阪和線の沿線から

阪和線沿線に住まう管理人による、鉄道やバスなどのブログ。

地方民鉄・公営・第三セクター事業者

【JR西日本・広電】JR西227系と広電5100形のデザインを入れ替えたラッピングコラボトレイン運行(2024.9.20〜)

JR西日本と広島電鉄(広電)では、現在工事中の広島駅南口広場再整備及び広島駅新駅ビルの完成に向けて、地域準民等の期待感を一層盛り上げるため、両社の車両デザインを入れ替えたラッピングコラボトレインの運行を発表しました。

広島電鉄・JR西日本によるラッピングコラボトレインを運行!:JR西日本
広島電鉄・JR西日本によるラッピングコラボトレインを運行!|広島電鉄

概要は以下のとおりです。

【運行期間】
広電:2024年9月20日(金)〜当面の間
JR西日本:2024年9月20日(金)〜2026年度中

【運行区間】
広電:2号線(広島駅〜広電西広島〜広電宮島口)
JR西日本:山陽本線、呉線、可部線

【対象車両】
広電:5100形「グリーンムーバーマックス」5101号(1編成)
JR西日本:227系A12編成(3両×1編成)

【デザイン】
<前頭イメージ>
2024082021-19-202


<ヘッドマーク>
2024082021-19-322


<側面デザイン>
2024082021-08-222
2024082021-08-392
(いずれも上記発表資料(https://www.westjr.co.jp/press/article/items/240820_00_press_hiroshima_wrappingtrain.pdf)より引用)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



冒頭に記したように、現在広島駅では、新しい駅ビルと、路面電車のルート変更を伴う駅前再整備が実施されています。
私自身も、この再開発により廃止となるルート(広島駅〜猿猴橋町〜的場町)を中心に訪問し、その際の記録もブログ過去記事でご紹介しています。
(参考)


来年春開業を目指して現在工事たけなわの広島駅前ですが、その機運を更に高めようと、今回同駅に乗り入れるJR西日本と広電がコラボ企画を実施することになりました。

その内容は、互いの車両のデザインを「入れ替える」という斬新なもので、「RED WING」の愛称でお馴染みの、赤色基調の227系と、車両名称の如く、緑色基調の5100形が互いに入れ替わり、227系は緑色、5100形は赤色を基調としたデザインに、まさに「入れ替わる」こととなりました。

様々なデザインの車両が走る広電だけでなく、今回「RED WING」に統一されているJR西日本で、緑の電車というのは、かなり目立つことになるのではないか、と思われます。

上述のとおり、駅ビル開業にともない、広電のルートが改編されることにより、新規開業区間が発生するため、その乗りつぶしついでに、この「入れ替わり」カラーの車両を記録できればいいな、と感じたニュースでありました。

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▲JR西日本227系「RED WING」

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▲広電5100形「グリーンムーバーマックス」

今回、これら双方のデザインが入れ替わることになりますので、実車の登場が楽しみであります。




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【南海】2編成目の2200系が銚子電鉄へ譲渡

千葉県銚子市の銚子電気鉄道(銚子電鉄)では、昨年8月に南海電鉄の2200系1編成を譲り受け、今年3月28日より運行を開始しています。
(参考)



今回、この2200系の2編成目が、南海電鉄から銚子電鉄に譲渡されたことが発表されました。

もっと“なんかいい”ちょうしに!銚子電気鉄道は、南海電気鉄道の2200系車両第2編成を譲受しました | 南海電鉄
もっと“なんかいい”ちょうしに! 南海電気鉄道の2200系車両第2編成を譲受しました。 銚子電気鉄道株式会社

概要は以下のとおりです。

【譲渡車両】
2200系車両 モハ2201-モハ2251
(※)8月3日に多奈川線で南海電鉄のラストランを終了。

【今後について】
・第1編成と同様、銚子電鉄線内を走行できるスペックに改造する必要があり、同改造工事は第1編成に引き続き、京王重機整備株式会社が担当する予定。
・工事内容は、南海電鉄で運用されていた架線電圧1500V対応から、銚子電鉄で運用されている 600V に対応する「降圧工事」に代表される、”難解”な工事をクリアする必要がある。
・今回譲受した車両は、走行に必要な改造工事を施工した後に運用開始するが、開始時期については未定

詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



上述の記事でご紹介したように、丁度1年前に南海電鉄から銚子電鉄へ、2200系が譲渡され、大きな話題となりましたが、今回、その第2編成が譲渡されることとなりました。

第1編成は、今年の3月から運用開始となりましたが、新天地での2200系の活躍を一目見ようと、関西地区からも多くのファンが銚子電鉄を訪問し、新たな効果に繋がっているとのことです。

そして1年ごとなる本日、再び2200系が南海電鉄より銚子電鉄に譲渡されたことが発表されました。
今後については、第1編成と同様、所要の工事を実施した後、運用開始するとのことですが、第1編成が旧南海カラーに変更されているだけに、この第2編成がどのような塗色をまとうのか、そういった点でも楽しみなニュースであります。

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▲南海電鉄2200系(住ノ江車庫)。
昨年12月に開催された、鉄道友の会本部・阪神支部主催行事で参加しましたが、この際に撮影した2201編成が、今回銚子電鉄へ譲渡されました。
(参考)




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【長野電鉄】運転士不足により特急列車の一部を運休へ(2024.9.11〜12.10)

長野電鉄(長野県)では、鉄道運転士の退職に伴う慢性的な人員不足が続く中で、現在の運行本数を維持することができなくなったとして、特急列車の一部を一時的に減便(運休)することを発表しました。

特急列車(一部)の運休について|長野電鉄

概要は以下のとおりです。

【運休対象列車】
特急列車20本のうち10本

【運用車両】
平日:スノーモンキー
土日祝日:ゆけむり


【減便期間】
2024年9月11日〜12月10日

【指定席取扱い】
スノーモンキーの個室を除き、期間中は全席自由席

【その他】
例年秋頃に運行している「ワイントレイン」は本年の運行を見合わせ


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



バスや鉄道の運転士不足は、ここ近年一気に表面化してきた印象で、各地で運転士不足による廃止や減便などが実施されており、もはや珍しいものではなくなりつつあります。

そんな中、長野県の長野電鉄では、今年9月から12月にかけて、運転士不足の影響から特急列車を半減させることとなりました。

善光寺や湯田中温泉といった長野市内にほど近い観光地を結ぶ長野電鉄でも、外国人観光客も増えており、加えて秋の行楽シーズンの時期ということもあり、儲け頭の特急列車を減便させるのは、本当に苦渋の決断としか言えませんが、それだけ運転士の不足状況が深刻となっていることの現れ、ともいえるのではないのでしょうか。

長野電鉄では、グループの長電バスでも、運転士の不足から今年1月より長野市内の路線バスで日曜日の運休を実施しています。
今年8月4日からは、一部運行再開となりましたが、それでも減便前の半数にも満たない本数(減便前は182本、一部運行再開後は76本)と、こちらも厳しい状況が続いています。
(参考)
長野市内路線バスの「日曜日運休」について(1/21〜) | ニュースリリース | 長電バス株式会社
長野市内路線バスにおける「日曜日の一部運行再開」 について | ニュースリリース | 長電バス株式会社

コロナ禍の大規模な離職から運転士が戻っていないことに加え、生産年齢人口の更なる減少により、運転士の確保がますます困難となっているのは、何も長野電鉄に限った話ではありません。

自動運転などの抜本的な対策が実現するにはまだまだ先の中、解決には妙案が出てこない状況ですが、賃上げなどの待遇改善や、それに伴う原資確保の為の値上げなどの運転士確保施策を、利用者の負担が増えることもあるが理解をしていくほかないのかな、というのが個人的意見であります。

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▲長野電鉄の1000系「ゆけむり」。
元・小田急電鉄10000形「HiSE」を譲り受けた車両で、長電にやってきてまもなく20年となります。
観光客にも人気のある特急列車ですが、運転士不足の折、9月からは半数に削減のうえ、「ゆけむり」車両は土日祝日のみの運行となりますので、注意が必要です。

