阪和線の沿線から

阪和線沿線に住まう管理人による、鉄道やバスなどのブログ。

船舶・フェリー

【南海フェリー】運航ダイヤの一部減便実施(2026.8.1〜)乗組員の要員不足による減便へ

和歌山港と徳島港を結ぶ南海フェリーでは、乗組員の要員不足により、現行ダイヤの維持が困難となったことから、安全運航確保の観点から減便することを発表しました。

運航ダイヤの一部減便について | 南海フェリー株式会社

概要は以下のとおりです。

【減便期間】
2026年8月1日(土)から当面の間

【減便概要】
・下り便(和歌山港→徳島港)
2:40発→4:55着(8月1日の当該便は運航)
19:10発→21:25着

・上り便(徳島港→和歌山港)
5:30発→7:35着
21:50発→24:10着

【その他】
2028年3月末を目途とする航路撤退方針については、現時点での変更は無し。
但し、今後船舶・設備等の老朽化や従業員の確保など安全運航に支障が生じる恐れのある場合は、撤退を早める場合あり。

詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



和歌山港と徳島港を結ぶ「南海フェリー」では、2028年3月末を目途に撤退することを、今年3月30日に発表しています。
(参考)


撤退2年前の発表でありましたが、一方で「従業員の確保など安全運航に支障が生じる恐れのある場合には、撤退時期を早める場合あり」との文言も同時に記載されていました。

今回、その「従業員の確保など」という懸念が早くも露呈した、とも言えなくも無い減便となりました。
減便となるのは、上下各2本で、早朝・深夜の便でありますが、逆に言えば早朝・深夜の人員が特に不足している状況であることも、これまた確かな模様であります。

もしかすると従業員が今後の航路撤退をにらんで早期に退職しているのではないか、とも考えられなくも無いのですが、ともあれこれ以上の減便が進まないことを願うしかなさそうです。

夏休みの旅行シーズン、そして8月中旬には徳島市内で「阿波踊り」も開催されることから、この時期の減便は、事業者にとっても痛いのは確かでしょうが、人員不足と安全運航の為には、背に腹を代えることはできないことは、十分理解しておきたいところです。

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▲南海フェリー「かつらぎ」。
今回減便する2往復は、いずれも「かつらぎ」による運航となります。
「かつらぎ」の老朽化も航路撤退の理由であることから、今回の減便を「かつらぎ」就航便としたのも、同船の経年も理由にあるのかも知れません。




【関連ニュースサイト】
「フェリーかつらぎ」を8月から一部運休 南海フェリーが発表|社会|徳島ニュース|徳島新聞デジタル



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【南海フェリー】撤退発表後の徳島・和歌山両行政トップ等の発言を報道でみてみる

和歌山港〜徳島港を運航する「南海フェリー」が、2028年3月を目途に撤退することを、先月30日に発表してから半月ほど経ちました。

その間の報道を見てみますと、特に徳島県内での動きが色々報じられているのが目に付きました。
折角なので、ここでこれまでの半月間の動きをまとめておこうと思います。
(参考)



【遠藤・徳島市長】
4月14日の定例記者会見では、老朽化した船の更新費用40億円超の支援と運航経費を南海フェリーから求められており、これに対して、市の厳しい財政では支援はできないとして、「市が現状できることは無い」とという結論を示しました
遠藤市長「市ができることはない」 南海フェリー撤退受け【徳島】 (JRT四国放送) - Yahoo!ニュース
徳島と和歌山を結ぶ南海フェリーの撤退 徳島市の遠藤彰良市長「市が現状でできることはない」(徳島新聞) - Yahoo!ニュース

【後藤田・徳島県知事】
4月17日の定例記者会見で後藤田知事は、国からの支援制度がある生活交通ではないことから、船の更新費用の全額支援や、赤字補填は困難との見解を示し、同業他社に関心があるか情報収集を行い、存続を向けた努力をしていくこととしています。

一方で、現実的に道路という代替機能もあり、影響は限定的なものとみているようです。
知事「道路など代替機能ある」 南海フェリー撤退受け【徳島】(JRT四国放送) - Yahoo!ニュース


【徳島県議会】
これに先立つ4月7日、徳島県議会の会派「新しい県政を創る会」が志田徳島県副知事を訪れ、航路存続に向けた要望書を手渡しました。
「南海フェリーの航路存続を」 県議らが県に申し入れ【徳島】(JRT四国放送) - Yahoo!ニュース


