阪和線の沿線から

阪和線沿線に住まう管理人による、鉄道やバスなどのブログ。

鉄道(関西以外事業者)

【JR北海道】「ふるさと入場券」発売(2025.6.1〜)指定券券売機等にQRコードをかざして購入する新しいタイプの入場券

JR北海道では、これまで「ご当地入場券」「北の大地の入場券」を発売してきましたが、この度新しいシリーズとなる「JR北海道 ふるさと入場券」の発売を発表しました。

QRコードでかんたん購入!昭和から平成にかけての懐かしい風景をお手元に。「JR北海道 ふるさと入場券」を発売します|JR北海道

概要は以下のとおりです。

【発売価格】
1枚210円

【発売箇所】
以下の各駅の「指定席券売機」または「話せる券売機」のみで発売
・函館線:倶知安、小樽、銭函、手稲、森林公園、岩見沢、滝川
・室蘭線:追分、苫小牧、白老、登別、東室蘭、洞爺
・千歳線:千歳、南千歳
・根室線:富良野
(今後、発売対象駅を追加設定予定)

【発売開始日】
2025年6月1日(日)から

【購入方法】
・北海道四季彩館等で「JR北海道ふるさと入場券スターターキット」(880円)を購入
・「スターターキット」に封入されているQRコードを発売駅の「指定席券売機」または「話せる券売機」にかざして購入

【入場券の券面イメージ】
jrhokkaido_furusatonyujyoken
昭和後期から平成末期にかけて発売していた硬券の「観光入場券」のイラストを復刻、再現して印字
(上記発表資料(https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20250514_KO_JRhokkaido_furusato.pdf)より引用)


詳細は、上記発表資料をご覧ください。



JR北海道では、2017年に「わが町ご当地入場券」を発売しましたが、同社沿線地域をPRするために沿線市町村1駅ごとに入場券が設定されたこと、そして各駅・各自治体ごとの多彩なデザインなどが相まって、同社のヒット商品となり、その後第二弾「北の大地の入場券」に続きました。
(参考)



一方で、駅営業窓口の縮小などにより、これまでのような印刷済みの入場券を取り扱うことが難しくなってきたことから、今後この手の入場券をどのように取り扱うのか、気になっていました。

今回発表のあった「ふるさと入場券」では、それを「指定券券売機」を活用することにより対応するという、他社では見られなかった解決方法を採りました。
具体的には、予め「スターターキット」を購入し、キットに同封されているQRコードを指定券券売機等にかざすことで、「ふるさと入場券」を購入することが可能となるものです。


そして、「ふるさと入場券」には、昭和末期から平成末期にかけて発売されていた、硬券の「観光入場券」のデザインを復刻して発売するということで、これまたファンの興味を惹くものとなっています。

かつて私も北海道を旅行した際、この「観光入場券」を旅先の各駅で購入しました。

時代の流れとともに、硬券だけでなく、きっぷの販売窓口さえも無くなる中、当時買い集めていた「観光入場券」を、指定券券売機で再び買い集めることができるのは、懐かしくもあり、胸熱、といったところでしょうか。

近々で北海道に行く予定は無いのですが、今回の「ふるさと入場券」は2028年3月末までの発売を予定していますので、それまでに渡道する機会があれば、是非購入したいと感じたニュースでした。

「ガーラ湯沢駅」に行ってきました(2025.3.16)

もう既に一ヶ月半ほど前の内容となってしまいましたが、今年のうちに目指している「国内鉄軌道完乗」へのプロセスとして記録しておきたい内容なので、季節感が若干ズレてしまっていますが、おつきあいいただければ幸いです。



上越新幹線に、冬のシーズンだけ開設されるのが「ガーラ湯沢」駅。

「ガーラ湯沢スキー場」の最寄り駅、といいますが、スキー場に隣接して駅が設けられていることから、首都圏のスキーヤーにとっては交通至便なスキー場として、人気を集めています。

一方、この「ガーラ湯沢駅」へは、上越新幹線の車両が乗り入れているものの、路線の扱いとしては越後湯沢駅から分岐する上越線の支線となっており、国内の鉄軌道全線乗車の上では、勿論乗車対象となる線区となります。

ただこのガーラ湯沢、上述のとおり冬のシーズンのみに開設されていること、そして運行時間もスキー客対象のため偏りがある(午前中のガーラ湯沢行き、午後のガーラ湯沢発が主体)ことから、乗りつぶしには少々ハードルが高い線区でもあります。

