阪和線の沿線から

阪和線沿線に住まう管理人による、鉄道やバスなどのブログ。

堺市LRT

堺市長選挙は9月27日投票日。争点となる堺市LRT計画や泉北高速値下げについて記してみます

この1ヶ月間、衆議院議員選挙阪南市議会議員選挙につづき、このブログで気にしている3つめの選挙の、堺市長選挙が、9月27日(日)に投票日を迎えます。

9月27日(日)は堺市長選挙及び市議会議員南区選挙区補欠選挙の投票日です(堺市役所Webページ)

ずいぶんとエントリーが遅くなったせいで、既に選挙戦も終盤となってしまいましたが、この選挙戦で争点の一つとして取り上げられている堺市LRT計画については、このブログでの当該カテゴリー記事でも取り上げていますので、私自身の考え等を参照したい方は、リンクからたどって頂ければと思います。

こちらこちらの乗車記録でも記したとおり、これまでメインで見てきた堺駅〜堺東駅間の他、堺駅〜堺浜の区間にも、バスに乗車してきて、どういう様子かも確かめてきました。

堺浜では、シーサイドステージの他、特にシャープの工場が建設中ですが、シャープ以外にも工場自体は多数できるような勢いは感じました。
うまいこと企業誘致が進めば、ある程度の利用者は見込めるかも知れませんが、そもそも堺浜地区を市全体の計画として、また交通体系としてどういう形が理想なのか、について更に深い議論が必要とも感じました。
市財政の貴重な収益源の源でもあるコンビナートへの交通の足として整備すること自体は、条件さえ整えれば悪いことではない、とは思います。ただその前に、堺浜地区の全体像を描き、それに対する交通手段としてのLRT、という位置づけをはっきりさせる必要があるかとは思いました。

いっぽう、堺浜地区とは違って直近の課題なのが、大小路通りの堺駅〜堺東駅前間、所謂東西線です。

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堺市LRT計画、開業予定が延期の公算

数日前にこちらの記事でご紹介したとおり、堺市LRT計画の住民説明会が2ヶ月半ぶりに開催される話題をご紹介しました。
会議録は、堺市のWebページで公表されると思われますので、その時にじっくり読むとしますが、おおよその内容は新聞記事にも掲載されていました。これを受けて、堺市はLRT計画の平成22年度末に先行区間開業という予定を変更する意向を明らかにしました。

堺市の次世代型路面電車、開業延期に(読売新聞Webページ)
LRT開業延期 堺市、住民の合意得られず(産経新聞Webページ)

6日の住民説明会では、記事中にも「前回と同様」という表現があるので、前回の議事録と似たような議論があったことが推測されます。住民側の意見・質問としては、「一方通行化の見直し」や「事業の効果」「バスの存続」、そして「湾岸部の早期開業」といったところのようです。
堺市当局としても、この状態では22年度末の開業はスケジュール的に難しいと判断したのか、そもそもこのスケジュールに無理があったのかも知れませんが、ようやく見直しの発言が出てきました。

個人的には、いまの状況なら、1年程度の期間延期も無理はないのかな、と思います。
仮にこのまま強行しても、住民との禍根を残すのであれば、更に十分に話し合った方がよいと思います。
ただ、「話し合う」と表現したとおり、堺市自身がLRTを武器にしてどのように中心市街地を活性化させるかというマスタープランを説明する必要もあるのと同様、住民側も、そもそもこのあたりの街をどうしていくべきなのか、それに際して千載一遇のチャンスであるLRTをどういう形で実現させるべきか、そのためには現計画からどのように修正をしていくべきなのか、を前向きに話し合ってほしいと思います。

「前向き」と表現したのには理由があり、確かに「白紙撤回=LRTを通さない」というのも取りうる選択肢であると考えられます。
ただ、そうなると、既に阪堺電軌が撤退意向を示していた阪堺線の我孫子道〜浜寺駅前間が存続する可能性は、限りなく低くなる、いやゼロに近づくと考えられます。
まさか、「LRTを撤回し阪堺を残す」という選択肢の取りようがないことは、現在の阪堺線の状況からして十分推測可能です。LRT計画が阪堺線との乗り入れを前提としているのは、逆に考えると、「LRTを阪堺に乗り入れなければ、もはや阪堺の存続は難しい」ことの裏返し、とも捉えることが出来ます。
中心市街地に呼び込む道具立てが無いまま、更に阪堺線という路線も失うというダブルパンチという愚策だけは取ってほしくない、と思うわけです。
阪堺線の活性化、という点でも、この事業は決して無駄な事業でもない、と思えるところはあります。

上記で「千載一遇」と書きました。
中心市街地の活性化に苦慮し、その道具立てでも苦心している街が多い中、LRTという降って湧いた(と捉えられているのかも知れませんが)計画があるだけ、まだ堺市の中心街は救われている、ともいえます。
これが「目的」でなくて、「手段」であり、「目的」は中心市街地の活性化による都市価値の向上、ということ、そしてそのことが、いかに重要であるかを十分に考える必要があります。
そのための猶予期間が出来た、といえばプラスの解釈になるのでしょうが、とはいえ残されている時間はさほどあるわけでもありません。

この問題は、また動きがあればチェックし、逐次ご紹介していきたいと思います。
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堺市LRT、基本計画案公表

堺市内を東西に結び、尚かつシャープの工場が建設される堺浜までの延長も構想に入っている堺市のLRT計画。私自身が堺東駅の近辺の高校に通っていたこともあり、特に個人的に思い入れもあり、このブログでは幾度も取り上げています。