このように、徳島県、徳島市とも、航路存続は難しいという認識である一方、引き継いで運航する意向のある同業他社を探すなど、存続に向けた努力もしているようです。
とはいえ、道路が整備されていることもあり、影響が限定的ということもあることから、航路存続はやはり難しい、ということでしょうか。


【宮崎・和歌山県知事】
また、和歌山県の宮崎知事は、4月6日の定例記者会見で、撤退の発表で新たな事業者が出てくることもあることから、県としてできることををやっていきたいとして、航路維持に向けた意向のある企業を探す考えを示しています。
「企業に声をかける」和歌山・宮崎泉知事 南海フェリー航路維持へ事業継承者を模索(産経新聞) - Yahoo!ニュース


以上、南海フェリー撤退を受けた関係自治体のトップ等の発言をピックアップしてみましたが、これらを総合すると、「新たな支援は困難」「承継する企業を探す」という考え、といえます。
ただ、2隻のうち1隻の置き換えが急務な航路を引き継ぐ事業者が出てくるのかどうか、と言われると厳しいと言わざるを得ないのかな、とも感じます。


ともあれ、南海フェリー撤退まであと2年、果たして引き継ぐ事業が出てくるのか、引き続き注目していきたいと思います。

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▲南海フェリーの「かつらぎ」。
就航26年を経て老朽化も進行しているものと思われます。
船舶の置き換えが必要というハードルをクリアして航路を引き継ぐ企業が出てくるのでありましょうか…

【南海フェリー】2028年3月末を目途に和歌山〜徳島航路からの事業撤退を発表

南海電鉄では、同社の子会社である「南海フェリー」が運航する和歌山港〜徳島港間の航路について、2028年3月を目途に撤退することを発表しました。

フェリー事業からの撤退について |南海電鉄

概要は以下のとおりです。

【フェリー事業からの撤退時期】
2028年3月末を目途
但し、船舶・設備等の老朽化や従業員の確保など安全運航に支障が生じる恐れのある場合には、撤退時期を早める場合あり。

【経緯等】
・1998年の明石海峡大橋開業に伴う神戸淡路鳴門自動車道開通以降、本州四国連絡の主要ルートが陸路へ移行した。
・人口減少や少子高齢化に伴う利用者の減少、2020年度以降は新型コロナウイルス感染拡大による収入の大幅な減少に追い打ち。
・航路を維持し公共交通機関としての社会的責任を果たすため、徹底した経営合理化やコスト削減に努めてきたが、近年の燃料費の高騰は類を見ない水準となっており、抜本的な収支改善には至っていない
・コロナ禍により受けた経営の打撃により、2021年度以降は債務超過が続いている。
・現在運航している「フェリーかつらぎ」は就航から26年を経過し老朽化が著しく、船体更新の時期を迎えているが、「かつらぎ」を更新するには財務的に厳しい状況
・2019年に新造更新した「あい」1隻での運航継続も検討したが、効率的な運航及び経営は不可能との判断に至り、フェリー事業撤退を決定した。

詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



和歌山〜徳島を結ぶ「南海フェリー」は、南海電鉄和歌山港線と接続し、大阪なんばと徳島を結ぶルートを構築しており、今なお「鉄道連絡船」として機能する貴重な航路であります。

一方、1998年の明石海峡大橋開業移行、トラック等の自動車航送が高速道路に移行し、大幅な収入源となりましたが、航路の移設(小松島⇒徳島)や、高速船の廃止、3隻から2隻への減船などのコスト削減策を実施してきました。

一方で、南海電鉄と連絡して、南海沿線と徳島港を、2000円台という格安で結ぶ「好きっぷ」を発売開始、今なお利用者から一定の支持を集めており、加えて2019年には新造船「あい」が就航したことから、利用者が減少傾向とはいえ、今後も引き続き航路が維持されるものだと思っていた方も多かったのではないかと思います。

しかし一方で、「あい」就航直後に襲った新型コロナウイルス感染症の影響は、ここ南海フェリーにも甚大な影響を与え、コロナ禍以降は債務超過の状態が続いています。
更に、「かつらぎ」の老朽化も待ったなしの状態で、本来ならば「あい」の後に更新するものと思いきや、債務超過の状態ではそれもままならない、ということで、今回フェリー事業からの撤退を発表したものです。