【東海交通事業】「JR東海交通事業」に社名変更(2024.10.1)

SNS上で流れてきて、改めて確認したらそのとおりだったので、備忘録として記事化します。

JR東海グループで、城北線(勝川〜枇杷島)の運営や、JR東海在来線の駅の窓口業務などの委託業務を行っている「東海交通事業」ですが、この度10月1日に社名を変更することを発表しました。


社名変更のお知らせ|東海交通事業

概要は以下のとおりです。

【社名】
(現行)(株)東海交通事業
(改正)(株)JR東海交通事業

【英語表記】
JR-Central Transportation Service Company

【変更日】
2024年10月1日

【変更理由】
JR東海グループの一員であることを明確にするため

【ロゴ】
現行のまま変更無し
(参考)現在のロゴ
tkj_logo
(上記発表資料(https://tkj-i.co.jp/content/wp-content/uploads/2024/07/20240712-Announcement.pdf)より引用)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



「東海交通事業」といえば、乗りつぶしファンの方々にとっては、「城北線」が真っ先にイメージされると思いますが、同社ではこれ以外にも、駅の窓口業務等をJR東海から受託しており、JR東海管内の利用者にとっては、こちらの方で社員の方々を目にすることも多いかも知れません。

今回、10月1日をもって同社の社名を「JR東海交通事業」と変更することが発表されました。
会社名の頭に「JR」を付けるとのことで、理由は「JR東海グループの一員であることを明確」(上記発表資料)とのことで、社名の変更による利用者への影響は特に無い模様です。

とはいえ、1988年に設立され、これまで35年間続いてきた会社名をこのタイミングで変更するのも、何だか唐突にも感じました。
個人的には、労働力不足の折、JR東海グループであることを明確にすることで、社員の確保に際し求職者へアピールする、という目的も入っているのかも知れないな、と感じました。


ともあれ、城北線含めて、利用者にとっては特に何も無いと思われますが、乗りつぶしの記録整理等では留意しておきたいな、と感じた社名変更でありました。

【三岐鉄道】北勢線でICOCAが利用可能に(2025年3月)

三重県四日市市に本社のある三岐鉄道では、JR西日本のICOCAシステムを北勢線に導入することを発表しました。

三岐鉄道北勢線でICOCAが利用可能になります!|三岐鉄道
三岐鉄道北勢線でICOCAが利用可能になります!:JR西日本

概要は以下のとおりです。

【サービス開始時期】
2025年3月(予定)

【サービス開始路線】
三岐鉄道北勢線(西桑名〜阿下喜)
(※)同社三岐線(近鉄富田〜西藤原)には導入せず

【提供サービス】
・ICOCA利用サービス(チャージによるSF利用)

・ICOCA定期券サービス
三岐鉄道北勢線の定期券ときっぷ機能を併せ持つサービス。
北勢線のICOCA定期券と近鉄等の鉄道定期券を1枚のICOCAで利用可能
(※)三岐鉄道北勢線と近鉄等の定期券は、各社それぞれで購入する必要あり


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



三岐鉄道北勢線は、かつて近鉄北勢線として運営されていましたが、近鉄の経営撤退を受けて、地域で協議した結果、近隣して走っている三岐鉄道が運営を引き継ぐこととなりました。

北勢線が三岐鉄道に引き継がれ、既に20年も経過しているという時の流れに今更驚く次第ですが、今回この三岐鉄道北勢線にICOCAが導入されることとなりました。
(参考)



三重県内を走る鉄道でありますので、JR西日本の「ICOCA」だけでなく、JR東海の「TOICA」も選択肢になり得るのかも知れませんが、西桑名で接続する近鉄がICOCAを導入していることもあり、また、定期券システムも同時に導入することも踏まえて、「ICOCA」に落ち着いたのではないのかな、と感じました。

北勢線に導入されるICOCA定期券は、「三岐鉄道北勢線と近畿日本鉄道等の定期券は、各社それぞれでご購入して頂く必要がございます」とあるように、伊賀鉄道で導入されたICOCA定期券(定期券情報をカード券面に印刷せず、「定期券内容控」に印刷するタイプ)と同様のシステムを導入するものと考えられます。
(参考)



