先日、平松大阪市長が大阪市の財政再建素案を発表しましたが、その中に、市営バス・地下鉄等に無料で乗車できる「敬老優待乗車証」(敬老パス)の一部有料化が盛り込まれていました。

大阪市が歳出削減案、敬老パスを一部有料化(読売新聞Webページ)
「経費削減の取組について(素案)」に対する意見を募集します。(大阪市役所Webページ)
上記削減素案内、健康福祉局(経常経費)削減の内容(敬老乗車証の一部有料化は4ページ目に記載 PDFファイル)

この敬老乗車証がどういうものかというと、市役所の該当Webページに記載されていますが、70歳以上の大阪市民であれば、基本的に誰でも受給でき、またその利用については、市バス・地下鉄・ニュートラムの全線を回数等に制限無く利用できるというものです。
これまでは、このパスは磁気カードによるものでしたが、昨年頃からか、ICカードに切り替わったようです。
で、ICカードに切り替わったことで、具体的な利用実態が把握できたとのことです。それについて記載しているのはこちらの記事。
大阪市財政再建素案 市長は四面楚歌? 聖域「敬老パス」も見直し着手(MSN産経ニュース)
見直しの背景には、ICカードの導入で使用実態が判明したことがある。カード1枚あたりの平均利用額は今年7月で2470円だったが、一部には8万円以上を利用した例が発覚。カードが悪用された可能性が出てきたからだ。

一ヶ月あたり平均2470円ですが、一部には8万円以上の利用例があったとのことです。
地下鉄一区・バス一乗車の運賃が200円なので、8万円使おうと思えば単純に計算して、400回利用する必要があります。
一ヶ月に400回という事は、一日当たり13回程度利用する必要があります。
勿論、地下鉄は距離が長くなれば運賃も上がるのと、バスも乗り継ぎの場合は2回目の運賃が無料になる場合が多いので、「一日13回」という回数は変動しますが、それでも、通常の利用状態ではまずあり得ない状態であることは確かと言えるでしょう。
ということは、無駄に利用しているのか、それとも不正に利用されているのか・・・と、まあそういうことになってしまいます。
今回の素案は、このような不適切な利用を排除し、無料で利用できる上限を設定し、それを越える分については負担をしてもらうという、私からみれば当然の施策だと思っています。

ただまあ、上限が月5,000円というのは、議論の分かれるところではあります。もう少し増やしても良いのかな、という気もしますし、平均が二千円台なら、この金額でも良いのかな、という気もします。
まあ、パブリックコメントも募集していることですので、ご意見のある方は大阪市役所に送ってみても良いのかなと思います。

ICカード乗車券や電子マネーの特徴として、カード所有者の利用実態がダイレクトに把握できる、という点がありますが、今回のIC敬老パスはその特徴を生かした事例と言えるでしょう。
この例に限らず、ICカード乗車券が普及することによって、容易な利用実態の把握によって、利便性の改善や採算性の改善、はたまた今回の敬老パスのように不適切な利用の排除による適正な利用者の保護につなげてもらえれば、ICカード乗車券の話題を逐次取り上げている私としても、嬉しいなと思えるな、と思ったニュースでした。