以上のとおり、色々な事情を検討したものの、航路維持には難しい状態で、まさに「万策尽きた」航路撤退、と言わざるを得ないでしょう。

一方で、下記朝日放送ニュースでは、和歌山県の宮崎知事(「崎」は右上が「立」)は、「撤退後の航路存続も視野に入れながら、国や徳島県などと連携して撤退の影響を最小限にとどめられるようにしていきたい」とコメントしており、現在の南海フェリーとは違う事業者による運航継続の可能性も完全には捨てていないことも読み取れます。
(参考)
南海フェリー 2028年3月に和歌山〜徳島フェリー事業から撤退へ 新型コロナ拡大が経営に打撃 近年の燃料費高騰も追い打ちの形か 和歌山県知事「撤退の影響を最小限にとどめられるようにしていきたい」

とはいえ、利用者の減少、燃料費や人件費の高騰、そして船舶の置き換えといった厳しい状況のある中で、事業承継を行う事業者がおいそれと出てくることも難しいのかな、とも思われます。

ともあれ、現在の形で、「南海フェリー」としての運航は、遅くとも2年後の2028年3月末には終了することが、今回明らかになったことは確かであります。



さて、2年後には南海フェリーが撤退し、その後引き継ぐ事業者が現れなければ、和歌山港〜徳島港の航路は消滅となりますが、そうなると同時に気になるのは、現在この南海フェリーと接続している「南海和歌山港線」の動向といえるでしょう。

和歌山港線では、現在平日13.5往復、土休日11往復運行していますが、その多くは南海フェリーと接続したダイヤとなっています。
逆に言えば、フェリー接続以外の沿線の通勤、通学、用務等の目的での利用が非常に少ないことが容易に推察されます。
確かに和歌山港駅周辺は工場が多く立地しているものの、住宅等はあまり多くないエリアで、沿線住民の利用を掘り起こすにも、そもそもの需要が非常に限られたものとなっていることが分かります。
(参考:和歌山港駅周辺の地図)


そうなれば、鉄道として維持する必要性も現在よりも低下することから、和歌山港線の廃止もあり得なくは無いのではないか、と思われます。
この点、鉄道系ポータルサイト「鉄道コム」では、南海電鉄の広報担当者に取材しており、現時点では和歌山港線の廃止予定は無く、今後も交通ニーズに応じて運行を続けていく旨を報じています。
(参考)


とはいえ、該当する「交通ニーズ」が航路撤退したとして、どの程度残っているのか、ということを考えると、どうやら和歌山港線も早めに乗っておいた方が良い、と言わざるを得ないのではないか、と個人的には思います。



本日は、「南海フェリー」の撤退の発表でありましたが、今年度は和歌山県内の公共交通にとって大きなニュースが続いた、とも言えたのではないのでしょうか。

昨年11月には、和歌山電鐵貴志川線について、2028年4月に「上下分離」移行を目指すことで合意がなされた一方、紀州鉄道では今年中にも廃止の可能性もある旨の報道がありました。


一方、JR西日本・紀勢本線に目を向ければ、昨年11月から特急「くろしお」の1往復増便運行が開始しており、来年度も引き続き実施される旨も既に発表されています。



長年このブログで和歌山県内の公共交通の話題を取り上げてきましたが、今年度ほど様々な動きが表面化した年度は無かったのではないか、と思わざるを得ません。
それぞれの方向性は、将来にわたって維持することに合意したものや、将来の維持を断念したもの、一方で将来の維持をどうするか今後検討が進められるものと、あまりにも対照的なものと言わざるを得ませんが、ここ和歌山県でも公共交通の維持に向けて大きな転換点に来ていることだけは確か、と感じているところです。

ともあれ、南海フェリーに話題を戻すと、長くともあと2年で運航終了となりますので、四国に向かう機会があれば、一度は利用してみて現状等をじっくり見ておきたいな、と感じた次第です。

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▲南海フェリーの「あい」(上)と「かつらぎ」(下)。
特に「かつらぎ」は就航後26年を経ており、外観からも老朽化を感じずにはいられないものでした。
一方で「あい」は就航6年とまだ新しいことから、今後のこれらの船体の動向についても気になるところです。