かくいう私も、冬のシーズンのみの運行ということから、中々乗りに行くことができずに、後回しにしたままでしたが、こちらの記事で今年9月までの国内鉄軌道全線完乗を目指すことを宣言した以上、これを達成するためには、このガーラ湯沢にはこの冬のシーズンに行っておかないといけないので、様々な用事で関東地方に来た際のついでに、今回乗車することにしました。

20250316_065803_R
20250316_065848_R
20250316_070801_R


今回乗車するのは「たにがわ71号」。
大宮から乗車しますが、次の停車駅は「越後湯沢」。

スキーシーズンに設定されている臨時列車です。
停車駅からしてスキー客のために設定されているのは明白で、当然ながら車内はスキー客で満載です。

高崎さえも通過し、大宮から約50分で越後湯沢に到着。
20250316_075153_R

ここでほとんどの乗客が下車します。

越後湯沢からがいよいよ初乗車区間ですが、わずか3分ほどでガーラ湯沢駅に到着です。
20250316_075612_R
20250316_075601_R
20250316_075641_R
20250316_075825_R
上越新幹線の引き込み線としても機能しているようで、スキーシーズン以外にも列車の入線自体はあるようです。
ただ繰り返しになりますが、この駅に降り立つことができるのは、ガーラ湯沢スキー場の営業期間中のみとなります。

改札を出ると、そこいきなりスキー場。
リフト券の販売所、レンタルスキー受付、更衣室、ゴンドラ乗車口…まさに「駅の中にスキー場がある」ことが実感できました。
20250316_081844_R
20250316_082035_R


20250316_081842_R
▲ガーラ湯沢駅からの運賃表。

20250316_082114_R
しかしこの日は、ガーラ湯沢スキー場が強風のため終日営業中止となっていました。
ただ、天候不良等でスキー場が閉鎖となっても、列車自体はダイヤどおり、ガーラ湯沢駅まで運行されています。
その際、一旦ガーラ湯沢スキー場でリフト券を引き替え、他のスキー場に振り替える、ということになっている模様です。
私が訪問した日も、沢山の振り替え客が他のスキー場へのシャトルバスに乗車していました。

ただ、スキー場の振替はよくあるようで、特に大きな混乱は見受けられませんでした。
私はスキー目的ではないので、シャトルバスで越後湯沢駅に戻ることとしました。
(参考)
2024-25湯沢高原・GALA湯沢・石打丸山・NASPA行 4社共通シャトルバス運行について | 雪国観光舎 越後湯沢温泉 Snow Country Tourism

20250316_082224_R
▲ガーラ湯沢駅 駅舎外観
建物の中にはスキー場の施設一式が入っています。

20250316_085351_R
▲シャトルバスで越後湯沢駅に移動。

20250316_085858_R
▲越後湯沢駅では、コンコースを利用した物販店が多数並んでいました。

20250316_085939_R
▲この日は日曜日ということもあって、多数のスキー客が越後湯沢駅に降り立っていました。
まるで、北陸新幹線金沢開業前の、「とき」「はくたか」の乗り換えの様子を彷彿とさせる混雑でした。

20250316_090444_R
▲上越新幹線「とき310号」で大宮までとんぼ返りとなります。


スキーシーズンにしか営業していないことから、乗りつぶし上長年の課題だった「ガーラ湯沢」、今回ようやく乗車することができました。

残る鉄軌道未乗車区間も、あとわずかで、いよいよ完全乗車も目の前に近づいてきました。
まだ公私ともに忙しい日々が続いていますが、是非9月までに国内鉄軌道完乗を達成できれば、と思っています。

【広島電鉄】駅前大橋ルート開業日は2025年8月3日(日)に

広島電鉄では、広島駅〜稲荷町〜比治山下間の新路線「駅前大橋ルート」の建設工事を実施していますが、この度駅前大橋ルートの開業日を、2025年8月3日(日)とすることを発表しました。

8月3日(日)、駅前大橋ルートが開業します! | お知らせ | 広島駅「駅前大橋ルート」|広島電鉄(公式)
広島駅「駅前大橋ルート」|広島電鉄(公式)

2019年11月に、広島駅効果ルートの軌道事業特許を受け、それから約6年。
当初予定の2025年春より若干遅れたものの、8月6日の原爆記念日の直前となる8月3日に、駅前大橋ルートが遂に開業することとなりました。

駅前大橋ルートの特徴は、何と言っても駅ビルに直結した電停が整備されることで、これによりJR広島駅との乗り換えが非常に便利となります。

加えて、これまで紙屋町方面から広島駅に向かう際、一旦猿猴橋町に迂回して駅前に入っていたルートが短絡化され、所要時間が約4分程度短縮されることとなっています。
hiroden_ekimaeohashiroute
▲駅前大橋ルート開業による路線及び所要時間の変化
(上記Webサイト(https://www.hiroden-hiroshima-st.jp)より引用)


