阪和線の沿線から

阪和線沿線に住まう管理人による、鉄道やバスなどのブログ。

地方民鉄・公営・第三セクター事業者

沖縄県に鉄道は有るのか?無いのか?…沖縄県知事のSNS投稿から考えてみる

沖縄県に鉄道は有るのか、無いのか?

それを改めて問いかけるSNS投稿を、よりによって当の沖縄県知事から発せられたのを目にしました。


投稿の要旨は、上記投稿の「本島を南北につなぐ鉄軌道をはじめ、モノレールの延伸、LRT・BRTなど、交通の空白地域をなくし、新しい公共交通ネットワークを構築します。」にあるように、公共交通の充実を目指す、というもののようです。

その冒頭に記されているのが、
「沖縄は全国で唯一、鉄道がありません」
の一文。

一見単純なように見えて複雑なこの問題、備忘録がてらいろいろ考えてみたいと思います。
(なお、本稿は上記発言に対する筆者の個人的な意見を羅列したものであり、特定の政治的意見を支持・批判するものではありません。)

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令和8年熊本地震に伴う鉄道運行情報など

去る7月28日に発生した「令和8年熊本地震」。
わずか10年前の平成28年(2016年)に最大震度7の揺れを襲った地域が、またしても震度7の揺れに襲われるという、ある意味前代未聞な地震に見舞われました。

報道等では、「イオンモール熊本」(嘉島町)や「日本製紙八代工場」(八代市)での被害が大きく報道されており、当記事執筆時点で36名(8月1日・熊本県発表)の犠牲者が発生しています。

これだけ大きな地震でありましたので、鉄道等の交通インフラでも大きな被害が発生しています。
現時点で把握できているのは、以下のとおりです。
【九州新幹線】
運行取り止め:熊本〜鹿児島中央間
・熊本〜新水俣間は当面の間運行取り止め(8月中の運行再開は困難)
・新水俣〜鹿児島中央間は、運行再開に向けた検討中

【鹿児島本線】
・熊本〜宇土間:8月2日(日)運行再開予定
・宇土〜八代間:当面の間運行取り止め(8月中の運行再開は困難)

【三角線】
・宇土〜三角間:8月2日(日)運行再開予定

【肥薩おれんじ鉄道】
・全線(八代〜川内間)運転見合わせ
(八代〜肥後高田間・肥後高田〜日奈久温泉間の線路変状等、修復が必要な箇所が多数確認)


また高速道路についても、以下の区間が通行止めとなっています。
【九州自動車道】
松橋(まつばせ)IC〜えびのIC

【南九州自動車道】
八代IC〜日奈久IC


そのため、鹿児島〜福岡・北九州間を陸路で移動するためには、宮崎県・大分県方面を迂回する必要が生じています。
またJAL(日本航空)では、福岡〜鹿児島間に臨時便を1日3〜5往復程度運航していますので、こちらも利用することが可能です。
(参考)
JAL | 令和8年熊本地震に伴う航空券の取り扱いおよび臨時便について

今回の熊本地震は、前回の熊本地震よりも震源がやや南であったこともあり、被害も八代近辺より南に集中しているようです。
逆に前回のように、九州新幹線・博多〜熊本間や、熊本空港といった、熊本県外を結ぶ交通機関が早期に復旧できたのは、緊急物資の輸送や人の移動に関してはまだ救われた状況、といえるかも知れません。

前回の熊本地震で大きな被害を受けたJR豊肥本線及び南阿蘇鉄道についても、今回の地震では大きな被害は受けておらず、早期に通常運行に復帰しています。
(参考)
前回の熊本地震では、全線復旧までに豊肥本線は4年、南阿蘇鉄道に至っては7年というに長い期間を要しました。



折しも、熊本県内では「熊本デスティネーションキャンペーン2026」が先月より開催しているところで、特別ラッピング列車「くまモンアドベンチャー号」が運行開始したところでした。
(参考)
くまモンアドベンチャー号 | ワクワクという"きっぷ"で、どこへでも行ける。KUMADVENTURE もっと、もーっと!くまもっと。 KUMAMOTO DC 2026 | JR九州

現在のところ、在来線のキハ200形の「くまモンアドベンチャー号」は運行される予定となっていますが、今回の熊本地震の対応を受けて、様々なイベントが中止されることも考えられます。

折角の観光キャンペーンの期間にも関わらず大規模な災害に見舞われるのは、本当にお気の毒としか言いようがないのですが、ともあれ熊本県内でも通常運行している鉄道路線もありますので、被害を受けていない熊本県内の観光地を訪問してみるのも、決して悪くないのかな、とも感じています。

ともあれ、先月上旬に福岡県内にも足を運んだばかりでしたので、今回の熊本地震で大きな震度が報じられたのにも本当に驚きました。
交通インフラに関しては、安全を確保した上で、早期の復旧を願いたいところですし、その復旧の状況も折をみてご紹介していければと思います。


