営計画の中で、「交通領域の進化」として、交通領域の持続的な運営体制の強化の一つとして、「ワンマン運転の検討深度化」に取り組むこととし、具体的には箱根登山線(小田原〜箱根湯本)で2025年度にワンマン運転の試験運用を開始する予定であることを、発表しました。

2023042901
(上記発表資料(https://www.odakyu.jp/ir/news/dq40940000001y3c-att/20230428_vision.pdf)より引用)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



車掌が乗務しない「ワンマン運転」は、運行コストの低減などを目的に、1990年代から主に地方線区で広がりを見せ、現在では地方民鉄・第三セクター、JRグループ各社の地方線区を中心に実施されています。

一方で、都市部でも車掌が改集札を必要としない列車・区間や、ホームドア等の安全設備が整備されている線区等では、ワンマン運転が実施されており、関東圏でも、例えば東京メトロでも南北線、千代田線(北綾瀬〜綾瀬)、丸ノ内線、副都心線、有楽町線の各線でワンマン運転が実施されています。
(出典:大手民鉄データブック(https://www.mintetsu.or.jp/activity/databook/index.html

とはいえ、関東の大手民鉄各社でも、ワンマン運転の導入については利用者の比較的少ない末端線区や路線長の短い盲腸線での導入が主体となっている模様です。
上記データブックによりますと、例えば東武鉄道では栃木・群馬エリアの線区が中心、西武鉄道では飯能以北や山口線、多摩川線、多摩湖線といった盲腸線区に導入されていることが、上記「大手民鉄データブック」でも分かります。


そんな中、現在ワンマン運転を実施していない小田急でも今回、試験運用としてワンマン運転の実施を発表しました。
対象となる線区は箱根登山鉄道線・小田原〜箱根湯本間です。

この小田原〜箱根湯本間には、小田急線から特急ロマンスカー「はこね」「スーパーはこね」が乗り入れているほか、小田急の車両による4両編成の普通列車が運行されています。

DSC02404_R
▲小田原駅に停車中の箱根湯本行き1000形。
この区間では、近年まではこのように箱根登山鉄道の車両に合わせた赤色のカラーリングが施されていました。(現在は通常のカラーに変更)


普通列車は、一部を除くと小田原〜箱根湯本間の折り返し運用であるためワンマン対応改造が少ない編成で済むこと、また利用者が比較的少なく試験導入でも混乱が少ないことが、導入線区の判断にあったのかも知れません。


小田急電鉄に特化したブログ「Odapedia」さんでも、過去に小田急のワンマン運転について取り上げた記事を書かれていましたので、併せてご紹介したいと思います。

こちらの記事では、東京メトロ直通列車や小田原線及び江ノ島線の末端区間でのワンマン運転の可能性について予想されていました。
今回の箱根登山線でのワンマン運転試験導入の結果が良好であれば、こういった線区への展開も十分考えられそうですね。

(2023.5.2追記)
今回の箱根登山線でのワンマン運転に関して、Odapediaさんでも記事で取り上げられましたので、ご紹介します。





これまでは専ら運行コストの低減として導入されてきた「ワンマン運転」。
しかしこれからは、コスト削減もさることながら、少子化にともなう将来的な要因不足に対応する意味で、持続可能な運営体制を構築することを目的に、小田急のみならず他の首都圏大手民鉄でも新たに導入の動きが出てくるのかな、とも感じたニュースでありました。




【関連ニュースサイト】
小田急グループ、2025年度にワンマン運転の試験運用開始へ - 鉄道コム
小田急電鉄の中期経営計画、箱根登山線でワンマン運転の試験運用へ | マイナビニュース



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【東京メトロ】銀座線列車増発を実施(2023.4.29〜)日中時間帯を中心に増発。昨年8月に大幅減便を実施後およそ半年で増発へ

東京メトロでは、乗客の利用状況を踏まえ、銀座線の列車増発を実施することを発表しました。

銀座線列車増発のお知らせ|東京メトロ

概要は以下のとおりです。

【実施日】
2023年4月29日(土)から

【概要】
<平日、土曜日・休日ダイヤ共通>
平日10時〜15時台、土曜日・休日8時〜20時台の運転本州を、12本/時(5分間隔)から15本/時(4分間隔)に増発

tokyometro_ginza_series1000
▲銀座線1000系車両(特別仕様車)
(上記発表資料(https://www.tokyometro.jp/news/2023/214961.html)より引用)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



コロナ禍による利用者の減少は、都心部でも等しく影響が大きく、東京メトロでも例外ではなく、同社では昨年8月、銀座線をはじめとした路線で減便を中心とするダイヤ改正を実施しました。


このとき、銀座線では平日10時〜16時、土休日8時〜20時の時間帯で、1時間あたり18本から12本と、およそ1/3という大幅な削減を実施しました。

その後、ウイズコロナに伴う社会経済活動の回復もあってか、利用者が戻りつつある状況ではありますが、およそ半年で一度減らした列車本数を、逆に増便するというのは、異例といえるでしょう。