また今回、駅前大橋ルートとして広島駅〜稲荷町〜比治山下間が新規開業線区となるため、乗りつぶしを目指しておられる方にとっても、夏休みの旅行の段取りがはっきりしてきたのではないのでしょうか。

かくいう私も、今年9月までに国内鉄軌道全線完乗を目指しているだけに、開業後なるべく早いうちに、この駅前大橋ルートに乗車しておきたいと思います。
DSC06714_R
▲今回の駅前大橋ルート開業で廃止となる広島駅〜猿猴橋町で撮影した5200形「Greenmover APEX」と1000形「Greenmover LEX」。
この区間を電車が行き交う光景が見られるのも、あと3ヶ月程度となりました。




【関連ブログ】
広電の新駅ビル乗り入れは8月3日: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」



【関連ニュースサイト】
路面電車が駅ビルに「そのまま乗り入れ」! 広島電鉄「駅前大橋ルート」8月3日に開業へ - 鉄道コム

【相鉄】いずみ中央駅開業35周年記念記念入場券発売。南海電鉄「和泉中央駅」、仙台市交通局「泉中央駅」とのコラボきっぷ(2025.4.4〜)

相模鉄道では、同社いずみ野線の「いずみ中央駅」が開業35周年を迎えることを記念して、「いずみ中央駅開業35周年記念入場券セット」を発売することを発表しました。

いずみ中央駅開業35周年記念券セット発売 | 相鉄グループ
相鉄いずみ野線 いずみ中央駅開業35周年記念「いずみ中央駅開業35周年記念入場券セット」を発売 | 南海電鉄
仙台市交通局 「いずみ中央駅開業 35 周年記念入場券セット」を発売【相模鉄道・南海電気鉄道・仙台市交通局】

概要は以下のとおりです。
【商品内容】
・B型硬券普通入場券
いずみ中央駅(相模鉄道)入場券1枚
和泉中央駅(南海電気鉄道)入場券1枚
泉中央駅(仙台市交通局)記念券1枚

・D型硬券普通入場券
いずみ中央駅(相模鉄道)入場券3枚
和泉中央駅(南海電気鉄道)入場券1枚
泉中央駅(仙台市交通局)記念券1枚

【販売期間・場所】
○いずみ中央駅での発売:
・期間:2025年4月4日(金)〜4月30日(水)

○通信販売:
・期間:
2025年4月4日(金)〜6月30日(月)
・Webサイト:
https://marche.kipputotetsukomono.com/

【販売価格】
1セット1,000円(税込)

【販売数量】
1,500セット(内訳:いずみ中央駅1,000セット、通信販売500セット)

【イメージ】
2025040222-50-541
(上記発表資料(https://cdn.sotetsu.co.jp/media/2025/pressrelease/pdf/r25-62-g35.pdf)より引用)
詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



相模鉄道の「いずみ中央駅」は、4月4日(金)に開業35周年を迎え、また同駅の駅ナンバリングが「SO35」であることから、35周年記念入場券が発売されることとなりました。

…これだけですと、よくある記念きっぷの発売発表ということですが、今回の発表では、それに加え、同じ読み方をする「和泉中央」駅(南海電鉄)及び「泉中央」(仙台市交通局)とのコラボ入場券セットとして発売されることが特筆、といえるでしょう。

加えて、「いずみ中央」駅は勿論、「和泉中央」「泉中央」の各駅についても、硬券入場券(泉中央駅は記念券)として発売されるのも注目といったところでしょう。
硬券のデザインを見ますと、D型硬券の券面には、南海電鉄「泉北ライナー」の写真もデザインされており、相鉄ファンのみならず、南海電鉄及び泉北線ファンにとっても、ぜひ購入しておきたいきっぷ、といえるでしょう。

以前から三つの「いずみちゅうおう」駅の存在は知ってはいて、「いつか3つの『いずみちゅうおう駅』でコラボができるといいな」と漠然と思っていましたが、まさかそんな、些細な望みのコラボ入場券が発売されるとは、嬉しい気持ちでありますので、是非購入したいと思います。


ところでこの記念入場券ですが、発売は相鉄「いずみ中央」駅及びネット販売のみとなっています。
「和泉中央駅」や「泉中央駅」では発売がありませんので、ご留意ください。

DSC01163-2_R
▲和泉中央駅に停車中の泉北高速鉄道(現・南海電鉄泉北線)9300系。
相鉄とのコラボ入場券セットに、この「和泉中央駅」の入場券もセットされています。