最後になりましたが、再度の大規模な地震で、犠牲となった方々のご冥福をお祈りし、被害を受けられた方々のお見舞いを申し上げます。
被害を受けられた方々の中には、暑い中の避難所での生活を送っている方々も多いかと思いますので、健康に留意していただきたいと思います。

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▲前回(2016年)の際は、九州新幹線が博多〜新水俣間で長期間の運転見合わせとなりました。
(参考)


今回の地震でも、熊本〜鹿児島中央間が長期の運転見合わせとなり、新大阪発の「みずほ」「さくら」についても、熊本までの運行となっています。
(熊本までは通常どおりの運行)

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▲九州新幹線が熊本〜鹿児島中央間で運転見合わせとなっているため、鹿児島〜福岡間を移動するためには、上述のJAL臨時便のほか、日豊本線の特急「きりしま」「にちりん」「ソニック」を乗り継いで移動する必要があります。
発災直後は、鹿児島中央発宮崎行きの臨時特急列車が運行された模様ですが、現在は通常ダイヤで運行されています。
ただ、通常は最速で1時間20分程度(「みずほ」利用)の鹿児島中央〜博多間は、上記の迂回ルートを使うと8時間程度かかりますので、移動が必要な際には十分に余裕を持たせたスケジュールが必要となります。




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【大井川鐵道】井川線の観光列車化を発表(2026.7.1〜)

大井川鐵道では、2026年7月1日(水)より、井川線について、事前予約制となる「観光列車」を主体としての運行に変更することを発表しました。

井川線の観光列車化について(2026/7/1〜) | 大井川鐵道【公式】

概要は以下のとおりです。
【井川線 観光列車化のポイント】
・観光列車は座席定員制(列車指定制)で運行
・予約・決済はオンラインで実施
乗車区間にかかわらず、大人3,500円(小児1,750円)
・上り始発、下り最終は従来の運賃で利用できる一般車両を連結
・沿線住民向け「井川線沿線住民パス」を新設

【運行開始日】
・観光列車としての運行開始:
2026年7月1日(水)

・予約開始:
2026年6月上旬予定

【詳細】
・料金:
大人3,500円、小児1,750円
(募集型企画旅行商品として販売)

・一般車両について
上り始発(402列車)、下り最終(405列車)については、運賃で利用できる一般車両(自由席)を連結

【2026年7月1日以降の時刻表】
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(上記発表資料(https://daitetsu.jp/archives/312728)より引用)

詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



大井川鐵道井川線については、今年の4月に社長のブログにおいて、観光鉄道化とすることが突如明らかとなりました。
(参考)

1乗車3,500円という急激な値上げに反対の声もあったこともあってか、その後正式実施は見送られていたのですが、今回一ヶ月遅れの7月1日からの実施が、正式に発表されました。

「観光列車化」の概要は、概ね先に発表のあったとおりで、基本的に1乗車3,500円(大人)とし、上り(千頭行き)の始発と下り(千頭発)の最終は普通乗車券で乗車できる一般車両を併結すること、そして沿線住民向けには2年間1,000円で乗り放題の「住民パス」を発売する、というものです。


当初の発表時は、大幅な値上げとなり、それを地元への根回しを特に行わず突然発表(しかも社長の個人ブログという形で)ということもあったので、地元からも相当な反発を受けましたが、その後地元との協議も進めていった模様で、今回正式発表となった模様です。

井川線の観光列車化については、個人的に思うところは、先の記事で書いたところで、井川線を将来に渡り維持していくためには、観光客に頼るしかなく、そのためには現状ではコストが収入で回収できない以上、値上げという形で収入を増やす必要はあると考えますし、観光路線であることから、通勤や通学等の日常の交通需要に対応する路線と比べれば、値上げに対する抵抗もずっと少ないものと思っています。

一方で、こういった施策変更は、沿線地元の理解も必要で、その点をしっかり説明しておく必要があったかと思いますし、そして井川線の観光鉄道化としての課題と個人的に考えている「沿線観光資源の開発」にも、地元の協力は欠かせませんから、その協力を得るためにも、地元の関係者をないがしろにしてはマズい、と思うのです。


そして今回の発表では、観光路線化後のダイヤも発表されていますが、上述の一般車を連結した1往復を除き、観光客が立ち寄ることが少ない駅は、軒並み通過となっています。

具体的には、全ての列車が停車するのが「奥泉」「アプトいちしろ」「長島ダム」「奥大井湖上」「接岨峡温泉」の各駅に限られ、「川根両国」「沢間」「土本」「川根小山」「ひらんだ」「尾盛」「閑蔵」の各駅には、上下各1本しか列車が止まらないダイヤとなります。

これら新たに通過となる各駅には、周囲に人家も無く、沿線利用も皆無に近いことが想定されますが、それでもこれだけ劇的に停車列車を減らすことになるとは、ちょっと想定外でした。


ともあれ、「観光列車」として新たなスタートを切る井川線。
果たしてその料金に見合うだけの満足度を提供できるのか、観光列車としての運行開始後が勝負だ、と思っていますので、今後の更なる観光客向けの施策を心待ちにしたいな、と感じたニュースでありました。

