阪和線の沿線から

阪和線沿線に住まう管理人による、鉄道やバスなどのブログ。

阪神なんば線

引き続き順調な利用状況の阪神なんば線、やはり課題は通勤客のシフト

今年3月に開業した阪神なんば線。
既に何度か乗車していますが、堅調な利用状況が続いていて、日常の足として定着しつつあるな、と感じていましたし、以前のエントリーでもそういうことを記してはいました。
開業約5ヶ月経った実際の利用状況も、そういう傾向が続いているようでして、こういう記事が産経新聞Webページに出ていました。

阪神なんば線運輸収入が当初予測より16%増 阪神電気鉄道(産経新聞Webページ)

運賃収入が予測よりも16%増加している一方で、1日平均5万8千人の利用は、予測の6万7千人よりも9千人ほど少ない訳ですが、それでも予測の85%ほどと、同じく最近開業した京阪中之島線に比べると、健闘している方ではないかと思います。

まだ利用者数は増える余地はありそうですが、それが実際の利用者数に現れてこないのは、やはり定期客のシフトが進んでいないことが挙げられそうです。
当の阪神電鉄もそのあたりは認識しているようで、記事でもこのように記されています。

 定期券の売り上げ比率は39・8%。初年度目標の50%は達成していないが、同社は「定期券の買い替え途上のため」と分析。大阪・ミナミ周辺の企業に対する営業を強化するなど新線の利便性や価格面でのメリットをアピールしている。


運賃収入が予測より多く、利用者が予測より少ないということは、単純に考えて乗客単価が予想より高いことが考えられますが、ここからも割引率の高い定期券利用者の割合があまり高まっていないことが推測できるでしょう。

4月に購入した6ヶ月定期の有効期限が切れるのが今月末ですので、それを狙って阪神なんば線への切り替えが進めばいいなと思います。
ただ、やはり優等系統が快速急行しか無い点が、これまで梅田駅を利用していたユーザーにとっては懸念といえるでしょうから、そういう営業力の強化も含めた今後の優等系統の増発ダイヤ改正が行われるかも知れない、とも思います。

もっとも、この阪神なんば線には、近鉄からの座席指定特急が走る構想もありますので、そういう面もあり、少子高齢化の中鉄道自体が右肩下がりの構造のなか、開業後の成長が見込める数少ない路線ともいるでしょうから、今後の動きもフォローしていければな、と思います。

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出足好調の阪神なんば線、課題は通勤客シフト

今年の3月20日に開業した阪神なんば線。
私自身も、こちらの訪問記でも記したとおり、開業3日目に訪問し、三日目の休日としては、意外と阪神方面からなんばへの流動が大きいことに気がついたことも、記していました。
そんなことを体感的に感じたのですが、やはりそういう感覚は実際に数値に表れているようで、阪神なんば線の利用者は目標の8割程度の利用となっている旨、発表がありました。

阪神なんば線は1日平均54,000人−開業2カ月、出足は順調(Yahoo!ニュース、元記事:なんば経済新聞)
阪神なんば線、出足順調「初年度目標は達成できそう」(asahi.com)

記事中でも記されているとおり、特に休日の利用が増えているようで、キタと並んで商業施設が充実しているミナミの中心地の難波へ、これまでは少なくとも1回は乗り換えが必要であった阪神間から、ダイレクトに行けるようになったなんば線の利便性が利用者数という数値に表れているようです。

逆に課題は、通勤客のシフトでして、目標の8割に止まっているのもこれが原因ともいえます。
通勤・通学の場合、日頃使い慣れたルートというのもありますし、従来の近鉄方面から大阪環状線や御堂筋線を経由するルートでは、通勤・通学途上に難波だけでなく梅田も経由することが可能なので、用務・プライベート双方からみて使い勝手が良いことから、シフトが進んでいないともいえるかも知れません。

勿論、阪神の制度面でもなんば線経由の定期で阪神梅田で乗降できるサービスも実施しており、それなりに意識はしているようですが、今後の課題としては、梅田経由の利便性に勝るような運賃・定期制度やダイヤ構築が必要といえるでしょう。

阪神なんば線訪問記(その4)