【JR東日本】E3系を荷物輸送専用車両に改造、盛岡・東京間で定期運行を実施(2025年秋)

JR東日本では、鉄道ネットワークを活用した荷物輸送サービス「はこビュン」を事業化することを発表しましたが、その中でE3系新幹線1編成の全号車を荷物輸送専用車両として改造することを発表しました。

鉄道ネットワークを活用した荷物輸送サービス「はこビュン」を事業化し様々な社会課題解決に貢献します〜新幹線荷物専用車両による高速・大口輸送を実現します〜|JR東日本

概要は以下のとおりです。
【E3系改造概要】
・改造対象:
E3系新幹線1編成全号車

・改造内容:
荷物輸送専用車両として床面をフラット化

・改造後の運用:
2025年秋に東北新幹線盛岡〜東京間の上り列車で平日定期運行を開始
その後、車両基地を活用(※)した100箱単位、最大1000箱程度の大口輸送を定期化
(※)E5系「やまびこ」と連結し、正午前に盛岡新幹線車両センターを発車、午後に東京新幹線車両センターに到着するダイヤを検討中

・イメージ:
2025030521-31-354
(上記発表資料(https://www.jreast.co.jp/press/2024/20250304_ho02.pdf)より引用)

詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



山形・秋田新幹線で活躍してきたE3系ですが、秋田新幹線では既にE6系に置き換えられ、山形新幹線についても後継のE8系の投入が進んでいます。

一方、コロナ禍以降、新幹線車両を用いた荷物輸送の実証運行を進めてきたJR東日本では、荷物輸送サービス「はこビュン」を事業化し、定期的な輸送を実施することとしました。
その定期輸送に充当されるのが、現在山形新幹線で運用が続いているE3系。
このE3系の座席を撤去し、荷物を置くスペースに転用するものであります。

「貨物新幹線」という構想が、新幹線開業当初にはあったように記憶していますが、「貨物」とまでいかなくとも、「荷物」新幹線の車両が、コロナ禍を経てまさか実現するとは、つい一昔までは想像外、ともいえるのではないかと思います。

そして今回「荷物新幹線」の改造に供されるのが、このE3系。
考えてみればこのE3系、「こまち」「つばさ」で活躍しただけでなく、車内に美術館を設けた「現美新幹線」、そして車内に足湯を設けた「とれいゆ」としても充当されました。

通常の新幹線車両のみならず美術館、足湯、そして荷物列車と、数ある新幹線車両の中でもその活躍の「多彩さ」は群を抜くものとなるのではないのでしょうか。

ファン的には、荷物専用車両のE3系の塗装や車両番号等も気になるところですが、ともあれことし秋の営業開始時の姿がどんなものになるのか、今から楽しみなニュースであります。

【JR東日本】次期東北新幹線車両「E10系」開発を発表(2030年度営業運転開始目標)

JR東日本では、E2系及びE5系新幹線車両の後継となる次期東北新幹線車両の設計に着手することを発表しました。

次期東北新幹線車両(E10系)を開発します|JR東日本

概要は以下のとおりです。
【車両形式】
E10系新幹線電車

【最高営業運転速度】
320km/h

【編成両数】
10両

【イメージ】
2025030423-17-041
(上記発表資料(https://www.jreast.co.jp/press/2024/20250304_ho03.pdf)より引用)

【主な特徴】
●「TRAIN DESK」を発展させたサービス:
シート配列を2列+2列とし、現在のTRAIN DESKに比べ隣席とのスペースにゆとりを創出
2025030423-17-192
(上記発表資料(https://www.jreast.co.jp/press/2024/20250304_ho03.pdf)より引用)

●荷物輸送に対応した設備:
始発・終着駅以外での積み下ろしも可能とする荷物輸送用ドアの設置

【その他】
・2027年秋以降の車両落成後に各種走行試験を実施し、2030年度内の営業運転開始を目指す。
・今後予定されている札幌開業に伴い運用する車両については、E10系をベースに別途検討。

詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



今後札幌開業が予定されている東北新幹線ですが、その開業が遅れることとなる一方、E2系及びE5系の置き換え時期が到来する中、今後東北新幹線にどのような車両が投入されるのか、にわかに気になっていたところですが、今回その答えが発表された、といえるでしょう。

形式名は「E10系」。
「E9系」とならなかったのは、既に検測用車両「East i」(イーストアイ)がE926形を名乗っており、これと混同することから飛ばした、と判断するべきでしょう。