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▲井川駅に停車中の井川線列車。
ダイヤ改正後も、1日2往復は変わりありません。

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▲アプトいちしろ駅に停車中の井川線列車。
アプト式に対応するための電気機関車を連結する当駅には、ダイヤ改正後も引き続き全列車が停車します。

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▲井川駅の一駅手前となる閑蔵(かんぞう)駅。
現在1日上下合わせて4本の列車が停車する同駅ですが、ダイヤ改正後は1日2本のみに削減されます。
2023年9月に訪問した際は、当駅から千頭駅まで、大鉄アドバンス運行の路線バス「閑蔵線」が運行されていましたが、今年3月末の運行をもって廃止となりました。

銚子電鉄に譲渡された南海2200系に乗車する(2026.5.15)

千葉県銚子市を走る銚子電鉄では、2023年及び2024年に南海電鉄より2200系車両2編成4両を譲り受け、「22000形」として運行しています。
(参考)




このうち1編成は南海電鉄の旧塗装を復元したものに、そしてもう1編成は現行の南海電鉄塗装のままではあるものの、車内を観光列車とした「次郎右衛門号」として投入されました。
(参考)
22000形観光列車「次郎右衛門」の出発式を執り行いました。 銚子電気鉄道株式会社

かつて南海高野線と、同社の支線を走り続けた2200系の引退後、銚子電鉄に移った姿をこの目で見ることができればいいな、と思っていたところ、丁度銚子方面の総武本線及び成田線の再乗りつぶしのついでに銚子電鉄も訪問できるスケジュールであったことから、早速訪問することにしました。



銚子駅のJR線2・3番のりばの先にあるのが銚子電鉄銚子駅。
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11時15分発の外川行きが入線してきました。
本日の車両は、22000形の第2編成「次郎右衛門号」編成でした。

南海電鉄の現塗装のままで、ロゴさえも「NANKAI」と記されたままの姿に、南海時代の活躍のシーンを思い出したのは、決して私だけではなかったかと思います。
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外観は南海時代を思い起こさせるものでしたが、車内に入ると観光列車として改装された車内の様子が目に付きます。
ロングシートは、青色基調のものに取り替えられており、当時とは大きく印象が異なります。
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そして連結部分にはボックスシートと折りたたみ式のテーブルが設置されていました。
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片道わずか20分の銚子電鉄で、ボックスシートはともかくテーブルまで必要なのか、という意見もあるかも知れませんが、例えば往復だけでも1時間程度の行程は取れるわけで、そうすれば飲み物くらいは出せる設備があるといいでしょうから、こういったテーブルもそんな際には活躍するのではないか、と思います。
試しにこのテーブルへ、自動販売機で購入したコーヒーを置いてみることにしました。
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そしてもう一つの特徴として、運転席直後に設置された展望席であります。
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いわゆる「かぶりつき」が可能な座席となっており、子供やファンにとっては楽しみな席となりそうです。

かういう私も、このかぶりつき席に乗車して、外川まで向かうことにしました。

途中の「仲ノ町駅」は車両基地にもなっていて、南海電鉄より譲渡された22000型の第1編成(旧南海電鉄塗装)も留置されていました。
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車内は、犬吠埼への観光客らしき乗客が数グループ乗車していました。
平日の昼前ですから、正直あまり乗車していない時間帯であることは想定していましたが、それでも少しでも観光客の姿が見られていることに、この鉄道の存在意義を感じたところでした。


途中の「笠上黒生(かさがみ くろはえ)」駅の駅名標には、何故か「ナウル共和国」と記載されていました。
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「ナウル共和国」といえば、大阪・関西万博で「コモンズ」の一角に出展しており、そのユニークなSNS運用と万博の展示で多くのファンを掴んでいる、南太平洋の国で、SNSや万博を機に知った、という人も多いのではないかと思います。

その「ナウル共和国」が何故この銚子の地の鉄道駅の名前となっているのか、ちょっと不思議でした。

調べてみると、やはりきっかけはナウル共和国のSNSで、このSNSでのつながりが端緒となり、ナウル共和国が笠上黒生駅のネーミングライツを取得した、とのことであります。
(参考)
「ナウル共和国」銚電に誕生!笠上黒生駅が国際交流の新拠点に 銚子電気鉄道株式会社

ともあれ、崖っぷちの鉄道路線である銚子電鉄と、これまたリン鉱石の枯渇により崖っぷちの経済を経験し、いまそこから立ち直ろうとしているナウル共和国とが、それこそ「崖っぷち」つながりで盛り上げていこう、という取り組みは、面白いものがありますし、こういった柔軟なつながりは、今後とも増えていって欲しいな、とも思っています。


車内の乗客は、そのほとんどが犬吠駅で下車しましたので、少しばかりの乗客を残して終点の外川駅に到着しました。

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▲外川駅の駅舎。

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▲駅係員は土・日・祝日の9時〜17時となっていますので、訪問の際はご注意ください。


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▲外川駅で発車を待つ22000型。

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▲外川駅の駅名標には「ありがとう」の駅名が付けられていました。

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▲観光列車「次郎右衛門号」の名称由来が車内に掲示されていました。