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▲和歌山港線を走る「すみっコぐらし」ラピート。
2021年10月、コロナ禍で航空需要が蒸発し、「ラピート」も運休列車が数多く発生していた時期に和歌山港線に乗り入れた団体臨時列車でした。
南海電鉄によると、フェリー撤退後の和歌山港線の廃止予定は無いとのことですが、利用状況を見るとフェリー撤退後も鉄道として運行されるものなのかは不透明、と言わざるを得ないのかも知れません。




鉄道コム関連記事】




【関連ブログ】
南海フェリー撤退へ 28年3月目処 | 旅するマネージャーのブログ
【速報】南海、和歌山〜徳島のフェリー事業撤退を発表 | 鉄道プレス
【和歌山港線にも余命宣告か?】南海 フェリー事業撤退へ : 上快8620の雑記帳
フェリー撤退で役割喪失?南海「和歌山港線」に残された選択肢 | 鉄道ブログ岡山から

「大屋根リング鑑賞クルーズ」(ユニバーサルクルーズ)に乗船する(2025.11.8)

去る10月13日に閉幕した大阪・関西万博。
その会場アクセスとして、堺・ユニバーサルシティポート・中之島ノースゲート〜夢洲間の航路を運航していた「ユニバーサルクルーズ」では、万博閉幕後に「大屋根リング鑑賞クルーズ」を実施しています。
(参考)


「万博ロス」に陥っている方が相当おられるのかどうかは分かりませんが、この「大屋根リング鑑賞クルーズ」、発売直後に全行程が完売するほどの人気となり、追加販売が行われ、こちらも既に完売となるほどの人気となっています。

私自身、このクルーズの存在を知った頃には10月分は完売だったのですが、運良く11月発売分をゲットすることができました。
閉幕後、恐らく海上から大屋根リングを眺める機会は恐らくこれが最後だろう、ということで、期待しながら乗船することにしました。

続きを読む

【万博】夢洲〜堺の旅客船を利用してみました(2025.8.2)

4月13日から開催している「大阪・関西万博」ですが、既に会期の半分も過ぎました。
今後会期の終了に向けて、混雑が激しくなるものと思われますが、そんな中、昨日(8月2日)に私自身、この万博に二度目の訪問をしてきました。

今回は、昼過ぎから入場し、夜に帰るというルートで、前回の訪問で気になるところを訪問しつつ、可能な範囲でパビリオンを見てまわる、という感じで訪問してきましたが、今回の記事では、堺旧港〜夢洲(万博会場)の旅客船に乗船してきましたので、その様子をご紹介したいと思います。



堺旧港〜夢洲(万博会場)間の旅客船は、「ユニバーサルクルーズ」という会社が運営しています。
万博シャトル|WATER CITY PORTAL

堺側の発着港は「堺旧港」というところで、南海線堺駅から徒歩5分程度のところにあります。
(参考)
堺旧港海上交通 堺市
kyusakaikou_access
(上記Webサイトより引用)


夢洲側は、「夢洲北岸浮桟橋」というところから発着し、万博会場となる「夢洲第1交通ターミナル(西ゲート)」までは、シャトルバスに乗車します。
(参考)
船(旅客船・フェリー)で万博会場にお越しの方へ | EXPO 2025 交通インフォメーション
access_yumeshimasanbashi

(上記Webサイトより引用)


今回、会場からの帰りに、夢洲→堺の旅客船を利用してみましたので、その様子をご紹介したいと思います。


上述のとおり、万博会場(夢洲第1交通ターミナル)からは、シャトルバスに乗車します。
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▲旅客船のシャトルバス

シャトルバスは、出港の30分前に夢洲第1交通ターミナルを出発しますので、時間を間違わないように注意が必要です。

約5分ほどで、夢洲北岸浮桟橋に到着します。
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▲桟橋に到着したシャトルバス

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▲桟橋に停泊中の旅客船。「UC200」という名称だそうです。

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▲到着客向けの夢洲到着案内

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▲船体には大阪・関西万博のキャラクター「ミャクミャク」のラッピングが施されています。

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▲船内も「ミャクミャク」仕様

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▲「ミャクミャク」の人形も置かれていました。

この旅客船は予約制ですが、予約した乗客が全て揃ったこともあり、定刻20時30分よりも約10分早く出港しました。

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▲見えづらいですが、遠くに見えるのが万博会場の「リング」です。