E10系の登場により、新幹線の車両号についても一ケタ増え、「E1021-1001」(あくまで架空の例)のように、「E+4桁(型式番号)+4桁(製造番号)」の合計9桁となり、車両番号の表示も特徴的なものになることが考えられます。

それに加え、車両設備を見ますと「TRAIN DESK」を発展させたサービスとして、2列+2列(現在は2列+3列)とし、座席間の仕切り(ディバイタ)を設置するなど、より仕事しやすい座席を提供することなりそうです。
「2列+2列」「仕切りの設置」については、東海道・山陽新幹線で「S Work Pシート」で実施されていますが、それの東北新幹線版が新たに設けられる、というイメージでしょうか。
(参考)



一方、このE10系では「グランクラス」の設置について言及がありませんが、下記日経新聞の記事によりますと、「第1編成の段階では最上級車両「グランクラス」を廃止する。」(同記事、太字下線は管理人による。)と記されており、E10系ではグランクラスが設置されないことが報じられています。
(参考)
東北新幹線に新型「E10系」 JR東日本、30年度に投入 - 日本経済新聞

加えて、最高速度は320km/hと、現行のE5系と同じところから見ると、札幌開業時には、「最高速度360km/h、グランクラス有り」の形式を別途投入し、E10系はあくまで現在のE2系・E5系の運用範囲でこれら両形式を置き換えるために投入される、と見てよさそうです。

E10系が営業運転で乗車できるのは、2030年度内とされていますので、今から早くとも6年後、とのことですが、それまでの間に車両の詳細も徐々に分かってくることでしょうから、今後の続報を期待しておきたいな、と感じたニュースでありました。

【JR東日本】奥羽本線・新庄〜院内間の運転再開発表(2025.4.25)院内駅または横堀駅で同一ホーム乗り換えが可能に

JR東日本では、昨年7月25日の大雨に伴い運転を見合わせている奥羽本線・新庄〜院内間について、2025年4月25日より運転再開することを発表しました。

奥羽本線 新庄〜院内駅間 運転再開について|JR東日本

概要は以下のとおりです。
【運転再開日】
2025年4月25日(金)

【運転再開後のダイヤ】
・新庄〜真室川駅間(キハ110系で運転)を1.5往復、新庄〜院内駅間(GV-E400系で運転)を7往復運転。
・新庄駅から下り列車で湯沢・横手方面へ利用する場合は横堀駅で、横手・湯沢方面から上り列車で新庄方面へ利用する場合は院内駅にて、同一ホームでの乗り換えが可能。

【運行イメージ】
2025022408-55-181


【再開後の列車時刻】
2025022408-55-443


(※)いずれも画像は上記発表資料(https://www.jreast.co.jp/press/2024/sendai/20250220_s01.pdf)より引用

詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



既に当ブログ過去記事でご紹介したように、昨年7月の豪雨で現在も運転見合わせとなっている、奥羽本線の新庄〜院内間については、電気式気動車「GV-E400系」を導入して、架線設備を撤去する「非電化化」により復旧することが発表されています。
(参考)


それ自体は目新しい情報ではないのですが、今回の発表では、復旧区間にまたがる乗り換え方法が注目と言ったところであります。
まず、復旧後は概ね、「新庄〜横堀」と「院内〜横手・秋田」に系統が分割されることとなります。
(この他、「新庄〜秋田」の通し列車と「新庄〜真室川」の区間運転列車が設定)。

即ち、「院内〜横堀」間で、双方の系統が重複して運転されることといえます。
これは線路の配線の関係上、対面(同一ホーム)での乗り換えを可能とするために、このような一見不思議にも思える運行形態になっているものと考えられます。

運転見合わせ前は、この区間は通して列車が運行されていたこともあり、利用者の利便性やバリアフリーの観点から、このような対面乗換としているのではないか、と思われます。

その他、復旧区間については、一部列車が快速運転(途中、真室川・院内のみ停車)となっていることも注目といえるでしょう。

これにより、これまでは見られなかった「横堀行き」(「院内行き」は運休前から秋田方面からの設定あり)という列車が見られることとなります。

個人的なことに言及しますと、私自身、この区間を701系電車で通しで乗ったことがあります。

下記のとおり途中の「及位(のぞき)」駅で、待避待ちの時間を使って撮影した写真があるのですが、ここを通る701系がもう見られないことを思うと、僅かな待ち時間であっても、可能な範囲で手元に記録を残しておくことの重要さを改めて感じたケースだと感じた次第です。