以上が、南海電鉄から銚子電鉄に譲渡された2200系と銚子電鉄線訪問の様子でした。

南海電鉄での使命を全うした2200系が、再びこうして新たな活躍の場所を与えられ、そして現にこのように活躍している姿を目にすると、やはり感慨深いものがあります。

そういえば、今回乗車した編成には「次郎右衛門」という名称が与えられていますが、この「次郎右衛門号」のモデルとなった「崎山 次郎右衛門」も、和歌山からここ銚子に流れ着いた人で、この銚子電鉄の終点近くに所在する「外川漁港」を建造した、銚子が漁港として発展するきっかけを作った人だそうで、和歌山から銚子に移ってきた2200系にも共通するストーリーではないかと思いました。

今後も末永く、この銚子電鉄と、南海電鉄から譲り受けた22000形の活躍が続くことを願いたいところですが、何せ沿線住民や観光客に乗ってもらうのが存続の第一歩でありますから、厳しい経営状況から脱出できるよう、当ブログでも引き続き応援していきたいな、と感じました。

【十国峠ケーブルカー】2027年夏にスロープカーに置き換えへ。鉄道事業法上の扱いは未定

静岡県函南町で「十国峠ケーブルカー」を運行している富士急グループの十国峠株式会社では、現在のケーブルカーに代わり、新たな交通手段である「スロープカー」を2027年夏から運行することを発表しました。

2027年夏、十国峠に「動く展望台」誕生|十国峠株式会社

上記発表によりますと、現在のケーブルカーは設置から約70年経過し老朽化が進み、部品の確保が年々困難となっていることや、それに伴い将来的な安全性の維持が困難となる可能性が高まっていることを踏まえて実施するものとのことです。

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▲新たに導入する「スロープカー」の画像
(上記発表資料(https://www.fujikyu.co.jp/data/news_pdf/pdf_file2_1778654743.pdf)より引用)




この十国峠ケーブルカーですが、現在では国内唯一の標準軌のケーブルカーとなっています。
また長らく西武グループの伊豆箱根鉄道が運営してきましたが、現在は富士急グループに移管されています。

その十国峠ケーブルカーですが、アクセスの面では熱海駅からバスで約30分ということもあり、乗りつぶし的には少々ハードルが高い路線の一つであるといえます。
近接する箱根エリアには、箱根ケーブルカー(小田急箱根)もあることから、まとめて乗車することで、乗りつぶしがてら箱根の観光ルートを体験できる、魅力的なコースでもあるのですが、一方でこの観光コースを回ろうとすると一日がかりおなることから、やはりそれなりに時間がかかる路線、といえるでしょう。

とはいえ、全線完乗を目指すためには避けられないこの「十国峠ケーブルカー」ですが、来年夏には「スロープカー」という新しい乗り物に代わることが、今回発表されました。


そこで鉄道ファンとして気になるのが、「鉄道事業法上の取扱い」でしょうか。

現在の十国峠ケーブルカーは、鉄道事業法に基づいたケーブルカーとして運行されていますが、一方で置き換えとなる「スロープカー」については、現在鉄道事業法等による許認可を受けて運行している路線は無い事から、この十国峠ケーブルカーについても、スロープカーの置き換えに伴い鉄道事業法上の路線廃止が行われる可能性が高いものと思われます。

もっとも、今回の発表では鉄道事業法上の手続きについて何ら言及はされていませんので、スロープカー導入後も引き続き鉄道事業法上の扱いとなる可能性が皆無ではないのでしょうが、これまでの先例から考えると、その可能性は低いと言わざるを得ないでしょう。

鉄道事業法上の扱いがどうであれ、開業から70年に渡り運行されてきたこの十国峠のケーブルカーの車両自体は、あと1年程度で見納め、ということになりそうです。

私自身も2023年11月にこの十国峠ケーブルカーに乗車しましたが、頂上駅からぐるっと見渡せる360度の風景は、他のケーブルカーではそうそう見られない雄大な風景でしたので、機会があれば廃止前に是非一度乗車してみていただければと思います。

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▲2023年11月に十国峠ケーブルカーに乗車した際の写真です。
このように湘南電車をイメージした車両は、開業当初から運行されているものとなっています。
十国峠を登る交通手段はスロープカーが引き続き担いますが、この車両に乗車できるのも、あと1年程度ですので、機会があれば是非乗車したいものであります。




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【大井川鐵道】井川線の観光列車化に向けた運用変更を実施(2026.6.1〜)1乗車3,500円とする一方、地域住民にはフリーパスを発行へ

静岡県の大井川に沿って走る「大井川鐵道」の井川線について、来る2026年6月1日(月)より観光列車化とすること等の運用変更を行う旨、同社社長の鳥塚氏のブログで明らかになりました。