約20分航行し、スピードを落とすと、間もなく目的地の堺旧港です。
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▲左手には大浜灯台

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▲堺旧港に着岸します。
対岸のホテルは「ドーセット バイ アゴーラ 大阪堺」というホテルで、ここからだとチェックアウトしてすぐに万博会場に向かうことができます。

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▲堺旧港に到着した旅客船「UC200」



今回乗船した、夢洲20時30分の便は、約70名の乗客が乗っていました。
定員が146名であるものの、比較的来場者の多い土曜日の帰りの便としてはもう少し利用が多いのかな、と思っていました。

とはいえこの航路、開設当初は運賃の高さ(片道3,800円)が災いしてか、利用が低調だったようです。
(参考)
「今回の万博は船が便利でっせ」→実際に乗ってみたら…驚愕だった! 《大阪・関西万博》安くない金額で船ルートに乗って感じた本音 | 街・住まい | 東洋経済オンライン
乗船率が2割届かず 万博会場と堺を結ぶ公式船「ミャクミャク号」 [大阪府]:朝日新聞

あまりもの低迷もあってか、この7月からの「運賃の大幅値下げ」に加え、「優先入場レーン」「予約時間帯の1時間前から入場可能」等の特典も追加する利用促進策を実施してます。
(参考)
万博への定期船3航路の運賃を7月から値下げ、夢洲発の最終便を新設 - 産経ニュース
ガラガラだった「万博行きの船」が値下げで俄然注目 実際に乗ってみた - Impress Watch
堺旧港海上交通 堺市

今回乗船した夢洲→堺の便は、運賃が1,400円(改定前は3,800円)と、当初の半額未満となりました。
そういった値下げの効果もあってか、70名程度の利用がありました。

また堺→夢洲の便は、値下げ後でも2,800円となっていますが、夢洲行きの場合、万博会場への優先入場が可能であったり、また明るい時間帯であることから海上からの風景も楽しめるという、付加価値もあることも踏まえると、この運賃でも活用する価値はありそうです。


ともあれ、会期当初は散々たる乗船率だったこの堺〜万博の航路ですが、会期終了に向けて来場者の増加が見込まれ、入場時間帯の予約も厳しくなり、更にゲートでの待ち時間も増加することが考えられることを考えると、この堺〜夢洲の航路を活用するのも、会期末に向けて、万博会場をスムーズに訪問する戦略の一つなのかな、とも感じました。

【JR九州高速船】博多〜釜山間の船舶事業撤退を発表。船体浸水のトラブルから再開断念へ

JR九州の子会社、「JR九州高速船」では、博多〜釜山間の高速船「クイーンビートル」について、運航再開を断念したことを発表しました。

【お詫び】安全確保に関する重大な問題の発生について|JR九州高速船株式会社

概要としては、2023年、2024年に度重なる船体への浸水に対して適正な対応を取らず、関係機関への報告を怠っていた上に、航海日誌等の記録を適正に作成せず、加えて浸水警報のセンサーの位置をずらすなど、安全を軽視する運航を続けていました

一連の対応に問題があったことから、今年8月13日から当面の間運休となり、その間国土交通大臣への改善報告書の提出、第三者委員会からの調査報告書受領とそれに伴う再発防止策について発表していました。

その後、クイーンビートルの再開に向けて、抜本的な対策である船体への浸水のハード対策を検討していましたが、検討の結果浸水のリスクは完全に払拭できないことから、今回、船舶事業から撤退することを発表したものです。

一連の経緯は、下記Webサイトより発表資料が掲載されていますので、併せてご紹介します。
(参考)
お詫び(JR九州高速船株式会社における安全確保に関する重大な問題の発生について)



JR九州の高速船事業は、ジェットフォイル「ビートル」を投入して民営化間もない頃から手がけられ、博多から平戸、長崎オランダ村(後のハウステンボス)から開始し、間もなく博多〜釜山(韓国)への国際航路を就航させました。

当初は厳しい経営状況のようでしたが、日韓間の観光客の増加により利用者も拡大し、安定した航路としての地位を築きました。

一方船舶に関しては、「ビートル」3隻の老朽化もあってか、その代替として三胴船「クイーンビートル」1隻により代替となりましたが、丁度新型コロナウイルス感染症の影響で海外との需要が壊滅した時期だったこともあり、まともに営業運航に就くこともできませんでした。