DSC06577_R
DSC06585_R
▲今回復旧する奥羽本線・新庄〜院内間にある「及位」駅。
院内〜及位間は山形・秋田県境をまたぐことからか、国鉄時代に複線化されていた区間でしたが、東北・山形・秋田の各新幹線が開業したことから、この区間の利用者は当時に比べると極端に減少し、もはや複線を維持する必要に乏しい状況でありました。

そのため、「複線区間の単線化」という意味でこの区間に何かしらの手が入れられるのではないか、と思っていましたが、まさかそれが「単線化」ではなく「非電化化」となるのは、豪雨災害が契機だったとはいえ、想像外としか言いようがありませんでした。

【JR東日本】山田線と106急行バスを共同経営へ。JRのきっぷでバスに乗車可能に(2025.4.1〜)

JR東日本と岩手県北自動車とは、盛岡〜宮古間の山田線(JR東日本)及び106特急・急行バス(岩手県北バス)について、独占禁止法特例法に基づく共同経営の認可申請を行っていましたが、本日(2月17日)認可されたことを発表しました。

鉄道事業者とバス事業者による岩手県県央部と沿岸部間の共同経営の認可について|JR東日本
鉄道事業者とバス事業者による岩手県県央部と沿岸部間の共同経営の認可について|岩手県北自動車

概要は以下のとおりです。

【実施期間】
2025年4月1日〜2020年3月31日
(実施期間を変更する場合あり)

【対象エリア】
JR東日本(山田線):盛岡駅〜宮古駅間(上盛岡駅、山岸駅、上米内駅を除く)
岩手県北バス(106特急・急行バス):盛岡駅前(東口)、区界、松草、川内、箱石、川井、腹帯、茂市、蟇目、花原市、千徳駅前、宮古駅前
2025021721-31-581
(上記発表資料(https://www.jreast.co.jp/press/2024/morioka/20250217_mr01.pdf)より引用)

【共同経営計画に基づく実施内容】
・山田線盛岡駅〜宮古駅間(上盛岡駅、山岸駅、上米内駅を除く)を有効区間とするJRの乗車券類で106特急・急行バスを利用できる仕組みを継続実施することが可能。
・共同経営期間の中で、鉄道とバスの効率的なダイヤ設定や、各駅に対応するバス停留所の整理等を実施し、公共交通の更なる利便性の向上に取り組む。
2025021721-32-482
(上記発表資料(https://www.jreast.co.jp/press/2024/morioka/20250217_mr01.pdf)より引用)

【(参考)認可により可能となる事例】
2025021721-33-353
(上記発表資料(https://www.jreast.co.jp/press/2024/morioka/20250217_mr01.pdf)より引用)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



地方の公共交通機関は、構造的な利用者減少に加え、運転手等の担い手不足により、その運営が困難なケースが増えてきていますが、それらの課題に対応し、持続可能な地域交通として運営していくための方法の一つとして、「共同経営」が考えられます。
一方で、「共同経営」は、同業者間でダイヤや運賃などを直接話し合うことになるため、市場競争を阻むものであることから、独占禁止法により原則禁止されていますが、今回の「独占禁止法特例法」では、「地域における基盤的なサービスの提供を維持するという政策目的を達成する限度」において、特例を設けることで共同経営を行うことが可能となっています。

今回のJR東日本と岩手県北バスでは、併走して走る「JR山田線」「106特急・急行バス」との間で、乗車券類の共通利用が継続的に可能となるほか、今後は鉄道とバスとで効率的なダイヤを設定するなど、限られた人材リソースを活用して、地域の輸送サービスを維持・改善していくことが可能となります。


国土交通省のWebサイトによれば、この「独占禁止法特例法」に基づく「共同経営計画」は、今回のJR東日本・岩手県北自動車が7例目になるということです。
(参考)
公共交通政策:地域における一般乗合旅客自動車運送事業及び銀行業に係る基盤的なサービスの提供の維持を図るための私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の特例に関する法律について - 国土交通省

このうち、鉄軌道事業者が絡むものでいえば、「岡山駅・大東駅」(岡山電気軌道、両備ホールディングス)、「徳島県南部」(JR四国、徳島バス)に続くものとなっています。


鉄道とバスが併走している区間は、全国には沢山ありますし、今回のような「共同経営」が可能に思えるケースも決して少なくないと思われます。
今後もこのような、持続可能な好事例が出てくることを期待したいと思います。

DSC03139_R
▲盛岡駅に停車中のJR山田線快速「リアス」。

DSC03167_R
▲宮古駅に到着したJR山田線快速「リアス」。
現在も実証実験として、JRのきっぷで106特急・急行が利用できることとなっていますが、4月以降はこの仕組みが継続することとなります。