近鉄から三岐鉄道へ移管されて既に20年が経過し、すっかり「三岐鉄道北勢線」として定着した本路線。
一方で老朽化した車両の置き換えなどが課題となっていますが、同線が線路幅の狭い「ナローゲージ」を採用しており、特殊な車両を調達する必要があることから、費用の面や、そもそも発注に応じることのできるメーカーがあるのか、といった問題もあります。

この北勢線に関しては、この5月に沿線自治体等で構成する「北勢線事業運営協議会」が、「三岐鉄道北勢線の今後の在り方の検討」を発表しています。
北勢線事業運営協議会|「三岐鉄道北勢線の今後の在り方の検討に向けた基礎調査業務」の中間報告について

ここでは、2025年度以降の北勢線の検討に向けて、2023年度・2024年度の2年間で調査を実施しており、今回発表されたのは、「基礎調査」として、北勢線の現状分析や今後の見通しを踏まえて、問題を整理するものとして発表されています。

この調査では、北勢線の抱える問題としては、営業費用の増加、営業収入の減少により北勢線の営業損益が悪化し、沿線市町の補助額が増加する見込みで、北勢線沿線地域の交通の将来にわたる確保が必要としています。

そして、今年度の調査としては、北勢線のまちへの多面的他外部効果を整理するとともに、既存インフラの維持管理を整理、そして鉄道改良や他モードとの比較を行うこととしています。

「他モードとの比較」では、「鉄道存続」「LRT・BRT等」「バス代替」の大きく分けて3つのパターンの中で、例えば「鉄道存続」でも「現状維持(ナローゲージ)」「狭軌等への改軌」「DMV化」「非電化化」「自動運転」といったように、更に分類した、合計10のケースで調査することとしています。
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▲「三岐鉄道北勢線の今後の在り方の検討に向けた基礎調査業務」中間報告より引用
http://www.hokuseisen.com/news/20240531.html


このように、ICOCA導入とは別に、北勢線の今後を大きく左右することにもなり得る調査が実施されていることは、今回のニュースを機に、併せて心に留めておきたいな、とも感じつつ、まずは来年度からサービス開始される「ICOCA」が北勢線の利用者にも普及するのを期待したいな、と感じたニュースでありました。

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▲東員駅に停車中の北勢線車両。
この東員駅は、三岐鉄道への継承後、スピードアップを図るための駅整理により、新たに設けられた駅であります。

【ひたちなか海浜鉄道】JR東日本よりキハ100形気動車3両を譲受、1両は観光列車に

茨城県ひたちなか市で運行しているひたちなか海浜鉄道では、老朽車両の更新及び観光列車の新規導入に向けて、JR東日本よりキハ100形気動車を譲受することを発表しました。

営業車両の購入について【プレスリリース】 | ひたちなか海浜鉄道株式会社

概要は以下のとおりです。

【購入車両】
キハ100-39(ミキ300-103代替)
キハ100-41(キハ205代替)
キハ100-40(観光列車導入)

【運用開始】
譲受後に所定の整備を行い同社運行に合わせて、運用開始



詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



JR東日本のキハ100系及びキハ110系は、民営化間もない頃、老朽化した国鉄型気動車の置き換えとして、東北地方をや北信越など、JR東日本エリアの非電化路線の随所に投入されました。

ローカル輸送は勿論ですが、一部車両は急行「陸中」(現在の快速「はまゆり」)用としてリクライニングシートが設置された車両もあります。
過去を遡れば、秋田新幹線の工事のため運休となった田沢湖線の代替として、1996年〜1997年に運行された北上線経由の特急「秋田リレー」にも充当されたこともあり、現在に至るまでJR東日本における唯一の気動車特急列車としても活躍した車両であります。

JR東日本エリアの非電化路線の近代化に大きな役割を果たしてきたキハ100系・キハ110系ですが、初期車両の導入から30年以上が経過し、そろそろ老朽化による置き換えも進められるのでは、と思っていたところ、今回ひたちなか海浜鉄道への譲渡が発表されました。