その3からの続きです。

阪神なんば線の初乗車を終え、他に寄りたい所もあったので、その訪問も済ませ、西宮北口駅から阪急今津線に乗車することにします。

今津線の西宮北口駅では、高架工事が始まったばかりで、つい先日仮設のホームでの運用が開始されたところでした。

所謂「今津南線」の電車に揺られて2駅、阪急今津駅に到着します。
今津駅では阪急と阪神とが通路で乗り換えられるようになっています。

ホームに上がって三宮方に移動すると、意外と撮影しやすいポジションでしたのでしばらく行きかう列車を撮影することにしました。

まずは阪神の車両から。
阪神5500系普通
いわゆるジェットカーの5500系。

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阪神なんば線訪問記(その3)

その2からの続きです。

西九条から三宮行き快速急行に乗車。
乗車した車両は8両編成のうち、後から2両目です。
尼崎からの阪神本線内では、6両編成となるため、後2両を尼崎で切り離します。その切り離し作業を見届けたいなと考え、あえて尼崎止めの車両に乗車しました。
(こちらが空いている、というのもあるのですが・・・)

快速急行は、平日昼間を除き、西九条〜尼崎間はノンストップですが、途中に待避設備がないため、先行の普通列車に追いついて、途中からノロノロ運転になるのかな、と思っていましたが、千船橋を過ぎた辺りから、線形が良いところでは結構なスピードで飛ばしていました。これくらいのスピードなら、ストレスも溜まらんでいいなあ、とも思いました。

大物で右手に阪神本線と合流し、尼崎へ。
なんば線開業前とは、駅のホームの様相が全く異なっていました。
更に、この駅で、阪神線内ではあまり聞いたことがない、列車運用中の増解結が行われます。
私が日頃乗車している南海やJR阪和線、近鉄線等では、特に拠点駅で列車の増解結を頻繁に行っているので、その様子は特に目新しものではありません。
ところが、これまで6両編成が限界の阪神線内では、増解決するほどの余地が余りありませんでした。
それが、最長10両編成の列車が近鉄奈良線から乗り入れることにより、拠点となる尼崎での増解結シーンが見られることになりました。

さて、この様子ですが、さすがに珍しいのか、ご覧のように人だかりができていました。

阪神尼崎解結(1)

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阪神なんば線訪問記(その2)

その1からの続きです。

大阪難波から一駅だけ乗車して、桜川で下車。
あえてこの駅で下車したのには理由がありまして、この駅で阪神と近鉄の乗務員が交代する、その姿を確認しておこうと思ったからです。

既にご紹介の通り、阪神なんば線と近鉄難波線の境界は大阪難波駅となっていますが、奈良方面からの近鉄線の車両が折り返す引き込み線が桜川駅の西側にもあるため、近鉄の乗務員が一駅間だけ阪神の路線を乗務する格好となっています。

私の乗車した列車も、桜川で近鉄の乗務員から阪神の乗務員に交代します。



桜川駅(乗務員交代)
乗務員交代の様子。
近鉄の運転手が出てきて、阪神の運転手が乗り込むところ。
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阪神なんば線訪問記(その1)

去る3月20日に開業した「阪神なんば線」。
近鉄と阪神とが相互直通乗り入れするという、関西の大手私鉄同士では初めてのケースであり、また、阪神間から大阪ミナミへの初めての直通路線ということもあり、これまでの関西地区での新規開業路線とは少々違う様子が感じられます。
その様子をなるべく早い目に感じておこうと、3月22日(日)に訪問してみました。

この乗車記録で記したとおり、まずは南海線「サザン」でなんばに向かいますが、なんば到着時の乗換案内で、これまでの「地下鉄線・近鉄線」だけでなく「阪神線」が加えられているのを聞いて、新鮮な気持ちにもなり、また違和感を感じないわけでもありませんでした。

南海の改札を出て、近鉄大阪難波駅へ向かいます。

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阪神なんば線開業にともなう営業施策、発表

来月の3月20日に開業する「阪神なんば線」。
既に運賃やダイヤについては発表されていますが、この度、営業施策として、記念乗り放題きっぷとPiTaPaでの割引制度が発表となりました。

「相互直通運転開始記念 阪神⇔近鉄 お試しチケット」の発売について(阪神電鉄プレスリリース)
阪神なんば線開通にあわせて、各種営業施策を新たに実施します(阪神電鉄プレスリリース)

まず記念乗り放題きっぷ「お試しチケット」は、阪神線全線と近鉄線の大阪難波〜奈良間が一日乗り放題のきっぷが1,000円で買えるもの。
有効期間は3月20日から4月30日までの任意の一日です。