確かに銀座線1編成の車両数は6両で、車両サイズ自体も小さいことから、輸送力も他線に比べて小さいところではありますが、それでありながら1/3も減便したとなると、いくらコロナの影響が大きかったとはいえ、その後の利用者が少し回復すると、混雑が顕著化するのは避けられないものと考えられます。


私自身、都内で銀座線に乗っていた際、結構混んでいると思いつつ、当時は多い列車本数で何とか運びきっていたという印象を持っていただけに、8月のダイヤ改正では正直「減らしすぎでは?」と思っていたのですが、果たしておよそ半年での増便、となりました。

実際、下記「関連ニュースサイト」でリンクを掲載している「乗りものニュース」記事では、東京メトロに取材したところ、「2022年8月と比較し、日中の全区間における乗車率が20%上昇したため」(同記事より引用)増発を実施するとのことでありました。


とはいえ、減便前のダイヤでは18本/時(更にコロナ前は20本/時)であったので、それでも2割程度少ない本数でありますので、完全に元通りのダイヤに戻っているわけではありません。
しかしながら、今後コロナの感染症法の扱いが変わることも踏まえると、再び増便ダイヤ改正もあり得るのかな、とも感じつつ、今後の動向も注目したいな、と感じたニュースでした。




【関連ニュースサイト】
東京メトロ、銀座線を5分間隔から4分間隔に増発へ - 鉄道コム
東京メトロ銀座線、4月末に増便へ 日中5分間隔改め 乗車率はどのくらい上昇? | 乗りものニュース
東京メトロ銀座線、4/29から列車増発 - 日中時間帯は4分間隔で運転 | マイナビニュース
東京メトロ、銀座線を4月29日から増発。5分間隔の時間帯を4分間隔に - トラベル Watch
東京メトロ銀座線、運転本数増発 1時間に15本、4月29日から - TRAICY(トライシー)
東京メトロ銀座線,4月29日から列車を増発|鉄道ニュース|2023年3月30日掲載|鉄道ファン・railf.jp



【関連ブログ】
[東京メトロ]銀座線日中と土休日朝夕を増発。毎時12→15本に。2023年4月29日から: 鉄道ダイヤ改正ニュース



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【京王電鉄】鉄道旅客運賃改定を申請(2023年10月実施予定)初乗り運賃は140円へ、相模原線の加算運賃は廃止

京王電鉄では、2023年10月(予定)の実施に向けて、鉄道旅客運賃の変更認可申請を、国土交通大臣宛に行ったことを発表しました。

鉄道旅客運賃の改定を申請しました |京王電鉄

概要は以下のとおりです。

【改定率・増収率】
・改定率:13.3%
・増収率:11.5%

【値上げ幅】
・普通運賃:
初乗り運賃 きっぷ・・・130円→140円、ICカード・・・126円→140円
その他の区間は最大で42円の値上げ

・通勤定期:
普通運賃の値上げに合わせて改定

・通学手利き:
家計負担に配慮し、運賃据え置き

【相模原線加算運賃の廃止】
相模原線・京王多摩川〜橋本間の乗車キロに応じて設定している加算運賃を廃止


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



新型コロナウイルス感染症の影響による減少が回復しないことを見込み、値上げの運賃改定を実施する鉄道事業者が出てきています。

今回ご紹介する京王電鉄でも、1995年以来、28年ぶりの運賃改定を実施することとなります。
京王電鉄の運賃は、現在初乗り126円(ICカード)と、関東の大手民鉄他社に比べると割安な水準となっているわけですが、コロナ禍による利用者の減少が見込めないなか、必要な設備投資への原資の確保等から運賃の値上げを実施することとしています。

いっぽう、今回の運賃改定では、相模原線に設定されていた「加算運賃」が廃止されることになります。
この加算運賃、相模原線の建設費回収の目的から1979年1月から設定されており、当時から京王多摩川以西を利用する際に加算されることとなっていました。
しかし、建設費の回収が進捗してきたことから、近年この加算運賃の対象範囲を段階的に縮小しており、現在では19km〜22km(京王多摩川〜橋本間のみ対象)で20円のみの設定となっています。
(参考:加算運賃の設定状況(令和元年11月30日現在)|国土交通省

今回この加算運賃を廃止することになりますが、これまで段階的に縮小してきたことから、恩恵を被るのは、橋本駅と京王多摩川以遠を利用する乗客に限られそうではあります。
ともあれ、建設費の回収が思うように進まない線区が多い中、回収を終了できた、ということはそれだけ利用者を確保してきたことの証左、ともいえるでしょう。



ところで今回の京王電鉄の運賃改定における補足説明資料で、今後の取り組みで気になる点が記載されていました。
2023032802
(上記発表資料(https://www.keio.co.jp/news/update/news_release/news_release2022/nr20230324_tetsudo.pdf)より引用)