ひたちなか海浜鉄道の走る茨城県内では、かつてJR水郡線にキハ110系が走っていましたが、現在は置き換えられており、県内では久々のキハ100・キハ110系の運行となります。


加えて今回譲渡されるキハ100形のうち1両は、観光列車として導入されることが発表されています。

路線長が15km程度と比較的短い距離である同鉄道では、これまで地域輸送の充実を中心に様々な取組を行ってきているように感じています。
一方、同鉄道では、現在の終点である阿字ヶ浦駅から国営ひたち海浜公園方面へ延伸する計画を発表しています。
当初の予定よりも工事着手が遅れているようでありますが、延伸計画を断念したという話はなく、計画を見直した上で、予定区間を2期に分けて開業していくことも、既に報じられています。
(参考)
ひたちなか海浜鉄道 国営ひたち海浜公園付近に延伸 新駅整備へ | NHK | 鉄道

延伸により、沿線住民の利用は勿論のことですが、観光客の利用も更に増えることが想定されることから、今回観光列車の導入に至ったのではないか、とも思われます。


そしてこのひたちなか海浜鉄道ですが、既にJR東海よりキハ11形を導入しており、今回のキハ100形を加えると、JRグループの複数社から車両を譲受するという、珍しい車両ラインナップになることとなります。
(参考)


何はともあれ、新天地で引き続きの活躍となるキハ100形。
どのようなデザインとなって湊線で運行されるのか、そして「観光列車」の内容はどのようなものなのか、引き続き注目したいニュースでありました。


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▲JR東日本キハ100形(大湊線・大湊駅)
キハ100系は車両の長さが比較的短いタイプ(約16m)、キハ110系は車両の長さが長いタイプ(約20m)という区分があるようです。
この時は大湊線で往復キハ100に乗車しましたが、この同系列が今回ひたちなか海浜鉄道へ譲渡されることとなりました。

【三岐鉄道】JR東海より211系電車を譲受(30両、うち24両が営業用)

三重県四日市市に本社のある三岐鉄道では、長年に渡り三岐線で運用している既存車両21両の置き換えのため、この度JR東海より211系電車を譲受したことを発表しました。

三岐線用車両譲受について|三岐鉄道

概要は以下のとおりです。

【譲受車両】
211系電車 3両編成30両(うち営業用24両)

【投入時期】
2024年度以降、同社線での運用に必要な改造工事を実施し、順次投入予定


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



三岐鉄道は、狭軌の「三岐線」とナローゲージの「北勢線」を運行していますが、このうち三岐線では、長らく西武鉄道からの譲受車両が運用されてきました。

今回、これらの既存車両の置き換えを目的に,JR東海より211系車両を譲受することとなりました。
211系は、民営化前後にJR東海に投入され、名古屋地区や静岡地区で活躍してきましたが、新型車両315系の投入に伴い同社での廃車が進んでいます。

一方で、車齢では40年に満たないことから、地方鉄道では未だ運用が可能なようで、今回まとまったロットの廃車が発生する211系が、30両という比較的多い両数の譲渡が実現しました。


30両の譲渡といっても、実際に営業に供されるのは24両で、残り6両は恐らく営業用車両がトラブルの際に交換部品を供給する車両(いわゆる「部品取り」)としての導入と思われます。
同様の譲受方法は、京都丹後鉄道がJR東海よりキハ85系を譲受した際にも見られ、営業用・部品取り各2両の4両を譲受していました。
(参考)



譲渡された211系が、どのような塗装となり三岐鉄道で運用されるのか、ファンにとっては気になるところといえるでしょう。
先のキハ85系(京都丹後鉄道KTR8500形)はJR東海当時の塗装をそのままで運用した一方、キハ11形(ひたちなか海浜鉄道キハ11形)は、帯の塗装は若干異なるものの、基本的にJR東海当時の雰囲気を残した塗装となっています。
(参考)


果たしてオリジナルの塗装により三岐鉄道で再び走ることが実現するのか。
引き続き注目しておきたいな、と感じたニュースであります。


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▲多治見駅で発車を待つ211系。
今回三岐鉄道に譲渡されるのは、静岡地区で運用されてきた3両編成となっています。
貨物輸送も盛んな三岐鉄道で、211系と並んで走る姿が間もなく見られるようになるものと思われます。