普通運賃で近鉄奈良〜阪神三宮を往復するだけでも1840円することから、更に区間内乗り降りフリーとなるこのきっぷはかなりお得になると思われます。
ただしきっぷが前売り(3月19日までの発売)であるのと、発売枚数が大人20,000枚、小人2,000枚と制限されていることに注意が必要です。
このきっぷは、阪神・近鉄の駅等はもちろんのこと、近鉄のネット通販サイト「どっとこむライフ」でも購入が可能となっているのが珍しい点です。
どうしても、というのであればこのどっとこむライフを利用する方法もありますが、送料が別途かかる点は注意が必要です。

もう一つの営業施策としては、PiTaPaのポストペイ(後払い)で阪神なんば線の新規開業駅を利用した場合、利用金額を割り引く「PiTaPa de お試し割引」というもので、これは阪神電鉄そのものがPiTaPaを導入した際に行ったデビュー割引の再来といったところでしょうか。
期間は3月20日〜9月30日の乗車分と、ほぼ半年間の適用という、かなり期間の長い、ある意味太っ腹なキャンペーンとなっています。

区間により、1回目の乗車から5%〜12.5%割り引かれることとなり、利用回数割引等とは違って少ない回数から割引の恩恵にあずかることができます。
これ自体は良い試みだと思いますが、できれば期間限定ではなく恒常的に行うと、PiTaPaの利用者も格段に増えるのになあ、と思ったりしました。

「お試しチケット」にも惹かれないことはないのですが、ただ私のようになんばから阪神なんば線を利用するケースが可能性として高い人にとっては、それよりもPiTaPadeお試し割引の方が恩恵にあずかれるなあ、と思いました。

開業まであと1ヶ月と10日ほど。開業当日に訪問できるかどうかは分かりませんが、早いうちに訪問したいと思っています。

阪神なんば線開業にともなうダイヤ改正内容が発表

今年3月20日の開業まで、カウントダウンとなった阪神なんば線。
開業後は奈良・東大阪方面と阪神・神戸方面との直通アクセスルートが出来上がるだけでなく、大阪ミナミのターミナルである難波から阪神・神戸方面への直通ルートとなることから、その波及効果は少なくないことは想像に難くなく、開業後の姿を楽しみにしているところです。

その阪神なんば線に絡む阪神・近鉄両社のダイヤ改正内容が発表されました。

3月20日(金・祝)、阪神なんば線の開通に伴い、
阪神線と近鉄線との間で、相互直通運転を開始します(近畿日本鉄道プレスリリース:PDFファイル)


三宮から奈良まで直通運転するのは快速急行で、ほぼ朝から夕ラッシュ後までの運転となります。
あと、尼崎折り返しの系統として、準急・区間準急・普通が設定されます。

平日昼間の快速急行は、尼崎〜鶴橋間が各停となり、速達性に懸念が残りますが、同区間に追い越し設備が無い状態では仕方がない、と考えるべきでしょうか。
あと、快速急行は最大10両で運転されますが、阪神本線での編成長が6両で限界のため、尼崎で切り離しが行われるようになります。

できればもっと速い系統を期待している分には消化不良かも知れませんが、インフラを考えるとこれくらいのレベルに落ち着くのか、評価は分かれるところではあります。

ダイヤも概要が発表され、開業まではあと2ヶ月ほどを待つだけとなった阪神なんば線。関西地区では初の大手民鉄同志の相互直通乗り入れだけに、開業後の姿を楽しみにしつつ、心待ちにしたいと思います。

阪神なんば線関連情報2題

来年3月20日の開業が決定している阪神なんば線。
工事も順調に進んでいるようですし、施策面でも先日開業日・運賃認可申請といったような具体的なニュースを聞くにつれて、もうすぐ開業なんやな、ということを感じずにはいられません。

その阪神なんば線関連ニュースが2題届いてきましたので、お送りします。

阪神なんば線新線区間を含む通勤定期で、阪神梅田駅での乗降も可能となります!(阪神電鉄プレスリリース PDF)

