昨日に引き続き、竹山新堺市政におけるLRT計画等について報道記事が出ていましたので、ご紹介します。
竹山・次期堺市長、LRT計画全面見直し(日経新聞Webページ)
大小路通り(堺東駅前〜堺駅前)は中止、というのは読売新聞の記事と同じです。問題は次の部分。
平成21年9月29日 日本経済新聞Webページ
http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20090928c6b2802r28.html
「大阪市営地下鉄の延伸?」
もしかして住之江公園から四つ橋線を延伸させてくるのでしょうか。他に選択肢がありそうにもないので、恐らくそういうことでしょうか。
それにしても政策のセンスを疑ったのは、なぜに地下鉄?しかも大阪市内から直接延伸(つまり堺市にはメリットが少ない)なのか?といった点です。
自明の通り、距離あたり建設費用ではLRTよりも地下鉄の方が高くつきますし、恐らく維持費用も地下鉄の方が高くつくでしょう。
LRTのLRはライト(軽い)レールの略で、対する概念がヘビー(重たい)レールといいますが、ライトとヘビーの差は、建設・維持コストにそのまま跳ね返ってくることくらい、御存知だとは思うのですが・・・
もしかしたら、「地下鉄建設には国庫補助が適用されるので、堺市の負担はこんなに少なく済みますよ」なんていう論理を導き出そうとしているのでしょうか。
それはそれで、隠れた堺市民の負担(堺市民は国税も払っているわけですから)と批判される点といわざるを得ないでしょう。
また、LRTにしてみても、全額堺市負担という訳でもなく、一部国庫補助が使える余地はあったのですが、そんな議論が生まれることは決してありませんでした。
参考:国土交通省 LRTシステム整備費補助(PDFファイル)
ちなみに、地下鉄建設のための国庫補助は、地下高速鉄道整備事業費補助等がありますが、詳細は、こちらのページを見て頂ければと思います。
もう一つ疑問に思うのは、この地下鉄は「大阪市交通局」四つ橋線(正式には高速電気軌道3号線と呼ぶそうです。出典:Wikipedia)でして、大阪市が運営している路線であること。
仮に建設するとなると、大阪市との協議が必要ですし、それは費用負担の問題も絡んできます。
LRTでも済む程度の需要予測に対し、四つ橋線(6両編成)の延伸したとしても、運営が苦しくなるのは目に見えているわけでして、いくら堺市からのオファーがあったとしても、大阪市としては易々と乗りたくないのは確かでしょう。
仮に建設費の地方公共団体負担分を大阪市が拠出せずに済んだとしても、運営に関して大阪市交通局が担うとすれば、収入から費用の差額が赤字の場合はどう対応するのか。
まさか大阪市交通局の内部補助で、ということになると、大阪市はまず黙っていないでしょう。
その辺の懸念に対する詰めも甘すぎる、しかも他の基礎自治体が絡んでくるのに、と言う話です。
また、堺市内の活性化という観点では、住之江公園から直接延伸延伸してきたとしても、堺市内北西部をちょっとかすめるだけになり、堺市内の主要部への面的ネットワークは期待できないでしょう。それこそ、「シャープ地下鉄」と揶揄される元となりかねません。
別にシャープのために交通手段を整備するのは悪くないのですが、同じ整備するんだったら、シャープ以外の堺市民にも便益が供される整備手法があるわけですので、自治体の首長としてはそういう「一石二鳥」を考えて政策提案するのが当然なのに、四つ橋線の延伸は、そういう志向に真っ向から反するのでは、と思ってしまうわけです。
LRT計画について大小路通りの中止は、住民説明会でも反対意見もあり、それを根拠に中止をマニフェストに掲げる、というのはまあ分かります。
しかし、当選後、堺浜地区の交通整備に関してこういう考えを提示してくるとは、この新市長の交通政策に関するセンスを疑いたくなるようなお話です。
四つ橋線の延伸がどこまで本意で話しているものなのか、知るよしもありませんが、ともあれ、マスコミに対してこういう話をするという政治家のセンス自体、一事が万事、と思ってしまった、今日の記事でした。
竹山・次期堺市長、LRT計画全面見直し(日経新聞Webページ)