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▲三岐鉄道三岐線の車両。
この写真は今から17年前の2007年4月に、途中の保々駅で撮影したものです。
これらの西武鉄道から移籍して、長年三岐線で活躍してきた車両も、間もなく見納めとなりそうです。

【大井川鐵道】新社長に鳥塚亮氏(えちごトキめき鉄道社長)内定の報道

静岡県を走る大井川鐵道が、次期社長として現在えちごトキめき鉄道(新潟県)の社長を務める鳥塚亮氏を内定したことが、本日各メディアで報じられました。

大井川鉄道、鳥塚亮氏が社長に 現えちごトキめき鉄道社長 - 日本経済新聞
【発表】大井川鉄道の新社長に鳥塚亮氏…いすみ鉄道などローカル鉄道の改革を手掛ける実績。|日テレNEWS NNN
【発表】大井川鉄道の新社長に鳥塚亮氏…いすみ鉄道などローカル鉄道の改革を手掛ける実績。(Daiichi-TV(静岡第一テレビ)) - Yahoo!ニュース

鳥塚氏は航空会社などの勤務を経て、2009年に千葉県の「いすみ鉄道」が公募した社長に就任し、キハ52形などの気動車を譲受し、なつかしい鉄道風景を再現するなどして、鉄道ファンは勿論、それ以外の観光客の誘致を実現させるなどの実績を残しました。

2019年には新潟県の「えちごトキめき鉄道」の社長に就任し、JR西日本から譲受した413系・455系を懐かしい国鉄急行色に塗り替えた「観光急行」として走らせ、こちらもまたファンの人気を集めています。


その鳥塚氏が、3社目の鉄道会社の社長として就任するのが、大井川鐵道となります。
この大井川鐵道は、かつてからSL運転で有名で、近年では「きかんしゃトーマス」とのコラボ列車を毎年走らせており、家族連れを中心に人気を集めています。

一方で、2022年9月に発生した台風15号による被害で、現在でも大井川本線の川根温泉笹間渡〜金屋間が運休となっており、再開の見込みが立っていません。

私も昨年9月にこの大井川鐵道を訪問し、特に運休が続く大井川本線の様子は下記ブログ記事でもご紹介したところです。
(参考)


大井川本線・井川線いずれも沿線人口が希薄で、観光利用が主体となる大井川鐵道ですが、更に主力の大井川本線では半分ちかくの区間が災害による運休が続き、その復旧工事についても、その見通しが立っていない状況となっています。
(参考)


鉄道としての復旧を行うためには、沿線自治体等から費用面の支援が欠かせないわけですが、沿線住民の利用者は僅少。その一方で大井川鐵道が走ることによる観光客による経済効果は大きいものがあるだけに、復旧のための財政支援の方向性を得るのにも容易ではないことが考えられます。

そんな中で、これまで地方鉄道の活性化を手がけてきた鳥塚氏が社長に就任することで、全線復旧の道筋が見えてくるのか、あるいはまた別の方向性となるのか。
これまで色々なアイデアを実現させて注目されてきた人だけに、過去の2社とは比べものにならない苦境に立たされている大井川鐵道で、どのような方策を打ち出してくるのか、注目したいと思います。

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▲大井川鐵道・大井川本線金谷駅に停車中の21000系ズームカー。
同社には、南海、近鉄、十和田観光鉄道(元・東急)から譲受した車両が現役で運行されており、こういった古い車両を活かした企画も考えられそうです。

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▲井川駅に停車中の井川線の列車。
千頭から先を走る井川線は、大井川の上流に向けて、急峻な地形を急カーブや勾配でクリアしていく、まさに秘境といえる路線であります。
これまで鳥塚氏が就任した両社にはなかった秘境を走る路線なだけに、こういった沿線の資産をどう活かしていくのか、というのも注目でありましょう。