また、共同経営が認可されたことから、106特急・急行バスとJR山田線とのダイヤの調整も実施が見込まれることから、JR山田線の運行形態にも何らかの変化が見られることも想定されます。

【JR東海・西日本】「S Work Pシート」値上げ。上乗せ額は1,200円から2,000円に

JR東海及びJR西日本では、「のぞみ」「ひかり」「こだま」16両編成の7号車指定席に、一部導入している「S Work Pシート」について、利用価格(追加額)を現在の1,200円から2,000円に値上げすることを発表しました。

東海道・山陽新幹線「S WorkPシート」のご利用価格について:JR西日本
東海道・山陽新幹線「S WorkPシート」のご利用価格について|JR東海

上記発表資料によりますと、追加額の値上げは2025年5月15日(木)乗車分からとなっています。
また、値上げとともに、S Work Pシート利用車に東海道・山陽新幹線の駅等で利用できるサービスのクーポン等を用意することも、併せて発表しています。

詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



下記当ブログ記事でご紹介したように、私自身昨年の11月に「S Work Pシート」を初めて利用しました。
(参考)


シートピッチや座席幅は他の普通車と変わりませんが、通常B席の箇所にパーテーションが設けられており、これが他の利用者からの視線を遮り、一人だけの空間として落ち着ける効果が体感できたことから、コストパフォーマンスの良いサービスに感じました。

また、ノートパソコンでの作業に最適となるよう、座席の前テーブルが、手前に引き出した上で、斜めに傾斜させることができ、ストレス無くキーボード操作ができるようになっています。


まさに新幹線の中でPC作業に没頭するにはグリーン車以上の価値のある「Pシート」ですが、やはりビジネスパーソンからの人気が高いのか、上記発表資料では「ご利用が定着してきたことから」とのことで、今回追加額を1,200円から2,000円に値上げされることとなりました。

そうなると、上記過去記事でご紹介した「EXグリーン早特3ワイド」との価格差が逆転するのではないか?という懸念も出てきそうです。
実は、同日付で、「エクスプレス予約」「スマートEX」の商品価格改定についても発表がありました。
(参考)
「エクスプレス予約」・「スマートEX」の商品改定について:JR西日本
「エクスプレス予約」・「スマートEX」の商品改定について|JR東海

上記発表資料によれば、改定後の「EXグリーン早特」と「S Work Pシート」との価格は以下のとおりとなります。
(例)
東京〜新大阪間:
EX早特3(「のぞみ」グリーン車):16,560円(注:3日前までの予約が必要、設定除外日あり、席数限定)
S WorkPシート:16,520円(「スマートEX」通常期価格14,520円+2,000円)

以上のとおりとなり、3日前までですと、EX早特3でグリーン車を利用するのと変わらない価格となりました。
もっとも、EX早特は席数限定である上に、繁忙期を中心に利用できない日もありますので、座席の広さを取るか、それともPC作業の快適性を取るか、どっちを取るか、といったところになるでしょうか。

個人的には、予想以上にPC作業が捗ったことから、今回値上げしたとしても、再び「Pシート」を利用してみたいと思っていますが、中にはグリーン車とをシビアに比較する人も増えてくるのかな、とも感じたニュースでありました。

20241124_120017_R
20241124_115905_R
▲S Work Pシート(上)と、Pシート利用時に乗車したN700S(下)。
5月15日(木)乗車分より、追加額が2,000円に値上げとなります。

【京都丹後鉄道】宮津線100周年記念リバイバル列車「みやづ号」運行(2025.2.1〜)「キロ28」をイメージしたラッピングを実施

京都丹後鉄道(丹鉄)を運行するWILLER TRAINS株式会社では、宮津線開業100周年を記念し、かつて丹鉄線内を走行していた気動車「キロ28」をイメージしたリバイバル列車「みやづ号」を運転することを発表しました。

宮津線100周年記念 リバイバル列車『みやづ号』を運行! 〜国鉄時代の車両をイメージしたラッピング列車が丹鉄沿線を駆け抜ける〜 | WILLER株式会社

概要は以下のとおりです。

【運行日】
2025年2月1日(土)〜

【運行区間】
西舞鶴〜豊岡間

【運行ダイヤ】
丹鉄専用サイト(https://trains.willer.co.jp/event/miyazu-train/)にて告知

【デザイン】
外装は、「キロ28」を模したカラーとデザイン
kyototango_kiro28
▲車両ラッピングイメージ
(上記発表資料(https://www.willer.co.jp/news/press/2025/0128_6253)より引用)