その後、2022年にようやく「クイーンビートル」による博多〜釜山間で就航されたものの、上述のとおり度重なる船体への浸水と、そのトラブルに対する不適切な対応により、運航休止、そして撤退となりました。



国鉄からJRに民営化し、JRグループ各社が様々な関連事業を手がけるなか、韓国に近いという地の利を活かし、また、かつて連絡船を運航していたノウハウを持つJRグループ他社の存在もあったことなどを踏まえると、高速船事業に進出したJR九州の判断は、その後の旺盛な利用状況を見ると、先見の明があったといえます。

一方で、近年では、三胴船という国内での運航実績が無い「クイーンビートル」を導入する一方、今まで実績のあった「ジェットフォイル」を全て売却するなど、結果論とはいえ首をかしげたくなるような判断もありましたが、その新規に投入した三胴船が引き起こしたトラブルが原因で撤退というのも、これまた結果論ではありますが、皮肉なところはあります。

船舶での浸水が決してあってはならないことは、2022年4月に発生した知床遊覧船沈没事故の原因であったことが記憶に新しいように、海運に携わる人々でなくとも、当然の理であることは論を俟たないものでありましょう。

その浸水事象の報告を行わないばかりか、事もあろうに浸水センサーの位置をずらす隠蔽工作を行ったという事実は、上記の知床遊覧船沈没事故のみならず、これまでの数々の海難事故から導き出された海上輸送における安全をあまりにも軽視している、と評するほか無いわけで、今回の撤退は当然であるとしか言いようがないでしょう。

撤退の理由として、仮にクイーンビートルを運航再開させたとしても、浸水の原因となるクラックの発生をリスクを完全に回避できないこととしていますが、仮にリスクを回避できたとしても、これだけ杜撰な安全管理をしていた事業者の航路に、進んで乗ろうとどれほどの人が考えただろうか、と思えるほど、信頼を失墜させた責任は重いといえます。

しかもこれが、JR九州という国内を代表する鉄道事業者のグループ企業であり、かつ、30年以上に渡り船舶事業を実施してきた事業者が引き起こした不正、というところが一体どういうことなのか、と唖然としているところであります。

決して「完全民営化したから安全軽視となった」と思いたくはありませんが、仮にそうであったとしても、また無かったとしても、船舶事業の撤退だけで済ますことなく、親会社含めグループ全社で安全輸送に対する姿勢を一から見直さないといけないのではないか、とも感じました。


ともあれ、30年以上に渡り日韓間を結んできた航路が、このような不祥事で幕を下ろす事は、あまりにも情けない気持ちで一杯な訳ですが、他の船舶事業者を含め、公共交通に関わる全ての関係者が、他山の石として、今一度安全に対する意識を再確認していただくしかないのかな、とも感じたニュースでありました。

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▲JR九州高速船のWebサイト画像(記事執筆現在、同Webサイト(https://www.jrbeetle.com)より引用。)
既に、一連の安全確保に関する問題に関する発表資料以外は閲覧ができない状態となっており、かつて閲覧できた「クイーンビートル」の船舶紹介なども勿論閲覧できません。
JR九州高速船は、今後会社清算の予定とのことですので、いずれこのWebサイトも閲覧できなくなるものと思われますので、記録という意味で引用させていただきました。

【松山・小倉フェリー】2025年6月30日をもって運航終了を発表

松山と小倉を結ぶ航路「松山・小倉フェリー」は、2025年6月30日(月)をもって、同航路の運航を終了することを発表しました。

松山〜小倉航路 運航終了のお知らせ|松山・小倉フェリー

上記発表資料によりますと、2020年以降、新型コロナウイルスの影響により、旅客及びトラックの乗船が大幅に減少、加えて船舶燃料油価格の高騰や、船舶の老朽化により、これ以上の運航継続は困難と判断し、航路廃止の決断に至った、とのことです。


同航路は、かつて関西汽船及び同社を合併したフェリーさんふらわあにより運航されてきましたが、10年ほどまでに、石崎汽船の子会社となり、運航が続けられてきました。

直接航路で結ぶのが距離的にメリットの大きい、松山・小倉間ですが、コロナ禍以降の利用者が戻らないこともあってか、今年7月からは「フェリーくるしま」の1隻体制で、隔日の運航となっていました。