井川線の運用変更(ダイヤ改正及び観光列車化)について | 大井川鐵道社長 鳥塚亮の地域を元気にするブログ

上記記事によりますと、6月1日からの変更点は以下のとおりです。

●井川線の列車(1日5往復)について全列車を観光列車化し、乗車料金を1人1乗車3,500円とする
●1日1往復、普通乗車券で利用できる列車を設定。
(千頭14:35発接岨峡温泉行き、接岨峡温泉10:45発千頭行き)
地域利用者に対する定期券式のフリーパスを発行
(発行手数料1,000円で、全列車に2年間乗車可能)


上記ブログによりますと、このような決断に至った背景について、以下のとおり記しています。
・井川線は、戦前に電力開発の専用鉄道として建設が開始され、昭和30年代にほぼ現在の形になった。
・電力会社の事業用専用鉄道に旅客鉄道を乗せていたものを、国の指導を受けて、大井川鐵道が電力会社から運行受託することで契約を交わして運行している。
・井川線の現状としては、沿線地域の人口減と過疎化により、地域住民の利用者は皆無で、過去15年間定期券利用者がゼロで、地域の足としての役割は終了と判断
・但し、鉄道の社会的便益性を鑑みて、地域住民へのフリーパスを含めることとした。


記事執筆時点では、静岡新聞をはじめとした報道(下記参照)と、上記社長ブログのみの情報となっていますが、今後正式な発表があるものと考えられます。
(参考)
大井川鉄道の井川線が6月から料金を大幅値上げへ 片道3500円で約2.6倍となる見通し=静岡|静岡新聞アットエス



大井川鐵道井川線は、全国でもここだけ、世界でも稀な「アプト式」と呼ばれる急勾配に対応した区間や、ダム湖の途中の駅という絶景が売り物の「奥大井湖上駅」といった、観光として楽しめる線区となっています。
また、上述の社長ブログ記事にもあるように、かつて電源開発を主体に建設された経緯もあり、急カーブをウネウネ走るその姿は、海外の登山鉄道を連想させる趣があり、鉄道ファンのみならず、多くの観光客が虜になる魅力に詰まった線区、と個人的には感じています。

一方で、過疎化で沿線人口が減少したこの地域では、ダイヤについても観光主体のダイヤとなっていることに加え、並行道路の整備もあり、この井川線の数駅間だけを乗車する、というツアーも組まれているのも事実のようであります。

井川線が電力会社(中部電力)からの委託で運行している一方、経営的にはこういった観光要素が詰まった井川線をより収益を生み出す線区とするための方策の一つとして、今回この観光列車化、と解釈できるでしょう。

また、地元利用者が今後発生することも考慮して、地域住民対象の激安なフリーパス(2年間で1,000円)も用意し、地域の利用にも対応する用意を示しています。


これだけ記すと、井川線と大井川鐵道を取り巻く現状を鑑みると、観光客に現在より多くの費用を負担してもらうのは、決して悪くないし、井川線の持続可能性、という意味ではそれしか方策は無いのかな、とも思います。

一方で、沿線地域では一定の理解を示すものの、急な発表や、それが「値上げ」ということに対しての嫌悪感が強いところはあるように感じています。
加えて、認可制となっている鉄道運賃制度では、厳格な手続きが求められることから、そういった面倒を回避するべく、運賃そのものを変更させるのではなく、運賃の倍額近い「企画料」を上乗せすることにしていることが、手続上は問題無いとはいっても運賃許認可制度の裏をかいた行為、ということで制度の趣旨に悖るのではないか、という問題提起も聞こえています。

このあたり、もう少し上手く話を地元としていくことはできなかったのかな、と思う一方、大井川鐵道側としても、観光鉄道としてこれまでの倍額以上の費用を観光客から集めようとするのであれば、上述の「アプト式」「奥大井湖上駅」だけでなく、終点の井川駅も含めて、沿線全体で周遊観光ができる観光資源や、それに対応したダイヤの構成といった、大井川鐵道自身の取組も必要だし、そうでないとそっぽを向かれて終わり…ということにもなりかねないのかな、とも思います。

私自身、およそ2年半前の2023年9月に、この井川線に乗車しました。
上述のとおり、アプト式や奥大井湖上駅、そして狭いトンネルをゆっくりゆっくり走る客車列車に、ワクワクしながら乗車したのは、よい思い出でした。
一方で、終点の井川駅には、食事や物販といった観光拠点となる施設も皆無で、そもそも飲食に困る事態にも遭遇し、そもそもの観光客受け入れをしっかりしたら、より良い観光資源になるのにな…と感じました。

この井川線の観光路線化、早速賛否両論が巻き起こっていますが、果たして移行後の利用者の動向はどうなるのか、また値上げとなった運賃・料金に見合うだけの満足度を大井川鐵道が提供できるのか、今後の成り行きに注目していきたいな、と思ったニュースであります。

私自身は、2023年9月にこの大井川鐵道井川線に乗車しました。
夏の晴れた日でしたので、非冷房の車両の窓を全開にし、車窓を堪能しました。
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途中の長島ダム駅では、アプト式で急勾配を通過するために、電気機関車が連結されますが、その様子もホームに居ながらにして見ることができました。
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奥大井湖上駅は、絶景の駅として、この日も乗り降りする乗客がいました。
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終点の井川駅に到着。
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停車中の客車。
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駅舎の中は一定整備されている模様でした。
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一方で、駅周辺には「井川ダム」以外の見どころがなく、食事をすることもできない状態でした。
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▲かつては売店か食堂か、何かを営業していたであろう建物