【運行記念企画乗車券「みやづ号運行開始記念企画きっぷ」】
・丹鉄全線の普通列車、快速列車が有効期間内1日乗り放題
・発売価格:大人2,000円、小児1,000円
・発売箇所:丹鉄福知山駅、西舞鶴駅、宮津駅、天橋立駅、豊岡駅


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



現在では、京都〜天橋立等の特急「はしだて」及び福知山〜網野等の特急「たんごリレー」が運行されている、京都丹後鉄道(丹鉄)線内の優等列車ですが、かつては、京都発着の特急「あさしお」の他、急行「丹後」が主体に運行されていました。

この急行「丹後」は、キハ58系急行形気動車が充当されていたわけですが、そのうちグリーン車には「キロ28形」という車両が連結されていました。
この「キロ28形」の外観上の特徴は、2枚1組となった側窓で、1枚ずつ独立した窓の普通車(キハ58、キハ28)とは異なる窓のレイアウトは、編成上のアクセントとなっていました。

加えて、デビュー当初は窓下部にグリーン車(1等車)を表す黄緑色の帯(等級帯)が配されたりしていました。

今回、宮津線(西舞鶴〜豊岡)が100周年を迎えるにあたり、当時のグリーン車「キロ28」をイメージしたデザインの列車を運行させることとなっています。
現在丹鉄で運行している「KTR700形」「KTR800形」は、この「キロ28形」がモデルとなっているようで、そういった経緯からのつながりが、今回の企画を実現させたとといえるでしょう。

DSC08446_R
▲KTR700形「あかまつ」・KTR800形「コミューター車両」による普通列車。
2連窓となっている外観上の特徴が、実は国鉄「キロ28形」がモデルになっていたことが、今回明らかにされました。


等級帯もしっかりデザインされたこの「キロ28」、2月1日から運行されるということですので、既に運行している「タンゴエクスプローラー オマージュトレイン」とともに、ファン注目のリバイバル車両となることに違いないといえるでしょう。
私も是非、乗りに行きたいと考えています。



ところで今回、リバイバル列車の名称となった「みやづ号」
この名称も、丹鉄にゆかりのある名称となっているのにお気づきでしょうか。

現在丹鉄が運営する路線の前身の一つに、福知山〜宮津間(現在の宮福線)で開業した第三セクター鉄道「宮福鉄道」がありましたが、この宮福鉄道が開業した1988年に優等列車として初めて運行されたのが、急行「みやづ」号でした。

急行「みやづ」号は当時、大阪〜福知山〜宮津〜天橋立(福知山〜天橋立間は快速)として1日1往復運行していました。
ダイヤとしては、大阪発が朝、天橋立発が夕方頃だったように記憶しています。
車両はキハ58形で、基本2両編成(シーズン時に増結あり)で運行されていました。

ユニークだったのはその設定で、定期列車ではなく「臨時列車」としての設定されていたものの、毎日運行されていました。
恐らく、利用が低迷すれば運転日の縮小や廃止もあり得るものとして、臨時列車として設定されていたと推測されますが、結局定期列車になることは無く、一方運転日が縮小されることもなく、「毎日運転の臨時列車」を全うして、1996年の福知山〜天橋立間の電化開業を期に、特急「文殊」に置き換えられました。

今回の「みやづ」の名称、前身の第三セクター鉄道が初めて運行した優等列車であったことから選ばれた、となると、これまたファンとしても熱い思いを感じずにはいられないのかな、とも感じました。

今回のリバイバル列車「みやづ」のヘッドマーク掲出は、3月末まで装着予定となっていますので、是非見ることができればいいな、とも思っています。

img593
▲大阪駅に停車中の急行「みやづ」。
2両編成が基本と記憶していますが、この写真では3両編成となっています。
当時、大阪駅を発着する急行形気動車による定期列車は、「みやづ」の他は、「みささ」「みまさか」(1989年3月廃止)があった程度であることから、この写真が「みやづ」の他ないと推測できます。

利用率も決して高いわけではなかったようですが、臨時列車でありながら最後まで毎日走り続けた、ある意味謎の設定のように感じました。

なお私も、この「みやづ」には一度天橋立⇒大阪で乗車したことがありました。
1990年のゴールデンウィークで、「みやづ」しか指定券が取れなかったため、と記憶しています…

当ブログのTwitterアカウント
ブログ「阪和線の沿線から」のツイッターアカウントです。更新情報の通知やコメントの受付などはこちらのアカウントをフォローして下さい。
記事検索
「鉄道コム」登録ブログはこちらをクリック
鉄道コム
Archives
Categories
にほんブログ村
PVアクセスランキング にほんブログ村
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

  • ライブドアブログ