三陸鉄道では、JR東日本から山田線(釜石〜宮古間)の移管を受け、2019年3月23日から盛〜釜石〜宮古〜久慈間の163kmの「リアス線」として一体運営を行うこととなりますが、これに併せてのダイヤを発表しました。
三陸鉄道リアス線ダイヤ発表について|三陸鉄道
概要は以下の通りです。
その他詳細は、上記発表資料をご覧下さい。
東日本大震災による津波で、路線の多くが流され、長期間に渡り運休が続いた、JR東日本・山田線の釜石〜宮古間。
同じく津波被害に遭った気仙沼線、大船渡線はBRTによる復旧となりましたが、山田線については、同線で接続する三陸鉄道への路線譲渡により復旧することが、2015年2月に基本合意書・覚書により締結され、同年より復旧工事が着工されました。
参考:【JR東日本】山田線(宮古・釜石間)の鉄道復旧に関する基本合意書・覚書を岩手県・沿線市町村・三陸鉄道とで締結。復旧工事は3月7日に着工式開催予定 : 阪和線の沿線から
それからおよそ4年、遂に津波により分断されていた三陸鉄道の南北リアス線が鉄路により接続、そしてその接続する路線も含めて、新たに「リアス線」という名称により新たな体制で運行を再開することとなりました。
これまで震災発生直後からの三陸鉄道の復旧、そしてJR山田線区間の移管及び復旧工事をご紹介してきましたが、遂にこの日がやってくるのか、と思うと感無量であります。
またこれにより、原発事故の影響で運休となっている常磐線を除けば、東日本大震災で被災した路線では何らかの形による復旧が完了したことから、一つの区切り、とも言えなくはないのかも知れません。
今回発表されたリアス線ダイヤでは、直通列車の設定が注目でしょうか。
JR山田線区間を含めることで、延長163kmという、第三セクター鉄道としては日本一の路線長となる三陸鉄道。
それを象徴する全区間通しの直通列車が、上下計5本設定されることとなり、その所要時間も4時間を超えるという、これまた乗り応えのある列車となっている模様ですし、これを目当てに多くの観光客が、再び三陸鉄道を訪問することを期待したいと思います。
1984年(昭和59年)に、当時の国鉄久慈線・宮古線・盛線を引き継ぎ、未成区間を含めた開業した三陸鉄道。
開業時より南北に分かれていたことに加え、開業当初は好調な黒字経営もあって、間に挟まれた(当時)国鉄山田線区間も含めて運営すればどうか、といった声や意見も耳にしたことがあります。
しかしその後、マイカーの普及や沿線人口の減少により、三陸鉄道の経営自体が厳しくなり、山田線区間の譲渡どころか、南北リアス線の運営自体が危機に瀕する時代となりました。
そんな中発生したのが2011年3月の東日本大震災。
複雑な地形のリアス海岸を、トンネルと橋梁でショートカットするという路線形状が幸いし、被災後3年間で全線復旧した南北リアス線に対し、海岸沿いに走る路線形状のJR山田線区間では多くの区間で被災し、簡単には復旧ができませんでした。
バスやBRTという選択肢もある中で、沿線が出した答えは「鉄道として復旧し、三陸鉄道へ移管」というものでした。
まさか、開業当初に夢物語のように言われていた国鉄・JR山田線区間も含めた一体運営が、津波被害とその復旧の枠組みとして、現実のものになるとは、開業時、一体誰が想像できたでしょうか。
1984年の開業、2014年の南北リアス線全線復旧に続き、2019年のリアス線一体運営開始という、都合三度目の「開業」を迎えることとなる三陸鉄道。
沿線の人口が減少するという構造的に厳しい状況が続いていますが、地域の公共交通の要として、また地域外からの観光客の他に換えがたい足として永続できるよう、遠くからではありますが、応援していきたいと思います。
私個人的にも、今回復旧する釜石〜宮古間は未乗のままです。
今回の復旧で、この未乗区間に乗ることがようやくできるようになりますが、その時期をいつにするか、じっくり考えていきたいな、とも思います。
長々となりましたが、長らく津波被害により運休が続いていた区間の復旧という節目が明らかになったこともあり、色々と思うところを書いてみました。
●関連ニュースサイト:
三陸鉄道,3月23日のリアス線開通にあわせダイヤを発表|鉄道ニュース|2018年12月13日掲載|鉄道ファン・railf.jp
●関連ブログ:
三陸鉄道リアス線のダイヤ発表: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」
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三陸鉄道リアス線ダイヤ発表について|三陸鉄道
概要は以下の通りです。
●2019年3月23日(土)記念列車運転:
記念列車を釜石〜宮古間で2往復運転。なお、3月23日は釜石〜宮古間の普通乗車券の販売はなし。
盛〜釜石間、宮古〜久慈間は現行の時刻で運転。
●2019年3月24日(日)リアス線営業運転開始
・新駅開業:
移管されるJR山田線の駅の他、豊間根〜津軽石間に「払川」、津軽石から磯鶏間に「八木沢」「宮古短大」の各駅を新設。
・釜石〜宮古間の運転本数:
普通列車上下各11本のほか、岩手船越〜宮古間に朝の通勤通学用に下り1本運転。
全て各駅停車で運転
(JR山田線時代に比べて、区間列車を含め3本の増発)
・直通列車
盛〜久慈間163kmを結ぶ直通列車等を運転。
盛〜釜石〜宮古〜久慈・・・上り3本、下り2本(所要時間:4時間21分〜38分)
盛〜釜石〜宮古・・・上り2本、下り3本(所要時間:2時間17分〜38分)
釜石〜宮古〜久慈間・・・上り1本、下り2本(所要時間:3時間13分〜26分)
・宮古〜久慈間(現:北リアス線)のダイヤ
上下各12本(現在11本)とし、宮古〜岩泉小本間に上下各1本(土休日運休)を新設
・盛〜釜石間(現:南リアス線)のダイヤ
上下各11本(現在10本)とし、全面的にダイヤの見直しを実施
・駅体制等:
礒鶏〜両石の各駅においては、陸中山田駅及び大槌駅では、三陸鉄道の乗車券類の委託販売を実施。
その他の駅は全て無人駅。
その他詳細は、上記発表資料をご覧下さい。
東日本大震災による津波で、路線の多くが流され、長期間に渡り運休が続いた、JR東日本・山田線の釜石〜宮古間。
同じく津波被害に遭った気仙沼線、大船渡線はBRTによる復旧となりましたが、山田線については、同線で接続する三陸鉄道への路線譲渡により復旧することが、2015年2月に基本合意書・覚書により締結され、同年より復旧工事が着工されました。
参考:【JR東日本】山田線(宮古・釜石間)の鉄道復旧に関する基本合意書・覚書を岩手県・沿線市町村・三陸鉄道とで締結。復旧工事は3月7日に着工式開催予定 : 阪和線の沿線から
それからおよそ4年、遂に津波により分断されていた三陸鉄道の南北リアス線が鉄路により接続、そしてその接続する路線も含めて、新たに「リアス線」という名称により新たな体制で運行を再開することとなりました。
これまで震災発生直後からの三陸鉄道の復旧、そしてJR山田線区間の移管及び復旧工事をご紹介してきましたが、遂にこの日がやってくるのか、と思うと感無量であります。
またこれにより、原発事故の影響で運休となっている常磐線を除けば、東日本大震災で被災した路線では何らかの形による復旧が完了したことから、一つの区切り、とも言えなくはないのかも知れません。
今回発表されたリアス線ダイヤでは、直通列車の設定が注目でしょうか。
JR山田線区間を含めることで、延長163kmという、第三セクター鉄道としては日本一の路線長となる三陸鉄道。
それを象徴する全区間通しの直通列車が、上下計5本設定されることとなり、その所要時間も4時間を超えるという、これまた乗り応えのある列車となっている模様ですし、これを目当てに多くの観光客が、再び三陸鉄道を訪問することを期待したいと思います。
1984年(昭和59年)に、当時の国鉄久慈線・宮古線・盛線を引き継ぎ、未成区間を含めた開業した三陸鉄道。
開業時より南北に分かれていたことに加え、開業当初は好調な黒字経営もあって、間に挟まれた(当時)国鉄山田線区間も含めて運営すればどうか、といった声や意見も耳にしたことがあります。
しかしその後、マイカーの普及や沿線人口の減少により、三陸鉄道の経営自体が厳しくなり、山田線区間の譲渡どころか、南北リアス線の運営自体が危機に瀕する時代となりました。
そんな中発生したのが2011年3月の東日本大震災。
複雑な地形のリアス海岸を、トンネルと橋梁でショートカットするという路線形状が幸いし、被災後3年間で全線復旧した南北リアス線に対し、海岸沿いに走る路線形状のJR山田線区間では多くの区間で被災し、簡単には復旧ができませんでした。
バスやBRTという選択肢もある中で、沿線が出した答えは「鉄道として復旧し、三陸鉄道へ移管」というものでした。
まさか、開業当初に夢物語のように言われていた国鉄・JR山田線区間も含めた一体運営が、津波被害とその復旧の枠組みとして、現実のものになるとは、開業時、一体誰が想像できたでしょうか。
1984年の開業、2014年の南北リアス線全線復旧に続き、2019年のリアス線一体運営開始という、都合三度目の「開業」を迎えることとなる三陸鉄道。
沿線の人口が減少するという構造的に厳しい状況が続いていますが、地域の公共交通の要として、また地域外からの観光客の他に換えがたい足として永続できるよう、遠くからではありますが、応援していきたいと思います。
私個人的にも、今回復旧する釜石〜宮古間は未乗のままです。
今回の復旧で、この未乗区間に乗ることがようやくできるようになりますが、その時期をいつにするか、じっくり考えていきたいな、とも思います。
長々となりましたが、長らく津波被害により運休が続いていた区間の復旧という節目が明らかになったこともあり、色々と思うところを書いてみました。
●関連ニュースサイト:
三陸鉄道,3月23日のリアス線開通にあわせダイヤを発表|鉄道ニュース|2018年12月13日掲載|鉄道ファン・railf.jp
●関連ブログ:
三陸鉄道リアス線のダイヤ発表: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」
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