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▲折り返しの時間に井川ダムを見学しました。
大きなダム湖はひたすら静かで、心が洗われる光景で、多くの方に見に来て欲しい絶景に感じました。
一方で上述のとおり駅周辺にもてなす施設が皆無なこともあり、観光目当て集客するには、鉄道自体だけでなく、その周辺施設も含めたテコ入れが必要にも感じました。
今回の値上げにより、観光客にも満足してもらえる井川線として生まれ変わることができるのか注目していきたいな、と個人的には感じています。




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【広島電鉄】路面電車「循環線」開業(2026.3.28)駅前大橋ルート開業に伴い休止中の区間が再開へ

広島電鉄では、昨年8月3日に広島駅〜稲荷町〜松川町〜比治山下館の「駅前大橋ルート」が開業しましたが、この開業に伴い休止していた、稲荷町〜的場町〜段原一丁目〜比治山下を運行再開し、新たに「循環線」として運行することを発表しました。

2026 年 3 月 28 日、路面電車「循環線」が開業します!|広島電鉄
お知らせ|広島電鉄

概要は以下のとおりです。
【循環線開業日】
2026年3月28日(土)

【循環線の概要】
比治山エリアと市内中心部を繋ぐ循環系統。
平日・土休日の日中時間帯に運行
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(上記発表資料(https://www.hiroden.co.jp/topics/2026/pdf/0328-loopline/0212_release.pdf)より引用)

【運行時間帯・運行間隔】
・運行時間帯
平日・土休日ともに10時〜16時

・運行間隔
平日:
内回り・外回りそれぞれ約25分間隔で運行

土休日:
内回り・外回りそれぞれ約 45 分間隔で運行

【運行本数】
平日:
内回り、外回り各15本の運行
土休日:
内回り、外回り各8本の運行


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



下記記事でご紹介したように、昨年8月に開業した「駅前大橋ルート」に、私自身は開業翌日に早速乗車してきました。
(参考)


この開業を期に、これまでの区間のうち、的場町〜猿猴橋町〜広島駅間は廃止、稲荷町〜的場町〜段原一丁目〜比治山下間は今年春まで休止となり、その後は新設される環状線が運行されることとなっていましたが、今回その環状線が「循環線」という名称で運行再開されることとなりました。

駅前大橋ルートから外れる「的場町」「段原一丁目」の救済に加え、これらのエリアから紙屋町などの広島市内都心部を通るルートとして、一定の利用があると思われますが、今回の発表で驚いたのはその本数の少なさでしょうか。

上述のとおり、平日・土休日ともに日中のみの運行で、かつ運行間隔も平日でさえ25分、土休日に至っては45分と、かなり限られた乗車チャンスになりそうです。

他の広電の系統でも、運行間隔がここまで平尾いている系統は皆無で、逆にこれくらいの本数しか無い状態で、果たして利用者が定着するのか、といった素朴な疑問がどうしても私の中で払拭できないのですが、果たしてどんなものでしょうか…


沿線の人口や、その沿線住民の動きなどを分析して、この程度の本数としたのでしょうが、人口がそれなりに居るエリアなだけに、もう少し多めの本数でもよかったのかな、とも個人的には思いました。

ともあれ、帯月下旬には開業する、広島電鉄の「循環線」。
私自身は、今回の発表で追加に乗る必要のある線区は無いと判断しているものの、この新系統の様子を何らかの機会を見つけて乗りに行くことができればいいな、と感じたニュースでした。


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▲比治山下停留所付近を走行する広電800形。
このポイントを直進するのが、来月開業する「循環線」のルートとなります。

【岡山市】路面電車の延伸・環状化を決定(2029年度中運行開始)

岡山市では、2021年9月に都市計画決定している路面電車の延伸環状化について、運行事業者である岡山電気軌道と合意に達し、事業計画案がまとまったことを発表しました。

路面電車の延伸環状化(大雲寺前〜ハレノワ〜西大寺町間)について事業計画案がまとまりましたのでお知らせします|岡山市

概要は以下のとおりです。
【延伸区間】
大雲寺前⇒ハレノワ前⇒西大寺町
約0.6km
単線左回り

【概算事業費】
約27.4億円

【合意内容】
・整備について:
岡山電気軌道(株)は、市の支援を受け、ハレノワ線の整備・管理・運行を行う

・費用負担について:
整備費は、国の補助を活用し、市が負担する(国1/2、市1/2)

・維持管理費に対する支援について
ハレノワ線の維持管理費は市が負担する
新設区間にかかる固定資産税相当額を市が負担する

・運行開始後の営業収支への対応
ハレノワ線の営業収支が赤字の場合は赤字額の50%を市が支援、
一方、黒字の場合は黒字額の50%を市に納付

・運行開始について
2029年度中の運行開始を目指し、協力して事業を進める

【路線イメージ】
2026020520-33-182


【完成イメージパース】
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(いずれも上記発表資料(https://www.city.okayama.jp/shisei/cmsfiles/contents/0000078/78385/01_roden.pdf)より引用)

詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



このブログを長らくお読みいただいている方には、私が鉄軌道全線完乗を目指していることをご承知いただいている方も少なからずおられるかと思います。

そんな「全線完乗」を目指す者にとっては、新線開業の動向は常に気にしておくべきニュースといえます。

将来的な人口減少、はたまた自家用車の普及により、鉄軌道の新線開業ペースは落ちてきているとはいえ、都市部や新幹線のような、鉄軌道がメリットを発揮する領域では、まだまだ新しい路線が開業する予定が続いていますので、「全線乗車」の道のりは、いつまでも続くことには変わり有りません。


今回ご紹介した、岡山電気軌道の延伸・環状化も、そんな「新線開業」の一つで、これまで柳川停留所で分岐していた「清輝橋線」と「東山線」を、その途中区間で接続し、環状運転とするものです。
これにより、中心市街地の回遊性向上や、都心の活性化を図ることとしています。

丁度、富山県富山市の富山地方鉄道「富山都心線」と似たようなもので、こちらも近接する路面電車の路線を接続して環状運転し、中心市街地の回遊性向上を目指すものですので、類似の事例が岡山でも誕生する、ということになるでしょう。

気になる開業年度は2029年度と、4年後の開業を目指すこととしています。
この岡山電気軌道に関しては、この「ハレノワ線」の他に、2027年3月には岡山駅前広場への乗り入れ延伸が予定されていますので、こちらも勿論乗りに行くことになります。

続いての開業というので、「二度も乗りに行かねればならないのか…?」というよりも、「新規開業が続くのは喜ばしい」という気持ちですので、是非予定どおりの開業を願いたいな、と感じたニュースでありました。




【関連ブログ】
岡山電気軌道の延伸が決定…2029年度から運行予定 | 鉄道プレス



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【大井川鐵道】2026年の「きかんしゃトーマス」運行発表。「パーシー」も運行開始に

静岡県の大井川鐵道では、近年継続して実施している「きかんしゃトーマス号」が走る公式イベント「DAY OUT WITH THOMAS」の今年(2026年)の実施内容を発表しました。

「DAY OUT WITH THOMAS™」2026年開催決定 - 大井川鐵道 DAY OUT WITH THOMAS

上記発表によりますと、今年の運行では、トーマスの大親友である緑色のタンク機関車「パーシー」が大井川鐵道を走ることになります。
「パーシー」は、トーマス号に先駆けて、今年春頃からの運転を予定しており、その後トーマスが運行されることとなっています。

なおこの「パーシー」については、同社が所有しているC10形蒸気機関車の意匠を変更することが、同社社長・鳥塚氏が下記により明らかにしています。
(参考)
なぜSLを緑色に塗るか。大井川鐵道でパーシーを走らせる真相(鳥塚亮) - エキスパート - Yahoo!ニュース

詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



大井川鐵道の「きかんしゃトーマス」は、2014年から運行が続いており、今や同社を代表する観光列車コンテンツとなっており、毎年の運行を楽しみにしている方も多いのではないか、と思います。

この間、2022年には台風豪雨により、大井川本線の家山以北(現在は川根温泉笹間渡以北)が長期間に渡り運休となっています。
この区間の復旧は進みつつあるものの、一方で復旧そのものの費用に加え、日々運行していくための収入も運休前よりも減少しているわけで、これまで以上に集客する必要があることも、これまた事実でありましょう。

今回の「パーシー」の追加は、そんな大井川鐵道の現状で、より多くの集客を見込める方策として、C10形蒸気機関車を改装し、「トーマス」とともに運行していくこととしています。
これにより、国鉄時代の黒色のSLは、全線復旧(2028年度予定)まで運行されないことになりますが、家族連れの利用が多く、より多くの利用が見込める「トーマス」シリーズに経営資源を投入するのは、同社として今後も路線を永続していくための判断、といえるでしょう。


事実、昨年7月に私が大井川鐵道に乗車した際も、「きかんしゃトーマス」は多くの乗客が乗車していた一方、電気機関車牽引の客車列車には空席も目立っていたことから、その集客力の差が大きいことを実感していました。
事実、上記鳥塚氏の記事でも、黒色のSLに対し「トーマス」は4〜5倍の乗車があるとのことですので、部分運休で厳しい経営が続く大井川鐵道で、限られたSLを走らせ続けるためには、トーマスシリーズを重点的に運行するという判断に対して、単にノスタルジーな観点で批判はできないのかな、とも感じました。

最も、黒いSLは、全線復旧後に運行していくことも、鳥塚氏が明言していることもあることから、今後に期待しつつ、今は「トーマス」シリーズでしっかり収入を確保してもらうしかないのかな、と個人的には感じています。