大小路通り(堺東駅前〜堺駅前)は中止、というのは読売新聞の記事と同じです。問題は次の部分。
計画区間のうち地元の異論や採算面から市街地の堺東駅―堺駅間を中止するほか、シャープの液晶パネル新工場が立地する堺浜―堺駅間についてはLRTと並行して、大阪市営地下鉄の延伸による整備を検討する。
平成21年9月29日 日本経済新聞Webページ
http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20090928c6b2802r28.html
「大阪市営地下鉄の延伸?」
もしかして住之江公園から四つ橋線を延伸させてくるのでしょうか。他に選択肢がありそうにもないので、恐らくそういうことでしょうか。
それにしても政策のセンスを疑ったのは、なぜに地下鉄?しかも大阪市内から直接延伸(つまり堺市にはメリットが少ない)なのか?といった点です。
自明の通り、距離あたり建設費用ではLRTよりも地下鉄の方が高くつきますし、恐らく維持費用も地下鉄の方が高くつくでしょう。
LRTのLRはライト(軽い)レールの略で、対する概念がヘビー(重たい)レールといいますが、ライトとヘビーの差は、建設・維持コストにそのまま跳ね返ってくることくらい、御存知だとは思うのですが・・・
もしかしたら、「地下鉄建設には国庫補助が適用されるので、堺市の負担はこんなに少なく済みますよ」なんていう論理を導き出そうとしているのでしょうか。
それはそれで、隠れた堺市民の負担(堺市民は国税も払っているわけですから)と批判される点といわざるを得ないでしょう。
また、LRTにしてみても、全額堺市負担という訳でもなく、一部国庫補助が使える余地はあったのですが、そんな議論が生まれることは決してありませんでした。
参考:国土交通省 LRTシステム整備費補助(PDFファイル)
ちなみに、地下鉄建設のための国庫補助は、地下高速鉄道整備事業費補助等がありますが、詳細は、こちらのページを見て頂ければと思います。
もう一つ疑問に思うのは、この地下鉄は「大阪市交通局」四つ橋線(正式には高速電気軌道3号線と呼ぶそうです。出典:Wikipedia)でして、大阪市が運営している路線であること。
仮に建設するとなると、大阪市との協議が必要ですし、それは費用負担の問題も絡んできます。
LRTでも済む程度の需要予測に対し、四つ橋線(6両編成)の延伸したとしても、運営が苦しくなるのは目に見えているわけでして、いくら堺市からのオファーがあったとしても、大阪市としては易々と乗りたくないのは確かでしょう。
仮に建設費の地方公共団体負担分を大阪市が拠出せずに済んだとしても、運営に関して大阪市交通局が担うとすれば、収入から費用の差額が赤字の場合はどう対応するのか。
まさか大阪市交通局の内部補助で、ということになると、大阪市はまず黙っていないでしょう。
その辺の懸念に対する詰めも甘すぎる、しかも他の基礎自治体が絡んでくるのに、と言う話です。
また、堺市内の活性化という観点では、住之江公園から直接延伸延伸してきたとしても、堺市内北西部をちょっとかすめるだけになり、堺市内の主要部への面的ネットワークは期待できないでしょう。それこそ、「シャープ地下鉄」と揶揄される元となりかねません。
別にシャープのために交通手段を整備するのは悪くないのですが、同じ整備するんだったら、シャープ以外の堺市民にも便益が供される整備手法があるわけですので、自治体の首長としてはそういう「一石二鳥」を考えて政策提案するのが当然なのに、四つ橋線の延伸は、そういう志向に真っ向から反するのでは、と思ってしまうわけです。
LRT計画について大小路通りの中止は、住民説明会でも反対意見もあり、それを根拠に中止をマニフェストに掲げる、というのはまあ分かります。
しかし、当選後、堺浜地区の交通整備に関してこういう考えを提示してくるとは、この新市長の交通政策に関するセンスを疑いたくなるようなお話です。
四つ橋線の延伸がどこまで本意で話しているものなのか、知るよしもありませんが、ともあれ、マスコミに対してこういう話をするという政治家のセンス自体、一事が万事、と思ってしまった、今日の記事でした。