【智頭急行】「スーパーはくと」車両更新発表の報道。ハイブリッド車両も候補に

鳥取県と京阪神を結ぶ「スーパーはくと」などを運行する第三セクター鉄道の「智頭急行」では、本日開催した株主総会で、特急「スーパーはくと」の車両について、5年程度での新型車両導入を目指していることを、同社の社長が報告したことが、山陰地方を拠点に置く各メディアで報じられています。

智頭急行(鳥取県智頭町智頭)の西尾浩一社長が3日、看板列車の特急スーパーはくと(京都ー倉吉間)の車両更新構想を明らかにした。開業から30年を迎えて老朽化しており、新型車両でより快適な旅を提供する。共同運行するJR西日本と協議に入っており、5年程度先の導入を目指す。

 同日、鳥取市内で開いた定時株主総会で報告した。

 鳥取県などが出資する第三セクターの同社は1994年12月に開業した。スーパーはくとは大阪ー鳥取間を2時間半で結ぶ速さが売り。2023年度は53万2573人が利用した。

 車両は34両あり、5両編成を基本に運用している。乗車率が平均40%程度であるのを踏まえ、編成を見直すなどして新型車両の数は絞る。どんな車両にするか、JRと協議を進めており、JRにも車両使用料として導入費を一部負担してもらう。

スーパーはくと車両更新へ 開業から30年、5年程度先の導入目指す 智頭急行 | 山陰中央新報デジタルより引用


運行開始から30年を迎える特急スーパーはくとの車両について4〜5年後の新型車両導入を目指してJRと協議を進めているということです。現在、特急スーパーはくとの車両を34両を所有する智頭急行では、新型車両の導入に1台当たり4〜5億円かかるため、利用実態に合わせて車両数を減らす方針でハイブリッド車両を候補に検討をすすめています。

特急スーパーはくと 4〜5年後の新車両導入へ JRと協議中と発表 ハイブリッド車両を候補に検討 鳥取県・智頭急行|日本海テレビNEWS NNNより引用


上記の報道内容を総括しますと、「スーパーはくと」新型車両の概要は以下のとおりと考えられます。
・新型車両は、今後5年程度(2029年頃?)での導入を目指す
・乗車率が平均40%程度であるのを踏まえ、編成を見直す等新型車両の投入数を絞る(現在の車両数は34両)
ハイブリッド車両を候補に検討を進めている


現在「スーパーはくと」で運用されている智頭急行「HOT7000系」は、1994年の智頭急行開業当時より運用され、今年で丁度30年を迎えます。
これまでリニューアル工事は実施されてきたとはいえ、流石に30年も使用し続けていると老朽化も進んできているのは否めません。

智頭急行では、今年3月16日購入分より同社内の特急料金を値上げしていますが、ここでも、「特急車両の更新を進めていく必要がある時期」を踏まえて値上げを実施することを理由の一つとして挙げています。
(参考)


このように、「スーパーはくと」車両の更新の時期は、遠からずやってくるものと考えられていましたが、本日の株主総会では、その新型車両の構想が少しは明らかになったものといえます。

その中でも特徴は、「ハイブリッド車両の導入」で、既に様々な列車で採用実績のあるハイブリッド車両をこの「スーパーはくと」でも導入することを視野に入れているようです。

「ハイブリッドの特急車両」といえば、2022年度より特急「ひだ」「南紀」に導入されたJR東海・HC85系が挙げられます。
一方、現行のHOT7000系では、カーブを高速で通過する振り子機能を有していますが、新型車両にもこの振り子機能が搭載されるのか、あるいはJR四国2600系のような「空気ばね式車体傾斜機構」を備えたりするのか、色々と気になるところであります。
(参考)
車両情報<2600系特急気動車>:JR四国

ともあれ、本日社長より明言のあった「スーパーはくと」新型車両導入。
今後、どのような車両が登場していくのか、続報も逐次ご紹介していきたいと思います。

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▲現在「スーパーはくと」に充当されているHOT7000系。
今後5年程度での置き換えが発表されました。

