関西地区のローカルニュース番組である、毎日放送VOICE
このVOICEで、先日こういう特集が放送されていました。

いま解き「四面楚歌 関西空港のワケ」(毎日放送VOICE Webページ)

放送内容は、上記リンク先からご覧頂ければ当日の放送内容をテキストベースで記録されていますので、大体の雰囲気はつかんで頂けると思います。

私はこの特集の放送を直に見ることが出来ましたので、日頃関空関連のニュースを取り上げている身として、どんな内容で切り込んでいくのか、ちょっと興味が無かったわけではありません。

内容としては、秋ダイヤからの関空の減便・関空連絡橋の国直轄化による泉佐野市の税収減とその対策に対する関空会社側との対立、と言った内容で、結論めいた物として、関西3空港のあり方、特に関空のあり方を見直す必要があると、橋下府知事の言葉を借りてまとめていました。

最後まで見て、やっぱり私の疑念が解けませんでした。
疑念、というか、関西のマスコミがこの問題を取り上げる時にこぞってタブー視しているとしか思えない内容です。
それは、「伊丹空港の見直し・廃止」です。
大阪市役所のカラ残業問題や厚遇問題を鋭い切り口で取り上げてきて、見直しの端緒となった毎日放送VOICEでさえも、このタブーには触れずじまいで、大いに失望しました。

このブログでも、幾度も取り上げていて、読者の皆様に取っては今更という気もしますが、簡単にまとめると、最高裁まで争われた伊丹空港の騒音問題を解決するために建設されたのが関西空港。
関西空港計画時は、伊丹空港の廃止が前提でしたが、開港が近づくに連れ、これまでの言動とは全く逆に、伊丹空港存続を訴えだし、結局伊丹空港は存続することになりました。

首都圏ほどの航空需要があれば、国内・国際双方の空港があっても良いと思うのですが、それほどの需要がない近畿圏では、2つも第1種空港が存在するのは、近畿地区にとっては完全にオーバースペックなわけで、第1種空港を1つにまとめた方がよいのではないか、と思うのが第1点。

もう一つ、自分にとってはこちらの方がずっと大きい問題と思っていて、関西空港の建設のきっかけとなった伊丹空港の騒音問題で、空港撤去都市宣言まで出して、空港の撤去というのが地域の意思であった筈の伊丹空港近辺の地域で、どうしてそれを翻すように空港存続を訴え、そして存続させているのかと言う点です。
一体全体、伊丹空港の騒音問題は解決したのですか?
存続に転換したのであれば、騒音問題は解決した、と解釈して良いんですよね?
それなら、なぜに今も地元に対して騒音対策事業として税金が投入されているのですか?

こういう素朴な疑問に対し、関西地区のマスコミは、何一つ検証の番組や特集記事を作成して世に出した、という記憶は残念ながらありません。
日頃税金の無駄遣い云々といって役所を批判するマスコミ。(VOICE含む)
しかし、この騒音対策事業の無駄(執行段階での無駄ではなく、事業そのものの無駄)を徹底的に追求して欲しいのに、なぜかその声はマスコミからは皆無。

結局、伊丹近辺の住民の時代によって変化する地域エゴと、それに迎合する空港政策しか取れなかった大阪府・兵庫県・国。
ここまでなら、格好のマスコミのネタ、という気がしますが、なぜかこれらのことを批判せず、騒音問題を解決するためのスペックを備えた空港として整備された関空に対して無駄遣いだの四面楚歌だの批判する始末。

いや、無駄遣いなのは、関空ではなく、伊丹存続にかかる騒音対策事業をはじめとする諸々の負のコスト。
四面楚歌なのは、関空が原因ではなく、地域エゴでポンポン空港を作ってしまう関西地区全体、特に関空建設の直接原因となった伊丹空港の地域エゴが原因。私の意見としては、こう言いたいわけです。

どうして、関西マスコミは、面と向かって伊丹の批判が出来ないのでしょうか?
利便性が高い空港を批判することで、逆にマスコミ側が批判されるからでしょうか?
いえ、利便性は騒音問題という犠牲を伴っているという事実を突きつければ、視聴者・住民・利用者の意識は変わるかも知れません。
単に関西マスコミが大阪市内のキタに集中しているので、自らの利便性が損なわれるような批判は行いたくないからでしょうか?
それなら、マスコミの仕事として、失格としか言いようがありません。

毎日放送さん、VOICEの皆さん、一体なぜ関西3空港の問題を、伊丹空港の批判という形で取り上げられないのでしょうか?

勿論、関西空港側に努力が足りない、という面はなきにしもあらずでしょう。
しかし、関西空港という1会社では到底解決できない問題であることが、この問題を混迷化していることにあります。

ところで、この特集の最後で、橋下府知事が、こんなことを言っていました。
<大阪府・橋下徹知事>
「抜本的な解決策として、関空のあり方をどうするのか?これは、僕の9月からの大きな課題。もうそろそろ、伊丹・関空・神戸空港の問題を抜本的に考え直さないと、今のままで中途半端にみんななんとなく残して、なんとなくお金を使ってというやり方を改めないといけない。関西のことを考えて、抜本的な方向性を打ち出す。地元の責任として、もうそういう時期にきてる」

この発言が、関空「だけを」見直すのか、それとも「3空港の問題」を見直すのか、どちらなのかが気になりました。
発言をテレビで見た時は、前者のようなイメージ(それは編集された番組の流れでそう思ったのかも知れませんが)に思えましたが、文字に表してみると、後者のようにも思えたりもしました。

もちろん、私としては、後者であることを願うわけでして、そういう過程で伊丹不要論が府庁から出れば、橋下改革にもちょっとは賛同してもいいのかな、とう気もしないでもないのですが。

・・・とまあ、何とも長いエントリーで、支離滅裂な乱文で失礼致しました。
この問題を語る時には、いつもこんなモードになってしまい、読者の皆様にはご迷惑をお掛けしていると思いますが、関西3空港の問題を、過去・現在・未来という時間軸でとらえてもらうことで、現在の問題点がどんなものか、ご理解頂くための一助となれば、と思い、エントリーさせて頂きました。