まずひとつは、「座席指定列車のさらなる拡充」で、現在運行している「京王ライナー」「Mt.TAKAO号」について、通勤・通学時間帯のさらなる増発の検討をするほか、「終日運行の検討」「一部座席指定列車の導入検討」が挙げられています。

京王線と併走するJR中央線では、2025年春頃の見込みで、中央快速線へのグリーン車導入を予定しています。

バリアフリー等の工程調整に加え、世界的な半導体不足も相まって、当初の予定から5年も遅れてしまってはいるのですが、現在グリーン車サービス開始に向けての準備が進められています。
京王電鉄で検討を予定している「終日運行」「一部座席指定列車」は、この中央快速線グリーン車を意識したものと考えられます。

ライバルのJR中央線がグリーン車導入するのが、あと3年程度先ですので、それまでの間に何かしらの方向性が打ち出されるのかも知れません。


もう一つはこちら。
2023032803
(上記発表資料(https://www.keio.co.jp/news/update/news_release/news_release2022/nr20230324_tetsudo.pdf)より引用)

「新たな移動のきっかけづくり」として、「鉄道乗車ポイントサービス」の導入を2023年秋頃に導入予定、としています。
あと半年ほどの導入とのことですが、他社の例をとってみると、この手のポイントサービス導入と引き換えに、回数券の廃止が実施されることがまま見られますので、京王電鉄でも回数券廃止の方向性となるのか、これまた注目であります。


ともあれ、阪和線の沿線から転居するわけではありませんが、今年の春からそれなりの頻度で利用することになりそうな京王電鉄の話題ですので、上述の「座席指定列車の拡充」ともども、注目していきたいな、と感じたニュースでありました。




【関連ニュースサイト】
京王、2023年10月に運賃改定へ 相模原線の加算運賃を廃止 - 鉄道コム
京王電鉄28年ぶり運賃値上げ 10月から初乗り10円増 相模原線の加算運賃は廃止へ | 乗りものニュース
京王電鉄の普通運賃が最大42円アップ、相模原線の加算運賃は廃止---28年ぶり運賃改定 10月予定 | レスポンス(Response.jp)
京王電鉄が運賃改定を申請、初乗り140円 - 相模原線加算運賃は廃止 | マイナビニュース
京王電鉄、28年ぶり運賃値上げ。初乗り140円に - Impress Watch
京王ライナー「終日運行」へ 全車指定だけでなく「一部通常車両」も導入? 人気沸騰で増発の”座れる電車” | 乗りものニュース
大手私鉄、有料着席サービスの拡充続く。京王、京阪が車両増備へ | タビリス



【関連ブログ】
京王は10月に値上げだが、相模原線の加算運賃廃止: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」



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【東京モノレール】2024年3月に運賃改定を実施。浜松町〜羽田空港間は27円値上げ

東京モノレールでは、2024年3月の実施に向けて、鉄道旅客運賃の変更認可申請を行ったことを発表しました。

鉄道旅客運賃の変更認可申請について|東京モノレール

概要は以下のとおりです。

【改定予定日】
2024年3月

【値上げ幅】
・普通旅客運賃
平均改定率11.5%

・通勤定期旅客運賃
現在の実施運賃からの平均改定率は25.2%
(現在の上限運賃からの場合、16.1%)

・通学定期旅客運賃
家計負担に配慮して運賃据え置き

【主な区間の運賃比較】
浜松町〜羽田空港(第1・第2・第3ターミナル各駅)
1円単位:
(現行)492円→(改定)519円
10円単位:
(現行)500円→(改定)520円


その他詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



羽田空港アクセスの主要路線である「東京モノレール」ですが、同路線も新型コロナウイルス感染症の影響により、2018年度には年間約5,000万人の利用者であったものが、2021年度は約2,500万人と半減してしまいました。
その後回復基調にあるものの、出張のテレワークや新しい正割様式が定着することから、コロナ前の需要水準に戻るのも難しく、同社によりますと、2022年度は7割弱の利用に止まっているとのことです。

そんな中、同社でも運賃の値上げを実施することを発表しました。
実施は2024年3月と、約1年後の実施となっています。

今後、旅行や出張の需要はある程度戻るとはいえ、流石にコロナ前まで、というわけにもいかないでしょうし、バリアフリー投資の必要等、鉄道を取り巻く環境も変化していることから、値上げはやむを得ないところ、といえるでしょうか。

この値上げに伴い、割引きっぷの価格も改定の可能性がありますので、1年後の実施ではありますが、気をつけたいところと感じたニュースでありました。




【関連ニュースサイト】
東京モノレール、2024年3月に運賃を改定 - 鉄道コム
東京モノレール、2024年3月に運賃改定。普通運賃は区間最大45円値上げ 通学定期は据え置き - トラベル Watch



【関連ブログ】
東京モノレール、25年ぶりの運賃値上げを申請 - 鉄道プレス



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