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▲特急「南紀」に充当されているJR東海HC85系。
「スーパーはくと」の置き換え車両として、ハイブリッド車両も検討されているようです。
特急形のハイブリッド車両としては、このHC85系のような事例がありますが、車体傾斜機構や振り子機構の導入なども気になるところです。




【関連ブログ】
【智頭急行】ハイブリッド式での特急置換を検討中。性能不足は大丈夫? | 鉄道プレス



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【智頭急行】開業30周年記念行事で「スーパーはくと」乗務員室添乗体験「プレミアムハザ」等を実施(2024年5月)

兵庫県の上郡と鳥取県の智頭を結ぶ第三セクター鉄道「智頭急行」では、今年(2024年)12月3日に開業30周年を迎えることを記念して、様々な記念事業を実施することを発表しました。

智頭急行開業 30 周年記念事業について|智頭急行

概要は以下のとおりです。

【30周年記念事業】
・記念ロゴマーク掲出
・フォトコンテスト開催
・記念「鉄印」記帳
「プレミアムハザ」(前頭添乗体験)の開催
・HOT3500系運転体験
・駅ネーミングライツ募集

【「プレミアムハザ」詳細】
プレミアムハザ(前頭添乗体験) | 智頭急行株式会社
・体験内容:
特急「スーパーはくと」の乗務員室の助士席に座り、非日常の空間から智頭線を体験する企画。

・体験区間:
智頭線 智頭〜上郡(往復)

・集合場所:
智頭急行 智頭駅

・開催日:
2024年5月18日(土)、19日(日)、25日(土)、26日(日)

・コース設定(各コース定員1名):
Aコース
スーパーはくと4号(智頭9:21発→上郡10:01着)
→スーパーはくと3号(上郡10:48発→11:28着)

Bコース(集合時間10:55)
スーパーはくと6号(智頭11:15発→上郡12:00着)
→スーパーはくと5号(上郡12:16発→13:00着)

Cコース(集合時間12:30)
スーパーはくと8号(智頭12:50発→上郡13:27着)
→スーパーはくと7号(上郡14:16発→15:00着)

Dコース(集合時間14:30)
スーパーはくと10号(智頭14:50発→上郡15:27着)
→スーパーはくと9号(上郡16:16発→16:54着)

・参加料:
30,000円(税込)
(※)別途、乗車券が必要

・撮影等条件:
写真・動画の撮影が可能。撮影した動画・画像は個人用途に限りSNS等で配信可能


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



兵庫県・岡山県・鳥取県の3県にまたがる第三セクター鉄道「智頭急行」。

京阪神から鳥取県東部を結ぶ陰陽連絡路線として、「スーパーはくと」「スーパーいなば」といった特急列車が数多く運行されており、鳥取市や倉吉市と、神戸・大阪・京都を結ぶのみならず、姫路で山陽新幹線に接続し、名古屋・東京方面へのメインルートとして機能しています。

この智頭急行も今年で開業30周年を迎えることとなりますが、それを記念したイベントが順次実施されることとなっています。


これら記念イベントの中でも特に注目したのは、「プレミアムハザ」こと、乗務員室体験であります。
前面展望は、鉄道ファンの方にとっての楽しみの一つですが、それが通常では立ち入ることのできない「スーパーはくと」の乗務員室で前面展望を楽しむことができる、ユニークな企画となっています。

企画の名称もユニークで、「プレミアムハザ」という、鉄道ファンにとっては「なるほど、そんな名前を思いついたとは!」と感心することしきりな名前であることも注目です。
(※)「ハザ」とは、普通車指定席を指す略語で、「普通車」を示す車両記号「ハ」と指定席座席の「ザ」を組み合わせたところから来ているようです。


料金は30,000円(別途乗車券要)であることから、ちょっと値段は張りますが、非日常を体験できるプレミアムな普通車指定席、興味ある方は是非体験してみてはいかがでしょうか。

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▲開業30周年を記念して「プレミアムハザ」が設定されることになった「スーパーはくと」HOT7000系。
前面展望が良い非貫通先頭車「HOT7000形」の先頭席は、鉄道ファンにとっても人気の座席です。
しかし今回の「プレミアムハザ」は、それ以上に迫力ある体験が楽しめそうです。




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