阪神なんば線関連の運賃は申請通り認可されましたが、それに加え、阪神なんば線の新規開業区間と阪神本線・武庫川線各駅との区間の通勤定期(=大物〜九条間を含む通勤定期券)で、定期区間外である阪神本線梅田駅での乗り降りが可能になるとのことです。
ただし、乗り降りが可能なのは梅田駅に限られ、その他の定期区間外の駅での途中下車は不可(別途乗り越し精算が必要)となります。
また、「通勤定期」と明記していることから、通学定期ではこの取扱はされないものと考えられます。
また、当然かも知れませんが、定期区間から阪神梅田駅間の運賃は別途必要となります。

似たようなサービスは、同じ阪神電鉄では、阪神梅田〜三宮間の通勤定期券で阪急梅田駅・阪急三宮駅での乗り降りが可能であったり、阪神なんば線の相互乗り入れの相手である近鉄では、このような施策があったり、またJR西日本では京橋〜大阪〜尼崎間の定期券で北新地駅での乗降が可能であったりと、実は関西地区では地味ながら何例か存在するパターンなのですが、今回は特に、なんばと梅田という、大阪の二大ターミナルの双方で乗り降りができる定期券の制度として注目されることと思われます。

さてもう一つの話題はこちら。
阪神なんば線の運賃認可と実施運賃について(阪神電鉄プレスリリース PDF)
上記プレスリリースの最終ページに、阪神なんば線開業時のダイヤ概要が記載されていました。
それによると、開業時のダイヤ概要は、次の通りとなっています。
・運行系統は、快速急行(三宮〜近鉄奈良)、普通等(尼崎〜近鉄奈良・東花園)
・運行本数は、次の通り。
<急行系>
平日朝ラッシュ時 5本/時・平日昼間時:3本/時・休日:3本/時
<各駅停車>
平日朝ラッシュ時 5本/時・平日昼間時:3本/時・休日:6本/時
・ダイヤの詳細については、決定次第、発表とのこと。

現在の阪神西大阪線では、5〜6本/時の各駅停車が運行されていますので、改正後は、急行系の止まらない駅では列車の本数が減るのかも知れません。
利用のメインとなる急行系の列車本数は、3〜5本/時ということで、案外少ないような気もしないでもありません。
ただ、逆に近鉄難波〜三宮間40分というスピードを確保しようとすると、阪神なんば線内では待避設備がないこともあり、これくらいの運転間隔を確保する必要があるのかも知れません。

ともかく、ダイヤの概要まで発表され、開業後の阪神なんば線のおおよその姿が見えてきました。残すはダイヤの詳細発表となりますが、これは近鉄も含めて、という形になるので、かなり大がかりなものとなるのは予想できますし、それも楽しみにしてみたいと思います。

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阪神なんば線、開業予定日は平成21年3月20日(祝)に決定。併せて運賃の認可を申請。

阪神西大阪線の西九条と、近鉄難波線の難波を結ぶべく、建設中の「阪神なんば線」。
開業後は、阪神と近鉄の相互乗り入れが開始されることとなり、近畿の鉄道地図が大きく変わる一歩になるであろう事は、これまでにもこのブログでご紹介してきたとおりです。

この度、阪神電鉄より、阪神なんば線の開業予定日が、平成21年3月20日(祝)に決定した旨、発表がありました。

平成21年3月20日(祝) 阪神なんば線開通(予定)(阪神電鉄プレスリリース)

三連休の初日ということもあり、開業当日は多数のファンが訪問することだと思われます。
そんな、盛り上がっている初日に訪問するのもいいでしょうし、落ち着いてから改めて訪問しても良いかな、とも思ったりもします。
まだ開業までしばらく時間はありますし、訪問の段取りはじっくり考えたいと思います。

もう一件、阪神なんば線関係では、同線の旅客運賃の認可申請を行った旨、プレスリリースがありましたので、ご紹介します。

阪神なんば線の運賃認可申請について(阪神電鉄プレスリリース)

今回開業する西九条〜近鉄難波間を利用する場合、通常の運賃に加えて60円または90円の加算運賃が適用されることとなります。
例えば近鉄難波〜三宮間は400円(310円+加算90円)となります。

これまで、難波から梅田まで地下鉄を経由していた場合に比べ、加算運賃が適用されるとはいえ、普通運賃ベースでは安くなることは確実のようです。

結局、乗客がどれだけシフトしてくるかは、今後発表される運行ダイヤ次第になるのかな、とも思いますし、それも楽しみに、開業まで待ちたいと思います。

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