個人的には、「トーマス」と「パーシー」が互いにすれ違う光景は、「きかんしゃトーマス」のアニメや絵本で見られた光景が現実のものとなることから、非常に見てみたいものがあるので、「パーシー」の本線デビューに期待はしているのですが、このニュースがSNS上等で賛否両論で話題になっていたことから、ちょっと触れてみた次第です。


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▲「パーシー」については、現在家山駅に留置されていますが、この車両は元々部品取りであることから、本線を走行することができません。
今年は、本線を走行できるSLに「パーシー」の総称を施すこととなり、駅や本線上、大井川を渡る橋梁などで「パーシー」の姿が見られることになります。


【紀州鉄道】鉄道事業廃止検討を各メディアが報じる

和歌山県の御坊市を走る「紀州鉄道」。
御坊駅〜西御坊駅間の2.7kmを走る、単独路線としては日本一短い民鉄ですが、この紀州鉄道が廃止されるかも知れない、というニュースが今週初めに報じられました。

大ピンチ「紀州鉄道」2026年中に廃線の可能性も 中国系企業に買収され方針変更、値上げもできず | 経営 | 東洋経済オンライン
大ピンチ「紀州鉄道」2026年中に廃線の可能性も 中国系企業に買収され方針変更、値上げもできず(東洋経済オンライン) - Yahoo!ニュース

はじめは上記の東洋経済の記事で、渡辺雅史氏というライターが紀州鉄道の鉄道事業部長である大串氏(※)を訪問し、同社の窮状を聞き取った記事を報じていたものです。
(※)記事中では「名前を記事に出すのは勘弁してほしい」とありながら、堂々と名字が出ているのはどうなのか?とも思いますが、「姓名」の「名」を勘弁してほしい、という意味だったのでしょうか…

上記記事によりますと、
2022年12月に中国系企業に買収されてから、不採算である鉄道事業を廃止したい意向
・2024年に廃止の意向を親会社から聞いてから、存続に向けて関係者と話をしている
・終点まで乗車しても180円という格安な運賃を値上げするにしても、申請書を作成するスタッフが長年不在で、消費税率の8%、10%の引き上げ時にも値上げできなかった。
・紀州鉄道の鉄道部門のスタッフは7名
・鉄道事業を継承する会社を探しているが、見つからず、10月20日に本社で話し合いが持たれることになった。
・話し合いの結果、事業譲渡金の話もまとまり、継承事業者を探す猶予ができたが、その間運行費用を削減するため列車の本数を減らす予定
・承継事業者が無ければ廃止となることは変わりない

とのことでした。

紀州鉄道は私も何度か利用しているのですが、この時代にありながら、運賃が長年据え置きだったのが不思議だったのですが、それはどうやら値上げしていなかったのではなく、値上げ「できなかった」のが真相、というのがこの記事で明らかとなり、それだけの人手不足・ノウハウ不足に衝撃を受けた方も多かったのではないのでしょうか。

もっともこの記事自体、取材しているのが「鉄道事業部長」一人だけのようですので、例えば紀州鉄道の社長や、行政機関等への裏取り取材も行われているようではないので、どこまでが事実なのかは、割り引いて考える必要はありそうです。

とはいえ、この記事で紀州鉄道の窮状が明らかになったことから、和歌山県内の地元メディアを中心に、後追いの記事が続けて報じられました。
紀州鉄道が鉄道事業廃止検討・事業譲渡先探しが急務/和歌山県御坊市(WBS和歌山放送ニュース) - Yahoo!ニュース
日本一短いローカル私鉄 紀州鉄道が廃線の危機 - 日高新報
“日本一短い私鉄”紀州鉄道、今になって赤字・廃止危機のワケ。今後の生き残り策は?(トラベル Watch) - Yahoo!ニュース

このように、今週はじめの鉄道関係の話題を占めたこの紀州鉄道ですが、そもそも紀州鉄道側のニュースソースが、相変わらず鉄道事業部長しか無く、会社としての公式見解が明らかになっていないことから、安直に廃止と断言するのは時期尚早である一方、路線の維持が崖っぷち、ということはあながち間違いでもない、というところでしょうか。

今後、この紀州鉄道が存続していくのかどうかは、上記記事での鉄道事業部長の発言が確かなものであるならば、引き継ぐ事業者が見つかるかどうか、というところでしょうか。

一方、並行して走るバス路線もあること、そして短い路線であるが故に自転車等の手段もある中、地域住民の生活を支える上では無くてはならない交通機関か、となると疑問符がついてしまうことも、残念ながら否定できるものではありません。

そんな紀州鉄道を引き継ぐ事業者が見つかるのか、また、見つからない場合は廃止となるのか、または行政からの補助により運営を続けるのか、鉄道ファンとしては今後注目し続けなければならないニュースだと感じた、一連の報道でした。

kitetsu
▲学門駅に停車中の紀州鉄道「KR205」。
元・信楽高原鉄道の車両を譲り受けて運行していますが、格安な運賃の裏には、運賃改定の申請書作成のためのスタッフが不在、という理由があったようです。
厳しい利用状況で、継承事業者を探しているとのことですが、果たしてそんな事業者が見つかるものなのか、今後の動きに注目したいところです。


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