そんな見直しを実施したものの、やはり経営は好転しなかったようで、今回2025年6月30日をもって運航を終了することとなりました。

今後、同区間(松山・北九州間)を結ぶ交通機関としては、伊予鉄高速バス「道後エクスプレスふくおか号」があることから、徒歩客にとっては代替手段は確保されている、といえるでしょう。
(参考)
伊予鉄高速バス【公式予約】松山〜福岡

とはいえ、フェリーが同区間をほぼ直線で結ぶのに対し、高速バスは今治、尾道と西瀬戸自動車道を経由することから、かなり大回りで結び、所要時間もフェリーとほぼ変わらないものとなっています。
トラックの運転手も不足するなか、道路だと迂回するルートを短絡するフェリーは、もっと活用されても良いような気もしますが、採算性、持続可能性という意味ではなかなか厳しいのかも知れませんね…

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▲松山・小倉フェリーの「フェリーくるしま」。
(同社Webサイト(http://www.matsuyama-kokuraferry.co.jp/contents/ship02.html)より引用)
船舶の老朽化も、運航終了の理由のひとつとされています。


【南海電鉄】深日洲本ライナーと南海電鉄1日フリー乗車券がセットになった「南海うみまち39きっぷ」発売(2023.8.4〜11.5)

南海電鉄では、岬町の深日(ふけ)港と淡路島の洲本港を期間限定で運航している航路「深日洲本ライナー」の往復割引乗船券と、南海電鉄1日フリー乗車券をセットした「南海うみまち39きっぷ」を発売しています。

「南海うみまち39きっぷ」を期間限定で発売します! | 南海電鉄
南海電鉄1日フリー乗車券とセットになった「南海うみまち39きっぷ」を発売します! - 深日洲本ライナー

概要は以下のとおりです。

【発売期間】
2023年8月4日(金)〜11月5日(日)

【利用可能期間】
2023年8月5日(土)〜11月5日(日)の土休日及び8月14日(月)、8月15日(火)

【発売額】
3,900円(大人のみ。小児の設定は無し)

【商品内容】
・南海電鉄全線1日フリー乗車券
・深日洲本ライナーの乗船券引換券(往復)
・洲本ポートターミナル無いの施設にて物販1割引の割引優待
(南海電鉄全線1日フリー乗車券の提示により利用可能)

【発売箇所】
南海電鉄各駅(係員無配置駅等、一部の駅を除く)、洲本港発券所、深日港発券所ほか

【イメージ】
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(上記発表資料(https://fuke-sumotoliner.com/umimachi2023/)より引用)



詳細は、上記発表資料をご覧ください。



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▲洲本港に停泊中の「深日洲本ライナー」。
今回、南海電鉄の1日フリー乗車券と往復乗船券がセットとなる「南海うみまち39きっぷ」が発売されます。


大阪府岬町の深日港と、兵庫県洲本市の洲本港を期間・曜日限定で運航している「深日洲本ライナー」。

明石海峡大橋の開業前は、定期航路が多数運航していたこの区間での航路の復活を目指すために実施されている実証実験運行も、随分長期間にわたり実施されています。

私自身は、この「深日洲本ライナー」運航開始の初年度である2017年に乗船したことがありました。
阪和線の沿線から : 深日港〜洲本港航路に乗船する(2017.7.14)

この年度は平日も含む毎日就航でしたが、翌年からは土休日限定での運航となり、その後コロナ禍で運
航中止となった時期もありながら、今年度まで運航が続いてきました。

深日港の乗船場は、南海多奈川線の深日港駅から徒歩すぐのため、南海電鉄と乗り継いでの利用は十分想定され、そういった乗り継ぎの利用者のための割引きっぷが設定されるのは、ある意味自然の流れと感じるかたも多かったのではないのでしょうか。

しかしこれまで、南海電鉄と深日洲本ライナーとの割引きっぷが設定されたことはありませんでした。

私自身も、下記引用のとおり、運航初年度から「連絡きっぷの設定」「乗り継ぎ割引の適用」を提案していましたが、今回ようやくこの手の割引きっぷが設定されることとなりました。