その堺市LRT計画ですが、具体的な案が昨年末に発表となりました。

東西鉄軌道(堺浜〜堺東駅間)基本計画(案)を公表!!(堺市役所Webページ)
上記基本計画(案)の概要版(PDFファイル)

これまでもご紹介したとおり、まずは堺東駅〜堺駅を先行開業、その後堺浜までの延長というのは基本計画にもその通りとなっていますが、それ以外の点で、気の付いた点を挙げてみます。

・導入車両は架線レスのLRV。
・運行形態は、堺東駅前〜堺駅前の他、堺東駅前〜我孫子道・浜寺駅前も併せて運行。いずれの系統も終日運転。
・堺浜方面は、堺駅の西口から延伸予定。堺駅東口・西口間の接続については言及なし。
・堺浜方面の経営予定者は別途募集の予定(堺東駅前〜堺駅前間は南海・阪堺に決定済み)

まず導入車両ですが、架線レスのLRVを始めて導入することとなります。
この車両は、既に試験運転も行われていますが、営業運転として導入するのは堺市LRTが最初となります。
架線設置のコスト低減や、大小路通りの景観確保という観点では、良い試みだと思います。

良い試み、といえば、現在の阪堺線方面への直通運転が我孫子道・浜寺駅前方面双方とも終日運転となる点です。堺市の公共交通は南北の軸に比べて東西の軸が弱いことは、長年言われてきたところですが、それを解決し、新しい中心市街地のまちづくりという観点では、この直通運転がもたらす効果も大きいと思います。

一方堺浜方面への延伸ですが、経営予定者は別途募集し、車両基地も別途設置する予定であることから、堺駅前〜堺東駅前とは別系統となる公算が大きいようです。
個人的には、堺東駅前〜堺駅前〜堺浜のスルー運転を行うことで、堺市の中心街と堺浜地区がダイレクトに結ばれることに注目していましたが、南海線の高架をアンダーパスする課題もあり、当面は別々で運営の公算が大きそうです。
とはいえ、路線図ではこの両線を点線で結んでいることから、堺浜方面への路線が完成した後、この両線を接続する計画もあるのかな、というのが伺えるので、今後の楽しみになる、とも言えるかも知れません。

ともあれ、もう一段具体的な形が見えてきた堺市LRT。平成22年度末開業予定(堺東駅前〜堺駅前)であることから、時間的な余裕がさほど無いなかでの計画ですので、今後はその早急な実現が望まれます。

この話題は、今後も工事の進捗とともに逐次ご紹介できればな、と思います。

堺市LRT計画、基本計画骨子(案)発表

堺市内の中心部を東西に走る計画の堺市LRT。このブログでも何年間かに渡ってこの話題を追いかけ続けていますが、今回もその続報。

この東西鉄軌道(堺市LRT)の基本計画案がこの度発表となりました。

東西鉄軌道(堺浜〜堺東駅間)基本計画骨子(案)を公表!!(堺市役所Webページ)
シャープ工場まで30分…堺市路面電車 全長6.9キロ(読売新聞Webページ)

あくまでも「案」であるので、これから色々変更などは出てくるとは思いますが、取り敢えずこの「案」をみて気の付いた点を、ざっくばらんに述べたいと思います。

まずはじめに、大小路通りの軌道はいわゆる「外寄せ」であること。
これは、以前のシンポジウムでも堺市の担当者がこういうことも検討しています、的な発言をしていましたが、まさか本当に計画に盛り込んでくるとは思いませんでした。
外寄せは、歩行者が道路を横断せず直接LRT車両に乗れるというメリットがある一方で、交差点での自動車との干渉が問題となるので、なかなか実現が難しいイメージがありました。
だからというわけかどうかは分かりませんが、大小路通りを西行き1車線の一方通行とすることも、読売の新聞記事には記載されています。
この点、自家用車利用者からは反発もあるかも知れませんが、将来の堺市中心部の街としての価値向上としてとらえるならば、多少自家用車の利便性を犠牲にしても、LRTを優先させるべきではないのかな、とは思います。

あと、阪堺線との直通運転は、我孫子道・浜寺駅前〜堺東駅前となっていて、大小路の交差点では両方向から堺東駅への分岐が設置されています。
プロポーザルで南海から提案されていたものでは、直通運転は浜寺駅前方面からのみ、と記憶していたのですが、どうも阪堺線と一体運営することとの兼ね合いで、こういう計画になったのでしょうか。

阪堺線との一体運営、という切り口で見れば、「我孫子道車庫の借用」「阪堺線のLRT化」も項目としてあげられているのは納得出来ます。

ところで、目標開業時期は平成22年度末ということで、平成23年3月とすると、目標開業時期までにあと3年を切っています。
堺市役所としては、これから地元説明を行いつつ、計画案を練り上げていって、都市計画決定の手続きを行っていく必要があるとともに、運営会社の南海電鉄・阪堺電軌との調整も必要ですし、実際の工事にもある程度の期間が必要となってきます。

果たしてこれだけの事を僅か3年で出来るのかどうか、ちょっと不安は感じるのですが、ともあれ、ここまで来ると、もうLRTの計画が白紙に戻る懸念もだいぶと薄らいできているのは実感します。(勿論、ゼロになったというわけではありません)

あと3年もすれば、あの大小路通りにLRTが走るのか、と思うと感慨深いものがありますし、その日が来るまで、このブログでは逐次状況をご紹介していきたいと思います。

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