内容をみますと、「深日洲本ライナー往復乗船券」と「南海電鉄1日フリー乗車券」がセットになったもので、淡路島へ、あるいは淡路島からの往復日帰り利用が前提となっています。
(深日洲本ライナーの往復乗船券が、往復ともに同日利用でないといけないのかは不明ですが…)

ともあれ、運航開始後6年にして初めてこの手の連携商品が発売されたのは、今更なような気もしますが、この機会に多くの方に「深日洲本ライナー」を利用していただき、同航路の定着に貢献できるといいな、と感じたニュースでありました。




【関連ニュースサイト】
南海 うみまち39きっぷ 発売(2023年8月4日〜) - 鉄道コム
「南海うみまち39きっぷ」を期間限定で発売|鉄道ニュース|2023年8月4日掲載|鉄道ファン・railf.jp



【関連ブログ】
南海と淡路島への船がセットになった切符: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」



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瀬戸内海汽船「SEA PASEO2」に乗船する(2022.4.30)

広島・呉〜松山を結ぶ瀬戸内海汽船では、同航路で速達性に特化した「スーパージェット」(高速船)と、通常のカーフェリーである「クルーズフェリー」を運航しています。

そのクルーズフェリーのうち2隻について、これまでのフェリーのイメージから脱却した、新しいコンセプトのフェリー「SEA PASEO(シーパセオ)」として運航しています。

シーパセオは、2019年に就航した「シーパセオ」(第1船)と、2020年に就航した「シーパセオ2」となっており、それぞれ固定ダイヤで運航しています。

今回、呉から松山まで移動するのに、ちょうど良い時間に「シーパセオ」充当便に乗船することができましたので、その様子をご紹介したいと思います。



今回乗船するのは呉港12時5分発の松山観光港行きです。

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▲12時過ぎに広島港方面からやってきました。
本日は「シーパセオ2」が充当されていました。
紺色と白色をベースとした塗色は、他のフェリーとは明らかに違っており注目を浴びるカラーリングであります。

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▲後方に自衛隊の船舶が航行しているところが、やはり呉の特徴でありましょうか。

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ほぼ定刻に呉港に入港しました。

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▲「シーパセオ2」の船名標記。

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▲「シーパセオ」(第一船)と共通デザインですが、「シーパセオ2」を見分けるポイントは、操舵ウイング下に記された「02」の文字でしょうか。
(第一船「シーパセオ」では「01」と記されています。)

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【南海フェリー】Web予約取り扱いを開始(2022.4.25上下第3便乗船分〜)

南海フェリーでは、4月25日(月)の上下第3便以降を対象に、Web予約の取り扱いを開始しました。

ご予約について | 南海フェリー

概要は以下のとおりです。

【予約方法】
上記Webサイト(https://nankai-ferry.co.jp/yoyaku)より予約。

【予約対象】
4m〜6m未満の乗用車、同乗者及び徒歩乗船

【受付開始】
乗船日の2か月前より

【受付終了】
受付終了:当日各便出航の3時間前。
(※)出航3時間を切る乗船予約は、電話のみの受付

【支払】
予約時にクレジットカードによる決済

【ポイント】
Web予約に対し、100円ごとに1ポイントの「南海フェリーWEBポイント」を付与。
「南海フェリーWEBポイント」は、1ポイント1円で、支払に利用可能


詳細は、上記Webサイトをご覧下さい。



DSC00436_R
▲南海フェリー「フェリーあい」
2019年12月就航の新しい船です。

DSC05345_R
▲同「フェリーかつらぎ」


私自身も何度も利用してきた「南海フェリー」ですが、実はこの南海フェリーでは、これまでWebでの予約は取り扱っていませんでした。

すなわち、徒歩客は予約不可で、車の場合は電話予約のみとなっていました。
電話自体は24時間受付であるため、思い立てば予約が可能ではありましたが、空席状況等を確認するのはいささか難しい等の点はありました。

今回、Web予約の仕組みが構築され、南海フェリーでもWeb予約が可能となり、よりお手軽に利用できるようになるかと思います。

また、このWeb予約により、100円=1ポイントでポイントが貯まる仕組みも新たにスタートすることとなっています。
既存の割引では、往復割引が設定されている程度ですので、片道のみの利用、時折利用する場合には、こういったポイント制度の活用もお得かと思われます。

ようやくWeb予約に対応した感はあるのですが、今後Web限定の割引運賃・キャンペーン等の展開に期待したいところですね。




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